元中学校教諭、不登校の子の親だった経験をふまえ、不登校の子をお持ちの保護者の方々に情報をご提供したいと思い執筆に至りました。
息子は小学校高学年から中学校卒業まで不登校でしたが、第一志望の高校に入学。国立大学卒業後、立派に社会人として活躍しています。そこには、ある家庭教師との出会いがありました。
不登校のお子さんをお持ちの保護者の方には、いろいろと心配や不安がつきまとうもの。このブログでは、学力、将来的に社会に適応できるかといった問題を考えながら、家庭教師との出会いがお子さんの将来を切り開くかもしれないことについて触れたいと思います。
不登校の人のニートになる確率、割合は? 原因と対策
不登校の子をお持ちの保護者の方は、「将来就職して社会でやっていけるのだろうか」という不安がおありかと思います。
不登校を経験した若者が将来的にニート(就労や就学、職業訓練に従事していない状態)になる割合については、日本において注目されている社会課題の一つです。不登校経験とニート化の関連性は様々な研究で指摘されていますが、主な傾向としては以下のような点が見られます。
- 不登校経験者のニート率の高さ:文部科学省や厚生労働省の調査では、不登校経験がある若者のうち、特に高校を卒業していない人や中退した人において、就職活動がうまくいかずにニート化する割合が高いことがわかっています。これは、社会との接点が少なく、就業意欲が低下しがちであるためと考えられています。
- 中卒・高卒未満の若者の就職困難:不登校の結果、中学卒業後に高校に進学しないケースや、高校を中退するケースも多く、その場合、学歴や社会経験が限られるため、就職先が見つかりにくく、ニート化のリスクが高まります。
- サポート不足と社会適応の課題:不登校経験者にとって、就労・学習支援が必要であるにもかかわらず、適切なサポートにアクセスできないケースもあります。このため、社会適応がうまく進まず、引きこもりや無業状態が続くことがあります。
- 具体的な割合:最新のデータでは、不登校経験者がその後、ニート状態に陥る割合が一般層よりも数倍高いとされています。ある調査では、不登校経験者の約30%がニートになるとの報告もありますが、正確な割合は時期や調査対象によって異なることもあります。
また、ニート化を防ぐために、教育機関や地域社会での早期サポート、メンタルヘルスケア、そして将来のキャリア形成を支援する取り組みが重要視されています。
ここでわかるのは、不登校の時期には、家族以外に社会との接点がないということが将来に影響を及ぼすということです。私も実際不登校の親になってみてわかったことがあります。日本では学校に行かなくなると、社会的な居場所がほとんどなくなるということでした。
私は不登校でも日常の生活を楽しんでほしいとわが子に望んでいましたが、世の中甘いものではありませんでした。学校の友人関係の目、先生の目、ご近所や親戚の目。いろいろな目にさらされるのではないかという不安から、子どもは外出の機会すら奪われることを知ったのです。
それでも家族以外の人との接点をなんとか作らねば。そう思い、家庭教師を探すことにしました。
不登校の親が最も心配なことは?
不登校の子どもを持つ親が抱える心配としては、特に子どもの将来や生活の安定についての不安が大きいことが調査から分かっています。
学力と学歴
まず、不登校経験が進路に及ぼす影響があると考える親は多く、実際に希望する進路を歩めなかった不登校経験者の割合は54.3%と報告されています。さらに、このうちの76.5%が「不登校が少なからず影響した」と回答しており、親としても将来への懸念が強まる要因といえます
将来的に社会に適応できるのか
また、子どもの自己肯定感の低下やコミュニケーション力の問題も親の大きな心配事です。不登校経験者の中には、引きこもりや無気力に陥ることもあり、コミュニケーション能力の低下を感じるケースが多くあります。そのため、社会生活や就労時の適応に不安を感じる親が多いのが実情です。
こうした親の心配を軽減するためには、信頼できるカウンセラーや支援機関とのつながり、また子どもが将来を見据えた夢や希望を持てるサポートが重要視されています。
【将来真っ暗じゃない!】不登校生徒のその後を統計・実体験から解説! | 親子関係,不登校のメリットも
不登校傾向にある子どもの実態調査
学校以外にもある将来の切り開き方 不登校は惨めじゃない!
こうした状況をもたらす根本的な原因は、やはり学力問題ではないでしょうか。逆に学力をしっかり付けておけば、学校に行かないことはメリットになることすらあります。
私は埼玉県に在住しており、内申書不要、学力試験のみの県立高校を受験しました。埼玉以外にも神奈川なども同様の制度がある都道府県がありますので、調べてみてはいかがでしょうか。
令和7年度入学者選抜実施要項・入学者選抜要領
不登校の生徒などを対象とした特別な選抜
私がわが子の不登校をあまり悲観しなくなったのは、こうした制度があることを知っていたためです。また、多くの私立高校は少子化で定員割れや定員割れ寸前のところが多いため、内申書はほとんど参考にしないところもあります。たとえば、高校受験の模擬テストの結果を持参して相談してみるのもよいかもしれません。
その他にも大検というのがあります。「高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)」
高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定:文部科学省ホームページ)
高校を卒業していなくても、大学受験の資格が得られる制度です。私はこれも知っていたので、わが子には「なんだったら、高校も行かなくても大丈夫。大きな大学にさえ行けば将来なんとかなる」と言っておりました。わが子はそんな親の変なアドバイスもあって安心したようです。
不登校になりやすいタイプは?
これまでの経験上、不登校になりやすいタイプというのは存在しないと思っています。誰でもなる可能性があるということです。それでも、傾向としてあるとすれば・・・
- いじめの対象になりやすい子
やさしい子、穏やかな子など、性格がよい子ほど、いじめの対象になりやすい場合があります。 - 能力が高く学校になじめない子
ギフテッドと言われたりします。また、精神的に大人で、周囲が子どもに見えたり、議論が好きな子は「理屈っぽい」と嫌われたりします。実は私も幼い頃そうでしたし、わが子も同様でした。 - 自律神経のバランスが十分とれていない、なんらかの疾患がある子
乗り物に酔いやすい、天候によりうつ状態になりやすい、起立性調節障害他たくさんあります - 発達障害やグレーゾーンの子
子どもが学校に適応できないのではなく、学校という場が子どもに適していないという考え方もできるのです。不登校は実は子どものせいではないとも言えます。
学校に行けない子は学力が低いというべきではなく、教わっていないのだからできなくて当然なのです。私の経験では、不登校の子ほど、やる気を出すと親が驚くほどの力を発揮することが多いです。わが子も、家庭教師の先生と出会い、それがきっかけで塾に行けるようになりました。「学校より塾の方が断然効率がいいや!」と申しておりました。
教員をしている私ですが、親が子どもに勉強を教えるというのは、感情的に至難の業です。第三者に頼るのが一番だと職業柄思います(笑)。うちの場合、それが家庭教師の先生でした。
英語の学力を伸ばすには・・・
現在私は大学で英語を教えています。中学校でも英語を教えた経験から言えるのは、英語学力の差は早い時期につきやすいということです。特にアルファベットを習い、つづりを書く段階でかなりの確率で英語嫌いが増えます。日本語とは文字も音も体系が違うので当然のことなのです。
しかし、現在の学校では、音声指導やつづりの指導を個別にしてもらえるようにはなっておらず、学力差は卒業まで解消されません。
逆に言えば、個別指導でしっかり基礎を教われば、学校で習うより英語ができるようになる可能性があるわけです。
音声指導は早ければ早いほどよいことが知られています。大学生に音声指導をしていると、留学経験のある学生、小学校で英語を学んだ経験のある学生はすぐわかります。早い時期に、音声とつづりの指導を受け、十分力を付ければ、その後はどんな指導を受けても伸びていくものなのです。
また、音声面の能力は、学力差が付きにくいとも言われます。実際大学で英語の勉強が全然できない学生に、しっかりと音声指導をすると、海外のニュース番組も教材にできるほとになります。それも短期間で。
お子さんがいやでなければ、家庭教師の先生との交流で、勉強が好きになる可能性があります。そして勉強が好きになれば、高校進学の可能性は大きく広がりますし、もし高校に行かなくとも大学進学の可能性も広がるのです。
わが子を救った「家庭教師のグッド」
息子が学校には行けなかったのに、塾に行けるようになったのは、家庭教師の先生との出会いでした。わが子は議論が好きだったので、いろいろと質問をし、家庭教師の先生とのやりとりが楽しくて仕方なかったようです。塾へ通ってもそれは変わらず、夜遅くまで塾の先生を質問攻めにしていたようです。
わが子と家庭教師の先生とのつながりは、勉強面だけではなく、家族以外の人とのコミュニケーション能力を伸ばすことにもつながったと考えています。あの時期がなければ、塾に行くこともなく、高校進学もできなかったかもしれません。
ただし、お子さんによっては向き不向きがあるかもしれません。お子さんが望むのであれば、体験授業を受けてみるのもいいかもしれません。
「家庭教師のグッド」の概要
家庭教師の「グッド」は、主に勉強が苦手な子ども向けに特化した家庭教師サービスです。2007年に設立され、関西、北陸、信越、北海道など幅広いエリアで家庭教師を派遣しています。特徴的なのは、「勉強が楽しい」と感じさせる指導スタイルで、特にやる気を引き出すことを重視しています。
「グッド」では、個別の進度や学力に合わせた指導を行い、子どもが自信を持てるよう工夫されています。また、LINEを通じた動画解説やオンラインの指導報告書を活用するなど、家庭との連携も充実しています。
このサービスは、不登校の子どもにも対応しており、子ども一人ひとりに適した学びの環境を提供することで、成績向上だけでなく、自己肯定感の向上にも貢献しています。子どもの学力は「やる気」に大きく左右されます。
私が過去に、中学・高校・大学生を対象に取ったアンケートを分析したところ、「ある教科が好き」には次の3段階があることがわかりました。
- その教科を教えてくれる先生が好きになる
- その教科を教えてくれる先生の授業が好きになる
- その教科が好きになる
アドバイザーとよく相談をして、お子さんに合う先生と出会うことができれば、勉強が好きになるのも早いかと思います。
有料の教材を勧められますが、お子さんの理解度によっては一定期間に教材全部が終わらないという口コミもあるようです。無料体験授業と保護者の方への説明で、じっくり検討されるとよいと思います。
不登校でやり場のない悩みを抱えている保護者の皆さんに、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。