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【語源で覚える】comprehend|隠れた “hend” は、あの hand(手)?

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「コンプリヘンド」・・・あまり見慣れないカタカナかもしれませんが、comprehend は「理解する」を表す、英語では超基本の一語です。

じっと見ると、後ろに hend がいます。読み方も見た目も、hand(手)にそっくりですよね。

この「手」のイメージを入り口にすると、丸暗記に頼らなくても comprehend の意味がすっと入ってきます。頭の com は「すっかり・全部」。そして主役は後ろの hend(つかむ・とらえる)。「すっかり手でつかむ」・・・つかんで自分のものにする、それが「理解する」です。

ちなみに、この hend(つかむ)が入っている単語には、意外なほど身近なものがあります。surprise(驚き)。この記事の後半で種明かししますが、驚きも実は「つかむ」仲間です。

※ この記事は、姉妹編の apprehend(逮捕する・理解する)と対になっています。apprehend が「手を伸ばして”ぱっと”つかむ」話なら、こちらは「”すっかり”つかむ=深く理解する」話です。あわせて読むと、hend 一族がぐっと立体的になります。

【語源で覚える】apprehend|”hend” の正体は、あの hand?

【語源で覚える】apprehend|”hend” の正体は、あの hand?
apprehend(逮捕する・理解する・不安に思う)を語源から。頭の ap は up(〜へ向かって)、芯の hend は hand(つかむ)のイメージ。「手でつかむ→逮捕」「頭でつかむ→理解」「心でつかむ→不安」と、バラバラに見える3つの意味が一本につながります。comprehend との違い、prehend 一族への広げ方、翻訳練習10問つき。
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comprehend を分解してイメージで覚える|後ろの “hend” が主役

comprehend をパーツで見ると、こうなります。

com(すっかり・全部)+ hend(つかむ・とらえる)

覚え方のコツを一つ。後ろの hend を、hand(手)と重ねてみてください。手でぎゅっとつかむイメージです。頭の com は「すっかり・全部」。合わせて「すっかり手でつかむ」・・・対象をまるごと手の中に収める。それが「理解する」という意味の入り口です。

com-が「全部」を意味するのは、コンプリート(complete:完全に終わりにする)を思い浮かべればわかります。

日本語でも、話が「つかめない」「要点をつかむ」と言いますよね。「わかる=つかむ」という感覚は、言語を超えて共通しています。comprehend は、その感覚をそのまま形にした単語です。

※ 正確には、hend は英語の hand(手)ではなく、ラテン語 prehendere(つかむ・とらえる) に由来します。綴りも意味も近いので手がかりに使っていますが、語源としては別のことばです。「手でつかむ」というイメージが prehendere の意味にそのまま重なるので、覚える入り口として便利、というわけです。

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comprehend の基本の意味と使い方

comprehend は「理解する」「(十分に)のみこむ」を表す動詞です。understand と近いですが、comprehend は「全体をまるごと、深く」つかむニュアンスが強めです。

  • I can’t fully comprehend it.(完全には理解できない)
  • hard to comprehend(理解しがたい)
  • comprehend the meaning(意味をのみこむ)

understand が日常の「わかる」なら、comprehend は少しあらたまった、「深くのみこむ」場面で活躍します。試験の長文やビジネス文書でよく出会う一語です。hend(つかんで自分のものにする)の語源を知ると、この「深くのみこむ」感覚が腑に落ちます。

“hend(つかむ)” でつながる単語ネットワーク

comprehend の意味の中心 hend/prehend(つかむ・とらえる/ラテン語 prehendere)を知っておくと、まったく別ジャンルに見える単語が一気につながります。

単語意味イメージ
surprise驚き、驚かせるsur(上から)+prise(つかむ)=不意に上からつかむ
prison刑務所「つかまえる・捕える」ことから来た場所
apprehend逮捕する、理解するap(〜へ)+prehend=手を伸ばしてつかむ
comprehension理解(力)comprehend の名詞形
comprehensive包括的な、総合的なすっかりつかむ→全部を含む
enterprise企業、冒険的事業enter(間に)+prise(つかむ)=手を出してつかみにいく
prize賞、賞品手でつかみ取るもの

「surprise も prison も”つかむ”仲間」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも「たぶん”つかむ・とらえる”話だな」と推測できます。comprehend は、この hend 一族への入り口でもあるんです。

com(すっかり・一緒に)でつながる単語ネットワーク

一方で、頭の com(一緒に・すっかり)をたどると、「集める・合わせる」系の身近な単語がまとまって見えてきます。

単語意味語源
combine組み合わせるcom(一緒に)+bine(二つ)
complete完成した、全部のcom(すっかり)+ple(満たす)
connectつなぐcon(一緒に)+nect(結ぶ)
compose構成する、作曲するcom(一緒に)+pose(置く)
collect集めるcol(一緒に)+lect(集める)
community共同体com(一緒に)=ともにあること

com が見えたら「一緒に・すっかり」・・・この感覚を持っておくと、長い単語も頭の中で分解しやすくなります。

comprehend は、この「hend(つかむ)」と「com(すっかり)」という2つの家族が交わる場所に立つ単語・・・そう捉えると、一語から二方向に世界が広がります。

派生語|comprehend まわり

単語品詞意味発音
comprehend動詞理解する、のみこむコンプリヘンド /ˌkɑːmprɪˈhend/
comprehension名詞理解(力)コンプリヘンション /ˌkɑːmprɪˈhenʃn/
comprehensive形容詞包括的な、総合的なコンプリヘンシブ /ˌkɑːmprɪˈhensɪv/
comprehensible形容詞理解できる、わかりやすい/ˌkɑːmprɪˈhensəbl/

TOEIC・英検での出題傾向

comprehend の一族は、試験で顔なじみです。comprehension は「リーディング・コンプリヘンション(reading comprehension)=読解」の形で英検・TOEIC の定番。comprehensive は TOEIC で comprehensive plan(総合計画)、comprehensive report(総合報告書)などビジネス文書によく出ます。

comprehend 本体はやや硬めで、長文の中で出会う一語。英検なら準2級〜2級あたりで押さえておきたいところです。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. I can comprehend this sentence now.
  2. You comprehend more than you think.
  3. It takes time to comprehend a new idea.
  4. She could finally comprehend the whole story.
  5. Do you comprehend how far you have come?
  6. Some feelings are hard to comprehend at first.
  7. Read it slowly, and you will comprehend it.
  8. We comprehend the world one word at a time.
  9. You already comprehend the heart of it.
  10. What we cannot comprehend today, we may comprehend tomorrow.

語源メモ|com と prehendere が出会う言葉

comprehend は、ラテン語 comprehendere に由来します。分けると com(すっかり・完全に)prehendere(つかむ・とらえる)。合わさって「すっかりつかむ」、そこから「理解する」になりました。

ここで覚えておくと得なのが、後ろの prehend/prehens です。これは apprehend・comprehension・surprise・prison・enterprise・prize など、たくさんの単語に共通する「つかむ・とらえる」の核。comprehend を入り口に、この一族へ広げていけます。

なお、hend を英語の hand(手)と重ねたのは、あくまで記憶用の手がかりです。prehendere と hand は語源としては別ルート。ただ「手でつかむ」というイメージが意味にぴったり重なるので、覚える入り口として使っています。そこだけ整理しておくと、鋭い人に聞かれても迷いません。

まとめ

comprehend は、com(すっかり)+ hend(つかむ・とらえる)で「すっかり手の中につかむ」=理解する。

  • com(すっかり)・・・combine/complete/connect などの一族へ
  • hend(prehendere)・・・apprehend/surprise/prison/enterprise などの一族へ
  • comprehend は、その2つが交わる入り口

わからないことも、ゆっくり手を伸ばせば、いつか「つかめる」。理解とは、そういう手ごたえのことかもしれません。

comprehend の語源ワードマップ。中心は comprehend(=すっかりつかむ=理解する)で、com(すっかり)+hend(つかむ)に分解。覚え方のヒント(hend→hand)、hend(つかむ)一族(apprehend / surprise / prison / enterprise / prize)、com(すっかり)一族(combine / complete / connect / compose / community)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:com(すっかり)+ hend(つかむ)=「すっかりつかむ」→理解する
  • 覚え方のヒント:hend → hand(手でつかむ)
  • hend(つかむ)一族:apprehend/surprise/prison/enterprise/comprehension/comprehensive/prize
  • com(すっかり)一族:combine/complete/connect/compose/collect/community

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翻訳練習の解答例

  1. 私は今、この文がわかる。
  2. あなたは、自分で思うよりずっと理解できている。
  3. 新しい考えをのみこむには、時間がかかる。
  4. 彼女はようやく、話の全体をのみこめた。
  5. あなたは、自分がどれだけ歩んできたか、わかっているだろうか。
  6. 気持ちの中には、はじめは理解しにくいものもある。
  7. ゆっくり読めば、きっとわかるはずだ。
  8. 私たちは、一語ずつ世界をのみこんでいく。
  9. あなたはもう、その核心をつかんでいる。
  10. 今日わからないことも、明日にはわかるかもしれない。