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【語源で覚える】parity|「ペア」やゴルフの「パー」と同じ?「等しい」から広がる均衡と平等の言葉

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「parity(パリティ)」。

国際ニュースで「ジェンダー・パリティ(男女格差の是正)」や、為替の「ドルとユーロのパリティ(等価水準)」という形でよく見かける単語です。専門用語に見えて、実は誰でも知っている2つの言葉とまったく同じ語源を持っています。

その2つとは、靴や靴下の「ペア(pair)」と、ゴルフの基準打数「パー(par)」。この入り口を押さえると、parity を起点にした仲間が芋づる式に広がります。

※ なお、見た目が似ている repair(修理する)と impair(損なう)は、語源がまったく別の「偽の友」です。この記事ではそこにも触れています。

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parity を分解してイメージで覚える

parity をパーツに分けると、非常にシンプルです。

par(等しい)+ -ity(〜な状態・性質)

語源の核はラテン語 par(等しい、同等の)。これは英語の日常に、いくつもの顔で入り込んでいます。

  • pair(ペア):もともと「等しい釣り合いを持つ2つのセット(paria)」。2つが揃って1つになる、あの感覚がそのままです。
  • par(パー):ゴルフのコース基準打数。「基準と等しいスコア」という意味そのもの。スコアカードに書く「イーブン(±0)」のイメージです。

この par に「〜な状態(-ity)」を足したのが parity(等しい状態 = 同等、均衡、平等)。

イメージするなら、「両側がピタリと釣り合った天秤」。どちらにも傾かず、対等でバランスが取れている状態です。

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parity の基本の意味と使い方

parity は主に3つの文脈で使われます。

① 社会・経済の「平等・格差是正」

ニュースで最も多い用法です。

  • gender pay parity(男女間の賃金の同等性)
  • reach parity with …(〜と同等の水準に達する)

Today, companies are being asked to report on gender pay parity.
(今日、企業は男女の賃金格差の状況を報告するよう求められている。)

② 金融・為替の「等価」

異なる通貨の価値が1対1で釣り合う水準を指します。

The euro fell toward parity with the US dollar.
(ユーロは米ドルと等価の水準に向けて下落した。)

③ IT・通信の「パリティチェック(誤り検出)」

コンピュータで送受信データの誤りを検出する仕組み(パリティビット)。「偶数か奇数かの釣り合い」で確認します。

「ペア」「パー」「天秤」・・・どの用法でも、「2つのものが対等に釣り合う」というイメージが根っこにあります。

“par(等しい)” でつながる単語ネットワーク

par を知っておくと、別ジャンルに見える単語が一本の線でつながります。

単語語源構造イメージ意味
paritypar(等しい)+ -ity等しい状態同等、均衡、平等
disparitydis-(非)+ parity等しくない状態格差、不均衡、相違
pairpar → paria(等しい組)釣り合う2つペア、一対、一組
peerpar(等しい人)立場が同等な人同僚、仲間、同等の者
comparecom-(共に)+ par2つを対等に並べる比較する、比べる
comparablecompare + -able並べて比べられるほど等しい同等の、比較できる
disparagedis- + parage(対等の身分)相手を「同等でない」と見るけなす、見下す、軽視する

「par が入っていたら、どこかに”等しい・釣り合い”の話がある」と見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。

※ repair(修理する)は re + parare(整える・準備する)、impair(損なう)は in + pejor(より悪い)が語源で、par(等しい)とは別ルートです。形が似ているだけの「偽の友」なので注意してください。

派生語|parity まわり

単語品詞意味発音
parity名詞同等性、均衡、平等パリティ /ˈpærəti/
disparity名詞格差、不均衡ディスパリティ /dɪˈspærəti/
par名詞同等、基準打数、標準パー /pɑːr/
on a par with熟語〜と同等で、〜に匹敵して―
peer名詞同等の者、仲間ピア /pɪər/
compare動詞比較するコンペア /kəmˈpɛər/
comparable形容詞同等の、比較できるコンパラブル /ˈkɒmpərəbl/

熟語 on a par with(〜と同等で) は TOEIC・ビジネス英語で頻出なので、parity とセットで押さえておくと実用的です。

TOEIC・英検での出題傾向

parity・disparity ともに、試験で確実に押さえておきたい語です。

英検(準1級〜1級)では、社会問題・経済格差・ジェンダー平等を扱う長文で parity と disparity が頻出します。economic disparity(経済格差)、income disparity(所得格差)はライティングでも使える必須表現です。

TOEIC L&R では、Part 7 のビジネス記事や社内報で on a par with や comparable が登場し、言い換え問題の正解の鍵になります。parity 単体より、「同等」「均衡」という概念をフレーズで問う形が多いので、熟語ごと覚えておくのが実戦的です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. The union fought for wage parity across all branches.
  2. Women have not yet achieved parity with men in political representation.
  3. The new software is on a par with its competitors in terms of speed.
  4. The country aims to reach economic parity with its neighbors.
  5. The report highlighted the growing disparity between rich and poor.
  6. He treats all his colleagues as peers, regardless of their title.
  7. Both currencies traded near parity throughout the week.
  8. It is unfair to disparage someone’s sincere efforts.
  9. The two products are comparable in quality, but differ in price.
  10. True parity in education requires equal access to resources.

語源メモ|「ゴルフのパー」と「同僚」はどこでつながるか

ラテン語の par は、古代ローマで単に「数値が等しい」というだけでなく、「人の権利や身分が対等である」ことを指す言葉でした。

中世の貴族社会では、同じ階級の仲間を peer(貴族・同僚) と呼び、そこから現代の「ピアサポート(仲間による支援)」や「ピアレビュー(同僚による査読)」という言葉が生まれました。

相手を対等な仲間(peer)として扱わず「自分より下だ」と見なす動作を表す動詞が disparage(けなす・見下す)。dis-(対等でない)+ parage(同等の身分)という構造です。

スポーツの世界では、20世紀初頭のアメリカのゴルフ界で「コースの理想の基準スコア」を「基準と等しい」という意味で par(パー) と呼ぶようになりました。

「パー(基準)」「ペア(一組)」「ピア(同僚)」。すべては古代ローマの「対等に釣り合う(par)」という感覚から広がった言葉です。

なお、repair(修理する)は re + parare(整える)、impair(損なう)は in + pejor(より悪い)と、par(等しい)とは別の語源です。「形が似ていても別ルート」という偽の友の典型なので、混同しないよう語源メモに残しておきます。

まとめ

  • parity は par(等しい)+ -ity(状態) で「同等、均衡、平等」。
  • 語源の核はラテン語 par。ゴルフの par(パー)、靴の pair(ペア)、仕事の peer(ピア) と同根。
  • 対義語の disparity(格差)、熟語の on a par with(〜と同等の) をセットで。
  • repair・impair は別語源。混同しないことが parity を本当に覚える一歩。

一語の「釣り合い」のイメージが、社会問題から金融・IT まで横断していく。それが par 一族の面白さです。

parity の語源ワードマップ。中心は parity(等しい状態・釣り合い)で、ラテン語 par(等しい)+ -ity(状態)に分解。「語源・中心」クラスタにラテン語 par の語義と釣り合う天秤のイメージ、「身近なカタカナ」クラスタに par(ゴルフのパー・基準打数)・pair(ペア・一対)・peer(ピア・同僚)、「par 一族」クラスタに disparity(格差・不均衡)・compare(比較する)・comparable(同等の)・disparage(見下す)、「重要フレーズ」クラスタに gender parity(男女均等)・on a par with(〜と同等で)・pay parity(同一賃金)を整理した図。
  • 語源・中心:par(等しい)+ -ity(状態)=「釣り合う天秤」
  • 身近なカタカナ:par(ゴルフの基準打数)/ pair(一対・一組)/ peer(同僚・対等の者)
  • par 一族:disparity(格差)/ compare(比較する)/ comparable(匹敵する)/ disparage(見下す)
  • 重要フレーズ:gender parity / on a par with / pay parity

関連記事(内部リンク)

  • disparity の語源(格差・不均衡)→ (近日中に公開)
  • compare の語源(比較する)→ (近日中に公開)
  • peer の語源(同僚・仲間)→ (近日中に公開)
  • 英単語の語源・パーツ分解 全リスト  👇 → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/
【タイパ最強】英単語の語源・パーツ分解全リスト|語源×記憶フックで芋づる式に覚える
英単語を最小限の労力でマスターする「語源+パーツ分解」の全リスト。学術的に正確な語源データと、タイパ(時短)を追求した記憶フックを完全分離して掲載。芋づる式に派生語を暗記し、実務やニュースで使える英語力を最速で身につけましょう。

翻訳練習の解答例

  1. 組合はすべての支部における賃金の均等を求めて闘った。
  2. 女性は政治参加の面において、男性との対等な立場をまだ達成していない。
  3. その新しいソフトウェアは、速度の面で競合他社と同等の水準にある。
  4. その国は、近隣諸国との経済的な均衡に達することを目指している。
  5. その報告書は、富裕層と貧困層の間で拡大する格差(disparity)を強調した。
  6. 彼は肩書に関係なく、すべての同僚を対等な仲間(peers)として扱う。
  7. 両通貨は一週間を通じて、ほぼ等価(1対1の水準)で取引された。
  8. 誰かの誠実な努力を見下す(disparage)ことは不公平だ。
  9. その2つの製品は品質の点では同等(comparable)だが、価格が異なる。
  10. 教育における真の平等(parity)には、資源への公平なアクセスが必要だ。