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【語源で覚える】tremendous|ギターのトレモロと同じ?「震え上がるほどすごい」の正体

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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 ギターを弾く人なら「トレモロ」は一度は聞いたことがある言葉のはずです。弦や音を細かく小刻みに震わせる奏法のことですね。

tremendous(トゥリメンダス)、この単語の頭に隠れているのが、そのトレモロと同じ trem-(震える) です。

「とてつもない」「凄まじい」「桁外れの」。日本語訳だけを丸暗記しても、なぜこのスペルでその意味になるのか、ずっと腑に落ちないままになりがちです。でも trem-(震える)を入り口にすると、一枚の絵になります。

「震え上がらせるほどのスケール」。それが tremendous の芯です。

※ この記事は、trem-(震える)一族を中心に整理します。very の強調語としての使い方・コロケーションは本文で、語源の細かい変遷は末尾の語源メモでまとめます。

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tremendous を分解してイメージで覚える

tremendous をパーツで見ると、こうなります。

trem-(震える:ラテン語 tremere)+ -endous(〜させるほどの)

覚え方の入り口は、トレモロ(tremolo)。ギターやマンドリンで弦を細かく震わせる奏法です。あの「トレ」の部分が trem-(震える)と同じルーツです。

もう一つ、映画が好きな人なら 『トレマーズ(Tremors)』 も使えます。地中を掘り進んで地面をガタガタ震わせる巨大生物のパニック映画。タイトルの Tremors がそのまま「震え・振動」の意味で、tremor(震動)という英単語そのものです。

そして医療・健康の話題でよく見かける トレマー(tremor)。手足の震えや、地震の微動(earth tremor)に使われる言葉で、これも同じ trem- の仲間です。

trem-(震える)を知っていると、これだけのものが一気につながります。

tremendous の中身に戻ると、-endous は「〜させるほどの」 という意味合いの語尾です。合わさって「人を震え上がらせるほどの」。これがもともとの意味です。

そこから「恐ろしい」というネガティブな含みが薄れ、「とにかく規模がケタ外れ」「圧倒的にすごい」という意味に広がりました。日本語の「ヤバい」が「まずい」から「すごい」に転じたのと、同じ流れです。

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tremendous の基本の意味と使い方

tremendous は形容詞で、「とてつもない・凄まじい・桁外れの・素晴らしい」を表します。very や big よりずっとスケールが大きいときに使います。

よく一緒に使われる名詞はこの3パターンが代表的です。

  • tremendous effort(並外れた努力)
  • tremendous success(途方もない大成功)
  • tremendous pressure(凄まじい重圧)

ビジネス文書・ニュース・TOEIC のいずれでも、この3つのどれかで登場することがほとんどです。副詞の tremendously も「非常に・ものすごく」の意味で、動詞を強める形(contribute tremendously=絶大に貢献する)としてよく出てきます。

“trem-(震える)” でつながる単語ネットワーク

trem- を知っておくと、まったく別ジャンルに見える単語が一気につながります。

単語意味イメージ
tremble震える、身震いするtrem-(震える)の直系。寒さや恐怖でブルブル震える
tremor震え、揺れ、振戦trem-+-or(名詞語尾)。手の震え・地震の微動
tremulous震える、おののくtrem-+-ulous(〜しがちな)。声や手がかすかに震えている
tremoloトレモロ(震わせる奏法)trem- の直系。音・弦を小刻みに震わせる

「trem- が入っていたら、たぶん震えの話」。そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。

派生語|tremendous まわり

単語品詞意味発音
tremendous形容詞とてつもない、凄まじい、素晴らしいトゥリメンダス /trɪˈmendəs/
tremendously副詞非常に、ものすごく、途方もなくトゥリメンダスリー /trɪˈmendəsli/
tremble動詞・名詞震える、身震いする/震えトレンブル /ˈtrembəl/
tremor名詞震え、揺れ、振戦トレマー /ˈtremər/

発音のポイント:アクセントは第2音節の -men- です。「トレメンダス」と平坦に読まず、「トゥリメンダス」と真ん中を強く弾むように発音します。

TOEIC・英検での出題傾向

TOEIC では Part 7 の企業決算・顧客レビュー・感謝スピーチでよく出てきます。Thanks to your tremendous support, we achieved our annual goal.(皆様の絶大なご支援のおかげで、年間目標を達成できました。)のような形が典型です。tremendously も「動詞を強める副詞」として狙われます。

英検では2級〜準1級の読解・英作文で、環境問題や科学技術の話題(tremendous damage・tremendous advance)の文脈で登場します。どちらも「並外れたスケール」を強調したいときの一手として押さえておくと、表現の幅が広がります。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. The team made a tremendous effort to meet the deadline.
  2. Her speech had a tremendous impact on the audience.
  3. We are under tremendous pressure to cut costs.
  4. The new product was a tremendous success in its first year.
  5. You have shown tremendous courage in a difficult situation.
  6. A tremendous amount of time was spent on the research.
  7. The storm caused tremendous damage to the coastal towns.
  8. He felt a tremendous sense of relief after the exam.
  9. The company grew tremendously over the past decade.
  10. Every tremendous achievement begins with one small step.

語源メモ|「震え」が「すごさ」に変わるまで

tremendous はラテン語の動詞 tremere(震える) に由来します。tremere に動形容詞語尾 -endus(〜されるべき・〜させるような)が付いて tremendus(震え上がらせるような)となり、英語に入る際に -ous が加わりました。

もともとは嵐・火山・戦場など、人間の力をはるかに超えた圧倒的な何かを前にして「恐怖でガタガタ震える」という意味合いでした。やがて恐怖の色が薄れ、「とにかく規模がケタ外れ」→「圧倒的にすごい・素晴らしい」という方向に意味が広がりました。

ここで気をつけたいのは、フランス語の très(とても) との混同です。très はラテン語 trans(越えて)から来ており、trem-(震える)とはまったく別のルートです。「トレモロと同じ trem- で一本化」と覚えておくと、混同が防げます。

なお、フックとして使ったトレモロ(tremolo)はイタリア語経由で、ラテン語 tremulus(trem- の形容詞形)が祖語です。同じ trem- の仲間なので、フックとして使うのに問題はありません。

まとめ

tremendous は、ラテン語 tremere(震える)+ -endous(〜させるほどの) で「震え上がらせるほどの」→「とてつもない・凄まじい・素晴らしい」。

  • trem-(震える)・・・トレモロ・トレマー・tremble・tremor との入り口
  • 意味の変化・・・「恐怖で震える」→「圧倒的なスケール・桁外れのすごさ」
  • コロケーション・・・tremendous effort/success/pressure の3つを押さえる
tremendous の語源ワードマップ。中心は tremendous(震え上がらせるほどの→とてつもない・凄まじい)で、trem-(震える:ラテン語 tremere)+ -endous(〜させるほどの)に分解。日常カタカナ語(トレモロ/映画『トレマーズ』/トレマー)、trem- 一族(tremble/tremor/tremulous/tremolo)、頻出コロケーション(tremendous effort/success/pressure)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:trem-(震える)+ -endous =「震え上がらせるほどの」→ とてつもない
  • 日常カタカナ語:トレモロ(tremolo)/映画『トレマーズ』(Tremors)/トレマー(tremor)
  • trem- 一族:tremble/tremor/tremulous/tremolo
  • 頻出コロケーション:tremendous effort/tremendous success/tremendous pressure

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翻訳練習の解答例

  1. チームは、締め切りに間に合わせるために並外れた努力をした。
  2. 彼女のスピーチは、聴衆に大きな影響を与えた。
  3. 私たちは、コスト削減に向けて凄まじい重圧にさらされている。
  4. その新製品は、初年度に途方もない大成功を収めた。
  5. あなたは、困難な状況の中で並外れた勇気を見せてくれた。
  6. その研究には、膨大な時間が費やされた。
  7. 嵐は、沿岸の町々に甚大な被害をもたらした。
  8. 試験が終わって、彼は凄まじい解放感を覚えた。
  9. その会社は、過去10年で飛躍的な成長を遂げた。
  10. どんな偉大な達成も、一つの小さな一歩から始まる。