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【語源で覚える】flyer(チラシ)|隠れているのは、知ってる “fly(飛ぶ)”

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「フライヤー(チラシ)」、お店やイベントでよく手渡されるあの紙ですよね。じっと見つめると、頭に fly がいます。そう、中学で最初に習う「飛ぶ」の fly です。

チラシなのに「飛ぶ」・・・? 一見ふしぎですが、ここが入り口。この「飛ぶ」のイメージをつかむと、丸暗記に頼らなくても、flyer が持ついくつもの意味が一本の線でつながります。

ちなみに flyer は、飛行機の常連客を指す frequent flyer の flyer でもあります。「飛ぶ人」も「飛ばす紙」も、根っこは同じ fly。まずはそこから見ていきましょう。

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flyer を分解してイメージで覚える|中身は “fly(飛ぶ)”

flyer をパーツで見ると、とてもシンプルです。

fly(飛ぶ)+ er(〜する人・もの)=「飛ぶもの/飛ばすもの」

er は「〜する人・もの」を作るパーツ(teach → teacher と同じ形)。だから flyer は、そのまま読めば「飛ぶもの」「飛ばすもの」です。

ここで「チラシがなぜ飛ぶの?」という疑問が残りますよね。答えは記事の後半(語源メモ)にありますが、先に手がかりだけ。昔のチラシは、まとまった量を空に向かってまいて配られました。情報が、まるで空を飛ぶように広まっていく紙・・・それが flyer です。「飛ぶ」で覚えておけば、「飛行機の客」も「チラシ」も、どちらも同じイメージから引き出せます。

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flyer の基本の意味と使い方

flyer は、大きく2つの意味を持つ名詞です。

  • チラシ・宣伝の紙:お店のセールやイベントを知らせる、1枚ものの広告。
    • hand out flyers(チラシを配る)
    • a flyer for the concert(コンサートのチラシ)
  • 飛ぶ人・飛行機の客:空を飛ぶもの、飛行機によく乗る人。
    • a frequent flyer(マイルをためる常連客)
    • He’s a frequent flyer with that airline.(彼はあの航空会社の常連だ)

どちらも「飛ぶ」という一点でつながっています。チラシは「飛ぶように広まる紙」、常連客は「よく飛ぶ人」。意味の中心を押さえておくと、文の中でどちらの顔なのか迷いません。

flyer と flier|スペルの違いと、似た言葉

flyer には flier という別のつづりもあります。どちらも正しく、意味も同じ。ざっくり言うと、チラシの意味では flyer が一般的で、flier はアメリカ英語(特に「飛ぶ人」や後述の take a flier)でよく見かけます。ひとつの文章の中では、どちらかに統一するのがきれいです。

似た「紙もの」の言葉との違いも軽く整理しておくと、使い分けがラクになります。

  • flyer / leaflet・・・1枚ものの薄い紙(leaflet は折りたたみのことも)
  • pamphlet / brochure・・・数ページの小冊子。brochure はきれいに作った案内冊子

「1枚ペラなら flyer」と覚えておけば、まず外しません。

“fly(飛ぶ)” でつながる単語ネットワーク①|飛ぶ・空を移動する家族

flyer の中心 fly(飛ぶ)を知っておくと、空・移動に関する単語がまとめて見えてきます。

単語意味イメージ
flight飛行、(飛行機の)便fly の名詞形=「飛ぶこと」
flying飛んでいる、飛行fly の進行形=空を移動中
flown飛んだ(fly の過去分詞)すでに飛び立ったあと
flyover陸橋、(空からの)通過飛行上を fly して越えていく
fly-by接近通過飛行そばを fly して通り過ぎる

「fly が入っていたら、たぶん”飛ぶ・空を移動する”話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。

“fly” を使った表現ネットワーク②|イディオム・比喩

fly は、そのまま比喩としてもよく働きます。ここは日常でもビジネスでも役立つ一群です。

表現意味イメージ
frequent flyer(飛行機の)常連客、マイル会員頻繁に飛ぶ人
high-flyer出世頭、野心家高く飛ぶ人
take a flyer一か八かやってみる、思い切って賭ける飛躍(flying leap)に身を投じる
on the fly即座に、その場で飛びながら=止まらずに
fly-by-night信用できない、当てにならない夜のうちに飛んで消える

fly ひとつで、「飛行機」から「出世」「挑戦」まで届く・・・この広がりが、flyer を覚える一番の得です。

派生語|fly まわりの Word Family

単語品詞意味発音
flyer / flier名詞チラシ、飛ぶ人フライヤー /ˈflaɪər/
fly動詞・名詞飛ぶ/ハエフライ /flaɪ/
flight名詞飛行、便フライト /flaɪt/
flying形容詞・名詞飛んでいる、飛行フライング /ˈflaɪɪŋ/

TOEIC・英検での出題傾向

flyer は、日常でもビジネスでもよく使う実用語です。TOEIC では anniversary sale の案内や event flyer(イベントのチラシ)、店頭の告知など、広告・案内文の形でくり返し登場します。大学入学共通テストの英語(リーディング)でも、チラシ・ブログ・アンケートといった”いろんな媒体を読み取る”問題が定番になっていて、flyer 形式の読み取りはそのど真ん中です。英検でも準2級〜2級レベルで押さえておきたい一語。「1枚ペラの案内=flyer」と結びつけておけば、本番で迷いません。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. They handed out flyers for the summer concert.
  2. I made a simple flyer for our school festival.
  3. A good flyer says a lot with very few words.
  4. You can design a nice flyer in a single afternoon.
  5. She is a frequent flyer, so she feels at home in any airport.
  6. Take a flyer on your idea; it may surprise you.
  7. Put your best flyer where people will actually see it.
  8. The flyer passed from hand to hand across the whole town.
  9. He grew into a high-flyer, but he never forgot his first flyer.
  10. Make one small flyer today, and let your message fly.

語源メモ|fly(飛ぶ)から生まれた言葉

flyer は、動詞 fly(飛ぶ) に「〜する人・もの」の -er がついた形で、15世紀半ばには「飛ぶもの・飛ぶ生き物」を指していました。fly 自体は古英語 flēogan(空を移動する)にさかのぼり、さらにゲルマン祖語 *fleugan、印欧祖語 *pleu-(流れる)へとつながります。

肝心の「チラシ」の意味は、意外と新しく 1889年のアメリカ俗語。もとは警察の手配書などを指し、「まいて広く行き渡らせるもの(made to be scattered broadcast)」というイメージから生まれました。空にまいて配る・・・情報が”飛ぶように”広まる、あの感覚です。ここが腑に落ちると、flyer が一枚の絵になります。

ついでに、覚えておくと得な小ネタを2つ。

  • take a flyer(一か八かやる) は1846年ごろから。「flying leap(思い切った飛躍)」のイメージで、投資や挑戦に身を投じる感じです。
  • flyer とよく混同される flee(逃げる) は、実は別語源(古英語 flēon)。つづりが似ていて昔から紛らわしいのですが、fly=飛ぶ/flee=逃げる、と分けておくと、鋭い人に聞かれても迷いません。

まとめ

flyer は、fly(飛ぶ)+ er(もの)で「飛ぶもの・飛ばすもの」。そこから「飛行機の客(frequent flyer)」と「チラシ」の2つの顔が生まれました。

  • fly の家族・・・flight/flying/flown/flyover/fly-by
  • fly を使う表現・・・frequent flyer/high-flyer/take a flyer/on the fly/fly-by-night
  • チラシの正体・・・空にまいて配った紙=「飛ぶように広まる」もの

fly ひとつ知っていれば、ここまで広がる。次に flyer を手にしたら、「ああ、飛ぶ紙か」と思い出してください。

flyer の語源ワードマップ。中心は flyer(=飛ぶもの・飛ばすもの → チラシ)で、fly(飛ぶ)+er(もの)に分解。覚え方のヒント(昔チラシは空にまいて配った→情報が飛ぶように広まる紙)、fly の家族(flight / flying / flown / flyover / fly-by)、fly の表現(frequent flyer / high-flyer / take a flyer / on the fly / fly-by-night)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:fly(飛ぶ)+ er(もの)=「飛ぶもの・飛ばすもの」
  • 覚え方のヒント:昔チラシは空にまいて配った → 情報が”飛ぶ”ように広まる紙
  • fly の家族:flight/flying/flown/flyover/fly-by
  • fly の表現:frequent flyer/high-flyer/take a flyer/on the fly/fly-by-night

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翻訳練習の解答

  1. 彼らは、夏のコンサートのチラシを配っていた。
  2. 学園祭のために、シンプルなチラシを作った。
  3. いいチラシは、少ない言葉で多くを伝える。
  4. あなたなら、午後のうちにすてきなチラシを作れる。
  5. 彼女は飛行機の常連なので、どの空港でもくつろいでいる。
  6. あなたのアイデアに、一度賭けてみよう。きっと驚くはずだ。
  7. 一番いいチラシを、人の目に本当に触れる場所に貼ろう。
  8. そのチラシは、町じゅうを手から手へと渡っていった。
  9. 彼は出世頭になったが、最初に配った一枚のチラシを忘れなかった。
  10. 今日、小さなチラシを一枚。あなたの言葉を、飛ばそう。