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就職氷河期世代が知るべき世界各国の若年層雇用問題:日本だけじゃない若者の就職難

はじめに:若者の雇用問題は世界共通の課題

日本では就職氷河期世代の問題が長年語られてきましたが、実は若者の雇用問題は日本だけの課題ではありません。

世界中の多くの国が、それぞれ異なる形で若年層の雇用問題に直面しています。

本記事では、韓国、中国、アメリカ、ヨーロッパなど、世界各国の若年層雇用問題の実態と、各国が試みている対策について詳しく解説します。

他国の事例から学ぶことで、日本の若者が直面する課題をより深く理解し、第2の就職氷河期を防ぐヒントを見つけることができるでしょう。

重要な注意点:国際比較の落とし穴

各国の失業率やNEET率を比較する際には、注意が必要です。

統計の定義や年齢範囲が国によって異なるため、単純に数字だけを比べることはできません。

たとえば、青年失業率の対象年齢は、OECDでは15〜24歳、韓国統計では15〜29歳、EU政策では29歳以下と異なります。

本記事では、こうした違いを踏まえた上で、各国の傾向や特徴を理解することを目的としています。

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韓国:深刻化する青年失業問題

就職氷河期世代が知るべき世界各国の若年層雇用問題:日本だけじゃない若者の就職難

「ヘル朝鮮」という言葉が示す絶望

韓国では、若者たちが自国を「ヘル朝鮮(地獄のような韓国)」と呼ぶことがあります。

この言葉には、厳しい競争社会と限られた雇用機会への絶望が込められています。

韓国統計庁による青年失業率(15〜29歳)は、公式には7%台とされていますが、「体感失業率」はもっと高いと指摘されています。

体感失業率とは、就職をあきらめた人や、望まない非正規雇用(期間が決まっている不安定な雇用)で働く人を含めた数字で、20%を超えるとも言われています。

原因:極端な学歴社会と大企業志向

極端な学歴競争

韓国では、ソウル大学、高麗大学、延世大学の「SKY」と呼ばれる名門大学に入ることが、良い就職への絶対条件とされています。

しかし、名門大学を卒業しても、希望する仕事に就けるとは限りません。これは日本の就職氷河期世代が経験した「高学歴でも就職できない」という状況と似ています。

大企業(財閥)への集中

韓国経済は、サムスン、現代、LGなどの大企業グループ(財閥)が支配しています。

若者の多くは、これらの大企業への就職を目指しますが、採用枠は非常に限られています。

中小企業には人材が集まらず、大企業には応募者が殺到する。この構造が、雇用のミスマッチ(企業が求める人材と求職者の希望が合わないこと)を生んでいます。

公務員試験への殺到

安定を求めて、公務員試験を受ける若者が急増しています。

何年も試験勉強に費やし、合格できずに年齢を重ねる「公試浪人(公務員試験浪人)」も社会問題になっています。

「三放世代」から「N放世代」へ

韓国の若者は、かつて「三放世代」と呼ばれました。

これは、恋愛、結婚、出産の3つを諦めた世代という意味です。

しかし今では「N放世代」という言葉が使われています。Nは「数え切れないほど多くの」という意味で、夢、希望、人間関係、マイホームなど、あらゆるものを諦めざるを得ない状況を表しています。

日本の就職氷河期世代も、結婚や出産を諦めざるを得なかった人が多くいました。

韓国の若者たちは、同じような道を辿っているように見えます。

韓国政府の対策と課題

韓国政府は、就職活動中の若者に月約5万円程度の「青年手当」を支給したり、中小企業に就職した若者の奨学金返済を支援したり、起業を目指す若者への資金提供などを行っています。

しかし、これらの対策も根本的な解決には至っていません。大企業志向や学歴偏重の文化を変えることが、長期的な課題とされています。

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中国:「寝そべり族」と競争疲れの若者たち

「寝そべり族(躺平主義)」とは何か

中国では近年、「寝そべり族(タンピン、躺平)」と呼ばれる若者たちが注目されています。

これは、激しい競争から降りて、最低限の生活で満足するという生き方を選ぶ人々のことです。

出世や結婚を目指さず、必要最低限の仕事だけをして、あとは自分の時間を大切にする。そんなライフスタイルです。

「内巻化」という競争の激化

寝そべり族が生まれた背景には、「内巻化(ネイジュアンホア、内卷)」という現象があります。

これは、過度な競争によって、努力しても報われない状況を指す言葉です。

中国では、大学入試(高考)から就職、昇進まで、人生のあらゆる場面で激しい競争があります。

しかし、どれだけ努力しても、ライバルも同じように努力するため、相対的な位置は変わらない。

この「終わりのない競争」に疲れ果てた若者が、寝そべりを選ぶのです。

若年層失業率の実態と統計の変更

中国の16〜24歳都市部失業率は、2023年に一時20%を超え、政府が統計の発表を停止するという異例の事態になりました。

重要な点として、2023年末から統計方法が変更され、「在学中の学生を除外」する新しい計算方法で発表されるようになりました。

そのため、2023年以前の数値と新しい数値は単純に比較できません。

2024年の新方式による失業率は15%台で推移していますが、依然として高い水準にあります。

特に深刻なのは、大学卒業生の就職難です。

中国では毎年1000万人以上の大学生が卒業しますが、彼らが希望するような高収入で安定した仕事は限られています。

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原因:経済成長の鈍化と学歴インフレーション

中国経済は長年、高度成長を続けてきましたが、近年は成長率が鈍化しています。

不動産バブルの崩壊、人口減少の始まり、米中対立による輸出の減少などが影響しています。

また、大学進学率が急上昇した結果、大卒者が増えすぎて、大学を出ただけでは良い仕事に就けなくなりました。

これを「学歴インフレーション(学歴の価値が下がること)」と言います。日本の就職氷河期も、バブル崩壊後に似た現象が起きました。

中国政府の対応と限界

中国政府は、寝そべり族を「社会主義の価値観に反する」として批判しています。

一方で、企業が若者を採用すると税制優遇や補助金が受けられる制度、職業訓練の強化、起業支援などを実施しています。

しかし、これらの対策も根本的な解決にはなっていません。

若者たちの「努力しても報われない」という感覚を変えることは容易ではありません。

アメリカ:Z世代の就職観と学生ローン問題

Z世代の価値観の変化

アメリカのZ世代(1990年代後半から2010年代前半生まれ)は、前の世代とは異なる就職観を持っています。

長時間労働を良しとせず、仕事とプライベートのバランス(ワークライフバランス)を重視します。

「静かな退職(Quiet Quitting)」という言葉が流行したように、最低限の仕事だけをして、それ以上は頑張らないという姿勢を取る若者も増えています。

また、給料の高さだけでなく、企業が環境問題や社会問題にどう取り組んでいるかを重視し、一つの会社に長く勤めるという考え方は薄く、より良い条件があれば積極的に転職します。

学生ローン問題の深刻化

アメリカの若者が直面している大きな問題の一つが、学生ローン(奨学金)です。

アメリカの大学は学費が非常に高く、多くの学生が多額のローンを借りて大学に通います。

卒業時点で平均約400万円から500万円の借金を抱えるとされています。

高い利息と合わせて、この借金を返済するのは容易ではありません。

この状況は、日本の奨学金問題と似ています。

日本でも、奨学金を返済できずに苦しむ若者が増えており、特に就職氷河期世代の中には、今でも返済に苦労している人がいます。

雇用市場の二極化

アメリカの雇用市場は、二極化が進んでいます。

IT、金融、コンサルティングなどの高スキル職は、高い給料と良い待遇を提供していますが、製造業やサービス業などの低スキル職は、給料が低く、雇用も不安定です。

かつて中間層を支えていた事務職や中級管理職などが、AIや自動化によって減少しており、「高収入か低収入か」という二択になりつつあります。

若年失業率と季節要因

米国労働統計局(BLS)による16〜24歳の若年失業率は、2025年7月時点で10.8%でした。

重要な点として、アメリカの若年失業率は7月に季節的に上昇しやすいという特徴があります。

これは、学生が夏休みに求職活動をするため、労働力人口が一時的に増えるからです。

アメリカ政府の対策

バイデン政権は、一定の条件を満たす借り手の学生ローンを免除する政策を試みましたが、法的な争いもあり、実現は容易ではありません。

また、大学に行かなくても技術を身につけられる職業訓練プログラムの拡充や、一部の州での最低賃金の引き上げなども行われています。

ヨーロッパ:NEET問題と若年層支援

NEETとは何か

NEET(ニート)とは、「Not in Education, Employment or Training」の略で、学校にも通わず、仕事もせず、職業訓練も受けていない若者のことを指します。

失業率とNEET率は異なる概念です。失業率は「働く意思があって仕事を探している人の割合(労働力人口に対する比率)」ですが、NEET率は「若者全体の人口に対する、就業も教育も訓練も受けていない人の割合」を示します。

年齢範囲はOECDでは15〜24歳または15〜29歳と定義されています。

ヨーロッパのNEET問題

ヨーロッパでは、国によって状況が大きく異なります。

イタリア、スペイン、ギリシャなどの南欧諸国では、若年層のNEET率が特に高く、イタリアでは15〜29歳の約20%以上がNEETとされています。

これらの国では、2008年のリーマンショック後の経済危機から完全には回復しておらず、若者向けの雇用が不足しています。

一方、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどの北欧諸国では、NEET率は比較的低く抑えられています。これは、充実した教育制度と雇用支援策によるものです。

「若者保証(Reinforced Youth Guarantee)」

EU(ヨーロッパ連合)は、「若者保証」という制度を導入しています。

これは、29歳以下の若者が失業または教育を終了してから4ヶ月以内に、質の高い仕事、職業訓練、見習い研修、または継続教育の機会を提供するという制度です。

EUの加盟国は、この枠組みに沿って、それぞれの国で支援策を実施しています。

重要な点は、この政策が失業者だけでなく、NEETの若者(就業も教育も訓練も受けていない人)も支援対象としていることです。

単に失業率を下げるだけでなく、社会から孤立しがちな若者を包括的に支援する仕組みになっています。

成功事例:ドイツのデュアルシステム

ドイツの若年失業率は、ヨーロッパの中でも低い水準を保っています。

その理由の一つが、「デュアルシステム(二元制職業訓練)」の成功です。

これは、企業での実習と職業学校での理論学習を組み合わせた職業訓練制度で、ドイツやスイスで発達しました。

約15歳から18歳の若者の半数以上が、デュアルシステムを選択します。

週に数日は企業で実習し、残りの日は職業学校で学びます。

期間は2年から3年半です。実践的なスキルが身につき、企業のニーズに合った人材が育ち、給料をもらいながら学べるため、就職率は90%以上と非常に高くなっています。

各国の比較から見える共通の課題

共通する課題

教育と雇用のミスマッチ

多くの国で、大学を卒業しても希望する仕事に就けないという問題が起きています。教育システムが、実際の雇用市場のニーズに合っていないのです。

経済的格差の拡大

良い仕事に就ける若者と、不安定な雇用に甘んじる若者の差が広がっています。親の経済力によって、子どもの将来が左右される傾向が強まっています。

メンタルヘルス(心の健康)の問題

就職の不安や経済的なプレッシャーによって、若者のメンタルヘルスが悪化しています。うつ病や不安障害に悩む若者が増えています。

社会参加への意欲低下

「頑張っても報われない」という感覚が広がり、社会参加への意欲を失う若者が増えています。

成功している国の共通点

教育と雇用の連携

ドイツのデュアルシステムのように、教育機関と企業が密接に連携し、実践的なスキルを身につけられる仕組みがあります。

包括的な支援システム

北欧諸国やEUの若者保証のように、失業した若者や社会参加していない若者を放置せず、早期に支援の手を差し伸べるシステムがあります。

失敗してもやり直せる社会

失業保険や職業訓練が充実しており、一度の失敗で人生が終わらない社会になっています。

まとめ:世界の経験から学び、日本の未来を考える

世界各国の若年層雇用問題を見てきました。それぞれの国が異なる課題を抱えながらも、共通するテーマが浮かび上がりました。

統計を比較する際の注意点

本記事で紹介した各国のデータは、年齢範囲や定義が異なります。

OECDの青年失業率は15〜24歳、韓国統計は15〜29歳、EUの若者保証は29歳以下が対象です。

また、中国の若年失業率は2023年末から計算方法が変わり、在学中の学生を除外した新方式になっているため、過去のデータと単純比較できません。

アメリカの若年失業率(16〜24歳)は7月に季節的に上昇しやすいという特徴もあります。

日本の若者へのメッセージ

日本の就職氷河期世代が経験した苦しみは、決して日本だけの問題ではありませんでした。

しかし、他国の成功事例を学ぶことで、同じ過ちを繰り返さないための道筋が見えてきます。

実践的なスキルを身につけ、柔軟なキャリア観を持ち、利用できる支援制度を活用してください。

そして何より、希望を失わないでください。世界中の若者が、それぞれの形で困難に立ち向かっています。あなたは一人ではありません。

社会全体の責任

若者の雇用問題は、個人の問題ではなく、社会全体の問題です。

教育システムの改革、企業の採用方針の見直し、政府の支援策の充実など、社会全体で取り組むべき課題です。

就職氷河期世代の教訓を活かし、第2の就職氷河期を生まない社会を作ることが、私たちの責任です。

関連リンク

参考情報

本記事では、以下の信頼できる情報源を参考に、世界各国の若年層雇用問題について分析しました。

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