「その政策変更は、経済に深刻な repercussions をもたらした」
「軽はずみな発言が、思わぬ政治的 repercussion を呼んだ」
ニュースやビジネス英語、TOEICのPart 7や英検の長文でよく見かける repercussion。「反響」「余波」「間接的な悪影響」という意味を持つ単語ですが、スペルが長くてとっつきにくく見えますよね。
でも実は、音楽でおなじみの「あの楽器の名前」を思い浮かべるだけで、意味が一瞬で入ってきます。
ドラムやシンバルなど打楽器全般を指す「パーカッション(percussion)」です。
repercussion を分解してイメージで覚える
repercussion をパーツで見ると、こうなります。
re-(跳ね返って・戻って)+ per-(通して・貫いて)+ cuss(打つ)+ -ion(〜すること)
語源の核は、ラテン語の動詞 percutere(強く打ちつける・打ち貫く) です。per(通して)+ cutere(打つ)が組み合わさった動詞で、「パーカッション(percussion)」はここから来ています。スティックや手で叩いて音を鳴らすもの、つまり打楽器です。
そのパーカッションの頭に「跳ね返って(re-)」がついたのが repercussion。
壁に向かってボールを強く投げると、勢いよく自分の方へ跳ね返ってきますよね。大きな鐘をゴーンと叩くと、その音が山々にこだまして響き渡る。「強く打った(percussion)衝撃が、跳ね返ってくる(re-)」。これが repercussion のコアイメージです。
自分が起こした行動や決断が、時間差で大きな波となってあとから返ってくる。その「余波・反響・影響」が repercussion です。
repercussion の基本の意味と使い方
repercussion は「余波・反響・間接的な影響」を表す名詞です。単なる「影響(effect)」と違って、次の2つのニュアンスがセットになっています。
時間差でやってくる:その場ですぐ起きる直接の結果ではなく、少し経ってからじわじわと広がってくる間接的な影響を指します。
好ましくない結果が多い:「思わぬしっぺ返し」「予期せぬ波紋」のような、望ましくない副次的な結果に対して使われることがほとんどです。
- The decision had serious repercussions.(その決定は深刻な余波をもたらした。)
- fear of repercussions(報復や余波への恐れ)
- economic repercussions(経済的な余波・打撃)
また、様々な方面に波紋が広がる様子から、複数形(repercussions) で使われることが多いのも特徴です。
“cuss(打つ)” でつながる単語ネットワーク
ラテン語の cutere / cuss-(打つ)を共有する仲間たちです。repercussion を入り口に、この一族がまとめて見えてきます。
| 単語 | 語源構造 | 意味 |
|---|---|---|
| percussion | per(通して・貫いて)+ cuss(打つ) | 打楽器、打撃 |
| repercussion | re(跳ね返って)+ percussion | 余波、反響、間接的影響 |
| concussion | con(ともに・強く)+ cuss(打つ) | 脳震とう、激しい衝撃 |
| percuss | per + cuss(動詞形) | (医療で)打診する |
「cuss が入っていたら、たぶん”打つ・叩く”の話」。そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。
派生語|repercussion まわり
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| repercussion | 名詞 | 余波、反響、間接的影響 | リパーカッション /ˌriːpərˈkʌʃən/ |
| percussion | 名詞 | 打楽器、打撃 | パーカッション /pərˈkʌʃən/ |
| percussive | 形容詞 | 打楽器の、打撃のような | パーカッシヴ /pərˈkʌsɪv/ |
| concussion | 名詞 | 脳震とう、激しい衝撃 | コンカッション /kənˈkʌʃən/ |
発音のポイント:アクセントは真ん中の -cuss-(カ) に置かれます(リパーカッション)。パーカッションと同じ位置です。
TOEIC・英検での出題傾向
TOEIC L&R では Part 7(長文読解)の企業不祥事・規制変更・工場閉鎖の記事で頻出します。「政策や事件が社会・経済に与える波及効果」を説明するキーワードとして、設問の因果関係を読み解く手がかりになります。
英検では準1級〜1級レベルで、国際政治・環境・AIと雇用といった評論文の中で「予期せぬ長期的影響」を表す語として登場します。どちらも文脈は「間接的な悪影響」ですので、語源のイメージと一致します。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- The decision had serious repercussions for the company.
- No one expected such wide repercussions from that one remark.
- The policy change caused economic repercussions across the region.
- She acted without thinking about the repercussions.
- Every action has repercussions, sooner or later.
- The scandal had political repercussions that lasted for years.
- You may not see the repercussions right away.
- The repercussions of that war are still felt today.
- Think carefully before you act — repercussions can be hard to undo.
- Small choices can have large repercussions down the road.
語源メモ|ラテン語 repercutere から現代英語へ
repercussion は、ラテン語 repercutere(打ち返す・跳ね返す)に由来します。re-(戻って)+ percutere(強く打ちつける・打ち貫く)の組み合わせで、15世紀初頭に英語に入りました。
最初は医学用語として使われ、「体液を押し返す行為」という物理的な意味でした。その後1590年代に「音の反響・こだま」の意味が記録され、1620年代には「行動の余波・間接的影響」という現在の比喩的な用法へと広がっています(etymonline)。
「音の跳ね返り」から「人間の行動の跳ね返り」へ。意味の変遷のルートが、コアイメージと完全に重なっています。
まとめ
repercussion は、re-(跳ね返って)+ percussion(打ちつけること)で「叩いた衝撃が時間差で跳ね返ってくること」=余波・反響・間接的影響。
- re-(戻って)・・・跳ね返り、時間差
- per- + cuss(打ち貫く)・・・percussion(打楽器)・concussion(脳震とう)の一族
- 通例ネガティブな影響、複数形(repercussions)で使われることが多い
パーカッションの音が壁に当たって戻ってくるように、私たちの行動もいつか跳ね返ってくる。それが repercussion です。

- 語源・中心:re-(跳ね返って)+ percutere(打ち貫く:per + cuss)+ -ion =「叩いた衝撃が跳ね返る」
- cuss(打つ)一族:percussion/concussion/percuss
- ニュアンスの特徴:時間差の影響 / 好ましくない余波 / 複数形(repercussions)が多い
- 重要フレーズ:serious repercussions/economic repercussions/fear of repercussions
関連記事(内部リンク)
- concussion の語源(脳震とう)→ (近日中に公開)
- 英単語の語源・パーツ分解 全リスト → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/

翻訳練習の解答例
- その決定は、会社に深刻な余波をもたらした。
- たった一言の発言が、あれほど広い波紋を呼ぶとは誰も思わなかった。
- その政策変更は、地域全体に経済的な余波を引き起こした。
- 彼女は、影響のことを何も考えずに行動した。
- どんな行動にも、遅かれ早かれ余波がある。
- そのスキャンダルは、何年も続く政治的な波紋を呼んだ。
- 余波はすぐに見えてこないこともある。
- あの戦争の余波は、今日まで感じられている。
- 行動する前によく考えよう。余波はなかったことにしにくい。
- 小さな選択が、のちに大きな余波を生むことがある。


