効果絶大の速音読。オーバーラッピングとシャドーイングですが、いくつか注意していただきたいことがあります。
完璧を目指さない
速音読の活動で誤解されやすいのは、「完璧にできるようにならなければ合格ではない」という考え方です。これは大きな間違いです。
逆に、できなかった部分、かんでしまった部分は、自分の弱点と考え、弱点を克服するような気持で取り組むことが必要なのです。「弱点が見つかった。ラッキー!」くらいの気持ちで取り組むと長続きします。何度か繰り返しながら、弱点を克服することで、自分の成長を感じることができます。
向き不向きを見極める 認知のスタイル
オーバーラッピングとシャドーイング、実は向き不向きがあるのです。
人間には「認知のスタイル」というのがあります。たとえば・・・
リスニングの方が抵抗感がない(聞いて学ぶ方がよく理解する)という方は、認知のスタイルが音声に偏っています。
これとは逆に・・・
リーディングの方が抵抗感がない(読んで学ぶ方がよく理解する)という方は、認知のスタイルが文字に偏っています。
本来であればバランスが取れている方がよいのですが、多くの方はどちらかに偏っています。ですから、「リスニングの方に抵抗感がない=認知のスタイルが音声」という方は、文字を見ながら音読するオーバーラッピングが苦手ということが多いです。
同様に、「リーディングに抵抗感がない=認知のスタイルが文字」という方は、文字のないシャドーイングが苦手ということが多いです。ですから、
聞いた方が理解しやすい→シャドーイングに取り組む
読んだ方が理解しやすい→オーバーラッピングに取り組む
と考えて差し支えありません。ただし、まったくやらないというのはよくないです。得意な方から取り組み、余裕があれば、不得意な方にも取り組みましょう。
どちらから先に取り組んだとしても、両方とも音声処理を自動化するための活動です。オーバーラッピングがうまくできるようになれば、いずれシャドーイングもできるようになります。逆に、シャドーイングから始めて慣れてくれば、オーバーラッピングもできるようになるのです。
特に受験勉強をしっかりして来た方は、問題集を解く機会が多いので、「自分はリーディングが得意だから、オーバーラッピングだな」と言う場合が多いですが、実は認知のスタイルが音声だったりします。実際に取り組んでみて、どちらが取り組みやすいかを見極めて下さい。
ちなみに、聞いた方が理解しやすい方は、音声に係わる技能である、スピーキングとリスニングの方が力が付きやすい場合があります。また、読んだ方が理解しやすい場合は、文字に係わるライティングとリーディングの方が伸びやすいことがあります。自分の得意不得意と比べてみて下さい。認知のスタイルを知ることは、英語の勉強をより効率的に進め、自信を保ち続けるためにも必要なことです。