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【語源で覚える】accuracy|隠れた cure(キュア)は「手をかける」

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「アキュラシー(accuracy)」は、スポーツの実況やデータの話でときどき耳にする言葉です。意味は「正確さ」。じっと見つめると、真ん中に cur がいます。

この3文字、どこかで見覚えがありませんか。cure・・・「治す、治療」の、あのキュアです。

正確さと、治すこと。一見すると無関係ですが、この2つは同じ家族です。そしてその家族の意味の中心は、「治す」ではありません。cura(気にかける・手をかける)。ここをつかむと、accuracy がただの難語ではなくなります。

身近なところで言うと、マニキュアも同じ一族です。manus(手:マニュアル)+ cura(手をかける)で「手の手入れ」。爪にていねいに手をかける、あれです。

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accuracy を分解してイメージで覚える|意味の中心は cura(手をかける)

accuracy をパーツで見ると、こうなります。

ac(ad=〜へ)+ cur(cura=気にかける・手をかける)+ acy(〜であること)

もとの形は accurate(正確な)で、さらにさかのぼるとラテン語の accurare、「それに向かって手をかける」です。

つまり accuracy は、もともと「正しさ」そのものを指す言葉ではありませんでした。ていねいに手をかけた状態・・・それが結果として「正確」になった。順番が逆なんです。

この順番がわかると、意味がぐっと立体的になります。正確さは、才能や速さから生まれるものではなく、手をかけた時間から生まれる。語源そのものが、そう言っています。

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accuracy の基本の意味と使い方

accuracy は「正確さ」「精度」を表す名詞です。数値・情報・作業など、「ズレのなさ」を問うときに使います。

  • check the accuracy of the data(データの正確さを確認する)
  • with great accuracy(とても正確に)
  • accuracy and speed(正確さとスピード)

形容詞は accurate(正確な)、副詞は accurately(正確に)、否定は inaccurate(不正確な)。ビジネス文書では accurate records(正確な記録)、accurate information(正確な情報)の形でよく出てきます。

accuracy と precision の違い|似ているようで別もの

日本語にするとどちらも「正確さ・精度」ですが、英語では意味の中心が違います。

  • accuracy・・・本当の値にどれだけ近いか(的の中心に当たっているか)
  • precision・・・何度やっても同じ結果が出るか(ばらつきの小ささ)

ダーツで言えば、中心に当たるのが accuracy、同じ場所にかたまるのが precision です。ど真ん中から外れていても、同じところに集まっていれば precision は高い。この区別は、理系の文章やデータの話で効いてきます。

ちなみに correctness は「正解か不正解か」の話。accuracy は「どれだけ近いか」の話なので、程度を表せるのが違いです。

cura(手をかける)でつながる単語ネットワーク

cura(気にかける・手をかける)を知っておくと、ジャンルの違う単語が一気に一本の線でつながります。

単語意味イメージ
cure治す、治療元は「気にかける」。手をかける→手当て→治療
curious好奇心が強い気にかけずにいられない
curiosity好奇心curious の名詞形
curator学芸員、キュレーター作品の世話をする人
secure安全なse(〜がない)+cura=心配がない
security安全、警備心配のない状態
sure確かなsecure が別ルートで入った姉妹語
manicureマニキュア、爪の手入れmanus(手)+cura
pedicureペディキュアped(足)+cura
procure調達する、手に入れるpro(前もって)+cura=先回りして手配する
accurate正確なad+cura=それに手をかけた
sinecure閑職、名ばかりの職sine(〜なし)+cura=手をかけなくていい仕事

「security(セキュリティ)=心配がない状態」、「マニキュア=手に手をかける」。カタカナで知っている語が、ぜんぶ同じ家族だったとわかると、accuracy という難しそうな一語も急に身近になります。

注意|英語の care は、cura の親戚ではない

ここは引っかかりやすいので、はっきりさせておきます。

意味がそっくりな英語の care(世話・気づかい)は、ラテン語の cura とは別の語源です。care は古英語の caru(悲しみ・不安)から来たゲルマン系の単語で、cura とは関係がないとされています。

意味が近く、綴りも似ている。それでも親戚ではない・・・英語にはこういう「他人の空似」がときどきあります。

ただ、覚える道具としては care を使ってかまいません。「cur が入っていたら care(気にかける)の話」と結びつけておけば、cure も secure も curious も一気に引き出せます。語源としては別だと知ったうえで使う、というだけの話です。

派生語|accuracy まわり

単語品詞意味発音
accuracy名詞正確さ、精度アキュラシー /ˈækjərəsi/
accurate形容詞正確なアキュレット /ˈækjərət/
accurately副詞正確にアキュレットリー /ˈækjərətli/
inaccurate形容詞不正確なイナキュレット /ɪnˈækjərət/
inaccuracy名詞不正確さ、誤りイナキュラシー /ɪnˈækjərəsi/

TOEIC・英検での出題傾向

accuracy は、ビジネス文書との相性がとてもいい語です。TOEIC では「データ・在庫・請求書の正確さを確認する」といった文脈で、check the accuracy of 〜/ensure accuracy/accurate records の形がよく出ます。Part 5 では、accurate(形容詞)・accurately(副詞)・accuracy(名詞)の品詞の使い分けを問う問題が定番です。

英検では2級〜準1級あたりで見かけます。長文中で「正確さ」を言い換える語(precision、correctness)と並べて出ることもあるので、違いを押さえておくと読みやすくなります。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Your accuracy is improving every week.
  2. Speed matters, but accuracy matters more.
  3. She checked the numbers for accuracy twice.
  4. Accuracy comes from care, not from speed.
  5. The report was praised for its accuracy.
  6. With practice, your accuracy will grow quietly.
  7. Small daily habits build accuracy over time.
  8. He values accuracy more than appearance.
  9. Accuracy is a kind of kindness to your reader.
  10. Trust often begins with accuracy.

語源メモ|accurare と cura

accurate は1610年代の英語に入った語で、ラテン語 accuratus(注意深く準備された、正確な)の過去分詞形に由来します。もとの動詞は accurare(世話をする・手をかける)で、ad(〜へ)+ curare(世話をする)という成り立ちです。

英語に入った当初の意味は「注意深く行われた」でした。そこから1650年代に「正確な」の意味が育ちます。名詞の accuracy はさらに遅く、1660年代に accurate + -cy の形で登場しました。語形の歴史から見ても、「手をかけた」が先で「正確」が後なのがわかります。

中心にあるラテン語 cura は「心配・関心・手間」。古ラテン語の coira- にさかのぼりますが、それ以前の由来ははっきりしていません(PIE の「心にとめる」を表す語根に結びつける説もありますが、確定ではありません)。この cura から、cure・curious・curator・secure・manicure といった顔ぶれが枝分かれしていきました。

なお、英語の care(世話)は古英語 caru(悲しみ・不安)からのゲルマン系で、cura とは別系統とされています。意味が近いので同族に見えますが、別ルートです。

まとめ

accuracy は、ac(ad=〜へ)+ cur(cura=気にかける・手をかける)+ acy で「手をかけた状態」=正確さ。

  • cura・・・気にかける、手をかける。cure/curious/curator の一族へ
  • se+cura・・・心配がない。secure/security/sure へ
  • manus+cura・・・手に手をかける。manicure/pedicure へ
  • 注意・・・英語の care は別語源。意味は近いが親戚ではない

正確さは、生まれつきの器用さではなく、手をかけた時間がつくるもの。accuracy という単語自体が、そう教えてくれます。

accuracy の語源ワードマップ。中心は accuracy(=手をかけた状態・正確さ)で、ac(ad=〜へ)+cur(cura=手をかける)+acy に分解。覚え方のヒント(cur→cure/マニキュアのキュア)、cura(手をかける)系(cure / curious / curator / procure / sinecure)、se+cura・manus+cura系(secure / security / sure / manicure / pedicure)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:ac(ad=〜へ)+ cur(cura=手をかける)+ acy =「手をかけた状態」
  • 覚え方のヒント:cur → cure(キュア)/マニキュアの「キュア」
  • cura(手をかける)一族:cure/curious/curator/procure/sinecure
  • se+cura・manus+cura:secure/security/sure/manicure/pedicure

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翻訳練習の解答

  1. あなたの正確さは、毎週よくなっている。
  2. 速さも大事だけれど、正確さはもっと大事だ。
  3. 彼女は、数字が正確かどうかを二度確かめた。
  4. 正確さは、手をかけることから生まれる。速さからではない。
  5. そのレポートは、正確さを高く評価された。
  6. 練習を重ねれば、あなたの正確さは静かに育っていく。
  7. 毎日の小さな習慣が、時間をかけて正確さをつくる。
  8. 彼は、見栄えよりも正確さを大切にしている。
  9. 正確さは、読み手へのひとつの思いやりだ。
  10. 信頼は、正確さから始まることが多い。

集録語彙リスト

この単語は NAWL(学術)・TSL(TOEIC)・BSL(ビジネス)のすべて に集録されています。学術・試験・実務のどの場面でも使われる、最優先で覚えたい一語です。

NAWL(New Academic Word List)集録語

この単語は New Academic Word List(NAWL) に集録されています。NAWLは大規模な学術コーパスから抽出された960語のリストで、これらを覚えるだけで学術英語の約92%をカバーできます。論文や英字ニュースを読むとき、必ず出会う一語です。出典:New General Service List Project

TSL(TOEIC Service List)集録語

この単語は TOEIC Service List(TSL) に収録されています。TSLはTOEICの出題語彙を分析して作られた1,200語のリストで、これらを押さえればテストに出る語彙の約99%をカバーできます。スコアアップに直結する一語です。
出典:New General Service List Project

BSL(Business Service List)集録語

この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project