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【語源で覚える】absorb|ショックアブソーバーの ab と sorb、分けて覚える

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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車やバイクの「ショックアブソーバー」。段差を越えたときのガツンという衝撃を、やわらげてくれる部品です。

このアブソーバーの元になっている動詞が absorb。学校では「吸収する」と習いましたよね。

おもしろいのはここからで、この一語を ab と sorb に分けてみると、「衝撃を吸収する」も「本に夢中になる」も、同じ一本の線でつながります。コストを吸収する、という少し硬いビジネス表現まで、まとめて腑に落ちる。

分けて見るだけなので、やってみましょう。

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absorb を分解してイメージで覚える|真ん中の “sorb” が吸い込む

absorb をパーツで見ると、こうなります。

ab(離れて・外へ)+ sorb(吸い込む)

意味の中心は、真ん中の sorb。ラテン語 sorbere(吸い込む・飲み込む)で、ストローで吸い上げるような動きです。

そこに頭の ab(離れて)が付くので、「吸い込んで、もとの場所から持っていってしまう」。

ショックアブソーバーを思い浮かべると、そのままです。路面から来た衝撃を吸い込んで、乗っている人のところまで届かないように、よそへ逃がしてしまう。吸い込む(sorb)+ 持ち去る(ab)。この装置ひとつで、absorb の意味が丸ごと説明できます。

タオルが水を吸う、スポンジが汁を吸う、壁が音を吸う・・・すべて同じ動きです。表面にあったものが、吸い込まれて消える。

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absorb の基本の意味と使い方

absorb は「吸収する」を表す動詞です。吸い込む対象は、液体にかぎりません。

  • This towel absorbs water quickly.(このタオルは水をよく吸う)
  • The wall absorbs sound.(その壁は音を吸収する)
  • The company absorbed the extra cost.(その会社は追加のコストを吸収した)

3つ目のような使い方は、ビジネス文書でよく出ます。値上がり分を、客に回さず自社で飲み込む・・・これも立派な「吸収」です。

そして、人にも使えます。

  • You absorb new words faster than you think.(あなたは思っているより早く、新しい単語を吸収している)

be absorbed in という形になると、「〜に夢中になる、没頭する」。

  • He was absorbed in the book.(彼はその本に夢中だった)

これ、受け身なのがポイントです。自分が吸い込むのではなく、自分のほうが吸い込まれている。夢中になっているときの感覚として、かなり正確な言い方だと思いませんか。

使い分け|absorb・soak up・take in

「吸い込む」を表す語はいくつかありますが、手ざわりが違います。

語手ざわり使う場面
absorb硬め・守備範囲が広い液体・音・衝撃・コスト・知識、どれにも使える
soak up口語的・たっぷり水をぐんぐん吸う、雰囲気や日差しを浴びる
take inやわらかい・広い情報を取り込む、理解する、受け入れる

文章で書くなら absorb、友だちとの会話なら soak up。「話が頭に入ってこない」という場面では take in が自然です(I couldn’t take it all in.)。

“sorb(吸い込む)” でつながる単語ネットワーク

sorb の一族は、英語ではそれほど数が多くありません。ほとんどが absorb のまわりに集まっています。逆に言えば、sorb という綴りを見たら、まず「吸い込む」を疑ってよいということです。

単語意味イメージ
absorbent吸収性のab(離れて)+sorb=よく吸い込む性質の
absorption吸収、没頭absorb の名詞形
absorber吸収するもの、緩衝装置吸い込んでくれる側
adsorb吸着するad(〜へ)+sorb=表面にくっつけて取り込む
resorb再吸収するre(再び)+sorb=もう一度吸い込む

adsorb は化学や工学で使う語で、absorb(中まで吸い込む)との対比で生まれました。吸収は中へ、吸着は表面に。この一文字違いは、理系の英文を読むときに効いてきます。

ab(離れて)でつながる単語ネットワーク

もう一方の ab(離れて・外へ)をたどると、ぐっと守備範囲が広がります。こちらは日常語の宝庫です。

単語意味語源
absent不在のab〈離れて〉+esse〈いる〉=そこにいない
abstract抽象的なabs〈離れて〉+tract〈引く〉=引き抜いて取り出す
abduct連れ去るab〈離れて〉+duct〈導く〉
abnormal異常なab〈離れて〉+normal〈基準〉=基準から外れた
abstain控える、棄権するabs〈離れて〉+tain〈保つ〉=手を出さずにおく
abrupt突然のab〈離れて〉+rupt〈破れる〉=ぷつりと切れた
absolute絶対のab〈離れて〉+solute〈解き放つ〉=何からも切り離された

「頭に ab が見えたら、たぶん”離れていく”話」。この当たりがつくようになると、初見の単語でも方向が読めます。

absorb は、この ab(離れて) と sorb(吸い込む) が合わさった場所に立っている一語です。

派生語 Word Family

単語品詞意味発音
absorb動詞吸収する、夢中にさせるアブゾーブ /əbˈzɔːrb/
absorption名詞吸収、没頭アブソープション /əbˈsɔːrpʃən/
absorbent形容詞吸収性のアブゾーベント
absorbed形容詞夢中の、没頭したアブゾーブド
absorbing形容詞夢中にさせる、引き込まれるアブゾービング
absorber名詞吸収するもの、緩衝装置アブゾーバー

ひとつ、音の注意を。動詞の absorb は濁って「アブゾーブ」と読まれるのが一般的ですが、名詞の absorption は濁らず「アブソープション」です。綴りも b が p に変わります。TOEICのリスニングで聞き分けに迷うところなので、音で一度そろえておくと安心です。

TOEIC・英検での出題傾向

TOEICでは「コストを吸収する」と、品詞問題。

Part 5・6では、absorb → absorption → absorbent の品詞の入れ替えが定番です。

The company decided to ____ the additional shipping costs.

空所の前が to、後ろが目的語なので、動詞 absorb が入ります。absorption(名詞)を選ばないように。

Part 7では、値上げの告知メールや製造業の文書で absorb the cost / absorb the impact という形で登場します。「自社でかぶる」という意味だと分かれば、読みが速くなります。

英検では2級〜準1級あたり。 長文で absorb(吸収する)そのものより、be absorbed in(夢中になる)の形で問われることが多い印象です。「吸収」から連想しにくい意味なので、ここだけは別で覚えておくと取りこぼしません。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Plants absorb water through their roots.
  2. This towel absorbs water very quickly.
  3. You absorb more than you realize.
  4. These tires absorb the shock of a rough road.
  5. She was absorbed in her book all afternoon.
  6. Taking notes helps you absorb what you hear.
  7. The company absorbed the extra cost.
  8. Give yourself time to absorb the good news.
  9. A quiet walk helps you absorb the day.
  10. What you absorb slowly stays with you.

語源メモ|ラテン語 absorbere から

absorb は、ラテン語 absorbere(飲み込む・吸い尽くす)に由来します。分けると ab-(離れて・〜から)と、動詞 sorbere(吸い込む・すする)。

このsorbere が意味の中心で、ストローで吸い上げるような動きを表しました。そこに「離れて」の ab- が付くので、「吸い込んで、その場から消してしまう」という方向が出ます。英語には15世紀ごろ、フランス語 absorber を経て入りました。

「夢中になる」の意味が出てくるのは、ずっとあとです。人の注意が、何かにすっかり吸い取られてしまう・・・この比喩から、be absorbed in(〜に没頭する)という言い方が定着しました。液体を吸う話と、心を奪われる話が、同じ一語の中に同居しているわけです。

ちなみに adsorb(吸着する)は、19世紀末に科学の用語として absorb をまねて作られた、かなり新しい語です。中まで吸い込むのが absorb、表面にくっつけるのが adsorb。ad-(〜へ)と ab-(離れて)の違いが、そのまま意味の違いになっています。

まとめ

absorb は、ab(離れて)+ sorb(吸い込む)で「吸い込んで、外へ持っていく」=吸収する。

  • sorb(sorbere)・・・吸い込む。absorbent/absorption/adsorb/resorb の一族へ
  • ab-・・・離れて・外へ。absent/abstract/abnormal/abstain/abrupt の一族へ
  • be absorbed in・・・自分のほうが吸い込まれる=夢中になる

ショックアブソーバーが衝撃を吸ってくれるように、人も、受け取ったものを少しずつ吸い込んでいきます。

absorb の語源ワードマップ。中心は absorb(=吸い込んで外へ持っていく)で、ab(離れて)+sorb(吸い込む)に分解。語源・中心、sorb(吸い込む)一族(absorbent / absorption / absorber / adsorb / resorb)、ab(離れて)一族(absent / abstract / abduct / abnormal / abstain / abrupt)、覚え方のヒント(ショックアブソーバー=衝撃を吸い込んで逃がす装置)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:ab(離れて)+ sorb(吸い込む)=「吸い込んで外へ持っていく」
  • 覚え方のヒント:ショックアブソーバー=衝撃を吸い込んで逃がす装置
  • sorb(吸い込む)一族:absorbent/absorption/absorber/adsorb/resorb
  • ab(離れて)一族:absent/abstract/abduct/abnormal/abstain/abrupt/absolute

NAWL・TSL・BSL すべてに収録された語

この単語は NAWL(学術)・TSL(TOEIC)・BSL(ビジネス)のすべて に集録されています。学術・試験・実務のどの場面でも使われる、最優先で覚えたい一語です。

出典:New General Service List Project

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翻訳練習の解答

  1. 植物は、根から水を吸い上げる。
  2. このタオルは、水をとてもよく吸う。
  3. あなたは、自分で思っている以上に吸収している。
  4. このタイヤは、荒れた路面の衝撃を吸収してくれる。
  5. 彼女は午後じゅう、本に夢中だった。
  6. メモを取ると、聞いた話が頭に入りやすくなる。
  7. その会社は、追加の費用を自社でかぶった。
  8. うれしい知らせは、受け止める時間をとっていい。
  9. 静かな散歩をすると、一日が自分の中に落ちていく。
  10. ゆっくり吸収したものは、ちゃんと残る。