大学生の話を聞くと、洋楽はほとんど聞かないようです。中学校から英語が苦手な方なら、それも致し方ないとも言えます。が、難関大学と言われる大学でも「洋楽は聞かない」という学生は圧倒的に多いです。その理由は「テンポが速くて英語についていけない」なのだそうです。
関連リンク:amazon music unlimitedで英語の勉強
PR>>>アマゾンミュージック
確かに最近の曲は、コンピューターで作曲することが多く、テンポが速く歌詞の英語も速くて聞き取れないことが多いのかもしれません。ラップなどはその典型と言えるかもしれません。
それでも最近の全米ヒットチャートを聞いていると、スローテンポのバラードや、メロディーの美しい楽曲が上位に上がることがあります。洋楽は、適切な曲を選べば、英語の発音をネイティブ並みにすることのできる強力な教材です。私自身、中学生の頃から洋楽を聞いていたおかげで、大学で英語を教えるようになり、かつ音読指導を授業でたくさんするようになりました。洋楽の効果は私自身が経験済です。
この記事では、できるだけ早い時期に洋楽に触れる習慣が付くよう、子供向けの英語の歌リストとCDのご紹介をしたいと思います。
子どもでも歌いやすい英語の曲
洋楽に限らず、音楽は探せば探すほどいろいろな種類が数えきれないほどあります。ですので、英語が嫌い、英語が苦手という方にふさわしい洋楽もたくさんあります。
ナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)は、日本で言えば童謡のようなものです。英語圏の子供たちは、ナーサリー・ライムを幼い頃に親に歌ってもらい、一緒に歌ったりしながら、英語のリズムを身に付けます。マザー・グースも同じようなものです。
日本で生活する子供たちにとっても、ナーサリー・ライムやマザーグースには次のようなメリットがあります。
- 歌詞が簡単であること
- 日常生活でよく使う単語が多く含まれていること
- 英語独特のリズムを身に付けることができること
- YouTubeはカワイイ動画付きで視聴でき、歌詞も表示されていること
このように英語の勉強には大きなメリットがあるのですが、注意していただくべきこともあります。
英語の歌は小学校5年生くらいからでも十分効果あり!
私は学生の音読を個別に聞く機会をできるだけ多く持つようにしています。授業で音読をしてもらうと、留学経験のある学生と、小学校の時に英語に親しんだ学生はすぐわかります。こういう学生さんたちは、実に発音の下地ができているのです。もちろん最初から上手に発音したり、ちょっと指導しただけで、上達がすごく早いのです。
ただ、小学校の頃から英語を学んだ学生さんは、小学校卒業後3つに分かれることが多いです。
- 中学入学以降、英語が嫌いになったり、苦手意識が強くなる
- 特に英語の勉強に関心を示さなくなる
- 継続して英語の勉強を続けようとする
発音能力は、学力差が出にくいため、誰でも短期間に上達します(短期間の留学でも発音の違いははっきりわかります)。ですので、早い時期に英語の音に親しむことは、ネイティブ並みの発音能力を身に付けるには大切なことです。しかし、小学校の比較的早い時期や、中学校に入ってから、次のような英語の勉強をすると、せっかく身に付けた英語の発音能力が発揮できないことが多いようです。
- 日本語の勉強よりも英語の勉強を優先してしまう
- 発音能力をうまく引き出してもらえず、文法やテスト中心の勉強にばかり取り組む
小学校では、まず日本語の勉強を優先すべきです。日本語で自分を表現できてこそ、英語でも自分を表現できるのですから。日本で生活しているのであれば、日本語の能力より英語の能力が先に伸びることは、まずありえません。日本語の勉強をおろそかにすると、中学生や高校生になってから、日本語の文章の読み書きが苦手となり、これは英語の勉強にも悪影響を及ぼします。その理由は、次の2つです。
- 日本語でインプットできる能力は、英語でインプットする能力を伸ばす(日本語のインプットで得た内容が、英語を理解する時の背景知識となるため)
- 「話す・書く」というアウトプットの能力では、「読む・聞く」というインプットの能力がベースになる。これは、英語におけるアウトプットでも同様である(たくさん「読んだり聞いたり」すれば、いずれたくさん「話したり書いたり」することができるようになる)
そんなわけで、私は次のように考えています。
- 小学校低学年では日本語の勉強を優先させる。英語に親しみ、英語の音に触れるのは小学校5年生以降でも十分間に合います。小学校低学年で英語に触れさせてもよいとは思いますが、日本語学習とのバランスをきちんと考える方が、後々の伸びしろが大きくなります。
- 小学校で英語に親しむ経験ができたら、その後は文字や試験勉強ではなく、英語の発音能力を向上させるように教えること。発音はすぐ上手になるので、どの子もほめてもらう機会ができるからです。
- 子どもは「もっと知りたい」という好奇心があるうちは、英語を使ってみたいと考え、より正確な英語を身に付けたいと考えますから、その意欲に応じて文法の知識等を教えると定着が進みます。
英語の歌は実に役立つ教材であると言えます。次に有名な英語の古典的な歌を20曲リストにしてみました。中学に入る前に、この20曲が歌えるようになれば、中学校に入ってから発音で困ることが少なると思います。ある程度歌えるようになったら、歌詞を見ながら歌うようにするとよいでしょう。そうすることで、文字を音声化することが楽しくなり、英語の勉強で最も重要な音読能力が育つようになります。
関連リンク:やり直し英語勉強術 その2 音読
子供向け英語の勉強に役立つ英語の歌 曲目リスト20選
ここでご紹介する20曲は、海外でも子供たちが親に歌ってもらったり、それを聞いて自分で歌う曲ばかりです。リンクはすべてYouTubeの動画となっています。概要欄に英語の歌詞がありますので、ご参照下さい。
- Twinkle, Twinkle, Little Star
夜空に輝く星に対して、愛らしい問いかけをする歌です。星がどれだけ美しいか、子供たちに想像させる内容です。 - Itsy Bitsy Spider
小さなクモが雨に打たれても何度も這い上がる姿を描いた歌。挑戦や粘り強さを教えてくれます。 - Old MacDonald Had a Farm
マクドナルドおじさんの農場にいる動物たちが、どんな鳴き声をするかを楽しく教える歌です。動物の名前とその鳴き声を学べます。 - Baa Baa Black Sheep
黒い羊が持つ毛が誰に分けられるかを教える歌。数と分け合うことの大切さを伝えています。 - Mary Had a Little Lamb
メアリーという女の子が飼っている小さな子羊が、どこへでもついてくるという可愛らしい話です。友愛と動物への愛情を感じさせます。 - Wheels on Bus
バスが走る際に起こるさまざまな音や動きを表現した歌。日常的な出来事をリズミカルに学べます。 - Row, Row, Row Your Boat
ボートを漕ぐ楽しさと、水の上を進む様子を歌った曲。繰り返しの多い歌詞が特徴で、リズム感を養います。 - Head, Shoulders, Knees and Toes
体の部分をリズミカルに指し示しながら歌う歌。英語の体の部分を覚えるのに最適です。 - Five Little Monkeys Jumping on Bed
ベッドで跳ねる5匹の小さなサルが、1匹ずつ落ちて怪我をするというお話。数字を学びながら、危険な行動について考えさせます。 - If You’re Happy and You Know It
幸せな気分を表すために、手を叩いたり、足を鳴らしたりする歌。動作を交えながら、感情表現を学びます。 - Hickory Dickory Dock
ネズミが時計を登り、鐘が鳴ると驚いて降りるという可愛らしいお話。時計と時間の感覚を学べます。 - London Bridge is Falling Down
ロンドン橋が崩れる様子を歌った古い童謡。簡単な構造物やその修復について学ぶことができます。 - I’m a Little Teapot
自分をティーポットに例えて、取っ手や注ぎ口の動きを真似する歌。簡単な英語と動作を結びつけて学べます。 - This Little Piggy
5匹の小さなブタがそれぞれ異なる行動をするお話。数を学びながら、簡単な日常生活の単語を覚えます。 - ABC Song
英語のアルファベットを順番に歌う歌。アルファベットの順番と音を覚えるのに役立ちます。 - Rain, Rain, Go Away
雨が降るのを止めてほしいと願う歌。天候に関する英単語を学べます。 - Humpty Dumpty
壁から落ちたハンプティ・ダンプティが元に戻らないという物語。簡単な英単語で作られており、言葉のリズムを学びます。 - Jack and Jill
丘に水を汲みに行ったジャックとジルが転んでしまうお話。簡単なストーリーを通じて英語の理解を深めます。 - Rock-a-Bye Baby
赤ちゃんを寝かしつけるための子守唄。穏やかなメロディーと優しい言葉でリラックスした雰囲気を作ります。 - Do You Know Muffin Man?
マフィンを作る男を知っているかと尋ねる歌。リズム感がよく、問いかけの形で歌詞が展開されます。
子供(中学生)向け英語の勉強に役立つCD PAF AID: For Our Children
中学生になると、あまりにも子供じみた英語の歌は、敬遠される場合があると思います。そんな時、どんな英語の歌を聞いてもらえばよいでしょう。ここでは、1枚のCDをご紹介しておきます。
PAF(The Pediatric AIDS Foundation: 小児エイズ基金)のチャリティーCDです。1991年と少し古いCDですが、すべての曲をYouTubeで聞くことができます(下に示した楽曲のリストはすべてYouTubeの動画です)。CDは発売を終えていますが、中古であればまだ購入することができます。
PR:PAD AID: For Our Children (アマゾンのリンク)
歌詞はネットで見ることができます。検索の際<曲のタイトル 歌詞 和訳>や<曲のタイトル 歌詞 対訳>で検索すると、日本語訳が読めるサイトがいくつかあるかと思います。もしくは、歌詞をGoogle翻訳にコピペするか、ChatGPTに「英語の歌詞を日本語に翻訳して」と指示を出し、歌詞をコピペすることで、英語を日本語に訳してくれます。
関連リンク:ChatGPTに英語の文章を翻訳させる方法(準備中)
☆はおススメの曲です。子供にも聞きやすく、歌詞の内容は親が聞いてもほろっと来てしまうような心温まる曲になっています。
- Give A Little Love – Ziggy Marley & The Melody Makers | Hey World! (1986) 歌詞
- This Old Man – Bob Dylan 歌詞・対訳
- Cushie Butterfield – Sting 歌詞
- Mary Had A Little Lamb – Paul McCartney & Wings ☆ 歌詞
- The Balad Of Davy Crockett – Stephen Bishop 歌詞
- The Itsy Bitsy Spider – Little Richard 歌詞
- Chicken Lips & Lizard Hips – Bruce Springsteen 歌詞
- Country Feelings – Brian Wilson 歌詞
- Blueberry Pie – Bette Midler 歌詞
- The Pacifier – Elton John (Instrumental: 歌なし)
- Getting to know you – James Taylor (歌詞付)☆
- Autumn To May – Ann Wilson & Nancy Wilson 歌詞
- Child Of Mine – Carole King ☆ 歌詞
- Tell Me Why – Pat Nenatar ☆ 歌詞
- A Medley Of Rhymes – Debbie Gibson ☆ 歌詞
- Blanket for a Sail – Harry Nilsson 歌詞
- Goodnight My Love – Paula Abdul ☆ 歌詞
- Gartan Mother’s Lullaby – Meryl Streep (歌詞付)
- Golden Slumbers – Jackson Browne & Jennifer Warnes 歌詞
- A Child Is Born – Barbra Streisand ☆ 歌詞
関連リンク
クリスマスに歌いたい洋楽リスト(準備中)
いかがですか? 英語の歌は星の数ほどあります。まずは自分に合った速度や単語レベルの曲を探し、そのアーティストの曲を聞きまくるというところから始めてもよいかもしれません。音楽で気持ちがリフレッシュする上に、英語の発音がネイティブ並みになるのですから、ぜひ今日から取り組んでみて下さい。