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【語源で覚える】inspirational|”spirit” に “in” が入ると、何が起きる?

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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 「インスピレーショナル」、カタカナにすると長くて覚えにくい・・・そう感じませんか。でも、分けてみると案外シンプルです。

真ん中に spir(息をする) がいます。spirit(精神・魂)と同じ根っこです。語源をたどると spirare(ラテン語:息をする)で、spirit は「命の息吹」という意味で生まれた言葉でした。息と命と精神が、むかしは同じ一語だった。

その spir に in(中に) を足したのが inspire。「中に息を吹き込む」。そこから「感動させる・奮い立たせる」という意味が育ちました。

inspirational は、inspire → inspiration → inspirational と積み上がった形容詞です。

「中に息を吹き込まれるような体験」=感動、というイメージ。なんだか腑に落ちませんか。

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inspirational をパーツで覚える|spir(息をする)が意味の中心

inspirational は、こう積み上がっています。

inspire(息を吹き込む)→ inspiration(吹き込まれた状態・ひらめき)→ inspirational(〜の性質を持つ)

パーツで見るとこうなります。

in(中に)+ spir(息をする)+ -ation(名詞化)+ -al(〜の性質を持つ)

意味の中心は spir。ラテン語では spirare(息をする)が転じて、「神が命を吹き込む」という意味に広がりました。聖書の創世記に、神が土でつくった人の鼻に「命の息(breath of life)」を吹き込んだ場面があります。ラテン語訳聖書でこの「吹き込む」に使われたのが inspirare です。

「中に(in)息を吹き込む(spirare)」→ 人の心に力や活力を吹き込む → 感動させる。inspirational は、その「息を吹き込まれるような性質を持つもの」。心を揺さぶるスピーチや、立ち上がる力をくれる言葉・物語に使われる形容詞です。

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inspirational の基本の意味と使い方

inspirational は「感動的な」「人を奮い立たせる」「やる気にさせる」を表す形容詞です。

  • an inspirational speech(感動的なスピーチ)
  • an inspirational figure(人々を奮い立たせる人物)
  • an inspirational story(心を動かす話)

ただの「いい話」ではなく、「聞いた後に何かしたくなる・前に進みたくなる」という感覚がこもっています。中に息を吹き込まれた、というイメージそのものです。

inspiring との使い分け

inspiring と inspirational はどちらも「感動的な」と訳せますが、ニュアンスが違います。

  • inspiring:いまここで心を揺さぶっている、動きのある感覚。「そのスピーチを聞いている最中にグッときた」
  • inspirational:そういう力を備えた存在・性質。「あの先生は、存在そのものが人を奮い立たせる」

an inspiring speech(聞いているその場で胸が熱くなるスピーチ)と、an inspirational teacher(生き方として人を動かすような先生)。使い分けの感覚は、「動き(体験)」か「属性(性質)」かで決まります。TOEIC の語彙・品詞問題でも、このニュアンスが問われることがあります。

“spir(息をする)” でつながる単語ネットワーク

spir を知ると、一見バラバラに見える単語がまとまって見えてきます。どれも「息」の動きから生まれています。

単語接頭辞+語根コアイメージ意味
spiritspir+-it体に宿る命の息吹精神、魂、気迫
inspirein(中に)+spir心の中に息を吹き込む感動させる、奮い立たせる
expireex(外へ)+spir最後の息を外へ吐き出す息を引き取る、期限が切れる
aspiread(〜へ)+spir目標に向かって息を荒げる熱望する、志す
conspirecon(共に)+spir息をひそめて密かに合わせる共謀する、企てる
respirere(再び)+spir繰り返し息を吸い直す呼吸する
perspireper(通り抜けて)+spir皮膚の毛穴を通して蒸気を出す汗をかく

「spir が入っていたら、たぶん”息・命・精神”の話」・・・そう見えてくると、初見の単語でも意味の見当がつきます。inspirational は、この spir 一族への入り口でもあります。

派生語 Word Family

単語品詞意味発音
inspire動詞感動させる、奮い立たせるインスパイア /ɪnˈspaɪər/
inspired形容詞感動を受けた、ひらめきに満ちたインスパイアード /ɪnˈspaɪərd/
inspiring形容詞感動させるような、鼓舞するようなインスパイアリング /ɪnˈspaɪərɪŋ/
inspiration名詞感動、ひらめき、インスピレーションインスピレーション /ˌɪnspɪˈreɪʃən/
inspirational形容詞感動的な、人を奮い立たせるインスピレーショナル /ˌɪnspɪˈreɪʃənl/

TOEIC・英検での出題傾向

inspirational は、TOEIC では人物紹介・インタビュー・企業の記念スピーチなどの文脈で登場します。inspirational leader、inspirational message、inspirational story といった形が定番です。英検では準2級〜2級レベルで出てきます。inspire(動詞)と inspiring(形容詞)は特に頻出なので、セットで押さえておくとどちらが来ても安心です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を考えてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Her speech was truly inspirational.
  2. He is one of the most inspirational teachers I have ever met.
  3. That movie told an inspirational story of courage.
  4. You can find inspiration in the most unexpected places.
  5. The book inspired many readers to change their lives.
  6. Her story inspired me to keep going.
  7. What inspires you most in your daily life?
  8. An inspirational leader brings out the best in others.
  9. Even a small act of kindness can be inspirational.
  10. You don’t need to be famous to be inspirational.

語源メモ|spirare から生まれた言葉

inspirational のたどり着く先は、ラテン語の動詞 inspirare(吹き込む・息をかける)。分けると in-(中に)+ spirare(息をする)。

spirare は spirit(精神・魂)の語源でもあり、古代ラテン語では「息」と「命」と「精神」が近い意味でつながっていました。spirare → spiritus(息・命の息吹)→ spirit という流れです。

inspirare はもともと「神が命の息を吹き込む」という神学的な文脈で使われ、中世フランス語を経て英語に入りました(inspire は14世紀中頃、inspirational は1878年の初出)。

spir の一族はどれも「息」の動きをベースにしています。expire(外へ息を吐く → 期限切れ・息を引き取る)、aspire(〜へ息を向ける → 熱望する)、conspire(一緒に息を合わせる → 共謀する)、perspire(皮膚の毛穴を通り抜けて蒸気を出す → 汗をかく)。17世紀の医学では、毛穴は「目に見えない息(蒸気)を外に出す通気孔」として説明されていました。

まとめ

inspirational は、in(中に)+ spir(息をする)+ -ation + -al で「中に息を吹き込まれるような性質を持つもの」=感動的な・人を奮い立たせる。

  • inspire → inspiration → inspirational・・・動詞から名詞、名詞から形容詞へと積み上がる
  • spir(spirare)・・・息をする。spirit と同じ根。inspire / expire / aspire / conspire / perspire が仲間
  • inspiring と inspirational・・・「動き(体験)」か「属性(性質)」かの違い

中に息を吹き込まれた瞬間、人は動き出せる。inspirational は、その力を持つものへ贈る言葉です。

inspirationalのワードマップ生成 レイアウト情報等は除外
inspirational の語源ワードマップ。中心は inspirational(=中に息を吹き込まれるような)で、in(中に)+ spir(息をする)+ -ation + -al に分解。語源・中心クラスタに spirare(ラテン語)と inspire → inspiration → inspirational の派生ステップ、spir(息)一族①に spirit / inspire / expire / aspire / conspire、spir(息)一族②に respire / perspire / respiration / perspiration、覚え方のヒントに「spir=spirit と同じ根・命の息吹」と inspiring(動き)vs inspirational(性質)の使い分けを整理した図。

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  • 【タイパ最強】英単語の語源・パーツ分解全リスト|語源×記憶術で芋づる式に覚える → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/
  • inspire の語源(感動させる)→ (近日中に公開)
  • spirit の語源 → (近日中に公開)
  • aspire の語源(熱望する)→ (近日中に公開)

翻訳練習の解答例

  1. 彼女のスピーチは、本当に感動的だった。
  2. 彼は、私が出会った中でもっとも人を奮い立たせる先生の一人だ。
  3. その映画は、勇気の感動的な物語を描いていた。
  4. まったく思わぬ場所に、インスピレーションは転がっている。
  5. その本は、多くの読者が人生を変えるきっかけになった。
  6. 彼女の話が、私が前に進み続ける力をくれた。
  7. 日々の生活の中で、あなたがいちばん刺激を受けるのは何ですか?
  8. 感動的なリーダーは、人の中にある最善の力を引き出す。
  9. 小さな親切の一つひとつが、誰かにとっての感動になることがある。
  10. 有名じゃなくても、誰かを奮い立たせることはできる。