「deem(〜と見なす)」という単語、seem(〜のように見える)とそっくりですよね。つづりも -eem でそろっていて、意味も「そう思う・そう見える」と近い。語源は異なるのですが、このイメージを頭に入れれば意味をすぐ覚えることが可能です。
deem の意味の中心は、古英語の dōm。これ、実はあの doom(審判・運命) と同じ言葉なんです。裁判官が判決を”下す”ように、心の中で「これはこうだ」と判断して決める・・・それが deem。この一枚の絵をつかむと、少しかたくてとっつきにくい deem が、ぐっと身近になります。
そしてこの dōm、もう一つ意外なところに隠れています。kingdom(王国)、freedom(自由)、wisdom(知恵)・・・語尾の -dom です。
deem を分解してイメージで覚える|意味の中心は “doom(審判)”
deem の意味の中心は、古英語 dēman(裁く・判断する)、その元にある名詞 dōm(審判・判断) です。「判断を下す」から「〜と見なす・考える」へ。
覚え方はシンプルです。deem の中に doom(審判) を見てください。裁判官が証拠をながめて「有罪だ」と結論を下す・・・あの”見定めて決める”感覚が deem です。だから deem は、ただの「思う(think)」より少し重い。きちんと考えて結論を出す、というニュアンスがあります。
- He was deemed guilty.(彼は有罪と見なされた)
まさに”審判(doom)”の匂いが残った使い方ですね。
deem の基本の意味と使い方
deem は「〜と見なす」「〜と考える」を表す動詞です。自分の判断で「これはこうだ」と結論づけるときに使います。
- She deems it necessary to study.(彼女は勉強が必要だと考えている)
- The movie was deemed appropriate for all ages.(その映画は全年齢向けと判断された)
- Late applications will be deemed invalid.(遅れて出された応募は無効と見なされます)
「A is deemed B(A が B と見なされる)」の形が定番です。かための書き言葉なので、日常会話ではふつう think や consider を使います。
- 日常会話:I think it’s important.
- フォーマル:It is deemed important.
deem と seem|そっくりだけど、語源は別
deem と seem は、つづりも音もそっくりで、学習者が混同しやすい代表格です。でも語源は完全に別ルート。ここを一度整理しておくと、もう迷いません。
- deem・・・古英語 dēman(裁く・判断する)。dōm=doom(審判)の家族。
- seem・・・古ノルド語 sœma(かなう・ふさわしい)。same(同じ)の家族。
語源は別。でも、覚えるときは”対のペア”にすると忘れません。
- deem =(自分が)〜と見なす・判断する ・・・ 判断する側から
- seem =(まわりから)〜のように見える・思われる ・・・ 見え方の側から
同じ「あるものを”こうだ”と受け取る」場面を、deem は”判断する側”から、seem は”見える側”から言っているだけ。韻を踏むこの2語を「見なす(deem)/見える(seem)」の対で覚えると、意味も方向もセットで頭に残ります。
※ 念のため・・・deem と seem は語源が別です(deem=dōm〈審判〉系、seem=same〈同じ〉系)。似ているのは音とつづりだけ。これは”意味の対”として覚えるための手がかりで、語源上のつながりではありません。
もう一つのそっくりさん|redeem は “買い戻す” の別家族
ついでに、もう一語だけ。deem に re- を足すと redeem(買い戻す・償う)・・・と言いたくなりますが、これも別語源です。
redeem/redemption/redeemable はラテン語 redimere= red-(戻して)+ emere(買う・取る)。「買い戻す」が元の意味で、仲間は ransom(身代金)などです。deem(判断する・ゲルマン系)とは家系がちがいます。
つまり deem・seem・redeem は、似ているのに三者三様。deem を覚えるときは、doom(審判)と -dom(kingdom, freedom) のほうへ引っ越しておくのが正解です。
doom(審判)でつながる単語ネットワーク
deem の意味の中心 dōm を知ると、まず doom の一族が見えてきます。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| doom | 運命、破滅、審判 | 下された”判断”そのもの。deem の名詞版のような存在 |
| doomsday | 最後の審判の日、この世の終わり | doom(審判)+day=すべてが裁かれる日 |
| deemster | (マン島などの)裁判官 | deem する人。英語の姓 Dempster もここから |
-dom(状態・領域)でつながる単語ネットワーク
そして dōm は、語尾の -dom として今も生きています。-dom は「〜という状態・身分・領域」を作る接尾辞。元は「(dōm によって)定められたあり方・範囲」というイメージです。
| 単語 | 意味 | 成り立ち |
|---|---|---|
| kingdom | 王国 | king(王)+dom=王が治める領域 |
| freedom | 自由 | free(自由な)+dom=自由である状態 |
| wisdom | 知恵 | wise(賢い)+dom=賢さのあり方 |
| boredom | 退屈 | bore(うんざりさせる)+dom=退屈な状態 |
| stardom | スターの座 | star+dom=スターである身分 |
deem・doom・-dom・・・一見バラバラの3つが、”判断して定める” という一本の線でつながります。deem を入り口に、この dōm 一族へ広げていけます。
派生語|deem まわり
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| deem | 動詞 | 〜と見なす、〜と考える | ディーム /diːm/ |
| deemed | 動詞(過去・過分) | 見なされた、考えられた | ディームド /diːmd/ |
| deeming | 動詞(現在分詞・動名詞) | 見なすこと | ディーミング /ˈdiːmɪŋ/ |
| deemster | 名詞 | (古)裁判官 | ディームスター |
(※ redeem・redemption・redeemable は綴りが似ていますが別語源のため、ここには含めません。)
TOEIC・英検での出題傾向
deem はかための書き言葉で、契約書・規約・お知らせ・ニュース記事などで見かけます。TOEIC なら Part 7(読解)の告知文や規定で「is deemed 〜(〜と見なされる)」の形が定番。英検では準1級〜1級で出会うレベルの語です。会話ではあまり使わないので、まずは”読んでわかる”を目標にすると効率的です。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- Many people deem kindness a kind of strength.
- She deemed the plan worth trying.
- At first you may deem this task hard, but you will grow.
- The teacher deemed her answer thoughtful and clear.
- Do not let others deem your dreams too small.
- He was deemed ready for the new role.
- What you deem important today shapes your tomorrow.
- They deemed the little café the best in town.
- If you deem yourself capable, you are already halfway there.
- Deem your own effort worthy — it truly is.
語源メモ|deem と dōm(審判)が生んだ言葉
deem は、古英語 dēman(裁く・判断する) に由来します。その元にあるのが名詞 dōm(審判・判断・定め)。この dōm こそ、現代英語の doom(運命・破滅・審判) そのものであり、kingdom・freedom・wisdom の -dom の正体でもあります。さかのぼるとゲルマン祖語 *dōmaz、さらに「据える・定める」を表すインド・ヨーロッパ語根にたどり着きます。
まぎらわしい2語を、ここで最終整理しておきます。
- seem(〜のように見える)・・・古ノルド語 sœma(かなう・ふさわしい)。same(同じ)の家族で、deem とは別ルート。似ているのは音とつづりだけ。
- redeem(買い戻す・償う)・・・ラテン語 redimere=red-(戻す)+emere(買う)。ransom(身代金)の家族で、これも deem とは無関係。
deem の家系図は、あくまで doom と -dom。ここを押さえておくと、鋭い人に「redeem と同じ?」と聞かれても、迷わず「別家系です」と答えられます。
まとめ
deem は、古英語 dōm(審判・判断)から生まれた「〜と見なす・考える」。意味の中心は”判断を下す”ことです。
- dōm(審判)・・・doom/doomsday/deemster の家族へ
- -dom(状態・領域)・・・kingdom/freedom/wisdom/boredom/stardom へ
- seem(見える)とは語源が別・・・でも「見なす/見える」の対で覚えると忘れない
- redeem(買い戻す)も別語源・・・つられて仲間にしないよう注意
心の中で証拠を見て、「これはこうだ」と静かに判断を下す。deem は、そんな”審判”の一語です。

- 語源・中心:deem=古英語 dēman(裁く)/dōm=審判・判断 →「〜と見なす」
- doom(審判)系:doom/doomsday/deemster
- -dom(状態・領域)系:kingdom/freedom/wisdom/boredom/stardom
- 覚え方のヒント:deem → doom(判断→審判)/seem(見える)とは別語源・でも「見なす/見える」の対
関連記事(内部リンク)
- seem の語源(〜のように見える)→ (近日中に公開)
- doom・-dom でつながる単語の記憶術 → (近日中に公開)
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翻訳練習の解答
- 多くの人が、やさしさを一種の強さだと見なしている。
- 彼女は、その計画は試す価値があると考えた。
- 最初はこの課題を難しいと思うかもしれない。でも、あなたはきっと伸びていく。
- 先生は、彼女の答えをよく考えられていて明快だと評価した。
- あなたの夢を、他人に「小さすぎる」と決めつけさせてはいけない。
- 彼は、新しい役割にふさわしいと見なされた。
- あなたが今日大切だと見なすものが、あなたの明日をつくる。
- 彼らは、その小さなカフェを町いちばんだと考えていた。
- 自分にはできると見なせたなら、あなたはもう半分たどり着いている。
- 自分の努力を、価値あるものと見なそう。本当に、その通りだから。

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