「DNAの塩基配列(DNA sequence)」「映画のクライマックスシーン(action sequence)」「手順を順番通りに(in sequential order)」・・・IT、バイオ、映画、ビジネス文書まで、あちこちで顔を出す sequence(シークエンス)。
でも、「シークエンス」というカタカナ語で慣れてしまっていると、英語の綴りを見たとき「あれ、これって順序のこと?連続のこと?」と毎回ふわっとした印象で終わりがちです。
この単語、実は日常で耳なじみのある「あのカタカナ語」を三つ思い浮かべるだけで、意味の中心が一瞬で腹落ちします。映画の「シークエンス」、音楽の打ち込み機材「シーケンサー」、そして映画の続編「シークエル」。全部、同じ語源の仲間です。
sequence を分解してイメージで覚える
sequence を語源のパーツに分けると、こうなります。
sequ-(後について行く・従う:ラテン語 sequi)+ -ence(名詞語尾:〜すること・〜の状態)
語源の中心にあるのは、ラテン語の動詞 sequi(後について行く、追随する) です。
カルガモの親鳥のうしろを、子ガモたちが一列になって順番についていく情景を思い浮かべてみてください。前のものから勝手に離れることなく、次々と順番通りに続いて並んでいく。
- sequi(後について行く)
- sequence(前のものに続いて、次々と順番通りに並ぶこと)
この「後ろへ順番についていく」というイメージから、「順序」「一連のまとまり」「連続」という現代の意味が生まれました。
sequence の基本の意味と使い方
sequence は「順序」「連続」「一連のまとまり」を表す名詞です。
- the sequence of events(出来事の順序・一連の経緯)
- in sequence(順番に・順序通りに)
- a sequence of steps(一連の手順)
- an action sequence(アクションシーン・一連の格闘場面)
- DNA sequence(DNA配列・塩基の並び順)
「バラバラな単品」ではなく、「前後のつながりを持って順番に連なっているもの」というニュアンスが核にあります。sequi(ついて行く)の語源を知っておくと、この「連なり感」がすっと入ってきます。
映画の「シークエンス」も「シーケンサー」も全部仲間
私たちが日常で耳にするカタカナ語も、すべてこの「順番についていく」という核で動いています。
映画の「シークエンス(sequence)」
一つの出来事やアクションを描くために、順番に並べられた「一連の連続したシーンのまとまり」のこと。チェイスシークエンス(カーチェイスの一連の場面)のように使います。
音楽・DTMの「シーケンサー(sequencer)」
打ち込んだ音符データを、あらかじめ設定した「順番(sequence)通りに自動演奏させる」装置・ソフトのこと。
映画の続編「シークエル(sequel)」
大ヒットした前作の「後ろについて作られた物語」= 続編。sequel も同じ sequi がルーツです。
“sequ / secut(ついて行く・従う)” でつながる単語ネットワーク
ラテン語 sequi(後について行く)から生まれた仲間たちです。接頭辞との組み合わせで、重要単語が芋づる式につながります。
| 単語 | 語源構造 | 意味のイメージ | 現代の意味 |
|---|---|---|---|
| sequence | sequ+-ence | 後について並ぶこと | 順序、連続、一連のまとまり |
| sequential | sequence+-al | 順番についていくような | 連続的な、順序通りの |
| sequel | sequ+-el | 後ろについて来るもの | (映画・小説の)続編 |
| consequence | con-(共に)+sequ+-ence | 行動と「共に後からついて来る」もの | 結果、成り行き、重大さ |
| subsequent | sub-(すぐ後に)+sequ+-ent | 直後についていく | その後の、後続の |
| subsequently | subsequent+-ly | その後に続いて | その後、続いて |
| execute | ex-(外へ・最後まで)+secut | 指示に最後まで従ってやり切る | 実行する、処刑する |
| persecute | per-(しつこく)+secut | 後ろからしつこく追いかける | 迫害する、苦しめる |
ビジネスの重要単語 consequence(結果) も、「あなたが取った行動と一緒に後ろからついて来るもの(con- + sequi)」というイメージで、全く同じご先祖様を持っています。
派生語 Word Family
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| sequence | 名詞 | 順序、連続、一連のまとまり | スィークワンス /ˈsiːkwəns/ |
| sequential | 形容詞 | 連続した、順序通りの | スィクウェンシャル /sɪˈkwɛnʃəl/ |
| sequentially | 副詞 | 順序通りに、連続して | スィクウェンシャリー /sɪˈkwɛnʃəli/ |
| sequel | 名詞 | (映画・小説の)続編 | スィークウェル /ˈsiːkwəl/ |
| subsequent | 形容詞 | その後の、後続の | サブスィクワント /ˈsʌbsɪkwənt/ |
| subsequently | 副詞 | その後、続いて | サブスィクワントリー /ˈsʌbsɪkwəntli/ |
| consequence | 名詞 | 結果、重大さ | カンスィクワンス /ˈkɑːnsəkwəns/ |
※ 発音のポイント:日本語では「シーケンス」と伸ばしがちですが、英語では kw の音が入るため「スィー・クワンス(/ˈsiːkwəns/)」と発音されます。
TOEIC・英検での出題傾向
TOEIC L&R では超頻出語です。Part 7 のマニュアルや手順書で in sequential order(順序通りに) や in chronological sequence(時系列順に) が頻出します。また Part 5/6 の語彙問題では subsequently(その後) が接続副詞として正解の選択肢に頻繁に登場します。
英検(2級〜準1級) では、科学や歴史の長文で gene sequence(遺伝子配列)や、歴史的事件の因果関係を説明する文脈で必須の語です。consequence も準1級頻出なので、sequ 一族としてまとめて押さえておくと効率がいいです。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- Follow the steps in sequence.
- The sequence of events was hard to believe.
- She completed the tasks in sequential order.
- Every action has a consequence.
- The subsequent meeting went much better.
- He explained what happened subsequently.
- The film opens with a stunning action sequence.
- Your efforts will lead to good consequences.
- You can process each file sequentially.
- The sequel follows the same sequence of emotions.
語源メモ|sequi(後について行く)という動詞
sequence のルーツは、ラテン語の動詞 sequi(後について行く・従う) です。その現在分詞幹 sequent-(ついていっている)に、抽象名詞を作る語尾 -ia(こと・状態)が付いて sequentia(後に続いて起こること)となり、フランス語を経て英語に入りました。
同じ語根から execute(ex-+secut:指示に最後まで従ってやり切る → 実行する)、persecute(per-+secut:しつこく追いかけ回す → 迫害する)も生まれています。sequ- と secut- は同じ語根の形の違いで、どちらも「ついて行く・従う」が核です。
さらにさかのぼると、印欧祖語の *sekʷ-(follow:追う・従う) に行き着きます。この語根は、ギリシャ語の hepomai(従う)や、サンスクリット語の sacate(彼は従う)にも共通しており、「ついて行く」という動作が古代から人類に普遍的な概念だったことがわかります。
まとめ
sequence は sequi(後について行く) がルーツで、「前のものに続いて、次々と順番通りに並ぶこと」= 順序・連続・一連のまとまり。
- sequ-(後について行く)・・・sequel(続編)/ consequence(結果)/ subsequent(その後の)へ
- 日常カタカナ語との接点・・・シークエンス(一連のシーン)/ シーケンサー(順序再生機)/ シークエル(続編)
- TOEICの最頻出フレーズ・・・in sequential order(順序通りに)/ subsequently(その後)
「シークエンス」「シークエル」「シーケンサー」・・・全部、一列になってついて行く同じ仲間です。

- 語源・中心:sequi(後について行く)+ -ence =「後ろへ順番についていくこと」
- sequ 一族:sequel / consequence / subsequent / subsequently
- secut 一族:execute / persecute
- 日常カタカナ語:シークエンス / シーケンサー / シークエル
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翻訳練習の解答例
- 手順を順番通りに進めてください。
- 一連の出来事は、とても信じられるものではなかった。
- 彼女は、順序通りにタスクをこなした。
- すべての行動には、結果がついてくる。
- その後に開かれた会議は、ずっとうまくいった。
- 彼は、その後に何が起きたかを説明した。
- 映画は、迫力あるアクションシーンから始まる。
- あなたの努力は、きっといい結果につながる。
- ファイルをひとつずつ、順番に処理できます。
- 続編は、元作品と同じ感情の流れをたどっている。
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