✅この記事を読むとわかること
- 「act up」の意味と使い方
- なぜ「調子が変」「調子が悪い」という意味になるのか
- 英語「up」と日本語「あがる」の深い共通点
- 日常英会話にすぐ使える「act up」フレーズ
act up の意味とは?よくある誤解と実際の使い方
英語学習者にとって、「act up」という表現は少し不思議に感じられるかもしれません。
直訳すると「行動する(act)」+「上に(up)」ですが、実際には以下のように使われます。
My computer is acting up.
(パソコンの調子がおかしい)
My stomach is acting up again.
(またお腹の調子が悪い)
このように、「act up」は「正常に動かない」「調子がおかしい」といった意味で使われるフレーズです。
語源から見る「act up」|upはなぜ“不調”を意味するのか?

🔹 act = 行動する
人やモノが何らかのふるまいをすることを表します。
🔹 up = 上に/上昇する
しかしここでの「up」は単なる上昇ではなく、**「度を越す」「限界を超える」**といった意味合いで使われています。
つまり「act up」とは、
“正常から逸脱した行動をする”=おかしくなる・不調になる
というイメージなのです。
この「up」が持つ「行き過ぎ」「異常」のニュアンスが、体調不良・機械の故障などにも使われる理由です。
英語の「up」と日本語の「あがる」には共通点がある!
ここで注目したいのが、日本語の「あがる」という言葉にも、英語の「up」に似た使い方があるという点です。
🐟 たとえば日本語で:
- 「魚があがる」→ 死んで水面に浮かぶ
- 「話すときにあがる」→ 緊張して本来の力が出せない
- 「売上があがらない」→ 調子がよくない
これらの「あがる」は、単に「上昇する」という意味ではなく、
✅ 本来の力を出せなくなる(異常・不調)
✅ 終わりの状態・手がつけられない状態
といった感覚を含んでいます。
🌍 up と あがる の共通構造:異常・限界・終点
表現 | 英語(up) | 日本語(あがる) |
---|---|---|
act up | 機械や体が異常に動く | 魚が死んで浮かぶ(異常な状態) |
mess up | 台無しにする | 「緊張して頭が真っ白に」なる |
give up | あきらめる(限界に達する) | 気持ちが「上がってしまう」=諦める |
→ つまり「up」も「あがる」も、どちらも「もう正常に機能しない」「限界を超えてコントロールできない」といったニュアンスを持つのです。
act up の使い方例|人・機械・体のすべてに使える!
✅ 子ども・人に対して
The kids were acting up at the restaurant.
レストランで子どもたちが騒いでいた。
→ おとなしくしていない、問題行動をしている状態。
✅ 機械・デバイスに対して
My phone is acting up again.
またスマホの調子が悪いよ。
→ タッチ反応しない、勝手に動くなど。
✅ 体・体調に対して
My back acts up whenever it rains.
雨が降ると腰の調子が悪くなる。
→ 古傷や持病が再発する、慢性的な痛みが出るときにも使えます。
🎓 英語学習のコツ:「up」はポジティブだけではない!
多くの人が「up=上昇=いい意味」と思いがちですが、英語の句動詞では悪化・限界・異常を表すことも多いのです。
たとえば:
- blow up(爆発する、激怒する)
- flare up(ぶり返す、再発する)
- break up(関係が壊れる)
- screw up(台無しにする)
これらもすべて、「up」が悪い方向の変化を意味しています。
✅ act / act up に関連する派生語一覧表
英単語 | 品詞 | 発音記号 | カタカナ読み | 意味・用法例 |
---|---|---|---|---|
act | 動詞/名詞 | /ækt/ | アクト | 行動する、演じる;行為 |
action | 名詞 | /ˈæk.ʃən/ | アクション | 行動、活動、動作 |
active | 形容詞 | /ˈæk.tɪv/ | アクティブ | 活動的な、積極的な |
activity | 名詞 | /ækˈtɪv.ə.ti/ | アクティビティ | 活動、行動、催し物 |
actor | 名詞 | /ˈæk.tɚ/ | アクター | 俳優(男) |
actress | 名詞 | /ˈæk.trəs/ | アクトレス | 女優(近年はgender neutral化により actor を共通使用) |
enact | 動詞 | /ɪˈnækt/ | イナクト | (法律などを)制定する、演じる |
react | 動詞 | /riˈækt/ | リアクト | 反応する、対応する |
reaction | 名詞 | /riˈæk.ʃən/ | リアクション | 反応、感情の動き |
reactive | 形容詞 | /riˈæk.tɪv/ | リアクティブ | 反応的な、受動的な |
interactive | 形容詞 | /ˌɪn.t̬ɚˈæk.tɪv/ | インタラクティブ | 双方向の、対話型の |
transact | 動詞 | /trænˈzækt/ | トランザクト | 商取引を行う |
transaction | 名詞 | /ˌtrænˈzæk.ʃən/ | トランザクション | 取引、処理、業務内容 |
overact | 動詞 | /ˌoʊ.vɚˈækt/ | オーバーアクト | オーバーに演じる、芝居がかる |
underact | 動詞 | /ˌʌn.dɚˈækt/ | アンダーアクト | 演技が控えめすぎる |
act up | 句動詞 | /ækt ʌp/ | アクト アップ | (機械・体・人が)調子が悪い、ふざける |
interact | 動詞 | /ˌɪn.t̬ɚˈækt/ | インタラクト | 相互に作用する、交流する |
📌補足
- act up は句動詞なので、他の「act」関連語と比べてややイディオム的な要素が強いですが、語源的には「act」+「up」の組み合わせと明確に分解可能です。
- 「react」「enact」「transact」などは、接頭辞+act で意味が構成されており、それぞれに方向性や機能が追加される形になります。
✨まとめ:act upを「日本語の感覚」で覚えると定着しやすい!
- act up = 本来の働きから外れた異常な行動
- up = コントロール不能・限界・悪化の方向
- 日本語の「あがる」も、「死ぬ」「緊張する」「不調」など、似た意味で使われる
- 英語と日本語の“直感”をリンクさせることで、より深く記憶に残る!
💬最後にひとこと
「act up」はただのスラングではなく、日常のちょっとした不調や異変を伝える便利な表現です。そして、その意味をつかむカギは、意外にも日本語の中に隠されていたのかもしれません。
英語も日本語も、人の感覚から生まれた言葉。こうした共通点を探して学ぶと、英語がもっと身近になりますよ!
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