ニュースの見出しで、「容疑者が逮捕された(was apprehended)」のような形を見かけることがあります。apprehend・・・パッと見は難しそうな、ちょっと身構える単語ですよね。
でも、じっと分解してみると景色が変わります。ap+pre+hend。頭の ap は up(〜へ向かって)、そしてお尻の hend は・・・なんだか hand(手・つかむ) に似ていませんか。
この記事の主役は、この最後の hend → hand(つかむ)。ここを押さえると、apprehend が持つ「逮捕する」「理解する」「不安に思う」という一見バラバラな3つの意味が、すべて “つかむ” という一本の芯でつながります。丸暗記で3つ抱えるより、ずっとラクです。
この記事で取り上げるのは以下のニュースです。2分程度で読み終わるので手頃かと思います。
Thai man arrested for alleged smuggling of two baby orangutans
2 minute read Published 3:40 AM EDT, Fri May 16, 2025
Bangkok, ThailandCNN —
Police in Thailand have arrested a man on suspicion of wildlife trafficking after he was found with two baby orangutans in a basket at a gas station in the Thai capital.
The 47-year-old suspect was apprehended Wednesday as he was about to deliver the two primates to a customer, Thai police said in a statement on Thursday.
お急ぎの方はショート動画でどうぞ👇
apprehend を分解してイメージで覚える|芯は “hend=hand(つかむ)”
apprehend をパーツで見ると、こうなります。
ap(up=〜へ向かって)+ pre(前もって)+ hend(hand=つかむ)
つなげると、「前もって、向こうにあるものへ手を伸ばしてつかみに行く」。この一枚の絵が、apprehend の入り口です。
そして芯は最後の hend。これを hand(つかむ) と重ねると、3つの意味が枝分かれしていくのが見えてきます。
- 手で人を つかむ → 逮捕する
- 頭で考えを つかむ → 理解する
- 心で悪い予感を つかむ → 不安に思う
「つかむ」という動作が、そのまま3方向へ広がっているだけ。だから apprehend は、意味の多さのわりに芯はひとつなんです。
※ 正確には、ap はラテン語 ad-(〜へ・向かって)が変化した形で、「up」とは別ものです。また hend(ラテン語 prehendere=つかむ)は、英語の hand とは語源のルートが違います(hand はゲルマン語系)。意味が「つかむ」でぴったり重なるので、覚え方のフックとして使っています。くわしくは記事末の語源メモで。
apprehend の基本の意味と使い方
apprehend は、上の3つの意味を持つ動詞です。それぞれ例文で確認します。
- 逮捕する:The suspect was apprehended at the border.(容疑者は国境で逮捕された)
- 理解する:I could not fully apprehend her meaning.(彼女の真意を完全にはつかめなかった)
- 不安に思う:He apprehended trouble ahead.(彼は先の面倒を予感していた)※やや硬め・文語的
日常会話でいちばん出会うのは「逮捕する」、そして読解で効くのが「理解する」です。「不安に思う」は少し古風ですが、あとで見る派生語 apprehensive(不安な)で今も現役です。
似ているようで違う|apprehend と comprehend
apprehend と comprehend は、どちらも芯が prehend(つかむ) で「理解する」とも訳せますが、つかみ方の深さが違います。
- apprehend:とりあえず つかむ。直感的に・部分的に感じ取る。確信まではいかないこともある。
- comprehend:すっかり(com:completeのcom-) つかむ。全体を余さず理解する。
「なんとなくわかった(apprehend)けれど、隅々まで理解した(comprehend)わけではない」・・・英語圏でも、この2語はよくペアで対比されます。
con の “すっかり” が入るぶん、comprehend のほうが深い、と覚えておくと使い分けで迷いません。
“prehend(つかむ)” でつながる単語ネットワーク
apprehend の芯 prehend(つかむ/ラテン語 prehendere) を知っておくと、別ジャンルに見える単語が一気につながります。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| comprehend | 理解する | com(すっかり)+prehend=すっかりつかむ |
| comprehension | 理解(力) | comprehend の名詞。リスニングの「内容理解」 |
| comprehensive | 包括的な、総合的な | すべてをつかむ→広く網羅した |
| apprehension | 不安、懸念/理解 | ap(〜へ)+prehend=先をつかむ→不安 |
| reprehensible | 非難すべき、けしからん | re(〜に対して)+prehend=とがめる |
| prehensile | 物をつかむのに適した | prehend+-ile=サルの尾など「つかむ」尻尾 |
「prehend が入っていたら、たぶん “つかむ” 話」・・・そう見えるようになると、comprehensive や prehensile のような初見の単語でも意味が推測できます。apprehend は、この prehend 一族への入り口です。
派生語|apprehend まわり
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| apprehend | 動詞 | 逮捕する、理解する、不安に思う | アプリヘンド /ˌæprɪˈhɛnd/ |
| apprehension | 名詞 | 不安、懸念/理解 | アプリヘンション /ˌæprɪˈhɛnʃən/ |
| apprehensive | 形容詞 | 不安な、気がかりな | アプリヘンシブ /ˌæprɪˈhɛnsɪv/ |
| apprehensively | 副詞 | 不安そうに | アプリヘンシブリ /ˌæprɪˈhɛnsɪvli/ |
日常でいちばん出番が多いのは、実は形容詞 apprehensive(不安な)。”I’m a little apprehensive about the interview.”(面接がちょっと不安で)のように使います。
TOEIC・英検での出題傾向
apprehend そのものは硬めの語ですが、派生の apprehension(不安・懸念)、comprehension(理解)、comprehensive(包括的な) は試験で頻出です。
TOEIC の長文(Part 7)や英検準1級の読解で、「知らない単語でも prehend=つかむ」と当たりをつけられると、意味の推測がぐっとラクになります。語源で芯を1つ持っておくと、こういう場面で効きます。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- The police apprehended the suspect at dawn.
- It took me years to apprehend what she truly meant.
- You will apprehend the truth when you are ready.
- She apprehended danger before anyone said a word.
- Do not apprehend the future; live in today.
- A child cannot yet apprehend how much a parent worries.
- We often apprehend troubles that never come.
- He was apprehended, but his side was never heard.
- You apprehend more with a quiet heart than a loud one.
- Some things we apprehend only after we lose them.
語源メモ|すべては prehendere(つかむ)から
apprehend は、ラテン語 apprehendere(つかむ・手に取る) に由来します。分けると ad-(〜へ・向かって) + prehendere(つかむ)。
この ad- が後ろの p に同化して ap- になりました。頭の「up」は、この “向かっていく” 感じをつかむための覚え方で、語源としては ad-(〜へ)が正解です。
芯の prehendere は、さらに prae-(前・before)+ hendere に分かれ、PIE の語根 *ghend-(つかむ・取る)にさかのぼります。
おもしろいのは、英語の get・guess がこの *ghend- 仲間だということ。つまり prehend の英語のいとこは hand ではなく get のほうなんです。hand(ゲルマン語系)とは意味が「つかむ」で重なるだけで、ルートは別・・・ここは、鋭い人に聞かれても迷わないよう整理しておくと安心です。
そしてもう一つ。pre(=prae=前もって) は覚え方だけでなく語源的にも本物で、これが apprehend の「先のことを予感して、悪い方をつかんでしまう → 不安に思う」という意味(英語では1600年ごろから)とキレイに重なります。
まとめ
apprehend は、ap(up=〜へ)+ pre(前もって)+ hend(hand=つかむ)で「前もって、向こうのものへ手を伸ばしてつかみに行く」。芯は hend=つかむ の一本です。
- 手でつかむ → 逮捕する
- 頭でつかむ → 理解する
- 心で(先の悪い予感を)つかむ → 不安に思う
- 芯の prehend(つかむ) は comprehend/comprehensive/apprehension/prehensile などの一族へ
意味が3つあっても、芯は「つかむ」ひとつ。ここを握れば、apprehend はもう怖くありません。

- 語源・中心:ap(up=〜へ)+ pre(前もって)+ hend(hand=つかむ)=「つかみに行く」
- 覚え方フック:hend → hand(つかむ)/ap → up(〜へ向かって)
- 3つの意味:手でつかむ=逮捕/頭でつかむ=理解/心でつかむ=不安
- prehend(つかむ)一族:comprehend/comprehension/comprehensive/apprehension/reprehensible/prehensile
関連記事(内部リンク)
- comprehend の語源(すっかりつかむ=理解する)→ [近日中に公開]
- prehend(つかむ)でつながる英単語まとめ → [近日中に公開]
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翻訳練習の解答例
- 警察は夜明けに容疑者を逮捕した。
- 彼女が本当に伝えたかったことを理解するのに、何年もかかった。
- 準備ができたとき、あなたはその真実を理解するだろう。
- 彼女は誰かが口を開く前に、危険を感じ取っていた。
- 未来を恐れなくていい。今日を生きよう。
- 親がどれほど心配しているか、子どもにはまだわからない。
- 私たちは、来もしない厄介ごとをよく恐れてしまう。
- 彼は逮捕されたが、その言い分は最後まで聞かれなかった。
- 騒がしい心よりも、静かな心のほうが多くを理解できる。
- 失って初めて理解できるものもある。

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