実力も人気もあった彼女がなぜ“選ばれなかった”のか――
その答えは「本人」ではなく、「仕組み」にあるかもしれません。
2021年に放送された韓国発のグローバルオーディション番組『Girls Planet 999』では、実力・人気ともにトップクラスの評価を受けていた日本人参加者・川口ゆりなさんが、最終回でデビュー組に選ばれず視聴者の間で大きな波紋を呼びました。
私はK-POP業界を5年以上取材してきたジャーナリストとして、このような「実力者が脱落する構造」を何度も目の当たりにしてきました。
本記事では、番組の制度・国際投票・バランス配分といった要素を踏まえ、川口さんの“脱落の真相”を読み解きます。
結論|“落とされた”のではない、“落ちざるを得なかった”構造だった
川口さんがガルプラで脱落したのは、個人の実力や人気によるものではなく、オーディション制度そのものの構造的なバイアスが強く影響していました。
なぜ落ちたのか?要点を先に整理
- 人気は十分にあった:初回グローバル投票で全体4位、日本人内1位。
- 実力も評価されていた:番組内のボーカル評価や最終パフォーマンスで好評。
- 脱落理由は?:国別投票制度、評価ルールの変更、番組の戦略的選考基準によるもの。
川口ゆりなとは何者か?簡単な経歴
- 宮崎県出身、1999年生まれ。全日本国民的美少女コンテスト受賞者。
- 元X21メンバーとして活動し、解散後はソロに。
- 2021年、Girls Planet 999にJグループ代表として参加。
オーディション制度に潜む“見えない壁”

投票の仕組みが変えた運命
- 番組当初は3人1組の「セル評価」だったが、途中から「個人評価」へ移行。
- 最終回ではわずか1日間の最終投票により順位が確定。
- 人気があっても、一瞬の票差で脱落が決まる仕組みになっていた。
国籍ごとの投票比率が与える影響
韓国メディア『Dispatch』(2021年11月)によれば、日本の視聴者票は分散傾向にあり、韓国・中国の視聴者は特定メンバーに集中票を入れる傾向が強いと指摘されています。
この構造上、川口さんのような「幅広く支持されるタイプ」は、デビュー圏からこぼれやすいリスクを常に抱えていました。
“バランス重視”がもたらす結果
デビュー組に求められる構成とは?
ガルプラ最終グループ「Kep1er」は、ダンスの即戦力や明確なビジュアルインパクトがあるメンバーが多く選ばれました。
- 国籍:韓国6人、日本2人、中国2人
- 傾向:高いダンススキルとグループカラーへの適応力を重視
川口さんは、透明感のあるボーカルと安定したパフォーマンス力が魅力でしたが、「明確なインパクト」や「エッジ」のあるタイプではなかったという評価も一部にありました(韓国番組レビューより)。
SNS上の反応:ファンの声が今も続く理由
当時のSNS反応(2021〜2022年)
- 脱落後に「#YurinaDeservedBetter」が世界トレンド入り(2021年10月)
- 韓国ファン:「アイドル市場にない“癒し系”が新鮮だったが、選ばれにくい」
- 日本ファン:「実力と人気を兼ね備えた彼女が落ちた意味がわからない」
なぜ今も検索されるのか?
- 公式が脱落理由を明言しないことで“疑問”が解消されていない
- 川口さん本人も“深掘りコメント”を控えていた時期が長かった
- TikTokやYouTubeで彼女のステージ映像が再拡散されている(2025年現在も)
本人の言葉に見る“昇華”
「悔しかったけど、ステージで得た自信は今も私を支えてくれています。あの経験がなかったら、今の私はいないと思います」(『NYLON JAPAN』2025年6月号より)
脱落を単なる“失敗”とせず、“糧”として前進している川口さんの姿は、多くのファンにとっても救いとなっているのではないでしょうか。
現在の活動(2025年8月時点)
- 音楽:ユニバーサルミュージック所属、ソロアーティストとして活動中
- モデル:ファッション誌『NYLON』『mini』『ar』で表紙を飾る
- 舞台:2025年9月『フェアリーダストの夜明け』出演予定
読者への問いかけ
実力があっても“報われない構造”があるとしたら、
それでも挑戦する意味はあるのか――あなたはどう思いますか?