プライオリティー(priority)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「優先」という意味です。priorityをパーツに分けると、prior+ityとなります。priorはこのpriorityと語源的には同じなのです。priorityが「優先」という意味ですから、priorは「前の」「優先する」という意味になります。
priorの派生語
単語 | 意味 | 発音 |
---|---|---|
prior | 前の、優先する | プライアー |
priority | 優先順位、優先事項 | プライオリティ |
prioritize | 優先順位をつける、優先する | プライオリタイズ |
priorly | 以前に、前に | プライアーリー |
priori (a priori) | 経験に基づかず、先験的に | アプライオリ |
posteriori (a posteriori) | 経験に基づいて、後天的に | アポステリアイ |
priorityの派生語
単語 | 意味 | 発音 |
---|---|---|
priority | 優先順位、優先事項 | プライオリティ |
prioritize | 優先順位をつける、優先する | プライオリタイズ |
prioritization | 優先順位付け | プライオリタイゼーション |
prioritized | 優先された | プライオリタイズド |
unprioritized | 優先順位が付けられていない | アンプライオリタイズド |
deprioritize | 優先度を下げる | デプライオリタイズ |
deprioritization | 優先度を下げること | デプライオリタイゼーション |
prioritizing | 優先順位を付けている(進行形) | プライオリタイジング |
priorの語源的意味
英語の「prior(以前の、前の)」は、ラテン語を起源とする単語で、「順序や時間において前に位置するもの」という意味を持ちます。その語源を詳しく説明していきます。
1. 語源:ラテン語「prior」
- 「prior」という単語は直接ラテン語の 「prior」 に由来します。
- ラテン語の 「prior」 は「前の」「より前の」「より重要な」という意味を持ちます。
- これ自体はラテン語の比較級の形で、「primus(最初の)」 から派生しています。
- 「primus」 は「第一」や「最も先にあるもの」を意味します。
構成要素
- pri-:これは「最初」「前方」を表す語根です。たとえば「primary(主要な、第一の)」や「prime(主要な、最重要な)」にも見られます。
- -or:形容詞の語尾で、特定の性質を持つことを示します。
2. 時間的・空間的な「前」
ラテン語では、「prior」は単に順序を示すだけでなく、時間的な先行性も意味しました。これが英語に引き継がれ、次のような使い方が一般的になりました。
- 時間的な「前」:何かが他の出来事より先に起こる(例:prior to the meeting=会議の前に)。
- 重要性の「前」:何かが他のものよりも優先される(例:prior consideration=優先事項)。
3. 英語での進化
英語において「prior」は、次のように2つの主要な意味で使われています。
- 形容詞
- 「以前の」「先の」という意味。
- 例:I had no prior knowledge of this.(事前にこのことを知らなかった。)
- 「以前の」「先の」という意味。
- 名詞
- 修道院や宗教組織で「副修道院長」を指す(これはラテン語で「前に立つ人」という意味から派生)。
4. 関連語とのつながり
「prior」と同じ語根を持つ関連語を見てみると、その意味の広がりがよくわかります。
- prime:主要な、第一の
- primary:主な、基本的な
- primitive:原始的な(「初期の」という意味)
- priority:優先順位(「何かを前に置くこと」という意味)
これらの単語も、すべて「前」「最初」という概念を共有しています。
6. 結論
「prior」の語源はラテン語の「prior(前の、重要な)」に由来し、英語においては「時間的な先行性」や「重要性」という意味で使われるようになりました。その背景には「順序」「時間」「優先順位」といった概念が深く根付いており、関連語を通じてもそのつながりを感じることができます。