flyerはfly+erですから、文字通り「飛ぶもの」を意味します。では、なぜこれが「チラシ」という意味になるのでしょうか。
駅前などでティッシュに入れたチラシを配っている方がいらっしゃいます。昔のチラシは、まとまった量を空に投げて飛ばして人々が取り合うように持って行ったのです。そういう意味で、チラシは「散らし」と考えることもできます。
今のようにネットなどはありませんから、重要な情報は紙の媒体しかありません。個別に配るより、空に向かって飛ばしてまく方が「なんの情報だろう」と、こぞって取り合いになったりするわけです。
日本語でも「飛ぶように売れる」という言い方をします。大谷翔平さんがまた記録を打ち立てて、新聞の号外やチラシで配られるようなことがあれば、「飛ぶようにはける」ことになるでしょう。
2024年度大学入学共通テスト(英語)既出
flyerの語源的意味
「flyer」という単語の意味を、語源的な知見をふまえてわかりやすく解説します。
「flyer」の基本的な意味
「flyer(フライヤー)」は、現代英語ではいくつかの異なる意味を持っていますが、最も一般的には「チラシ」や「フライヤー」として使われます。お店やイベントの宣伝のために配られる紙のことです。また、「飛ぶ人」や「飛行機に乗る人」という意味でも使われます。例えば、飛行機の常連客を指す「frequent flyer(フリークエント・フライヤー)」という言葉があります。
語源をたどる
「flyer」は、「fly(飛ぶ)」という動詞から派生した単語です。まず「fly」という単語の語源を見てみましょう。
- 「fly」
「fly」は古英語の「flēogan」に由来し、「空中を移動する」「飛ぶ」という意味です。この語は、ゲルマン語派に属する言語で広く使われており、空中での移動や素早い動作を表すのに使われてきました。現代英語では、鳥や昆虫、飛行機などが「空を飛ぶ」場合に使われます。
「flyer」は、「fly」という動詞から派生したもので、「飛ぶ人」や「飛行機に乗る人」、または何かを飛ばす、広めるという意味合いが発展して「チラシ」として使われるようになりました。
「flyer」の二つの意味
- チラシ(広告や宣伝の紙)
「flyer」は、お店のセールやイベントを告知するためのチラシ、宣伝の紙を指します。どうして「飛ぶ」という意味から「チラシ」になったのかというと、これは「情報が広がる」「情報が多くの人に配られる」というイメージからです。チラシがまるで空中を飛んでいくように配布され、広く知られるようになるという比喩的な意味で「flyer」と呼ばれるようになりました。 例文:
- They handed out flyers for the concert.
(彼らはコンサートのチラシを配っていた。)
- 飛行機の乗客や飛ぶもの
「flyer」はまた、飛行機に乗る人や空を飛ぶものを指すこともあります。たとえば、航空会社のマイレージプログラムでは「frequent flyer(頻繁に飛行機を利用する人)」という言葉が使われます。この場合、「flyer」は「飛ぶ人」「飛行機を使う人」という意味になります。 例文:
- He’s a frequent flyer with that airline.
(彼はその航空会社の常連客だ。)
「flyer」と「flier」
実は「flyer」には「flier」という別のスペルもあります。どちらも同じ意味で使われることが多いですが、スペルの違いは地域によって若干の差があります。「flyer」はアメリカ英語とイギリス英語の両方で一般的ですが、「flier」は特にアメリカ英語で見られることが多いです。現代では、どちらのスペルも正しいとされていますが、「flyer」が広告やチラシを指す場合により一般的です。
「flyer」に関連する単語や表現
- frequent flyer(フリークエント・フライヤー)
これは、飛行機をよく利用する人を指します。航空会社が提供するマイレージプログラムで使われる言葉です。頻繁に飛行機に乗ることで、ポイントを貯めて特典を受けることができます。 - take a flyer
これはやや古風な表現で、「一か八かの試みをする」「リスクを取る」という意味で使われます。何か新しいことに挑戦したり、大胆な決断をする際に用いられることがあります。
語源を知るメリット
「flyer」の語源を理解することで、単語の意味がどう発展してきたかを理解できます。もともとの「飛ぶ」という意味から、情報を「飛ばす」「広める」という意味に転じたことがわかります。また、他の単語との関連性も見えてきます。たとえば、「fly」の派生語として「flying(飛んでいる)」や「flight(飛行)」などもあります。これらの単語もすべて「空を移動する」という意味を基にしています。
さらに、「fly」という語根が使われている他の表現も理解しやすくなります。「on the fly」という表現は「即座に」「すぐに」という意味で使われ、何かを急いで処理するときや即興で行う場合に使われます。これも「飛ぶ」というイメージが元になっている表現です。
結論
「flyer」という単語は、もともと「飛ぶ」という意味から派生し、「飛行機に乗る人」や「広めるためのチラシ」を指すようになりました。この単語の語源を知ることで、広告や宣伝、航空に関連するさまざまな場面での使い方を深く理解することができます。また、他の関連する単語や表現を学ぶ際にも役立ち、英語の語彙力を高める助けとなるでしょう。