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【語源で覚える】application|頭の “ap” は、あの “up”?

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「アプリ」も「申し込み」も「応用」も、ぜんぶ application。意味が3つもあって、正直バラバラに見えますよね。じっと見つめると、頭に ap がいます。音で言えば、up にそっくりです。

この「up(上へ持ち上げて、差し出す・くっつける)」のイメージを入り口にすると、バラバラだった3つの意味が、すっと一本の線でつながります。そしてこの記事の本当の主役は、真ん中に隠れた plic(折る)。ここを押さえると、application の芯が一枚の絵になります。

※ この記事は、姉妹編の apparent(明らかな)と、頭の “ap”(ad が p の前で化けた形)でつながっています。apparent が「見えてくる(parere)」の話なら、こちらは「折ってくっつける(plic)」の話です。あわせて読むと、ap- 一族が立体的になります。👇

【語源で覚える】apparent|appear と同じ「見えている」から、「明白」にも「見かけだけ」にも

【語源で覚える】apparent|appear と同じ「見えている」から、「明白」にも「見かけだけ」にも
apparent(明白な/見かけ上の)を語源から。芯は appear と同じ par(現れる・見える)。「見えている」から「明白」に、でも「見えているだけ」だから「見かけだけ」にもなる二面性が腑に落ちます。apparently(どうやら〜らしい)との違い、transparent・apparition への広げ方、翻訳練習10問つき。

お急ぎの方はショート動画でどうぞ👇

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application を分解してイメージで覚える|真ん中の “plic” が主役

application をパーツで見ると、こうなります。

ap(ad=〜へ)+ plic(折る)+ ation(〜すること)

覚え方のコツを一つ。頭の ap を、up(上へ) と重ねてみてください。「持ち上げて、相手のほうへ差し出す・ぴたっとくっつける」・・・このイメージが、application の3つの意味を全部つなぎます。

  • 知識や技術を、現実の課題へ持ち上げて あてはめる → 適用・応用
  • 意思や書類を、相手へ持ち上げて 差し出す → 申し込み・志願
  • 機能を、あなたの用事へ あてはめて動かす → アプリ・ソフトウェア

でも、この単語の本当の芯は真ん中の plic(折る)。紙を折って、ぴたっと重ねてくっつける・・・あの動きです。「相手のほうへ(ap)、折ってくっつける(plic)」。この一枚の絵が、application をひとことで表しています。

※ 正確には、頭の ap はラテン語 ad(〜へ) が p の前で ap に変化した形で、「up(上へ)」とは語源が別です。音が似ていて「差し出す・くっつける」イメージが重なるので、覚え方のフックとして使っています。

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application の基本の意味と使い方

application は、芯の「折ってくっつける」から、大きく3つの意味に枝分かれします。

  • 適用・応用:This theory has many practical applications.(この理論には、実用的な応用がたくさんある)
  • 申し込み・申請・志願:Submit your application before the deadline.(締め切り前に、申込書を出してください)
  • アプリ・ソフトウェア:Please update the application.(アプリを更新してください)

いちばん literal(文字どおり)なのは、実は「塗布」の意味です。The application of the cream(クリームを塗ること)・・・肌に折り重ねてくっつける、そのままの絵ですね。ここを起点にすると、他の意味も「あてはめてくっつける」の仲間だと見えてきます。

application と app のちがい

スマホの「アプリ」は、application program(応用プログラム)の略です。パソコンやスマホという大きな仕組みの中で、特定の用事に あてはめて 使う道具・・・それが app。ちゃんと application の「応用・適用」から来ています。

“plic(折る)” でつながる単語ネットワーク

application の芯 plic/ply(折る/ラテン語 plicare)を知っておくと、まったく別ジャンルに見える単語が一気につながります。

単語意味イメージ
apply適用する、申し込むap(〜へ)+plic(折る)=折って、ぴたっとくっつける
reply返事するre(返して)+plic(折る)=折り返す
implyほのめかすim(中へ)+plic(折る)=意味を中に折り込む
multiply増やす、掛けるmulti(多く)+plic(折る)=何重にも折り重ねる
complicated複雑なcom(一緒に)+plic(折る)=ぐちゃっと折り重なる
explicit明確なex(外へ)+plic(折る)=折りをほどいて、開いて見せる
duplicate複製するdu(2つ)+plic(折る)=二つ折りで、同じものを写す
ply / plywood層/合板plic(折る)=折り重ねた層

「plic/ply が入っていたら、たぶん”折る・重ねる”話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。complicated(折り重なって複雑)と explicit(折りをほどいて明快)が、実は同じ「折る」の裏表だと気づくと、ちょっと気持ちいいはずです。

ap-(ad=〜へ)でつながる単語ネットワーク

一方で、頭の ap(ad が p の前で化けた形)をたどると、「〜へ向かう」仲間がまとまって見えてきます。姉妹編 apparent と共有する一族です。

単語意味語源
appear現れるad→ap+parere〈現れ出る〉
apparent明らかなad→ap+parere〈はっきり見えてくる〉
append付け足すad→ap+pendere〈ぶら下げる〉
appoint指定する、任命するad→ap+point〈点を定める〉
approach近づくad→ap+prope〈近くへ〉
appeal訴えるad→ap+pellere〈強く押しやる〉

application は、この「plic(折る)」と「ap(〜へ)」の2つの家族が交わる場所に立っている単語・・・そう捉えると、一語から二方向に世界が広がります。

派生語|application まわり

単語品詞意味発音
application名詞申し込み、応用、アプリアプリケーション /ˌæplɪˈkeɪʃn/
apply動詞適用する、申し込むアプライ /əˈplaɪ/
applicant名詞応募者、申請者アプリカント /ˈæplɪkənt/
applicable形容詞当てはまる、適用できるアプリカブル /ˈæplɪkəbl/
applied形容詞応用のアプライド /əˈplaɪd/
app名詞アプリ(application program の略)アップ /æp/

TOEIC・英検での出題傾向

application は、日常でもビジネスでも使う実用語です。TOEIC では job application(求人への応募)、application form(申込書)、application deadline(締め切り)といった形で、募集要項やお知らせの文面によく出ます。

動詞 apply(apply for a job/apply to a school)とセットで押さえておくと得です。英検でも準2級〜2級で見かける、押さえておきたい一語です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Submit your application before the deadline.
  2. This theory has many real-world applications.
  3. Please update the application to the latest version.
  4. Your application says a lot about who you are.
  5. Knowledge without application is just noise.
  6. Even when she was tired, she sent one more application.
  7. Every application is a small act of courage.
  8. Read the label before each application.
  9. Keep going — your next application may open the door.
  10. Talent needs application, day after day.

語源メモ|ad と plicare が出会う言葉

application は、ラテン語 applicatiō に由来します。分けると ad(〜へ) と、「折る」を表す動詞 plicare。合わさって applicare(折って近づける・くっつける)となり、古フランス語を経て英語に入りました。

etymonline は語源上の意味を「あるものを別のものに接触させること」と説明しています。「app」は20世紀の application program の略で、意味の芯はちゃんと生きています。

ここで覚えておくと得なのが、真ん中の plic/ply。これは apply・reply・imply・multiply・complicated・explicit など、たくさんの単語に共通する「折る・重ねる」の核です。application を入り口に、この一族へ広げていけます。

なお、冒頭の「ap=up」はあくまで記憶用のフックで、語源としては ad(〜へ)が p の前で ap に化けた形が正解です。up とは別ルートなので、そこだけ整理しておくと、語源に鋭い人に聞かれても迷いません(同じ「ad→ap」の化け方は appear・apparent・append などにも見られます)。

まとめ

application は、ap(ad=〜へ)+ plic(折る)+ ation で「折って(向かって)くっつけること」。そこから、申し込み・応用・アプリの3つの意味が枝分かれします。

  • plic(plicare)・・・折る・重ねる。apply/reply/multiply/complicated/explicit などの一族へ
  • ap(ad)・・・〜へ。appear/apparent/append/approach などの一族へ
  • application は、その2つが交わる入り口

差し出すのも、あてはめるのも、根っこは「折ってくっつける」。意味は3つでも、絵は1枚です。

application の語源ワードマップ。中心は application(=折ってくっつける)で、ap(ad=〜へ)+plic(折る)+ation に分解。覚え方フック(ap→up)、plic(折る)一族(apply/reply/imply/multiply/complicated/explicit/duplicate)、ap-(ad→p同化)一族(appear/apparent/append/appoint/approach/appeal)の3クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:ap(ad=〜へ)+ plic(折る)+ ation =「折ってくっつける」
  • 覚え方フック:ap → up(持ち上げて差し出す・くっつける)
  • plic(折る)一族:apply/reply/imply/multiply/complicated/explicit/duplicate
  • ap-(ad→p同化)一族:appear/apparent/append/appoint/approach/appeal

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翻訳練習の解答例

  1. 締め切り前に、申込書を出してください。
  2. この理論には、現実世界での応用がたくさんある。
  3. アプリを最新版に更新してください。
  4. 申込書には、あなたがどんな人かがよく表れる。
  5. 応用のない知識は、ただの雑音にすぎない。
  6. 疲れていても、彼女はもう一通、応募書類を送った。
  7. 応募のひとつひとつが、小さな勇気だ。
  8. 塗るたびに、まずラベルを読もう。
  9. 進み続けよう・・・次の応募が、扉を開くかもしれない。
  10. 才能には、日々の積み重ねがいる。(application=専心・努力の意味)