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【語源で覚える】artificial|”art”と”fiction”が隠れてる・・・って本当?

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「アーティフィシャル(artificial/人工の・作り物の)」。AI =artificial intelligence でおなじみですよね。この単語、よく見ると身近なカタカナ語が2つ透けて見えませんか。

ひとつは頭の art(アート)。もうひとつは、真ん中あたりの fic・・・fiction(フィクション) の、あの fic です。

考えてみれば、artificial も fiction も「現実そのものではなく、人が作り出したもの」。

アート(art)でこしらえた、フィクション(作り話)のように現実離れした、人工のもの・・・そう重ねると、「人工の・不自然な」という意味がスッと入ってきます。

ただし、ここに小さな種明かしがあります。この2つのフックのうち、art は語源としても大当たり。でも fiction のほうは、実はちょっと違うんです。その”どんでん返し”は記事の後半で。まずは、この単語の本当の芯から見ていきましょう。

お急ぎの方はショート動画でどうぞ👇

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artificial を分解してイメージで覚える|芯は fic(作る)

artificial をパーツで見ると、こうなります。

art(ars=技・アート)+ fic(facere=作る)+ ial(〜の)

つなげると「技(art)で作った(fic)もの」。それが「人工の」です。自然にできたのではなく、人が技を使ってこしらえたもの・・・artificial のイメージは、この一言に尽きます。

覚え方はシンプルです。頭の art は、そのまま「アート」。真ん中の fic は「作る(facere)」。

「アートを作る」→「人の手で作り上げる」→「人工の」。

まっすぐ一本の線でつながります。

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artificial の基本の意味と使い方

artificial は「人工の」「人造の」、そして「不自然な・わざとらしい」を表す形容詞です。

  • artificial intelligence(人工知能、AI)
  • artificial flower(造花)
  • artificial light(人工の光、照明)
  • an artificial smile(作り笑い、不自然な笑顔)

面白いのは、良い意味にも悪い意味にも振れるところ。「人の技で作った」という中立の芯から、「便利な人工物」にも「わざとらしい態度」にも広がります。

artificial smile が「作り笑い」になるのは、まさに「作った(fic)笑顔」だからです。

art(技)と fic(作る)が出会う言葉|artifact・artifice

artificial の面白さは、2つの語根がちょうど交わる場所に立っていること。その交差点には、仲間もいます。

  • artifact(アーティファクト/人工物・遺物)= art(技)+ fact(作る)。「技で作られたもの」。遺跡から出る土器も、ゲームの装備も artifact です。
  • artifice(アーティフィス/策略・巧妙な技)= art(技)+ fice(作る)。「技を使って作り出したしかけ」。

art と fic、どちらの一族から見ても納得できる・・・artificial は、その両方への入り口になっています。

“fic(作る)” でつながる単語ネットワーク

artificial の芯 fic(=ラテン語 facere/作る・する)は、英語でも屈指の多産な語根です。fic・fac・fect・fy と姿を変えながら、たくさんの単語に「作る」を届けています。

単語意味意味の中心
fact事実実際に「作られた・なされた」こと
factory工場fact(作る)+ory=作る場所
manufacture製造するmanu(手)+fact(作る)=手で作る
effect効果、結果ef(外へ)+fect(作る)=外に作り出されたもの
affect影響するaf(〜に)+fect(作る)=働きかけて変化を作る
perfect完璧なper(すっかり)+fect(作る)=すっかり作り上げた
efficient効率的なef(外へ)+fic(作る)=よく作り出す
difficult難しいdif(否定)+fic(作る)=作りにくい
satisfy満足させるsatis(十分)+fy(作る)=十分な状態を作る
benefit利益、恩恵bene(良く)+fit(作る)=良い結果を作り出す

「fic・fac・fect・fy が入っていたら、たぶん”作る”の話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味の見当がつきます。artificial は、この巨大な fic 一族への入り口です。

種明かし|冒頭の”fiction”、実は別の家系でした

冒頭で「artificial には fiction(フィクション)っぽさもある」と言いました。意味の上では、その直感は正解・・・どちらも「現実ではなく、作り出されたもの」で、実際 fiction の語源には「人工の・自然でない」という含みまであります。だから覚え方のフックとしては優秀です。

ところが語源をたどると、fiction の fic は、artificial の fic(facere=作る)とは別のラテン語 fingere(粘土をこねて形づくる/その形 fictus)から来ています。「作る」と「こねて形づくる」・・・意味は隣どうしなのに、家系図では別の枝。fiction・figure(フィギュア:形)・effigy(似姿)は、この fingere 側の一族です。

つまり fiction は「意味のフック」としては当たりでも、「同じ語根の仲間」ではない・・・そういう関係。artificial の本当の芯は、あくまで facere(作る)です。ここまで押さえれば、鋭い人に「fiction と同じ?」と聞かれても、笑って種明かしできます。

※ fiction は fingere(形づくる)由来で、artificial の facere(作る)とは別ルートです。

art(技・アート)でつながる単語ネットワーク

もう一方の頭 art(ars=技・アート)をたどると、「技・芸術」に関する単語が並びます。

単語意味意味の中心
art芸術、技術ars=技・わざ
artist芸術家art+ist=技を持つ人
artistic芸術的なart+istic
artisan職人手の技を持つ人
artifact人工物、遺物art(技)+fact(作る)

artificial は、この「art(技)」と「fic(作る)」の2つの家族が交わる場所に立つ単語・・・そう捉えると、一語から二方向へ世界が広がります。

派生語|artificial まわり

単語品詞意味発音
artificial形容詞人工の、不自然なアーティフィシャル /ˌɑːrtɪˈfɪʃl/(フィにアクセント)
artificially副詞人工的に、不自然にアーティフィシャリー
artificiality名詞人工性、不自然さアーティフィシャリティー
artifice名詞策略、巧妙な技アーティフィス /ˈɑːrtɪfɪs/(アにアクセント)

※ artificial は3つ目の「フィ」に、artifice は頭の「ア」にアクセントが来ます。仲間の単語ですが、強く読む位置が違うので注意。

TOEIC・英検での出題傾向

artificial は、日常でもビジネスでも頻出の実用語です。TOEIC では artificial flavor(人工香料)、artificial lighting(人工照明)、artificial intelligence(AI)といった形で、製品説明や技術記事に登場します。英検でも準2級〜2級で見かける、押さえておきたい一語。派生の artificially(人工的に)も読解でよく出ます。

artificialの意味をわかりやすく説明  一夜漬け英単語記憶術 語源 TOEIC・英検対策に

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. This flower is artificial, so it never dies.
  2. Her smile looked a little artificial that day.
  3. Artificial light can help, but it is not the sun.
  4. Do not build an artificial version of yourself to please others.
  5. Some walls between people are artificial, not real.
  6. Artificial intelligence can copy words, but not warmth.
  7. You don’t need an artificial mask to be liked.
  8. The city glowed with artificial light all night.
  9. What feels artificial today may still teach you something real.
  10. Behind every artificial thing, there was a human hand that made it.

語源メモ|ars(技)と facere(作る)でできた言葉

artificial は、ラテン語 artificialis(技に属する)に由来します。

さかのぼると artificium(技・作品)→ artifex(職人)。この artifex は、ars(技・アート) と、「作る・する」を表す facere(その要素 -fex/-fic)が組み合わさったもの。「技を持って作る人=職人」、そこから「技で作った→人工の」へと意味が育ちました。

覚えておくと得なのが、真ん中の fic です。これは fact・factory・manufacture・effect・perfect・efficient・difficult など、数えきれない単語に共通する「作る」の核。姿は fic・fac・fect・fy と変わりますが、根っこはすべて facere です。artificial を入り口に、この一族へ広げていけます。

なお、頭の art(アート)も、絵画や音楽の art とまったく同じ ars(技)から来ています。フックとしても語源としても正しい・・・めずらしく、覚え方と事実がぴったり重なる単語です。

まとめ

artificial は、art(ars=技・アート)+ fic(facere=作る)+ ial で「技で作ったもの」=人工の。

  • art(ars)・・・技・アート。art/artist/artisan/artifact などの一族へ
  • fic(facere)・・・作る・する。fact/factory/manufacture/effect/perfect などの一族へ
  • artificial は、その2つが交わる入り口

自然にできたのではなく、人の技で作り上げた。artificial は、そのことを一語で表しています。

artificial の語源ワードマップ。中心は artificial(=技で作ったもの・人工の)で、art(ars=技・アート)+fic(facere=作る)+ial に分解。覚え方フック(art→アート)、art(技)一族(art/artist/artistic/artisan/artifact)、fic(作る)一族(fact/factory/manufacture/effect/affect/perfect/efficient/difficult/benefit)に整理した図。
  • 語源・中心:art(ars=技)+ fic(facere=作る)+ ial =「技で作ったもの」
  • 覚え方フック:art → アート(同語源)/fic → 作る
  • fic(作る)一族:fact/factory/manufacture/effect/affect/perfect/efficient/difficult/benefit
  • art(技)一族:art/artist/artistic/artisan/artifact

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翻訳練習の解答例

  1. この花は造花だから、決して枯れない。
  2. あの日、彼女の笑顔は少しだけ作りものに見えた。
  3. 人工の光は助けにはなる。でも、太陽ではない。
  4. 人に好かれるために、作りものの自分を組み立てなくていい。
  5. 人と人との間にある壁の中には、作られたもの、つまり本当の壁ではないものもあります。
  6. AIは言葉を真似できても、ぬくもりまでは真似できない。
  7. 好かれるために、取りつくろった仮面をかぶる必要はない。
  8. その街は、一晩じゅう人工の光で輝いていた。
  9. 今日わざとらしく感じるものが、いつか本物の何かを教えてくれるかもしれない。
  10. どんな人工物の裏にも、それを作った人間の手があった。