「彼は会社を退職し、subsequently 自ら起業した」
TOEICのPart 5/6やビジネスレター、ニュース記事で頻出する接続副詞 subsequently(サブスィクワントリー)。「その後に」「続いて」と訳されますが、見た目がそっくりな consequently(したがって・その結果として) と混同して失点する学習者は非常に多いです。
この2つ、実は中身がまったく違います。そして、その違いを一発で見抜く手がかりが、頭の sub- の中に隠れています。
※ この記事は、姉妹編の sequence(順序・連続)・sequel(続編)と sequ-(ついて行く)の語幹を共有しています。sequ- 一族の全体像はそちらも合わせてどうぞ。
subsequently を分解してイメージで覚える
subsequently をパーツで見ると、こうなります。
sub-(すぐ後ろに)+ sequ-(ついて行く)+ -ent(形容詞)+ -ly(副詞語尾)
「サブ(sub)」と聞くと、地下鉄の subway や、補助的な役割のサブリーダーを思い浮かべますよね。「下」のイメージが先に来ます。
でも語源としての sub- は、もう少し立体的な意味を持っています。主役の「すぐ真下・ぴったり後ろ」に控えている、というポジションです。空間的に「下」というよりは、「すぐ後ろにぴったりとくっついている」というイメージ。
そこに sequ-(ついて行く)が合わさると・・・親ガモの後ろを、小ガモが一羽もはぐれずについて行く情景が浮かびます。前の出来事が起きたら、それにくっついて「時間的にすぐ後ろから続いて起こる」。これが subsequently の芯です。
※ 正確には、sub- が「地下・真下」を表す subway や submarine とは、語源内でのニュアンスが違います。subsequently の sub- は「すぐ後ろに、ぴったり近くに」という意味で使われており、succeed(後継する)の sub- と同じ用法です。subway のイメージは記憶のとっかかりとして使えますが、語源としては「ぴったり後ろ」が正確です。
subsequently の基本の意味と使い方
subsequently は「その後に」「続いて」「引き続いて」を表す副詞です。ある出来事のあとに、別の出来事が時系列として続いて起きたことを示します。
- He graduated from college and subsequently moved to New York.
(彼は大学を卒業し、その後ニューヨークへ引っ越した。) - The new system was introduced, and subsequently, efficiency improved significantly.
(新しいシステムが導入され、続いて作業効率が大幅に向上した。) - She was initially rejected but was subsequently offered the position.
(彼女は最初は不採用だったが、その後ポジションをオファーされた。)
ポイントは「時間の順番を追っているだけ」という点です。AのあとにBが起きた、という時系列の記録であって、AだからBになったという因果関係は含みません。
決定的な違い|subsequently vs consequently
TOEICやビジネス英語で最も問われるのが、この2つの使い分けです。
subsequently = 時間の流れ(その後に)
出来事A → 時間が経過 → 出来事Bが「その後に」続いた
consequently = 因果関係(したがって)
原因A → だから必然的に → 結果Bが「したがって」起きた
subsequently(時間の順番)
単に「Aのあとに、時系列としてBが続いた」ことを示します。日常会話の after that や later のフォーマル版です。
He resigned from the company and subsequently started his own business.
(彼は会社を辞め、その後に自ら起業した。)
→ 「辞めたから起業した」という因果は含まない。ただ「順番として、後に起業した」という時系列の記録です。
consequently(因果関係)
「AがあったからこそBになった」という、原因と結果の結びつきを示します。therefore や as a result の仲間です。
The factory lost power; consequently, production was delayed.
(工場が停電した。したがって、生産に遅れが出た。)
→ 「停電したから遅れた」という因果が明確に含まれます。
“sequ-(ついて行く)” 一族の整理
subsequently の語幹 sequ- は、ラテン語 sequi(ついて行く・従う)から来ています。同じ語幹を持つ単語を見ると、「ついて行く」というイメージがそれぞれどう展開しているかが見えてきます。
| 単語 | 意味 | 「ついて行く」のイメージ |
|---|---|---|
| subsequent | その後の、続いて起こる | すぐ後ろについて来る |
| subsequently | その後に、続いて | すぐ後ろについて来る(副詞形) |
| sequence | 順序、連続 | 順番に並んでついて行く |
| sequel | 続編、後日談 | 前作の後についてくる物語 |
| consequently | したがって、その結果 | 原因にくっついてついて来る結果 |
| consequence | 結果、影響 | 行動の後についてくるもの |
「sequ- が入っていたら、何かが何かの後についている話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。
派生語|subsequently まわり
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| subsequently | 副詞 | その後に、続いて | サブスィクワントリー /ˈsʌbsɪkwəntli/ |
| subsequent | 形容詞 | その後の、次の、後続の | サブスィクワント /ˈsʌbsɪkwənt/ |
| subsequent to 〜 | 前置詞句 | 〜の後に、〜に続いて | ― |
| in subsequent years | 名詞句 | その後の数年間で | ― |
発音のポイント:アクセントは先頭の sub-(サ) に置かれます。「サブセクエントリー」と読まれがちですが、kw の音が入るため「サブスィクワントリー(/ˈsʌbsɪkwəntli/)」と発音するのが正確です。
TOEIC・英検での出題傾向
subsequently は、ビジネス文書・ニュース・学術文で頻出の接続副詞です。
TOEICでは Part 5/6(文法・語彙問題)で、空欄の前後が「時間の流れ」なのか「因果関係」なのかを見極めさせる問題が定番です。subsequently と consequently を入れ替えて正誤を問うパターンに注意。Part 7(読解)では、人物の経歴や企業の沿革で時系列を追うキー単語として登場します。形容詞形の in subsequent years(その後の数年間で) という表現も読解の定番です。
英検では準1級〜1級のライティングや要約問題で、出来事の流れを論理的につなぐディスコースマーカーとして使えます。and then では幼稚に見える文章も、subsequently を使うと一段格調が上がります。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- He lost his job and subsequently moved back to his hometown.
- The law was passed, and subsequently, companies had to change their policies.
- She was subsequently promoted to manager after three years.
- The storm hit the coast; subsequently, thousands of homes lost power.
- He was subsequently found not guilty.
- The project was delayed; subsequently, the launch date was pushed back.
- You may face challenges, but what you do subsequently defines you.
- The merger was announced and subsequently completed within six months.
- The team lost the first match but subsequently won three in a row.
- Whatever happens today, your subsequent steps are what matter most.
語源メモ|「すぐ後ろについて行く」を時間の言葉に
subsequently は、ラテン語 subsequi(すぐ後ろについて行く・時間的に後に続く)の現在分詞形 subsequens に由来します。分けると sub-(すぐ後ろに・ぴったり近くに)と、「従う・続く」を表す動詞 sequi(PIE 語根 *sekw-「ついて行く」)。15世紀に古フランス語を経て英語に入りました。
ここで整理しておきたいのが sub- のニュアンスです。subway や submarine の sub- は「地下・下」ですが、subsequently の sub- は「すぐ後ろに・ぴったり近くに」という意味で機能しています。同じ sub- でも succeed(後継する:sub- + cedere)と同じ用法で、「真後ろをついていく→その後に続く」という時間的な意味に転じたものです。
また sequ- の語幹は sequence(順序)・sequel(続編)・consequence(結果)と共有しています。subsequently はこの sequ- 一族の中で「時間の流れとして続く」という役割を担っている副詞です。
まとめ
subsequently は、sub-(すぐ後ろに)+ sequ-(ついて行く)+ -ly で「時間的にすぐ後ろについて行く」=その後に・続いて。
- sub-(すぐ後ろに)・・・subway の「下」ではなく、succeed と同じ「ぴったり後ろ」
- sequ-(ついて行く)・・・sequence/sequel/consequence と共通の語幹
- subsequently vs consequently・・・時間の順番 vs 因果関係。ここが最大の使い分けポイント

- 語源・中心:sub-(すぐ後ろに)+ sequi(ついて行く)=「その後に続く」
- 時間 vs 因果:subsequently(時間の流れ)/ consequently(因果関係)/ therefore(論理的結論)
- sequ- 一族:sequence / sequel / consequence / subsequent
- 重要フレーズ:subsequently became / in subsequent years / subsequent to 〜
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- sequence の語源(順序・連続) → (近日中に公開)
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- consequently の語源(したがって・その結果として) → (近日中に公開)
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翻訳練習の解答
- 彼は仕事を失い、その後故郷に戻った。
- 法律が成立し、続いて企業はポリシーを変更しなければならなくなった。
- 彼女は3年後、その後マネージャーに昇進した。
- 嵐が海岸を直撃し、その後、数千軒の家庭が停電した。
- 彼はその後、無罪と判断された。
- プロジェクトが遅延し、続いてリリース日が後ろ倒しになった。
- 困難に直面することはある。でも、その後にあなたがどう動くかが、あなたを決める。
- 合併が発表され、その後6か月以内に完了した。
- チームは初戦を落としたが、その後3連勝した。
- 今日何が起きても、その後の一歩が一番大切なことだ。


