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【語源で覚える】synchronize|シンクロやスマホの同期と同じ?「時間を合わせる」言葉の正体

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「クラウドとスマホの写真データを synchronize(同期)させる」

「作戦開始前に、全員の時計を synchronize(時間を合わせる)」

「二人の動きが完璧にシンクロ(synchronize)している」

スマホやPCの「データ同期(Sync)」から、旧シンクロナイズドスイミング、ビジネスの業務調整まで、現代社会のあちこちで使われている synchronize(スィンクロナイズ)。「同期させる」「同時に起こる」「時間を一致させる」という意味を持つ重要基本動詞です。

実はこの単語、古代ギリシャ語の「時間」にまつわる超重要ワードからできています。パーツを分解すると、なぜ日常語として「シンクロする」が自然に定着しているのか、その理由がすっと見えてきます。

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synchronize を分解してイメージで覚える

synchronize を語源のパーツに分解すると、こうなります。

syn-(一緒に・共に)+ chron-(時間)+ -ize(〜にする)

語源の核にあるのは、ギリシャ語 chronos(クロノス:時間) です。

syn- は「ひとつに合わせる・共にする」を表すギリシャ語の接頭辞。後ろに p・b・m が来るときは sym- に変化しますが(sympathy、symphony)、c や k の前では syn- の形をそのまま保ちます。

chron- は英語で「時間」を扱う言葉の源です。腕時計のクロノグラフ(chronograph)、年代記のクロノロジー(chronology)、慢性の chronic・・・どれも「時間」がテーマです。

この2つが合わさった syn + chron + -ize は、文字通り「異なるものの時間(chron)を、ぴったり一緒(syn)に合わせる(-ize)」。

映画のフィルム映像と声優の声をコンマ1秒の狂いもなく合わせる(リップシンク)。スマホで撮った写真を、一瞬で自宅のパソコンと同じ状態にする。まさに「時間をひとつに重ね合わせること」が、synchronize の本質です。

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synchronize の基本の意味と使い方

synchronize は「同期させる」「同時に起こる」「時間を一致させる」を表す動詞です。

  • synchronize your devices(デバイスを同期させる)
  • synchronize watches(時計を合わせる)
  • Their movements were perfectly synchronized.(二人の動きは完璧にシンクロしていた)

「同じ時間に揃える」というコアイメージを持っておくと、どの文脈でもぶれません。

現代のビジネス・IT必須対比|sync vs async

synchronize から派生した synchronous / asynchronous の対比は、リモートワーク時代の必須概念です。

意味例
synchronous(同期の)発信者と受信者が「同じ時間」を共有Zoomミーティング・電話・対面
asynchronous(非同期の)「同じ時間に縛られず」各自のタイミングでメール・Slack・録画講義

否定の a-(〜のない)が synchronous につくと asynchronous。「時間を合わせない」コミュニケーションです。

  • We need to communicate asynchronously to respect different time zones.(時差を考慮して、非同期でやり取りする必要がある。)

「時間を合わせる(sync)」と「時間を合わせない(async)」。この2つはグローバルビジネスの基本教養になっています。

“chron-(時間)” でつながる単語ネットワーク

ギリシャ語 chronos(時間)を共有する仲間たちです。

単語意味イメージ
synchronize同期させるsyn(共に)+ chron(時間)+ ize=時間を一緒に合わせる
synchronous同期の・同時の時間が一致しているような
asynchronous非同期のa-(否定)+ synchronous=時間が一致していない
chronographストップウォッチ付き時計chron(時間)+ graph(記す)=時間を記録するもの
chronometer高精度時計chron(時間)+ meter(計る)=時間を精密に測る計器
chronology年表・年代記・時系列chron(時間)+ logy(記録)=時間の順序に従った記録
chronic慢性の・長期にわたる長い時間をかけて続くような
anachronism時代錯誤・アナクロana-(逆行)+ chron=時代から外れて狂っていること

「アナクロ」という日本語がありますが、あれは anachronism(アナクロニズム:時代錯誤) の略。「時間(chron)から逆行している(ana-)」という、同じ仲間です。

派生語|synchronize まわり

単語品詞意味発音
synchronize動詞同期させる・同時に起こるスィンクロナイズ /ˈsɪŋkrənaɪz/
synchronization名詞同期・タイミングの一致(略称:Sync)スィンクロナイゼイション /ˌsɪŋkrənəˈzeɪʃən/
synchronous形容詞同期の・同時に起こるスィンクロナス /ˈsɪŋkrənəs/
asynchronous形容詞非同期の(IT・通信用語)エイスィンクロナス /eɪˈsɪŋkrənəs/
in chronological order熟語時系列順に・年代順にイン・クロノロジカル・オーダー

発音のポイント:アクセントは先頭の syn-(スィ) に。「シンクロ」と伸ばさず、「スィン・クロ・ナイズ」と発音します。

TOEIC・英検での出題傾向

TOEIC L&R では Part 7(読解)の社内ITシステム案内や手順書で頻出します。

  • Please synchronize your devices with the company server.(社内サーバーと端末を同期してください。)
  • Events are listed in chronological order.(イベントは時系列順に記載されています。)

特に in chronological order は Part 7 の最重要フレーズのひとつ。英検準1級〜1級では、体内時計の同期(synchronizing the circadian rhythm with sunlight)や慢性疾患(chronic diseases)を扱う長文で登場します。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。解答は記事の最後にまとめてあります。

  1. Please synchronize your watch before the meeting.
  2. The two swimmers synchronized their movements perfectly.
  3. Her phone automatically synchronizes with the cloud every night.
  4. You can synchronize work and life if you set clear boundaries.
  5. The team failed because they could not synchronize their efforts.
  6. All clocks in the building were synchronized to the same time.
  7. He preferred asynchronous communication to avoid time zone stress.
  8. The report lists all events in chronological order.
  9. Chronic stress can affect your ability to synchronize with others.
  10. When you synchronize your steps with someone, the walk feels easier.

語源メモ|「時間を重ね合わせる」という協調の知恵

synchronize は、ギリシャ語 syn-(共に・一緒に) と khrónos(時間) を組み合わせた synchronos に、動詞語尾 -ize が加わった形です。ラテン語を経由せず、ギリシャ語から直接英語に入った珍しい経路をたどっています。

また、sym- と syn- は同じ接頭辞の変形です。後ろに続く音によって形が変わるだけで(sympathy の sym-、synchronize の syn-)、「共に・一緒に」という意味は変わりません。

なお、シンバル(cymbal)は「2枚を一緒に合わせる」というイメージから syn- の仲間に見えますが、語源はギリシャ語 kymbalon(椀型の器)で別ルートです。混同しやすいので注意。

古代の戦士たちがドラムの合図で歩調を合わせ、船乗りたちが掛け声を揃えてオールを漕いだように、人々は「時間を共にする(syn-chronos)」ことで、一人では成し遂げられない力を生み出してきました。オーケストラの指揮棒から宇宙ロケットの発射カウントダウン、世界中で同時に結ばれるオンライン会議まで・・・synchronize という言葉の奥には、それぞれ異なるリズムで生きる私たちが、時間を分かち合い、歩調を合わせようとする協調の知恵が息づいています。

まとめ

synchronize は、syn-(共に)+ chron-(時間)+ -ize で「時間を一緒にする=同期する・同時に起こる」。

  • syn-(共に)・・・sympathy・symphony などの sym- と同じ接頭辞
  • chron-(時間)・・・chronograph・chronology・chronic・anachronism などの一族
  • synchronous vs asynchronous・・・現代のビジネス・ITで必須の対比
  • in chronological order・・・TOEIC Part 7 最重要フレーズのひとつ

スマホの Sync も、リップシンクも、旧シンクロナイズドスイミングも、ぜんぶここから来ています。

synchronize の語源ワードマップ。中心は synchronize(=時間を一緒にする・同期する・同時に起こる)で、syn-(共に)+ chron-(時間)+ -ize(動詞語尾)に分解。日常カタカナ語(シンクロ/スマホの Sync/リップシンク)、chron- 一族(chronograph/chronometer/chronology/chronic/anachronism)、通信・ビジネス対比(synchronous=Zoom・対面 vs asynchronous=メール・チャット)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:syn-(共に)+ chron-(時間)+ -ize=「時間を一緒にする」
  • 日常カタカナ語:シンクロ/スマホの Sync(データ同期)/リップシンク
  • chron- 一族(時間の仲間):chronograph/chronometer/chronology/chronic/anachronism
  • 通信・ビジネス対比:synchronous(同期:Zoom・対面)vs asynchronous(非同期:メール・チャット)

関連記事(内部リンク)

  • 【ピラー】英単語の語源・パーツ分解全リスト → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/
  • sympathy の語源(sym-「共に」+ pathos「感情」) → (近日中に公開)
  • chronic・anachronism の語源まとめ → (近日中に公開)

翻訳練習の解答

  1. 会議の前に時計を合わせておいてください。
  2. 2人のスイマーは、動きを完璧に同期させた。
  3. 彼女のスマホは、毎晩自動的にクラウドと同期する。
  4. 境界線をはっきり引けば、仕事と生活をうまく同期させることができる。
  5. チームは力をひとつに合わせることができず、失敗した。
  6. ビル内の時計はすべて、同じ時刻に同期された。
  7. 彼は時差のストレスを避けるため、非同期のやり取りを好んだ。
  8. レポートには、すべての出来事が時系列順に記載されている。
  9. 慢性的なストレスは、他者と呼吸を合わせる力に影響することがある。
  10. 誰かと歩調を合わせると、歩くのが楽に感じられる。