「インフォメーション(information)」は、駅でも空港でもデパートでも見かける言葉ですよね。意味は「情報」「案内」。ここまでは、ほとんどの人が知っています。
ところが、その動詞形である inform になったとたん、急に出番が減ります。「情報する・・・?」と一瞬止まってしまう。実はこれ、とてももったいない状態です。information をすでに知っているということは、inform の意味も、その周りに並ぶ単語も、ほぼ手の中にあるということだからです。
この記事で押さえるのは、たった一つ。真ん中にいる form(形) です。ここが見えた瞬間、information と inform が一本の線でつながり、informative も informant も uninformed も、芋づる式についてきます。
inform を分解してイメージで覚える|真ん中の “form” が主役
inform をパーツで見ると、こうなります。
in(中へ)+ form(形づくる)
つまり inform は、「相手の中に、形を作る」。
ここがこの単語のいちばん大事なところです。情報を渡すというのは、相手の頭の中に、まだ形のなかったものを一つ組み立てる作業だ・・・そう考えると、「知らせる」という訳語が急に立体的になります。
そして information は、その inform に -ation(〜すること・〜したもの)が付いた形。「中に形を作ること」「作られた形そのもの」=情報、案内。あのインフォメーションカウンターは、形のないままだった行き先を、あなたの中で形にしてくれる場所だったわけです。
information を知っている人は、すでに inform を半分知っている。 これが、この一語の一番おいしいところです。
inform の基本の意味と使い方
inform は「(正式に)知らせる、通知する」という動詞です。tell よりも改まった響きがあり、学校・職場・役所からの連絡でよく使われます。
- Please inform me of any changes.(変更があればお知らせください)
- The school informed the parents about the new schedule.(学校は保護者に新しい予定を知らせた)
- We are pleased to inform you that your application was accepted.(あなたの申し込みが受理されたことをお知らせします)
形のパターンは3つだけ覚えれば十分です。
| 形 | 例 | ひとこと |
|---|---|---|
| inform + 人 + of + 事 | inform us of the result | 改まった響き。通知・連絡文で頻出 |
| inform + 人 + about + 事 | inform customers about the service | of より少しやわらかい |
| inform + 人 + that … | inform you that the store will close | 文章まるごとを伝えるとき |
注意したいのは、inform は「人」を直接の目的語に取るということ。日本語の語順につられて inform the news のようにしてしまいがちですが、知らせる相手を先に置いて inform me of the news とします。
もう一つ、知っておくと差がつく使い方があります。
- Your experience informs the advice you give.(あなたの経験が、あなたの助言の土台になっている)
この inform は「影響を与える、土台になる」。まさに「中に形を作る」の原義そのままで、論文や書評でよく出てきます。語源を知っていると、この用法だけ別物に見えなくなります。
使い分け|tell・notify・announce との距離感
| 単語 | 距離感 | 使う場面 |
|---|---|---|
| tell | いちばん普通 | 日常会話の「言う・伝える」 |
| inform | 少し改まる | 学校・職場・公的な連絡 |
| notify | さらに事務的 | 書面での通知、手続き上の連絡 |
| announce | 広く公に | 発表、アナウンス |
メールで迷ったら inform を選んでおけば、まず外しません。tell ほどくだけず、notify ほど冷たくならない・・・ちょうど真ん中の温度です。
inform から直接広がる単語ネットワーク
まずは inform そのものから伸びる枝です。information を知っている時点で、この列はほぼ読めます。
| 単語 | 意味 | 分解 |
|---|---|---|
| information | 情報、案内 | inform+ation=中に形を作ること |
| informative | ためになる、有益な | inform+ative=形を作ってくれる |
| informed | 知識のある、情報に基づいた | inform+ed=形が作られた状態 |
| uninformed | 知らされていない、無知な | un(否定)+informed |
| informant | 情報提供者 | inform+ant=知らせる人 |
| informer | 密告者 | inform+er=(当局に)知らせる人 |
| misinform | 誤った情報を与える | mis(誤って)+inform |
informed はとくに便利です。an informed decision(情報にもとづいた判断)、keep me informed(随時知らせてください)。どちらも「中に形ができている状態」と考えると、訳を丸暗記しなくても出てきます。
form(形)でつながる単語ネットワーク
さらに一段ひろげて、真ん中の form(ラテン語 forma=形)をたどると、別ジャンルに見えていた単語が一気に並びます。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| form | 形、用紙、形づくる | 形そのもの |
| formal | 正式な、形式的な | 形がきちんと整っている |
| format | 形式、書式 | 決まった形 |
| formula | 公式、決まった型 | 小さな形=型 |
| formation | 形成、隊形 | 形が作られること |
| conform | 従う、適合する | con(共に)+form=形を合わせる |
| transform | 変形させる | trans(越えて)+form=形を移す |
| reform | 改革する | re(再び)+form=形を作り直す |
| deform | 変形させる、ゆがめる | de(離れて)+form=形を崩す |
| uniform | 制服、均一の | uni(1つ)+form=みんな同じ形 |
| platform | 演壇、プラットフォーム | plat(平らな)+form=平らな形 |
「form が入っていたら、たぶん”形”の話」・・・そう見えるようになると、初めて見る単語でも当たりがつけられます。ユニフォームもプラットフォームもフォーマットも、全部同じ家族です。
ただし一つだけ注意。informal(形式ばらない)の in は、inform の in(中へ)ではなく、「〜でない」を表す別の in です。in(〜でない)+formal(正式な)=形式ばらない。綴りはそっくりですが、組み立てがまったく違います。ここを分けて覚えておくと、迷いません。
派生語 Word Family
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| inform | 動詞 | 知らせる、通知する | インフォーム /ɪnˈfɔːrm/ |
| information | 名詞 | 情報、案内 | インフォメーション /ˌɪnfərˈmeɪʃən/ |
| informative | 形容詞 | ためになる、有益な | インフォーマティブ /ɪnˈfɔːrmətɪv/ |
| informed | 形容詞 | 知識のある、情報に基づいた | インフォームド /ɪnˈfɔːrmd/ |
| informant | 名詞 | 情報提供者 | インフォーマント /ɪnˈfɔːrmənt/ |
| informer | 名詞 | 密告者 | インフォーマー /ɪnˈfɔːrmər/ |
| misinform | 動詞 | 誤った情報を与える | ミスインフォーム /ˌmɪsɪnˈfɔːrm/ |
TOEIC・英検での傾向
inform は、TOEIC で非常に出番の多い一語です。とくに Part 7 の通知文・社内メール・案内状で、We are pleased to inform you that …(〜をお知らせいたします)、Please be informed that …(〜をご承知おきください)という決まり文句として繰り返し登場します。読み飛ばさずに「ここから本題」と合図に使えるので、スコアに直結します。
Part 5 では、inform・informative・information・informed のどれを入れるかを問う品詞問題として出ます。空所の前後を見て、動詞なのか名詞なのか形容詞なのかを決める・・・この記事の派生語の表が、そのまま対策になります。
英検では準2級〜2級あたりで出会う語です。informed consent(説明にもとづく同意)のような形で、長文のテーマ語彙として顔を出すこともあります。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- Please inform me when you arrive.
- The school informed the parents about the new schedule.
- I am pleased to inform you that your application was accepted.
- She informed us of her decision with a calm smile.
- We will inform you as soon as we know more.
- Keep yourself informed, and your choices will get easier.
- He informed his team of the change before the meeting.
- Your own experience informs the advice you give.
- A good teacher informs, and then steps back.
- Being informed is the first step, and the next step is yours.
語源メモ|「形を与える」から「知らせる」へ
inform は、ラテン語 informare に由来します。分けると in(中へ)+ formare(形づくる)。formare のもとは forma(形、輪郭、型) です。
もともとの意味は、文字どおり「形を与える、輪郭をつける」。そこから比喩的に「教え込む、訓練する」の意味が生まれました。英語に入った14世紀初めの段階では、まだ「教える」のほうが中心です。
今おなじみの「事実やニュースを伝える、知らせる」という意味が記録に現れるのは、14世紀後半。「相手の中に形を作る」→「教える」→「知らせる」と、意味がなめらかに移っていったわけです。語源をたどると、inform の「知らせる」は、ただ情報を投げることではなく、相手の中に何かを立ち上げることだったとわかります。
information も同じころ(14世紀後半)に入っています。ラテン語の informationem は「輪郭、概念、考え」。情報という日本語よりも、ずっと「形」に近い言葉でした。
ついでに二つ、豆知識を。informer が「密告者」の意味を持つようになったのは1500年ごろ。「(当局に)知らせる人」という、やや後ろ暗い枝分かれです。一方 informant(情報提供者)は1690年代で、こちらは中立的に使われます。言語学や社会調査で「調査協力者」を指すのも informant のほうです。
最後に、よくある勘違いを一つ。perform(実行する、演じる)は、形が似ているので form の仲間に見えますが、実は別ルートです。古フランス語の parfournir(やり遂げる)がもとで、あとから form の影響で綴りが寄っていったもの・・・いわば他人の空似です。知っていると、鋭い人に聞かれても迷いません。

まとめ
inform は、in(中へ)+ form(形づくる)で「相手の中に形を作る」=知らせる。
- information を知っていれば、inform はもう半分わかっている
- -ive、-ed、-ant、-er を足すだけで、informative/informed/informant/informer まで一気に届く
- form(形)一族に広げれば、format・formula・uniform・transform・platform まで同じ家族
- informal の in は別物(「〜でない」の in)。ここだけ分けておく
知らない単語を一から覚えるより、すでに知っている一語から広げるほうが、ずっと速い。information は、そのための上等な入り口です。
- 語源・中心:in(中へ)+ form(形づくる)=「相手の中に形を作る」
- 覚え方のヒント:知っている information から逆算する
- inform 直系:information/informative/informed/uninformed/informant/informer/misinform
- form(形)一族:form/formal/format/formula/conform/transform/reform/uniform/platform
NGSL(New General Service List)収録語
この単語は New General Service List(NGSL) に収録されています。NGSL は、大規模な英語コーパスから選ばれた約2,800語の基礎語彙リストで、これらを覚えるだけで一般的な英文の約92%をカバーできます。日常でも英文読解でも、何度も出会う基本の一語です。
出典:New General Service List Project
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翻訳練習の解答
- 着いたら知らせてください。
- 学校は保護者に、新しい予定を知らせた。
- あなたの申し込みが受理されたことを、喜んでお知らせします。
- 彼女は落ち着いた笑顔で、自分の決断を私たちに伝えた。
- 詳しいことがわかり次第、お知らせします。
- 情報を手元に置いておけば、選ぶのはもっと楽になります。
- 彼は会議の前に、チームにその変更を伝えた。
- あなた自身の経験が、あなたの助言の土台になっている。
- よい教師は、まず伝え、そして一歩下がる。
- 知ることが第一歩。次の一歩は、あなたのものです。


