PR

【語源で覚える】prejudice|「ジャッジ」の前に決めつける?名作『高慢と偏見』から学ぶ言葉の正体

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

▶︎ 詳しいプロフィールはこちら

「あの人に、少し prejudice(偏見)を持っていたかもしれない」

日常会話から心理学、TOEICの読解まで、幅広く顔を出す prejudice(プレジュディス)。

イギリス文学・映画のタイトル『高慢と偏見(Pride and Prejudice)』で世界中に親しまれている言葉でもあります。

この単語、真ん中あたりをじっと見ると、スポーツやテレビでおなじみの言葉が隠れています。

そう、審判や判定を意味する「ジャッジ(judge)」です。

ここを入り口にすると、prejudice の意味とスペルが一度に頭に入ってきます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

prejudice を分解してイメージで覚える

prejudice を語源のパーツに分けると、非常にシンプルな姿になります。

pre-(前に、前もって)+ judice(判断・裁判)

核にあるのは、裁判官や審判を意味する judge と同じラテン語 judicium(正義に基づく判断)です。

実は、この judge 自体もさらに分かれます。

ju-(jus:法、正義)+ dge(dicere:口に出して言う)
→「法や正義に基づいて、正しく言葉を発する人」=裁判官(judge)

そして、頭に「前もって(pre-)」がくっついたのが prejudice です。

法廷できちんと証拠を確かめる前に、「きっとこういう人に違いない」と先走って決めつけてしまうこと。ここから「偏見」「先入観」という意味が生まれました。

「ジャッジする前に、決めつける」。これだけで prejudice の意味とスペルが一発で入ります。

スポンサーリンク

prejudice の基本の意味と使い方

prejudice は「偏見」「先入観」を意味する名詞(動詞にもなります)。情報を十分に確かめないまま、事前に形成された思い込みを指します。

  • racial prejudice(人種的偏見)
  • overcome prejudice(偏見を克服する)
  • free from prejudice(偏見にとらわれない)
  • without prejudice(偏見なく ※法律用語でも使われます)

ただの「嫌い」とは違い、「確かめる前から決めてかかっている」という先走りのニュアンスが核にあります。

prejudice と discrimination の違い

ニュースや英語長文でセットで登場する2語の違いを整理しておくと、英作文や読解で迷わなくなります。

単語意味焦点
prejudice偏見・先入観「心の中」の思い込み
discrimination差別・不公平な扱い「実際の行動」としての不当な扱い

「心の中で勝手に決めつけること」が prejudice、「その偏見に基づいて相手を不当に扱う行動」が discrimination です。

“judge(判断する)” でつながる単語ネットワーク

prejudice の核にある judge(jus 正義+dicere 言う)を押さえておくと、社会・法律・倫理に関わる重要単語がまとまって見えてきます。

単語意味イメージ
judge裁判官、判断する正義に基づいて言葉を発する人
judgment判断、判決judge が正しく見極めて下した結論
justice正義、公正正しい(just)状態そのもの
justify正当化する、弁明する正しい理由を述べる
judicial司法の、裁判のjudge に関わる
prejudge先に判断するpre(前)+ judge=早まって決めつける
verdict評決、判定ver(真実)+ dict(言う)=真実を宣言する

「judge が入っていたら、たぶん”判断・正義”の話」と見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。

“pre-(前もって)” でつながる単語ネットワーク

一方、頭の pre-(前に・前もって) をたどると、日常で使う身近な単語がまとまって見えてきます。

単語意味イメージ
preview下見、試写本番の前に見ておく
prevent防ぐ、妨げる問題が起きる前に手を打つ
predict予測する起きる前に言葉にしておく
prepare準備する前もって整えておく
precaution予防策、用心前もって注意を払う
premise前提前もって置いておく条件

prejudice は、この「judge(正義の判断)」と「pre-(前もって)」という2つの家族が交わる場所にある単語。一語から二方向に世界が広がります。

派生語|prejudice まわり

単語品詞意味発音
prejudice名詞・動詞偏見、先入観 / 偏見を持たせるプレジュディス /ˈprɛdʒʊdɪs/
prejudiced形容詞偏見を抱いたプレジュディスト /ˈprɛdʒʊdɪst/
prejudicial形容詞有害な、不利益なプレジュディシャル /ˌprɛdʒʊˈdɪʃəl/
unprejudiced形容詞偏見のない、公平なアンプレジュディスト /ʌnˈprɛdʒʊdɪst/
prejudge動詞先に判断する、予断するプレジャッジ /priːˈdʒʌdʒ/

TOEIC・英検での出題傾向

英検では準2級〜準1級レベルで、人権・多文化共生・心理学のエッセイや長文読解に頻出します。free from prejudice(偏見にとらわれない)、overcome prejudice(偏見を克服する)という形でよく出てきます。自由英作文で「偏見をなくすためにどうすべきか」という論題でも使い勝手の良い一語です。

TOEICのPart 7では、職場のダイバーシティ推進や公平な採用を説明する社内規定の文脈(free of bias and prejudice)で登場します。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. You listened without prejudice.
  2. She slowly let go of her old prejudice.
  3. He judged her before he knew her.
  4. Good judgment takes time and care.
  5. Justice means treating everyone fairly.
  6. You welcomed him without any prejudice.
  7. Their love was free from prejudice.
  8. A kind word can soften years of prejudice.
  9. You looked at her without prejudice and smiled.
  10. Prejudice fades when people truly listen.

語源メモ|『高慢と偏見』が教えてくれること

prejudice は、ラテン語 praeiudicium(事前の審問・予備裁判)に由来します。prae-(前に)+ iudicium(判断・裁判)の組み合わせで、元々は法律用語として中立的な意味で使われていました。「前もっての判断」というだけで、悪い含意はなかったのです。それが中世フランス語を経て英語に入るうちに、「根拠なく先走った判断」→「偏見」というネガティブな意味へと変化していきました。

1813年に出版されたジェーン・オースティンの小説『高慢と偏見(Pride and Prejudice)』。主人公エリザベスはダーシーへの強い「偏見(prejudice)」を、ダーシーは身分違いへの「高慢さ(pride)」を抱えていました。ふたりはお互いの本当の誠実さを知るにつれて、その思い込みを手放し、深い愛で結ばれます。「確かめる前に決めつける」ことの危うさと、それを超えたときに生まれる本物の絆。prejudice という単語は、そのテーマを一語で担っています。

まとめ

prejudice は、pre-(前もって)+ judice(judge と同語源)で「きちんと確かめる前に決めつけること」=偏見・先入観。

  • pre-・・・前もって。preview / prevent / predict などの仲間へ
  • judge(jus+dicere)・・・正義に基づいて言う。judgment / justice / judicial などの仲間へ
  • prejudice vs discrimination・・・心の中の思い込みか、実際の行動か
  • unprejudiced(偏見のない)もセットで押さえる
prejudice の語源ワードマップ。中心は prejudice(確かめる前に決めつける=偏見・先入観)で、
pre-(前もって)+ judice(判断:judicium ← jus 法・正義 + dicere 言う)に分解。
judge 一族(judge/judgment/justice/justify/judicial/verdict)、
pre- 一族(preview/prevent/predict/prepare/precaution)、
覚え方のヒント(prejudice vs discrimination:心の偏見 vs 実際の差別行動 / unprejudiced=偏見のない)
の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:pre-(前もって)+ judice(judge と同語源)=「確かめる前に決めつける」
  • judge 一族:judgment / justice / justify / judicial / verdict
  • pre- 一族:preview / prevent / predict / prepare / precaution
  • 使い分け:prejudice(心の中の偏見) vs discrimination(実際の差別行動)

関連記事(内部リンク)

  • 【語源で覚える】judge の語源(法・正義・言葉)→ (近日中に公開)
  • 【語源で覚える】justice の語源 → (近日中に公開)
  • 英単語の語源・パーツ分解 全リスト  👇 → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/
【タイパ最強】英単語の語源・パーツ分解全リスト|語源×記憶フックで芋づる式に覚える
英単語を最小限の労力でマスターする「語源+パーツ分解」の全リスト。学術的に正確な語源データと、タイパ(時短)を追求した記憶フックを完全分離して掲載。芋づる式に派生語を暗記し、実務やニュースで使える英語力を最速で身につけましょう。

翻訳練習の解答例

  1. あなたは偏見なく、耳を傾けてくれた。
  2. 彼女はゆっくりと、昔の偏見を手放した。
  3. 彼は彼女を知る前に、判断を下していた。
  4. 良い判断には、時間と丁寧さが必要だ。
  5. 正義とは、すべての人を公平に扱うことを意味する。
  6. あなたは彼を、偏見なく温かく迎えた。
  7. ふたりの愛は、偏見にとらわれていなかった。
  8. 優しい一言が、長年の偏見をやわらげることがある。
  9. あなたは偏見なく彼女を見つめ、ほほえんだ。
  10. 人が本当に耳を傾けるとき、偏見は消えていく。