サッカー中継の「アシスト」、電動アシスト自転車、そしてアシスタント。「助ける・支える」のイメージで、すっかり日本語になっていますよね。
この assist の後ろ半分、sist を切り出して、そのまま別の単語の真ん中に置いてみます。
con + sist
はい、consist です。TOEICでもおなじみの「〜から成る、〜で構成される」。アシスタントと構成されるが、同じ部品でできている・・・これ、偶然ではありません。sist は「立つ」という意味を持っていて、assist も consist も、その「立つ」を今も引きずっています。
ここを押さえると、exist・insist・persist・resist といった「-sist で終わる単語」が、一気に同じ家族の顔に見えてきます。
consist を分解してイメージで覚える|sist は「立つ」
consist をパーツで見ると、こうなります。
con(一緒に)+ sist(立つ≒stand)
直訳すると「一緒に立っている」。ばらばらの部品が、崩れずに一緒に立っている状態・・・それが「〜から成る、〜で構成されている」です。
The team consists of five members.
(そのチームは5人で成り立っている=5人が一緒に立っている)
一方の assist は、ad(〜のそばへ)+ sist(立つ) で「そばに立つ」。困っている人のそばに立つから「助ける」。アシスタントは「そばに立つ人」です。パスを出して得点を生む「アシスト」も、シュートを打つ人のそばで支えた、というイメージそのままですね。
同じ sist なのに、con(一緒に)なら構成、ad(そばに)なら援助。前につく一文字で、行き先がこれだけ変わります。
覚え方としては、こう結んでおくと忘れにくいです。
- assist・・・人の「そばに」立つ → 助ける
- consist・・・部品が「一緒に」立つ → 〜から成る
consist の基本の意味と使い方
consist は自動詞で、単独ではほとんど使いません。後ろに前置詞を伴って、セットで覚えるのが実戦的です。
- consist of …・・・〜から成る、〜で構成される(いちばん出会う形)
- consist in …・・・〜に本質がある、〜にこそある(かたい表現)
- consist with …・・・〜と一致する(古風・かなりかたい)
The book consists of five chapters.
(その本は5章から成っている)Real courage consists in starting small.
(本当の勇気は、小さく始めることにこそある)
of は「中身の部品リスト」、in は「本質・核心のありか」。部品を並べたいときは of、「大事なのはここだ」と言いたいときは in・・・この感覚で十分使い分けられます。
使い分け|be consisted of と言ってはいけない理由
ここがテストでも実務でも効くポイントです。
consist は受け身にできません。 「構成されている」という日本語につられて The team is consisted of five players. と書いてしまう人がとても多いのですが、これは誤りです。
理由は語源まで戻るとすっきりします。consist はもともと「(自分が)一緒に立っている」という、自分の状態を表す動詞。誰かに「立たされている」のではないので、受け身にする余地がないわけです。
○ The team consists of five players.
× The team is consisted of five players.
○ The team is composed of five players.
○ The team is made up of five players.
同じ理由で、進行形にもしません(is consisting of は使わない)。状態を表す動詞だからです。ただし分詞として使う a team consisting of five players(5人から成るチーム)は自然な形で、書き言葉でよく見かけます。
似た意味の語との整理も、ここでまとめておきます。
| 表現 | 向き | 例 |
|---|---|---|
| consist of | 全体 → 部分(受け身にしない) | The course consists of ten lessons. |
| be composed of | 全体 → 部分(受け身の形で使う) | The course is composed of ten lessons. |
| be made up of | 全体 → 部分(いちばん口語的) | The course is made up of ten lessons. |
| comprise | 全体 → 部分(of を付けない) | The course comprises ten lessons. |
sist(立つ)でつながる単語ネットワーク
sist を「立つ」と覚えた瞬間、別ジャンルに見えていた単語が一列に並びます。語尾が -sist なら、ほぼこの一族だと思って大丈夫です。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| assist | 助ける、援助する | ad(そばへ)+sist=そばに立つ |
| exist | 存在する | ex(外へ)+sist=外へ立ち出る |
| insist | 強く主張する | in(上に)+sist=その上に立ち続ける |
| persist | やり抜く、根強く続く | per(通して)+sist=最後まで立ち続ける |
| resist | 抵抗する | re(反対に)+sist=向かい合って立つ |
| desist | やめる、思いとどまる | de(離れて)+sist=その場から立ち退く |
| subsist | 食いつなぐ、存続する | sub(下で)+sist=下で持ちこたえる |
insist(主張する)が「その場に立ち続ける」、resist(抵抗する)が「向かい合って立つ」・・・日本語訳で丸暗記していたものが、全部「立ち方の違い」だったとわかると、記憶の負担が一気に軽くなります。
大もとの stare(立つ)まで広げる
sist は、ラテン語の stare(立つ) を変化させた形です。そしてこの stare は、英語の stand と同じ印欧祖語の語根 *sta-(立つ) までつながっています。つまり、日本人が中学一年で習う stand と、consist は遠い親戚です。
| 単語 | 意味 | つながり |
|---|---|---|
| stand | 立つ | 英語本来語としての「立つ」 |
| state | 状態、国家 | 立っているありさま |
| status | 地位、ステータス | 立ち位置 |
| station | 駅、持ち場 | 立って留まる場所 |
| stable | 安定した | しっかり立っていられる |
| statue | 像 | 立たせたもの |
| constant | 一定の、不変の | con(一緒に)+stare=ずっと立ち続ける |
| distance | 距離 | dis(離れて)+stare=離れて立つ |
| instant | 即座の | in(上に)+stare=すぐそこに立っている |
| obstacle | 障害物 | ob(前に)+sta=前に立ちはだかるもの |
| cost | 費用 | con+stare=(その値で)成り立つ |
コスト(cost)まで同じ家族だと聞くと驚きますが、「いくらで成り立つか」と考えれば、consist の「成り立つ」とすぐ隣の発想です。
なお、綴りが似ている sister(姉妹)は、この一族とはまったく無関係です。こちらは別系統の古い語で、sist とは何の血縁もありません。ここだけ混ぜないようにしておくと安全です。
派生語 Word Family
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| consist | 動詞 | 〜から成る、〜にある | コンシスト /kənˈsɪst/ |
| consistent | 形容詞 | 一貫した、矛盾のない | コンシステント /kənˈsɪstənt/ |
| consistently | 副詞 | 一貫して、常に | コンシステントリー /kənˈsɪstəntli/ |
| consistency | 名詞 | 一貫性/(液体などの)かたさ | コンシステンシー /kənˈsɪstənsi/ |
| inconsistent | 形容詞 | 一貫性のない、矛盾した | インコンシステント /ˌɪnkənˈsɪstənt/ |
| inconsistency | 名詞 | 矛盾、不一致 | インコンシステンシー /ˌɪnkənˈsɪstənsi/ |
このうち consistently は TOEIC・ビジネスの両方の基礎語彙リストに、consistency と inconsistent はビジネスの基礎語彙リストに入っています。consist 本体よりも、派生語のほうが実務で顔を出す回数は多いかもしれません。
TOEIC・英検での傾向
TOEIC では、Part 5 の文法問題と Part 7 の読解の両方で安定して登場します。狙われるのは、ほぼこの3点です。
- consist of を受け身にしていないか・・・
is consisted ofを選ばせる引っかけ - of と in の選択・・・部品を並べているのか、本質を語っているのか
- consistent with …(〜と一致している)・・・報告書や数値の照合でよく出る形
ビジネス文書では、The package consists of three services.(このプランは3つのサービスで構成されています)のような説明文が定番です。また consistent / consistently は人事評価や品質管理の文脈で頻出で、consistently high quality(一貫して高い品質)はそのまま覚えてしまってよい組み合わせです。
英検では準2級〜2級あたりで出会う語です。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- Our team consists of five members.
- The course consists of ten short lessons.
- Your day consists of many small choices.
- A good habit consists of simple steps you can repeat.
- The report consists of three parts.
- Happiness often consists in the quiet moments.
- Breakfast consisted of rice, soup, and fruit.
- Real progress consists in starting again after a pause.
- You belong to a team that consists of people who trust you.
- Your future consists of the days you are living now.
語源メモ
consist は、ラテン語 consistere(しっかり立つ、留まる、成り立つ)に由来します。分けると com(一緒に)+ sistere(立たせる、立つ)。sistere は「立つ」を表す動詞 stare の使役形で、さらに遡ると印欧祖語の語根 *sta-(立つ、しっかりさせる) に行き着きます。
英語に入ったのは1520年代。ただし最初の意味は「部分から成る一つのまとまりとして存在する」で、今おなじみの「of を伴って〜から成る」が現れるのは1560年代。「つじつまが合う」の意味は1630年代です。
assist のほうは一足早く、15世紀初めに英語へ。ラテン語 assistere(そばに立つ、付き添う)から来ています。スポーツの「アシスト」としての名詞用法は、1877年の野球が最初の記録で、アイスホッケーでは1925年から。日本語の「アシスト」はサッカーの印象が強いですが、英語では野球のほうが先輩でした。
もう一つ、知っておくと得をするのが consistency です。
英語に入った1590年代の意味は「一貫性」ではなく、物質のかたさ・濃度でした。料理のレシピで「生地をこのくらいのとろみに」と言うときの consistency が、実は本来の顔です。
「意見が一致していること」の意味は1650年代、「ぶれない姿勢・一貫性」は1716年から。ばらばらのものが一緒に立って崩れない → 形が保たれている → 言動がぶれない、という順番で意味が伸びていったわけです。
さらにもう一段だけ。英語の system は、ギリシャ語 synistanai(syn=一緒に+histanai=立たせる) から生まれた語です。syn が con、histanai が sistere に対応していて、ラテン語側の consist とギリシャ語側の system は、同じ発想で作られた双子のような語ということになります。
「部品が一緒に立っている」のが consist、「一緒に立たせて組み上げたもの」が system・・・言われてみれば、意味もよく似ていますね。
おまけをひとつ。consist には名詞用法もあり(1898年〜)、鉄道の世界で「編成」を指します。この名詞だけはアクセントが前に移って「コンシスト」のように読まれます。
まとめ
consist は、con(一緒に)+ sist(立つ)で「部品が一緒に立っている」=〜から成る。
- sist(立つ)・・・assist/exist/insist/persist/resist/desist/subsist の共通部品
- 覚え方のヒント・・・アシスタント=そばに立つ人。consist=部品が一緒に立つ
- stare(立つ)一族・・・stand/state/status/station/stable/constant/distance/instant
- 注意・・・consist は受け身・進行形にしない。be composed of/be made up of と使い分け
アシストという身近な一語から、-sist で終わる単語がまとめて手に入る・・・consist は、その入り口に立っている単語です。

- 語源・中心:con(一緒に)+ sist(立つ)=「部品が一緒に立っている」→ 〜から成る
- 覚え方のヒント:アシスタント(assist)=そばに立つ人 → sist は「立つ」
- -sist(立つ)一族:assist/exist/insist/persist/resist/desist/subsist
- stare(立つ)一族:stand/state/status/station/stable/constant/distance/instant
NGSL(New General Service List)収録語
この単語は New General Service List(NGSL) に収録されています。NGSL は、大規模な英語コーパスから選ばれた約2,800語の基礎語彙リストで、これらを覚えるだけで一般的な英文の約92%をカバーできます。日常でも英文読解でも、何度も出会う基本の一語です。
出典:New General Service List Project
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翻訳練習の解答
- 私たちのチームは5人で成り立っている。
- その講座は、10回の短いレッスンでできている。
- あなたの一日は、小さな選択の積み重ねでできている。
- よい習慣は、くり返せるくらい簡単な一歩からできている。
- その報告書は3つの部分から成っている。
- 幸せは、静かな時間のなかにあることが多い。
- 朝食は、ごはんと汁物と果物だった。
- 本当の前進は、一度立ち止まったあとにもう一度始めることにこそある。
- あなたは、あなたを信じている人たちでできたチームの一員だ。
- あなたの未来は、いま生きている一日一日でできている。


