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【語源で覚える】likable|alike も likely も、みんな “like” の仲間だった

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「like は中学英語」と思っているかもしれません。でも、like という語には「好む」と「似ている」という2本の流れがあって、その両方が同じ根っこから出ています。

それがわかると、likable だけでなく alike・likely・likewise・dislike まで、like 一族の地図がいっぺんに広がります。

しかも、カタカナ語の「ビジネスライク」「ルックアライク」「ローグライク」にも、同じ like が入っています。日常の言葉の中に、もうすでに like が埋まっていました。

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likable を分解してイメージで覚える

likable をパーツに分けると、こうなります。

like(好む)+ -able(〜の性質がある・されやすい)

「好まれやすい性質を持つ」→「好感が持てる・親しみやすい」。

-able は readable(読みやすい)、comfortable(快適な)でもお馴染みの接尾辞で、「〜しやすい」「〜の性質がある」を単語に付け加えます。like さえわかれば、-able がそのまま意味を完成させてくれます。

ちなみに、「なぜ『似ている』と『好き』が同じ like なのか?」という疑問には、日本語の感覚で答えが出せます。

「肌が合う」「波長が似ている」・・・日本語でも、「似ている」と「しっくりくる(好ましい)」はほぼ同じ感覚ですよね。自分と「同じ形(like)」だから、心地よくて「好き(like)」になる。like の2つの意味は、その感覚をそのまま英語にしたものです。

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likable の基本の意味と使い方

likable は形容詞で、「好感が持てる」「親しみやすい」「感じが良い」という意味です。人の性格や雰囲気を指すことが多く、物より人につかうのが自然です。

  • She is a very likable person.(彼女はとても感じの良い人だ)
  • His calm voice makes him likable to almost everyone.(落ち着いた声が、ほぼ誰にでも好感を持たれる人にしている)
  • The character was so likable that readers cried at the ending.(登場人物がとても親しみやすかったので、読者は結末で涙した)

「好感を持つ」側から言うより、「好感を持たれる性質がある」という向きに近い表現です。-able の「されやすい・性質がある」のニュアンスがそのまま生きています。

※ likable(アメリカ式)と likeable(イギリス式)はどちらも正しい綴りです。

“like” でつながる単語ネットワーク

like には「好む」と「似ている」という2本の流れがあります。どちらも語源は同じゲルマン祖語の「形・体」にあたる語で、「同じ形をしている」→「ぴったり合っている」→「好ましい・好まれる」という流れで、2つの意味がひとつの根から分かれてきました。

カタカナ語を見ると、like の「似ている」がすでに日常語になっているのがわかります。

  • ビジネスライク(business-like):仕事の場のようなそぶり、事務的な
  • ローグライク(roguelike):「ローグ」というゲームに似たジャンル
  • ルックアライク(look-alike):そっくりさん、類似品。look(見える)+ alike(似ている)

SNSの「いいね!(Like)」ボタンも、「好む」の like が名詞・動詞として定着したものです。

「好む」の流れ

単語意味イメージ
like好む、〜が好きこの記事の起点。SNSの「いいね」も同じ
liking好み、好意take a liking to 〜で「〜が好きになる」
dislike嫌う、嫌悪dis-(否定)+like で逆転
likable好感が持てるlike+-able。この記事の主役

「似ている」の流れ

単語意味イメージ
alike似ている、同じように「同じ形をしている」が基本。look-alike にも
likeness似ていること、肖像類似という性質そのもの
likewise同様にlike(同じ)+wise(やり方・方向)
likelyありそうな、たぶん〜過去の例に「似ている」から→今回も起こりそう
unlike〜と違って、異なるun-(否定)+like
-like(接尾辞)〜のようなbusiness-like / rogue-like など

「like が入っていたら、好むか似ているかどちらかの話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測しやすくなります。

派生語|likable まわり

単語品詞意味発音
likable形容詞好感が持てるライカブル /ˈlaɪkəbəl/
likeable形容詞likable のイギリス式表記―
likably副詞感じ良くライカブリ
likability名詞好感度/ˌlaɪkəˈbɪlɪti/

TOEIC・英検での出題傾向

TOEIC では、人事評価・採用場面・職場の雰囲気を描写する長文で likable が登場することがあります。「感じの良い」を、堅すぎず柔らかすぎない語感で表現できる語です。600〜730点帯を目安に押さえておきたいレベルです。

英検では2級〜準1級あたりで見かけます。alike・unlikely・likeness・likewise も同じ like 一族として、まとめて覚えると語彙問題での反応が速くなります。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。解答はこの記事の最後にあります。

  1. She is one of the most likable people I have ever met.
  2. His calm voice makes him likable to almost everyone.
  3. A likable leader listens before they speak.
  4. The character was so likable that readers cried at the ending.
  5. What makes you likable is your honesty, not your perfect answers.
  6. Even in a difficult meeting, she stayed likable without losing her point.
  7. Being likable does not mean saying yes to everything.
  8. He had a way of being likable that put strangers at ease.
  9. Some people are likable before they say a single word.
  10. The most likable people I know never seem to be trying.

語源メモ|「好む」と「似ている」が同じ根から出た理由

likable は、like(好む)+ -able(〜の性質がある) から成ります。

like(好む)は、古英語 lician(好まれる・喜ばれる)に由来します。元々は「it pleases me(それが私を喜ばせる)」という形で、今の「I like it」とは主語が入れ替わっていました。

この lician は、ゲルマン祖語の *līką(形・体・同じ形)に遡ります。「同じ形をしている」→「性質が合っている」→「好まれる・喜ばれる」という流れです。「似ている」を意味する alike・likeness も、同じ *līką から来ており、「好む」と「似ている」は同じ場所から分かれた2本の流れです。

-able は、ラテン語 -abilis に由来する接尾辞で、「〜されやすい性質がある」を付け加えます。readable・comfortable・available など、英語で最も使われる接尾辞の一つです。

まとめ

likable は、like(好む)+ -able(〜の性質がある)で「好まれやすい性質を持つ」=「好感が持てる」。

  • like(好む)の一族:liking/dislike/likable/likability
  • like(似ている)の一族:alike/likeness/likewise/likely/unlike/-like(接尾辞)
  • カタカナでも現役:ビジネスライク/ローグライク/ルックアライク/SNSの「いいね」
  • 2つの一族は、ゲルマン祖語の「形・体(*līką)」という1点でつながっている

中学レベルの1語が、語彙の交差点だった。それを知るだけで、alike や likely が別の景色で見えてきます。

likable の語源ワードマップ。中心は likable(=好感が持てる・親しみやすい)で、like(好む・ゲルマン祖語 *līką)+ -able(〜の性質がある)に分解。like(好む)一族(liking / dislike / likable / likability)、like(似ている)一族(alike / likeness / likewise / likely / unlike / -like接尾辞)、覚え方のヒント(「肌が合う=性質が似ている=好き」/ビジネスライク・ルックアライク・ローグライクなどカタカナ語)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:like(好む・似ている)+ -able(〜の性質がある)=好感が持てる
  • like(好む)一族:liking/dislike/likable/likability
  • like(似ている)一族:alike/likeness/likewise/likely/unlike
  • カタカナ語:ビジネスライク/ルックアライク/ローグライク
  • 覚え方のヒント:「肌が合う=性質が似ている=好き」→ like の2義はひとつの感覚

関連記事(内部リンク)

  • -able の語源と仲間(readable / comfortable / available など)→ (近日中に公開)
  • dislike の語源(dis- で裏返す)→ (近日中に公開)
  • 英単語の語源・パーツ分解 全リスト → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/

翻訳練習の解答例

  1. 彼女は、私がこれまで会った中で最も好感の持てる人のひとりだ。
  2. 落ち着いた声が、彼をほぼ誰にでも好感を持たれる人にしている。
  3. 好感の持てるリーダーは、話す前に耳を傾ける。
  4. 登場人物がとても親しみやすかったので、読者は結末で涙した。
  5. あなたが好感を持たれる理由は、正解を出す力ではなく、正直さにある。
  6. 難しい会議の場でも、彼女は自分の主張を失わずに好感を持たれ続けた。
  7. 好感を持たれるということは、すべてに「はい」と言うことではない。
  8. 彼には、見知らぬ人を自然と安心させる、好感を持たれるたたずまいがあった。
  9. ひとことも発しない前から、好感を持たれる人がいる。
  10. 私が知る最も好感の持てる人たちは、そうしようとしている素振りをまったく見せない。