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【語源で覚える】replicate|レプリカの “plic”、リピートの仲間じゃない?

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「レプリカ」という言葉、スポーツユニフォームや美術品の複製でおなじみですよね。綴りは replica。そしてその動詞形が、replicate(複製する・再現する) です。

音だけ聞くと、どうしても「リピート(repeat)=繰り返す」の仲間に思えてきます。リプリケート、リピート。頭が re で始まって、意味も「同じものをもう一度」。これはもう親戚でしょう・・・と言いたくなります。

リプリケート → リピート(repeat)する → 同じものを繰り返す → 複製する

覚え方としてはすんなりします。

ところが、この2語は別の家系です。replicate の意味の中心は、真ん中の plic(折る)。「折り返す」が出発点で、そこから「複製する」までたどり着いた単語なんです。

そして同じ家族には、意外な一語がいます。reply(返信する)。折り返す、だから返事をする。ここまで見えると、replicate がただの難しい単語ではなくなります。

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replicate を分解してイメージで覚える|意味の中心は plic(折る)

replicate をパーツで見ると、こうなります。

re(再び・後ろへ)+ plic(折る)+ ate(〜する)

まず手がかりとして使えるのが、「リピートっぽい」という感覚です。実は、これはまったくの的外れではありません。replicate という語が英語に入った15世紀ごろ、この単語はまさに「繰り返す」の意味で使われていました。意味のうえでは、たしかに repeat と肩を並べていた時期があるんです。

でも意味の中心は、あくまで真ん中の plic(折る)。紙を一度折って、同じ形をもう一枚つくる。折り返した先に、元と同じものが現れる・・・それが replicate です。「もう一度(re)折る(plic)」から、「複製する・再現する」へ。

※ 正確には、replicate はラテン語 plicare(折る)から来ており、repeat(re+petere=再び求めて行く)とは別ルートです。「リピートっぽい」はあくまで入り口の手がかりとして使っています。

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replicate の基本の意味と使い方

replicate は「複製する」「再現する」を表す動詞です。モノのコピーにも、実験や成果の再現にも使えます。

  • replicate a design(デザインを複製する)
  • replicate the results(結果を再現する)
  • replicate the study in another country(別の国でその研究を再現する)

ポイントは、「ただコピーする」より 「同じ条件でもう一度やって、同じものが出るか確かめる」 という響きが強いこと。科学論文でもビジネスの報告書でも、この意味でよく登場します。

名詞のレプリカ(replica)が「できあがった複製品」なら、replicate は「複製する・再現する」という動きのほうです。

copy・duplicate・replicate の使い分け

近い意味の3語は、こう整理すると迷いません。

単語ニュアンス
copyいちばん広く「写す・まねる」。日常語
duplicate「二重にする」。書類やデータをもう一部つくる
replicate「同じ条件で再現する」。実験・成果・仕組みに使う

成功した仕組みを別の場所でもう一度動かす・・・そういう場面は replicate の出番です。

plic(折る)でつながる単語ネットワーク

plic は「折る」。ここを押さえると、まったく別ジャンルに見える単語が一気につながります。

まず、replicate と同じ re(折り返す)グループから。

単語意味イメージ
reply返信する、返事re(折り返して)+ply=言葉を折り返す
replica複製品、レプリカ折り返してできた、もう一つ
replication複製、再現replicate の名詞形
replicable再現可能なもう一度折り直せる

そして、plic(ply・ploy・plex と形を変えます)の広い一族。

単語意味イメージ
apply当てはめる、応募するap(〜へ)+ply=折って貼りつける
implyほのめかすim(中へ)+ply=意味を中に折り込む
employ雇うem(中へ)+ploy=組織の中に折り込む
duplicate複製する、二重のdu(2)+plic=二つ折り
multiplyかけ算する、増やすmulti(多く)+ply=何重にも折る
complicate複雑にするcom(一緒に)+plic=折り重なってややこしい
pliableしなやかな折れ曲がる、柔らかい
plywood合板ply(層)=薄い板を折り重ねた板

トイレットペーパーの「2-ply(2枚重ね)」の ply も、この「折る」です。身近なところにも、ちゃんと隠れています。

「plic・ply・ploy が入っていたら、たぶん”折る”話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。

派生語|replicate まわり

単語品詞意味発音
replicate動詞複製する、再現するレプリケイト /ˈreplɪkeɪt/
replica名詞複製品、レプリカレプリカ /ˈreplɪkə/
replication名詞複製、再現(実験)レプリケイション /ˌreplɪˈkeɪʃn/
replicable形容詞再現可能な/ˈreplɪkəbl/
reply動詞・名詞返信する、返事リプライ /rɪˈplaɪ/

TOEIC・英検での出題傾向

正直に書くと、replicate は TOEIC の超頻出語ではありません。ただ、Part 7 の報告書・プレスリリース系の長文で「成功モデルを他店舗で再現する」といった文脈で顔を出します。英検なら準1級以上の語彙レベルです。

むしろ実用度が高いのは、同じ家族の apply・imply・employ・reply。こちらは TOEIC でも日常でも出ずっぱりです。replicate を入り口に、この一族ごと手に入れてしまうのが得策です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. The team tried to replicate the experiment.
  2. You can replicate this success in your own way.
  3. They replicated the design with great care.
  4. It is hard to replicate the taste of home cooking.
  5. Try to replicate the steps you took when things went well.
  6. The study was replicated in three countries.
  7. Small good habits replicate themselves over time.
  8. If you replicate your small wins, a big one will follow.
  9. She replicated the old painting for the museum.
  10. What you practice today, your future self will replicate.

語源メモ|「折り返す」から「複製する」まで

replicate は、後期ラテン語 replicatus(replicare の過去分詞)に由来します。replicare は古典ラテン語で「折り返す・折り曲げる」、後期ラテン語で「返答する・繰り返す」。分けると re(再び・後ろへ)+ plicare(折る) で、さらに印欧祖語の語根 *plek-(編む)にさかのぼります。

英語に入ったのは15世紀はじめごろで、当時の意味は「繰り返す」。つまり replicate は、最初から「複製する」だったわけではありません。「複製する・レプリカをつくる」の意味が記録されるのは1882年で、名詞 replication から逆向きにつくられた比較的新しい用法です。実験を再現するという科学の意味は1923年、遺伝子の複製は1957年から。

一方 repeat は、ラテン語 repetere(re=再び + petere=求めて行く・向かう)。印欧祖語の語根 *pet-(飛ぶ・急いで行く)の系統で、plicare とは別家系です。意味が近く見えるのは偶然ではなく、「re(再び)」を共有しているからですが、後半はまったく別物。ここが案外、整理されずに覚えられている部分です。

もう一つ覚えておくと得なのが reply。これも replicare から来ています。古フランス語 replier を経て英語に入り、「言葉を折り返す」から「返信する」へ。つまり、スマホの返信ボタンと美術館のレプリカは、同じ「折る」でつながっています。

なお、complex・perplex のような plex 系は、plicare の兄弟にあたるラテン語 plectere(編む)から。同じ印欧祖語の語根 *plek- にさかのぼる、遠縁の親戚です。

まとめ

replicate は、re(再び)+ plic(折る)+ ate で「もう一度折り返す」=複製する・再現する。

  • plic(plicare)・・・折る。apply/imply/employ/duplicate/multiply などの一族へ
  • re+plic グループ・・・reply/replica/replication。「折り返す」でひとまとまり
  • repeat とは別家系・・・repeat は re+petere(求めて行く)

折り返した先に、同じものがもう一つ現れる。replicate は、その「折り」のイメージを持ったまま、現代の実験室やビジネスの現場で使われています。

replicate の語源ワードマップ。中心は replicate(=折り返して、もう一つ。複製する・再現する)で、re(再び)+plic(折る)+ate に分解。ラテン語 plicare(折る)を語源・中心に据え、re+plic(折り返す)系(reply / replica / replication / replicable)、plic・ply(折る)一族(apply / imply / employ / duplicate / multiply / complicate / pliable / plywood)、覚え方のヒント(レプリカ→リピートっぽいが、意味の中心は plic。repeat は別系統)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:re(再び)+ plic(折る)+ ate =「折り返して、もう一つ」
  • 覚え方のヒント:レプリカ → リピートっぽい → でも中心は plic(折る)
  • re+plic グループ:reply/replica/replication/replicable
  • plic(折る)一族:apply/imply/employ/duplicate/multiply/complicate/pliable/plywood

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翻訳練習の解答

  1. そのチームは、その実験を再現しようとした。
  2. あなたなら、この成功を自分なりのやり方で再現できる。
  3. 彼らは、そのデザインを丁寧に複製した。
  4. 家庭料理の味を再現するのは難しい。
  5. うまくいったときに踏んだ手順を、もう一度なぞってみよう。
  6. その研究は、3つの国で再現された。
  7. 小さな良い習慣は、時間をかけて自分で増えていく。
  8. 小さな成功を重ねていけば、大きな一つがついてくる。
  9. 彼女は、美術館のためにその古い絵を模写した。
  10. 今日あなたが練習したことを、未来のあなたが再現する。

集録語彙リスト

この単語は NAWL(学術) と BSL(ビジネス) の両方に集録されています。学術英語でもビジネスでも頻出する、汎用性の高い一語です。

NAWL(New Academic Word List)集録語

この単語は New Academic Word List(NAWL) に集録されています。NAWLは大規模な学術コーパスから抽出された960語のリストで、これらを覚えるだけで学術英語の約92%をカバーできます。論文や英字ニュースを読むとき、必ず出会う一語です。出典:New General Service List Project

BSL(Business Service List)集録語

この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project