はじめに:数字の「背景」まで見えると、転職の選択肢が変わる
求人票を見ると「離職率」「残業時間」「月給」など、いろいろな数字が出てきますよね。
でも、その数字が高いのか低いのかその業界では普通なのかどうか”は、比べる基準がないと判断できません。
そこで役に立つのが、厚生労働省の『雇用動向調査』です。
この調査は、日本の主要産業を横断して
- 離職率
- 入職率
- 賃金構造
などを毎年まとめている、非常に信頼性の高いデータ。
この記事では、20代の方が転職先を考えるときに特に大事なポイントを中心に、業界ごとの「働き方のリアル」をやさしく解説します。
▶ まず数字の読み方の基本は、こちらで確認しておくと理解がスムーズです:
離職率・残業時間・固定残業代の読み解き方をやさしく解説
業界別「入職率・離職率」から見える働き方の傾向

厚労省『雇用動向調査』では、業界別に“どれくらい人が入り、どれくらい人が辞めているか”がわかります。
🔹 離職率が高めの業界(20%前後)
- 宿泊業・飲食サービス業
- 生活関連サービス業・娯楽業
特徴:
- 労働時間が不規則になりやすい
- お客様対応が中心で、忙しさが季節・曜日で大きく変動
- 若手が多く、キャリアアップ目的の転職が多い
「忙しさに波がある」「人気の店舗は残業が増える」など、働き方が職場によって差が出やすい傾向も。
🔹 離職率が中程度(10~15%)
- 医療・福祉
- 卸売・小売業
- サービス業全般
特徴:
- 人手不足が構造化している業界も多い
- 20代のキャリアチェンジ先として入りやすい
医療・福祉は離職率が15%前後と高めに見えますが、これは職場ごとの特徴が大きいため、求人票の数字だけで判断しないことが大切。
🔹 離職率が低い業界(10%未満)
- 製造業
- 金融業・保険業
- 電気・ガス・水道業
特徴:
- 研修制度・福利厚生が整っている
- 長く働く前提の制度が多い
- 20代にとっては「安定性の高い業界」と言える
特にインフラ系(電気・ガス・水道)は低離職率が続いており、安定志向の20代には人気です。
業界別「残業時間の傾向」:平均だけで判断しない
『雇用動向調査』に関連する他の統計や大手転職サイトの業界データを踏まえると、業界別の残業時間の傾向は次の通りです。
残業が多くなりやすい業界
- IT・Web(30〜40時間)
- コンサルティング(40時間〜)
- 広告・出版
【ポイント】
・納期・プロジェクトの繁忙によって残業が集中する
・スキルアップしやすい反面、体力が必要な場面も
残業が少なめの業界
- 製造業(10〜20時間)
- 金融業(10〜20時間)
- 公的機関・インフラ
【ポイント】
・業務プロセスが標準化されている
・働き方改革の影響を受けやすい業界
👉 残業時間は「業界の体質」と「企業の姿勢」の両方を見るのが大切。
その見分け方は、以下の記事が参考になります:
求人票でわかるブラック企業のサイン|見るべき3つの数字
業界別の賃金構造:平均年収の差はなぜ生まれる?
業界ごとの離職率や残業時間は、賃金にも影響します。
🔹 年収が高い業界
- 金融業
- 情報通信業(IT・Web)
- 電気・ガス・水道業
理由:
・専門性が高い
・資格やスキルで給与が上がりやすい
・企業規模が大きいケースが多い
20代でも評価されやすいポイントとして、英語力やITスキルが大きく関わります。
▶ 英語×ITで市場価値を高めたい方はこちら
「語学力を活かした20代のキャリアと転職戦略|英語が強みになる仕事の選び方」(近日中に公開予定)
🔹 年収が平均的〜低めの業界
- 小売・飲食・サービス
- 生活関連サービス業
- 医療・福祉(初期給与は低め)
理由:
・人件費率が高く、賃金に反映しにくい
・キャリアアップに資格や経験年数が必要
・労働集約型のため生産性が上がりにくい
ただし、医療・福祉は経験を積むほど安定しやすい構造があるため、20代のキャリア基盤作りとして悪くありません。
20代の転職にどう活かすか:数字が示す「向き・不向き」
雇用動向調査の数字を見ると、業界ごとに“転職しやすさ”と“長く働きやすさ”が見えてきます。
💡 向いているのはこんな人
【安定志向の20代】
→ 製造業 / 金融業 / インフラ系
- 離職率が低く、制度が整っている
- ワークライフバランスを確保しやすい
【成長志向でスキルを積みたい20代】
→ IT・Web / コンサル / 広告
- 残業は多めになるが、スキルの伸びが速い
- 市場価値が上がりやすい
【人や社会の役に立ちたい20代】
→ 医療・福祉 / 生活関連サービス
- 離職率は高めだが需要は安定
- 未経験から入りやすく、キャリアが構築しやすい

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→ 求人票でわかるブラック企業のサイン|見るべき3つの数字 - 面接で確認すべきことも知りたい方へ
→ 面接でブラック企業を見抜く質問5選(理由と回答例付き)(近日中に公開予定)
まとめ:業界の「リアル」を知ることが失敗しない転職への一歩
雇用動向調査は、企業側の発信ではなく、国が毎年まとめている客観的なデータです。
そのため、転職を考える20代にとって「数字を見る基準」としてとても役に立ちます。
- どの業界が安定しているのか
- どの業界は成長と引き換えに忙しいのか
- どの業界が人手不足で未経験から入りやすいのか
こうした「働き方の傾向」を知ることで、求人票の数字の見え方が大きく変わります。
ぜひ、あなたのキャリアの軸に合う業界を見つけるために、今回のデータを活用してみてください。
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参考資料(一次データ)
- 厚生労働省 『雇用動向調査』
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html
著者について
鈴木一世|現役大学教員・カウンセラー
20代が迷う場面を、大学教育と相談支援の現場で見てきました。息子の転職準備をきっかけに、20代のキャリアについて深く調べてきました。
データと現場の両面から、客観的な情報をお届けしています。
- Twitter: @suzukiissei8
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