まず、結論から
お子さんの受験のために、英検や資格を「取らせておこう」と考える親御さんは多いと思います。実際、英検などの資格は、高校受験でも大学受験でも、有利に働くことがあります。だから、その方向は間違っていません。
ただ・・・長く大学で学生を迎えてきた側から正直に言うと、効くのは「たくさん持っていること」ではありませんでした。効くのは、志望先に合った、効くものを絞れているかどうかです。
まじめなご家庭ほど「あれも、これも」と積み増して、お子さんもご家族も疲れてしまう。そこがいちばん、もったいないところなんです。
この記事では、資格を「増やす」のではなく「絞る」という考え方を、受け入れる側の視点からお話しします。
| つい、やってしまいがち | 受け入れ側が見ているのは |
|---|---|
| 級や資格の数を増やす | 志望先で実際に効くものを持っているか |
| とりあえず早めに取らせる | 目標から逆算して必要なものを選べているか |
| 「持っていれば安心」で集める | 一つひとつがちゃんと武器になっているか |
英検・資格は、受験で「有利になることがある」
まず、事実から整理します。
英検をはじめとする資格は、高校受験でも大学受験でも、優遇の仕組みが用意されていることがあります。ある級を持っていると出願の条件を満たせたり、点数として加算されたり、その科目の試験が免除されたり・・・こうした扱いは、実際に存在します。だから「資格は受験に関係ない」というのは誤解で、うまく使えば確かな強みになります。
ただし、ここが大事なところなのですが・・・その扱いは、学校・自治体・大学によって本当にばらばらです。同じ級でも、大きく評価してくれるところもあれば、まったく関係ないところもある。
「英検を持っていれば、どこでも有利」ではないんです。だからこそ、次のような「絞る」発想が要ります。
でも「たくさん持つ」は、逆効果になりやすい
ここは、受け入れる側にいて何度も感じてきたことです。
資格をたくさん持っている子が、そのぶん評価されるかというと・・・そうではありませんでした。むしろ、数を追ううちに一つひとつが浅くなり、「結局どれも中途半端」になってしまう子を、よく見かけます。まじめなお子さんほど、この落とし穴にはまりやすい。親御さんの「持たせておけば安心」という気持ちが、知らないうちにお子さんの負担になっていることがあるんです。
受け入れる側が見ているのは、資格の「数」ではありません。その子が、目標から逆算して必要なものを選び、それをちゃんと自分の武器にできているかです。言いかえれば、資格の一覧そのものより、「なぜそれを選んだのか」という筋の通り方のほうを見ています。
だから、資格は増やす対象ではなく、絞る対象です。
受験で「効く資格」の絞り方
では、どう絞ればいいのか。順序はシンプルです。

先に、志望先を確かめる。
これが出発点です。行きたい学校・大学が、どの資格を、どのレベルで、どう評価しているか。出願条件なのか、加点なのか、免除なのか。これを知らずに資格を選ぶのは、地図を見ずに歩き出すのと同じです。多くの場合、答えは学校や大学が公表している募集要項・入試要項に書いてあります。まずそこを見る。
次に、そこから逆算する。
たとえば英語の資格なら、「とにかく上の級を」ではなく、志望先が求めるレベルはどこかを見て、そこに必要な級を目標に据える。志望先が2級で優遇するなら、まずは2級を確実に。準1級が本当に効く相手なのかは、要項を見てから判断すればいい。要るレベルを超えて上へ上へと積むより、要るものを確実に取るほうが、時間もお金も生きます。
このあたりの「どの県・どの大学が、どの資格をどう評価するか」という具体は、数が多く、年度によっても変わります。別記事にまとめていく予定ですので、志望先を絞る材料としてあわせてご覧ください。
👉 〔関連記事〕高校・大学受験で有利になる資格一覧(近日中に公開)
👉 〔関連記事〕英検優遇の地域別・大学別まとめ(近日中に公開)
「就職に有利」な資格は、もっと絞られる
もう一段、先の話もしておきます。受験のさらに先、就職についてです。
大学で学生と接していると、「資格を取れば就職に有利ですか?」と、本当によく聞かれます。その気持ちはよく分かります。
でも、採用する側・受け入れる側から見ての正直なところを言うと・・・「たくさん持っているから有利」ということは、ほとんどありません。
むしろ、志望と関係のない資格をいくつも並べても、「なぜこれを取ったのか」が見えないと、評価にはつながりにくい。
効くのは、進みたい方向とつながっている資格を、理由を持って取っていることです。
数ではなく、筋。ここでも「絞る」が正解なんです。この視点は、実はお子さんが小さいうちから持っておくと、資格との付き合い方そのものが変わってきます。受験のためだけでなく、その先の何年かにも効いてくる考え方だと思います。
まとめ|親ができるのは「情報を集めて、一緒に絞る」こと
英検や資格は、受験で有利になることがあります。でも、効くのは数ではなく、志望先に合ったものを絞れているかどうか。ここまで、そうお話ししてきました。
では、親には何ができるか・・・。お子さんに代わって勉強することではありません。志望先が何を求めているかの情報を集め、お子さんと一緒に「どれを取るか」を絞る。この作業を支えることこそ、親にできる、いちばん実のある関わりだと思います。手当たり次第に取らせるのではなく、要るものを一緒に見極める。それだけで、お子さんの負担はぐっと軽くなります。
もし、「うちの子の志望先だと、何をどう取ればいいのか分からない」と迷うなら、現状や志望から逆算した学習の組み立てを、第三者に一度相談してみるのも一つの手です。無料で相談できるところもありますので、情報の一つとして使ってみてください。
👉 〔無料相談・無料面談について〕受験に向けた学習の相談先

筆者:鈴木一世|大学教員・心理カウンセラー。中学・高校教諭を経て長く教育と相談の現場で、学生とその保護者に向き合ってきました。
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