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とにかくたくさん音読すればよいというわけではない 表現のための音読

 音読は、とにかく速く読めばよいというわけではありません。同じように、たくさん同じ文章を繰り返して音読すればよいというものでもありません。以前ある研究会で、中学校で教えている英語の先生のお話をうかがいました。その方は「ある生徒は、同じ英語の文章を1000回音読したのです!」と大変うれしそうにお話をされていました。ん? それって意味あるの? と私は内心思ってしまいました。

 たとえば、100回も音読すれば、文章全体を暗唱できるようになると思うのです。それ以上同じ文章を音読することで、どのような効果が得られるのでしょうか。100回音読したら、残りの900回音読するのにかけた時間を、他のことに使った方が、もっと英語力が伸びたのではないでしょうか。

 言い方が適切かどうか、自信はありませんが・・・。1000回同じ英語の文章を音読して得られる満足感と根性よりも、100回とは言わず、50回程度音読して英文を暗唱できるくらいになったら、ワンランクアップした勉強法を教えてあげる方が、苦労が少なくて、効率的だと、私は思うのです。

 その1つが「表現のための音読」です。読む英文の内容を解釈し、ポーズ、アクセント、イントネーションに変化を持たせる。英文に込められた意味の解釈を変えた場合、どのように音読の仕方(表現)を変えるのかを考えるという活動です。

 これはスピーキングの際に重要になるスキルです。

 もう1つは、初めて見る英文を音読してもらうという活動もあります。初めて音読する英文に、適切にポーズを入れることができるかどうかで、どの程度文法を意識しているかがわかります。

 初めて音読する英文の中に、知っている単語があっても、かんでしまう(すぐに発音が出てこない間違って言い直す)ことがあります。その単語はまだ発音が十分に定着していません。初めての英文を音読することで、自分の弱点を知ることもできます。

 強く読むべきところを強く音読できない、どこを強く読んでいるのかよくわからないという場合は、英文の意味を十分理解していないことが予想できます。

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