英語の勉強が進まない大きな原因の1つに単語力がありますよね。
何度覚えても忘れてしまう。もういや! って何度思ったことでしょう。
努力しているのに単語力が伸びない。こんな悩みをお持ちの方は、カタカナ英語で単語力を爆上げする方法を試してみてはいかがでしょうか。
この記事では
- 「カタカナ英語は通じない」とされる6つの理由
- カタカナ英語で単語力を伸ばせる根拠
- カタカナ英語で勉強する際の4つの注意点
- カタカナ英語で単語力を5倍、6倍以上にする覚え方
についてお伝えします。
カタカナ英語は通じないという6つの理由
カタカナ英語で英単語を覚えることに反対する人は少なくないです。次のような理由からです。
カタカナ英語が役に立たないと言われる理由を以下にリストアップします。
カタカナ英語のデメリット例
- 発音が異なるため通じない
- カタカナ表記の発音が英語本来の発音と異なるため、ネイティブには理解されにくい。
例:「バター(butter)」や「コンセント(outlet)」
- カタカナ表記の発音が英語本来の発音と異なるため、ネイティブには理解されにくい。
- 意味が異なる場合がある
- 和製英語は英語本来の意味とは異なることが多い。
例:「マンション(apartmentではなく、mansionは豪邸を指す)」
- 和製英語は英語本来の意味とは異なることが多い。
- 英語では存在しない表現がある
- 日本独自に作られたカタカナ英語は英語圏では全く通じない。
例:「サラリーマン(office worker)」や「リベンジ(rematchやretryが適切)」
- 日本独自に作られたカタカナ英語は英語圏では全く通じない。
- 文法や語法の誤解を招く
- カタカナ英語をそのまま英語として使うと、文法的に誤解を招く表現になることがある。
- 誤った発音の定着
- 長年カタカナ英語に慣れていると、正しい発音を学びにくくなる。
- カジュアルな場面以外では適さない
- ビジネス英語やフォーマルな場面ではカタカナ英語が適切ではなく、誤解を与える可能性が高い。
実際の例
発音に関して言うとこれは確かにその通りです。特にカタカナ英語になっている単語は、カタカナ発音になることが多いです。
たとえば、難関大学と呼ばれる大学でも授業を担当していますが、発音に関してはかなり指導に苦労します。こうした学生は、自己流の発音でかなりの時間英語の勉強を積み重ねているので、カタカナ発音がなかなか抜けません。
Australiaはいつまでたっても「オーストラーリア」なんです。きちんと「オーストレイリア」と私が読んで聞かせても「オストラーリア」なんです。
でも、カタカナ英語のデメリットに注意しさえすれば、かなり多くの英語を読めるようになったり、会話で使うことができるようになることも確かです。
むしろ英語が苦手であまり勉強していない人の方が、カタカナ英語の勉強は有利なのです。
カタカナ英語で単語力を伸ばせる根拠
単語の研究で世界的に有名なある学者が、次のように述べています。
アメリカの大学で使われている経済学の教科書の3割以上は
カタカナ英語とその派生語である
と。
つまり、カタカナ英語とその派生語を覚えると、アメリカの大学で使われている経済学の教科書が少し理解しやすくなるということなのです。
実際私がさまざまな英文(教科書や大学入学共通テスト)を分析したところ、3割から4割弱は、カタカナ英語とその派生語でした。実際にリストアップしたのが次の記事です。
このリストにあるカタカナ英語の派生語も覚えることで、わかる単語が5倍にも6倍にもなるのです。今までカタカナ英語で単語力を伸ばした経験のない方にとっては、逆にチャンスとなりますよ。
次にカタカナ英語のデメリットにを克服する、英単語勉強法について説明しましょう。
カタカナ英語で勉強する際の4つの注意点
カタカナ英語で単語力を増やすには以下の点に注意しながら学んで下さい。
ネット辞書やスマホアプリで発音を確認しながら「聞こえたまま」覚える
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最近はネット辞書やスマホアプリで英単語の発音を聞くことができるようになりました。めんどうかもしれませんが、カタカナ英語で単語を覚える時には、必ず発音を聞いて下さい。
そして、聞こえたままの発音を頭に入れます。単語帳に発音を書く場合には、カタカナで聞こえたまま発音を書くのが有効です。
以下の記事でおススメアプリを2つご紹介しています。正直これ以外は必要ありません。
和製英語や意味が食い違う単語は後回しにする
先ほどの例にある「マンション」や「サラリーマン」のように、実は英語にはない和製英語というのがあります。
カタカナ語を見つけたら「サラリーマン 英語」でググれば、和製英語なのかどうかすぐわかります。こうした和製英語は後回しにすればよいのです。
ただ、インバウンドで海外からたくさんの観光客が来る時代になり、「サラリーマン」と言っても通じる人が増えているのも確かです。和製英語が通じる英語になっていたりします。
日本語がそのまま英語になったものもあります。「天ぷら」など古いものから、ここ数年の間に「津波」なども、海外の英語ニュースで見かけることが多くなりました。
微妙な意味の違いがないかは、使う時に確認する
これは、スマホアプリで発音を確認する時、一緒に意味の確認もできますから問題ないと思います。英文を書く場合、日本語と食い違う場合があるかもしれません。
でも、なんでも一度に全部身に付けるっていうのは、基本無理です。
だから、だいたいの意味を頭に入れて、実際使う場面では例文を見るようにすれば、より理解が深まります。
微妙な意味の違いは後で理解すればよいだけです。
「カジュアルな場面以外では適さない」 とは場面は気にしない
場面による違いは、最初は気にしなくていいです。だいたい、場面によって適切な単語を選べるって、それ英語の上級者のやることですよね。
これからできるようになりたいと思う人にとっては、ずっと後の話になります。
日本で英語を勉強する人の多くは、「使う」ことよりも「読んで理解する」ために英語を勉強していると思います。
そして、たくさん読むことで、スピーキングやライティングの能力も向上します。ですから「読んでわかる」ことを優先して、そのためにカタカナ英語で単語力を伸ばすのです。
そもそも、実際のコミュニケーションで、場面に適さない単語を使っても、相手が「こういうこと?」と聞き返してくれます。そこで修正するか、正しい表現を相手から教わればいいのです。
インバウンドでアジアの人たちも日本にたくさん来ています。そういう人たちの英語を聞いていると、必ずしもその場面に適切な表現だけを使っているとは限りません。
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1つのカタカナ英語を通じて、より多くの英単語を覚える方法と工夫
英単語には派生語というのがあります。受験勉強で「〇〇の名詞形はなんだっけ」みたいな覚え方したことありませんか?
たとえば、スピーチ(speech)の動詞形はspeakです。airyという単語はあまり知らないかもしれませんが、airの形容詞形です。airyは「空気のような」ということから「ふわふわした」というような意味になります。
これが派生語と呼ばれるものです。
派生語の例 バラエティー
バラエティー(variety)を正しい発音で覚えます。すると、以下のような派生語を身に付けることができます。
単語 | 意味 | 発音 |
---|
variety | 多様性、種類 | ヴァライエティ |
various | 様々な、いろいろな | ヴェアリアス |
vary | 異なる、変わる | ヴェアリ |
variable | 変わりやすい、不定の | ヴェアリアブル |
variation | 変化、変動 | ヴェアリエイション |
variability | 変動性、可変性 | ヴェアリアビリティ |
varied | 多様な | ヴェアリド |
variant | 変種、異なるもの | ヴェアリアント |
つづり字が似ていますから、覚えやすくなります。この派生語も発音だけはきちんとスマホアプリで正しく言えるようにしておきましょう。
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イメージでおおまかな意味を覚える 日本語訳は覚えない
派生語にそれぞれ日本語訳が付いていますが、この日本語訳はきちんと覚えない方がいいです。それはリーディングの速度を落とすことにつながるからです。
たとえば、
variability 変動性、可変性
なんて覚えてしまうと、英文を読む時「英語→日本語訳」という変換作業が頭の中で入ります。これがリーディング速度を落とす原因の1つになります。
派生語の発音を正しく覚えた後は、おおまかな意味、「バラエティー」の派生語は「変化 種類の多さ」という大まかな意味だけ頭に入れるようにすればいいのです。おおまかなイメージで覚えるということです。
単語帳や単語カードを作る時には、variabilityの横にvariety(バラエティー)と書くなど、元になるカタカナ英語を思い出すようにしておくと覚えやすくなります。
まとめ
いかがでしたか?
- カタカナ英語にはデメリットもある
- カタカナ英語のデメリットをあらかじめ理解しておく
- その上でカタカナ英語とその派生語で単語力を伸ばす
- まずリーディングでカタカナ英語の知識を活用する
- 日本語訳でななく、おおまかなイメージで意味を頭に入れる
- カタカナ英語の適切な使い方は、英語力が伸びた後に理解する
英語の勉強に限らず、できるようになるためにはbaby steps(赤ちゃんの歩調)で取り組むことが必要です。
ですから、まずカタカナ英語で単語力をどんどん増やし、次のステップに進みましょう。
身の回りにはカタカナ英語があふれていますから、それをかたっぱしから書き出し、派生語の大まかな意味をイメージとして頭に入れておきましょう。そうすれば、
あ、この単語あのカタカナ英語の派生語だ!
と気づく場面が増えてくるはずです。
カタカナ英語のリストは以下のサイトでご覧になれます。まだ限られた数ですが、語源の解説もしていますので、必要に応じてご覧下さい。