「キャップ」って、みんな知っている言葉ですよね。ペットボトルのキャップ、野球帽のキャップ。この cap を入り口にすると、英単語がかなりの数、芋づる式に増やせます。
しかも今回はちょっと面白い話があります。cap で始まる単語を集めてみると、実は出身のちがう2つの家系が混ざっているんです。ひとつは caput(カプト)=頭 の家系。もうひとつは capere(カペレ)=つかむ・取る の家系。見た目は同じ cap なのに、片方は「頭・トップ・一番」の意味を、もう片方は「つかむ・受ける・おさえる」の意味を運んでいます。
この2家系を知っておくと、初めて見る cap 系の単語でも「たぶん”頭”の話かな、”つかむ”の話かな」と見当がつくようになります。まずはそこから。
cap を2つの家系で分けてイメージする
cap で始まる単語は、ざっくりこう分けられます。
① caput(頭)の家系・・・頭、てっぺん、トップ、一番、リーダー ② capere(つかむ)の家系・・・つかむ、取る、受ける、おさえる、収める
たとえば capital(首都)は「国のいちばん上=頭」だから ① 頭の家系。capture(捕らえる)は「つかまえる」だから ② つかむの家系。この2つのイメージを持っておくだけで、cap 系はぐっと整理されます。
※ ちなみに帽子の cap も、有力な説ではこの caput(頭)につながるとされます(「頭をおおうもの」ですね)。ただしここは諸説あって断定はできないので、フックとして「頭っぽい」と覚えておく程度でちょうどいいです。
① caput(頭)の家系
まずは「頭・トップ・一番」を運ぶグループから。cap の綴りがそのまま見える語を並べます。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| capital | 首都、資本 | 国のいちばん上=頭 |
| captain | 船長、指揮官 | 組織の頭=リーダー |
| cape | 岬 | 海に突き出た “頭” のような地形 |
| per capita | 一人当たり | 頭ごとに、頭数で |
| decapitate | 首をはねる | de(除く)+caput(頭) |
実はこれも「頭」の家系
ここからが面白いところ。綴りが cap から少し変わっていて、一見わからないけれど、たどると同じ caput(頭)にたどり着く語があります。
| 単語 | 意味 | つながり |
|---|---|---|
| chapter | 章 | 「頭出し」=見出しから章へ |
| chief | 長、主要な | 集団の “頭” |
| chef | 料理長 | 厨房の “頭”(chief と同じ出どころ) |
| cattle | 家畜 | 昔は財産を “頭数” で数えた |
「chef(シェフ)と chief(チーフ)が親戚」・・・言われてみれば、どちらも “頭・長” ですよね。
② capere(つかむ)の家系
次は「つかむ・取る・受ける」を運ぶグループ。こちらも cap の綴りが見える語から。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| capture | 捕らえる | しっかりつかまえる |
| capacity | 容量、収容力 | どれだけ受け入れて “つかめる” か |
| capable | 能力がある | つかんで扱える=できる |
| captive | 捕虜 | つかまえられた人 |
実はこれも「つかむ」の家系
capere は、ほかの語とくっつくと形が cept・ceive などに変わります。そのせいで cap が消えて見えますが、中身は全部「つかむ・取る・受ける」です。
| 単語 | 意味 | 分解 |
|---|---|---|
| accept | 受け入れる | ac(〜へ)+cept=手元に取る |
| except | 除く | ex(外へ)+cept=外に取り出す |
| intercept | 横取りする、遮る | inter(間で)+cept=途中でつかむ |
| receive | 受け取る | re(元へ)+ceive=受け取る |
| occupy | 占める | oc(上を)+cupy=つかんで押さえる |
| anticipate | 予期する | anti(前に)+cip=先に取っておく |
「つかむ」のイメージを持っておくと、accept も receive も occupy も、全部「手元に取る」の仲間だとわかります。
どっちの家系か、見分けるヒント
迷ったら、意味で当ててみてください。
- 「頭・トップ・一番・リーダー」の匂いがしたら → caput(頭)
- 「つかむ・取る・受ける・おさえる」の匂いがしたら → capere(つかむ)
capital は「一番の街」だから頭。capacity は「受け入れる量」だからつかむ。意味から逆算すると、たいてい当たります。

TOEIC・英検での出題傾向
cap 系は、日常でもビジネスでも出番の多い実用グループです。TOEIC では capacity(座席数・生産能力)、capital(資本・首都)、accept(受諾する)、capable of(〜できる)あたりが頻出。英検でも準2級〜2級で capture・capital・accept などをよく見かけます。
1語ずつバラバラに覚えるより、「頭」と「つかむ」の2家系でまとめて押さえるほうが、記憶にも残りやすいはずです。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- You have the capacity to grow.
- It is okay to accept your small wins.
- This photo captured a happy moment.
- You are capable of more than you think.
- Tokyo is the capital of Japan.
- A good chief listens to the team first.
- Let’s start a new chapter together.
- Anticipate the good things ahead.
- This room can hold fifty people at capacity.
- Receive kindness, and pass it on.
語源メモ|”頭” と “つかむ” は、別の家系
正確なところを整理しておきます。
- caput(頭) ・・・ 印欧祖語 *kaput-「頭」に由来。capital・captain・chapter・chief などの元。
- capere(つかむ) ・・・ 印欧祖語 *keh₂p-「つかむ・つかまえる」に由来。capture・accept・receive などの元。
主流の語源辞典では、この2つは別々の語根として扱われます。見た目が cap でそっくりなので同じ仲間に見えますが、出身はちがう、というのが今回のポイントです。
(なお、caput が「つかむ」の *keh₂p- から派生したのでは、という説も一部にはあります。ただし定説ではなく議論が続いている段階なので、この記事では「別の家系」として整理しています。同じ綴りでも出どころが違う・・・そこがむしろ cap の面白さです。)
まとめ
cap で始まる単語は、caput(頭) と capere(つかむ) の2家系。
- caput(頭) ・・・ capital/captain/cape/per capita、変形組の chapter/chief/chef/cattle
- capere(つかむ) ・・・ capture/capacity/capable/captive、変形組の accept/except/intercept/receive/occupy/anticipate
- 見分けは意味で。「頭・トップ」なら caput、「つかむ・受ける」なら capere
基本語 cap ひとつを入り口に、これだけの単語がつながって見えてきます。

- 語源・中心:cap = 2つの家系(頭 caput / つかむ capere)
- caput(頭)系:capital/captain/cape/per capita/chapter/chief/chef/cattle
- capere(つかむ)系:capture/capacity/capable/captive/accept/receive/occupy/anticipate
- 覚え方のヒント:「頭・トップ」なら caput、「つかむ・受ける」なら capere
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