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【語源で覚える】diverse|di(離れて)+ vers(回る)で「多様な」

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「ダイバーシティ(diversity・多様性)」という言葉、最近あちこちで見かけますよね。その形容詞が diverse(多様な) です。じっと見ると、頭に di がいます。

この di、実は日本語になっている「ディする」の dis と同じ仲間です。

「ディする」=相手を下げる・遠ざける・突き放す・・・そう、dis には「離れて」「遠ざける」「バラバラの方向へ」

というイメージがあります。この入り口を持っておくと、diverse の意味が丸暗記なしですっと入ってきます。

そしてこの記事のもう一人の主役が、真ん中の vers(回る・向く)。di(離れて)+ vers(向く)で「いろんな方向をバラバラに向いている」・・・これがそのまま「多様な」になります。語源が、そのまま覚え方になる単語です。

ちなみに vers(回る・めぐる)が「回る」だとわかるのは、universe(宇宙)を思い浮かべると早いです。

uni(1つ)+ vers(回る)。星々がめぐりながら、大きな全体として1つにまとまる。それが宇宙です。diverse はその逆で、みんなが別々の方を向いている状態、というわけです。

※ この記事は、姉妹編の anniversary(記念日)と同じ vers(回る)一族です。anniversary が「an(年)+vers=毎年めぐって戻ってくる日」なら、こちらは「di(離れて)+vers=いろんな方向を向く=多様」。同じ vers でも、組む相手(an と di)と話の軸がまったく違います。あわせて読むと、vers 一族が立体的になります。

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anniversary(記念日)を語源から。頭の an は a・an・one(1つ)のイメージ、芯は vers(回る・めぐる)。universe(宇宙)と同じ vers で「毎年めぐって戻ってくる日」が腑に落ちます。annual との違い、vers一族・annus一族への広げ方、翻訳練習10問つき。
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diverse を分解してイメージで覚える|di(離れて)+ vers(回る)

diverse をパーツで見ると、こうなります。

di(dis=離れて・遠ざける)+ vers(回る・向く)+ e

覚え方はシンプルです。頭の di を「ディする(dis)」と重ねてください。ディする=相手を遠ざける・突き放す。ここから di=離れて・バラバラの方向へ というイメージをつかみます。

そこに真ん中の vers(回る・向く) が合わさると、「バラバラの方向を向く」・・・つまり、みんなが同じ方を向かず、それぞれ違う方を向いている状態。それが diverse(多様な)です。

「離れて(di)、いろんな方向を向く(vers)」。この一枚の絵が、diverse をそのまま説明しています。

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diverse の基本の意味と使い方

diverse は「多様な」「種々の」を表す形容詞です。ただ数が多いのではなく、「種類・性質がいろいろで、バラエティに富んでいる」というニュアンスがあります。

  • a diverse team(多様なメンバーのチーム)
  • diverse cultures(多様な文化)
  • a diverse range of products(多様な種類の製品)

「バラバラの方向を向いている=いろんな性質が集まっている」。vers(いろんな方向へ向く)の語源を知ると、この「種類の豊かさ」という感覚が腑に落ちます。

使い分け|diverse と various

似た「いろいろな」でも、軸が少し違います。

ニュアンスイメージ
variousいくつもの・さまざまな(数・種類が複数)「何種類もある」という数の話
diverse多様な・種類に富む(違いの幅を強調)「性質がバラバラで幅広い」という質の話

various は「several different(いくつもの)」に近く、diverse は「幅広く違いがある」ことそのものを強調します。diversity(多様性)が社会のテーマ語になっているのも、この「違いの幅」を大事にする語だからです。

“vers(回る・向く)” でつながる単語ネットワーク

diverse の芯 vers/vert(回る・向きを変える/ラテン語 vertere)を知っておくと、まったく別ジャンルに見える単語が一気につながります。anniversary(毎年めぐる)とは違う、diverse ならではの「向きを変える」広がりです。

単語意味イメージ
universe宇宙uni(1つ)+vers=すべてが1つに回りまとまる
reverse逆にする、後退re(後ろへ)+vers=向きを後ろに回す
convert変換する、改宗するcon(すっかり)+vert=すっかり向きを変える
adverse逆の、不利なad(〜へ)+vers=向かってくる、逆らう
controversy論争contro(反対に)+vers=意見が反対に向き合う
version版、バージョン向きを変えて作った別の形

「vers/vert が入っていたら、たぶん”回る・向きを変える”話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。diverse は「いろんな方向へ向く」で、この vers 一族の入り口の一つです。

“di(dis=離れて)” でつながる単語ネットワーク

一方で、頭の di(dis=離れて・遠ざける・逆へ)をたどると、「離す・遠ざける・打ち消す」系の単語がまとまって見えてきます。「ディする」の感覚がそのまま効きます。

単語意味イメージ
disagree意見が合わないdis(逆へ)+agree=賛成から離れる
dislike嫌うdis(逆へ)+like=好きの反対へ
disappear消えるdis(打ち消し)+appear=現れが消える
distance距離dis(離れて)+stance(立つ)=離れて立つ
discover発見するdis(逆へ)+cover=覆いを外す
dismiss退ける、解散するdis(離れて)+miss(送る)=送り出して遠ざける

diverse は、この「di(離れて)」と「vers(向く)」が組み合わさった単語・・・そう捉えると、一語から二方向に世界が広がります。

派生語|diverse まわり

単語品詞意味発音
diverse形容詞多様な、種々のダイバース /daɪˈvɜːrs/
diversity名詞多様性ダイバーシティ /daɪˈvɜːrsəti/
diversify動詞多様化する、分散させるダイバーシファイ /daɪˈvɜːrsɪfaɪ/
diversely副詞多様に
diversification名詞多様化、分散

TOEIC・英検での出題傾向

diverse と diversity は、ビジネス文脈でよく出る実用語です。TOEIC では a diverse workforce(多様な従業員)、a diverse product line(多様な製品ライン)、diversity training(多様性研修)といった形で、社内文書や採用・研修の話題に登場します。diversify は「(事業・投資を)多様化する・分散する」の意味で経済系の長文でも見かけます。英検では2級〜準1級レベルで押さえておきたい一語です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Our small team is diverse.
  2. This city is full of diverse people.
  3. A diverse group sees what one person cannot.
  4. Your friends are diverse, and that is a gift.
  5. Diversity grows from understanding and effort.
  6. Diverse voices make the world kinder.
  7. Keep your days diverse, and you will not grow tired.
  8. A diverse forest survives the storm.
  9. We are diverse, but our hearts beat as one.
  10. The more diverse your road, the more people you understand.

語源メモ|divertere が生んだ「多様な」

diverse は、ラテン語 diversus(いろんな方向へ向いた)に由来します。もとは動詞 divertere(別々の方へ向ける)の過去分詞で、分けると dis(離れて・別々に)+ vertere(回る・向きを変える)。「バラバラの方向へ向いた」→「さまざまな・多様な」となり、フランス語を経て英語に入りました。

覚え方に使った「ディする(diss)」は、この dis と同じ接頭辞ファミリーです。ディする(=disrespect / dismiss から来た俗語)は「相手を打ち消す・遠ざける・下げる」感覚。diverse の di はその中でも「別々の方向へ・離れて」の意味合い。

厳密には〈否定・拒絶のdis〉と〈分離のdis〉でニュアンスは少し違いますが、どちらも「離れる・遠ざける」という同じ dis の家族です。ここを整理しておくと、鋭い人に聞かれても迷いません。

真ん中の vers/vert は、universe・reverse・convert・adverse・controversy・version など、たくさんの単語に共通する「回る・向きを変える」の核。diverse を入り口に、この一族へ広げていけます。

まとめ

diverse は、di(dis=離れて)+ vers(回る・向く)+ e で「いろんな方向を向く」=多様な。

  • di(dis)・・・離れて・遠ざける。「ディする」でおなじみ。disagree/distance/discover などの一族へ
  • vers(vertere)・・・回る・向きを変える。universe/reverse/convert などの一族へ
  • diverse は、その2つが組んで「バラバラの方向を向く=多様」になった単語

みんなが同じ方を向く必要はない。それぞれ違う方を向いているからこそ、全体が豊かになる。diverse は、そんな言葉です。

diverse の語源ワードマップ。中心は diverse(=いろんな方向を向く・多様)で、di(dis=離れて)+vers(回る)+e に分解。覚え方フック(di→dis「ディする」)、vers(回る・向く)一族(universe / reverse / convert / adverse / controversy / version)、di(dis=離れて)一族(disagree / dislike / disappear / distance / discover / dismiss)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:di(dis=離れて)+ vers(回る・向く)+ e =「いろんな方向を向く=多様」
  • 覚え方フック:di → dis(ディする=遠ざける・離れて)
  • vers(回る)一族:universe/reverse/convert/adverse/controversy/version
  • dis(離れて)一族:disagree/dislike/disappear/distance/discover/dismiss

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