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【語源で覚える】grab|”グローブをはめた手で”つかむ、本当の仲間は grip?

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「グラブ」と聞くと、野球のグローブ(glove)が浮かぶ人も多いはずです。手袋をはめた手で、ボールをギュッと・・・glove をはめた手で grab(つかむ)。この一場面、実は grab を覚えるのにとても便利です。

Put on a glove and grab it.(手袋をはめて、それをつかむ。)

手袋 → 手 → つかむ。この流れをイメージすると、grab=「手でパッとつかむ」

がすっと入ってきます。

ただ、一つだけ正直に。glove と grab は、語源的にはつながっていません。glove は「手を覆うもの」、grab は「つかむ動作」で、根っこは別ものです。あくまで”手つながり”の覚え方のイメージとして使っています(別語源のちゃんとしたタネ明かしは、記事の後半で)。

では、grab と本当に同じ家族なのは誰か。それが、これまたおなじみの grip(グリップ) です。テニスのラケットや車のハンドルを「しっかり握る」あの grip・・・grab とは核の意味(手でつかむ・握る)がぴったり重なります。

grab を入り口にすると、grasp(つかむ・理解する)や gripe(不平を言う)まで、見た目バラバラな単語が芋づる式につながっていきます。

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grab をイメージで覚える|”グローブをはめた手”と”グリップ”

grab は、これ以上パーツに分けられない短い単語です。だからこそ、覚え方はシンプル。「手でパッと(ギュッと)つかむ」 の一枚絵で十分です。

その一枚絵を、二つの身近なものに重ねてみてください。ひとつは冒頭の glove(グローブ) ・・・手袋をはめた手で、サッとつかむ。もうひとつは grip(グリップ) ・・・ラケットやハンドルを握る、あの「握って放さない」感覚です。grab は、そこに「素早さ」を足したイメージ。握る(grip)を、サッとやる(grab)。この並びで覚えると、まとめて頭に残ります。

(※ glove は覚え方の”絵”、grip は語源的にも近い”親戚”・・・役割が違うので、そこだけ分けておくと後で混乱しません。)

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grab をイメージで覚える|”グリップ”を入り口に

grab は、これ以上パーツに分けられない短い単語です。だからこそ、覚え方はシンプル。「手でパッと(ギュッと)つかむ」 の一枚絵で十分です。

その一枚絵を、知っている grip(グリップ) に重ねてみてください。ラケットを握る、ハンドルを握る・・・あの「握って放さない」感覚が grip です。grab は、そこに「素早さ」を足したイメージ。握る(grip)を、サッとやる(grab)。この並びで覚えると、両方まとめて頭に残ります。

一年に一度ではなく一瞬で・・・grab は「今この瞬間、手を出して取る」という、スピード感のある動詞なんです。

grab の基本の意味と使い方

grab は「(素早く)つかむ」「ひったくる」を表す動詞で、名詞として「ひとつかみ」の意味もあります。物を手に取るだけでなく、チャンスや注目を「つかむ」比喩でも大活躍します。

  • grab a coffee(コーヒーをさっと買う・飲む)
  • grab a chance(チャンスをつかむ)
  • grab someone’s attention(人の注目を集める)
  • grab a seat(席をとる)

かたい単語ではなく、日常会話でよく使うカジュアルな一語です。「ちょっと~する」の軽やかさがあり、grab a bite(軽く食べる)のように、生活の中でとても便利に働きます。

grip・grasp とつながる単語ネットワーク|”つかむ”一族

grab の核「手でつかむ」を知っておくと、別の顔をした単語が一気に仲間に見えてきます。

単語意味イメージ
gripしっかり握る、グリップ手でギュッと握って放さない
graspつかむ、理解する手でも頭でもガシッとつかむ
grope手探りする見えないまま、手でつかもうとする
grabby欲張りななんでもつかみたがる
grabble手探りする、かき集める手でまさぐってつかむ
gripe不平を言うつかんで放さない不満

「gr+つかむ感」があったら、たぶん”手でつかむ”の話・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味の見当がつきます。grab は、この「つかむ一族」への入り口です。

派生語|grab まわり

単語品詞意味発音
grab動詞・名詞つかむ、ひったくる/ひとつかみグラブ /ɡræb/
grabbed動詞(過去)つかんだグラブド /ɡræbd/
grabbing動名詞・形容詞つかむこと/引きつけるグラビング /ˈɡræbɪŋ/
grabber名詞つかむ人・もの/人目を引くものグラバー /ˈɡræbər/
grabby形容詞欲張りなグラビー /ˈɡræbi/
attention-grabbing形容詞注意を引く、印象的なアテンション・グラビング
up for grabs表現早い者勝ちで、誰でも手に入るアップ・フォー・グラブズ

TOEIC・英検での出題傾向

grab は会話寄りのカジュアルな単語なので、TOEIC ではフォーマルな文書よりも、Part 2・3 の日常会話(Let’s grab lunch. / Grab a seat.)や、広告・案内の grab your attention のような形で見かけます。英検では2級前後の会話表現として押さえておくと安心です。難語ではありませんが、「軽く~する」のニュアンスを知っておくとリスニングでスッと拾えます。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Grab a coffee and take a short break.
  2. She grabbed her bag and ran to catch the train.
  3. This song grabs your heart from the very first line.
  4. Don’t be afraid to grab the chance in front of you.
  5. He grabbed a quick bite before the meeting.
  6. Grab a seat wherever you like.
  7. Your smile grabbed everyone’s attention.
  8. When luck comes around, grab it with both hands.
  9. They grabbed the last two tickets just in time.
  10. Some days you grab the moment, and the moment is now.

語源メモ|grabben と、まぎらわしい glove

grab は、16世紀に中世オランダ語/低地ドイツ語の grabben(つかむ) から英語に入りました。さかのぼると印欧祖語 *ghrebh-(つかみ取る・手を伸ばす) にたどりつきます。この *ghrebh- の直系が grasp(つかむ・理解する) や grope(手探りする) で、grab とは”実の兄弟”のような関係です。

いっぽう grip・gripe は、すぐ隣の語根(*ghreib-「握る」)から生まれた”近い親戚”。根っこは少し違いますが、「手でつかんで放さない」という核は grab と同じです。だからこの記事では、身近な grip(グリップ) を入り口に使いました。

そして、お待たせしたタネ明かし。野球の グラブ(glove) は、grab とは別語源です。

glove は古英語 glōf =「手のひら(lōfô)を覆うもの」が原義で、「平ら」を表す根から来ています。つまり glove は「手を覆う道具」、grab は「手でつかむ動作」・・・どちらも手にまつわる言葉ですが、家族は別。似ているのに他人、という英単語の面白さが詰まった一組です。

まとめ

grab は「素早く手でつかむ」。中世オランダ語 grabben =つかむ、が正体です。

  • 核のイメージ・・・手でパッと(ギュッと)つかむ
  • 入り口(覚え方のヒント)・・・grip(グリップ)=握る → grab=サッとつかむ
  • つかむ一族・・・grasp/grope/grabby/grabble(直系)、grip/gripe(近い親戚)
  • 注意・・・野球の glove(グラブ)は別語源。「手を覆う道具」で、grab とは根が違う

握る、つかむ、手を伸ばす。grab を覚えたら、その手で”つかむ一族”ごと引き寄せてしまいましょう。

grab の語源ワードマップ。中心は grab(=手でパッとつかむ)で、中世オランダ語 grabben/印欧祖語 *ghrebh-「つかみ取る」に由来。覚え方のヒント(grip=握る→grab=つかむ)、grasp系の直系(grasp/grope/grabby/grabble)、grip系の近い親戚(grip/gripe)、別語源メモ(glove)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:grab=中世オランダ語 grabben「つかむ」/印欧祖語 *ghrebh-「つかみ取る」
  • 覚え方のヒント:grip(グリップ)=握る → grab=パッとつかむ
  • grasp系(直系):grasp/grope/grabby/grabble
  • grip系(近い親戚):grip/gripe
  • 別語源メモ:glove(グラブ)=手を覆う道具。grab とは別ルート

関連記事

(関連記事:grip・grasp でつながる〈つかむ〉一族の記憶術)(近日中に公開)

(関連記事:gripe の語源|「つかんで放さない」から不平になるまで)(近日中に公開)

(関連記事:glove の語源|”手のひらを覆うもの”。grab と混同しやすい別語源)(近日中に公開)

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翻訳練習の解答

  1. コーヒーをさっと買って、少し休もう。
  2. 彼女はバッグをつかんで、電車に間に合うよう走った。
  3. この曲は、いちばん最初の一行から、あなたの心をつかむ。
  4. 目の前のチャンスを、こわがらずにつかもう。
  5. 彼は会議の前に、さっと軽く食べた。
  6. どこでも好きな席をとっていいよ。
  7. あなたの笑顔が、みんなの注目を集めた。
  8. 幸運がめぐってきたら、両手でしっかりつかもう。
  9. 彼らは、ぎりぎりで最後の2枚のチケットを手に入れた。
  10. つかむ日もある。その瞬間は、今だ。