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【語源で覚える】deportation|その “port”、港じゃない?

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「パスポート(passport)」「エアポート(airport)」「トランスポート(transport)」・・・。カタカナでもおなじみの port、なんとなく「港」のイメージがありますよね。空港も港も、船や飛行機が発着する場所。だから port=港、で片づけたくなります。

そういえば、ジェイソン・ステイサム主演の人気アクション映画『トランスポーター』(The Transporter)も、この port。凄腕の”運び屋”が主人公で、まさに transport=「運ぶ」がタイトルそのものになっています。

ところが deportation(国外追放・送還)という単語をパーツで開けてみると、この port の本当の顔が見えてきます。ニュースの見出しや英検・TOEICでときどき出会う、少しかたいこの単語・・・語源をたどると、意外なほどシンプルです。

結論から言うと、この記事の主役 port の意味の中心は「運ぶ」。港ではありません。ここが腑に落ちると、port の入った単語がまとめて視界に入ってきます。

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deportation を分解してイメージで覚える|”port” は「運ぶ」

deportation をパーツで見ると、こうなります。

de(外へ)+ port(運ぶ)+ ation(〜すること)

覚え方の入り口は、おなじみの「port=港」でかまいません。港は、船で荷物を運び入れ・運び出す場所ですよね。その「運ぶ」のイメージだけ、頭に残してください。

そこに de(外へ)が付くと、「外へ運び出すこと」。国という場所から人を外へ運び出す・・・それが deportation=国外追放・送還、というわけです。「外へ(de)運ぶ(port)」。この一枚の絵で、長く見える単語がすっと縮みます。

※ 正確には、deportation の port はラテン語 portare(運ぶ) が語源で、「港」を表す portus とは別の単語です。ただし大もとは同じ印欧祖語 *per-(通り抜ける・渡る)。港(portus)はもともと「入り口・通路」の意味で、いわば port の遠い親戚どうし。「港=運ぶ場所」という連想が自然に効くのは、そのためです。

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deportation の基本の意味と使い方

deportation は「国外追放」「(強制)送還」を表す名詞です。ある国から、人を法的・強制的に外へ送り出すこと・・・その手続きや処分を指します。

  • face deportation(送還に直面する)
  • the deportation process(送還の手続き)
  • an order of deportation(退去命令)

例文で見てみましょう。

  • The lawyer explained the deportation process to the family.(弁護士は、その家族に送還の手続きを説明した。)

かたいテーマの単語ですが、パーツは de(外へ)+ port(運ぶ)。意味を丸暗記しなくても、「外へ運び出す」から手繰り寄せられます。

“port(運ぶ)” でつながる単語ネットワーク

port(運ぶ/ラテン語 portare)を知っておくと、まったく別ジャンルに見える単語が一気につながります。deportation は、この port 一族への入り口です。

単語意味イメージ
transport輸送する、運ぶtrans(越えて)+port=越えて運ぶ
import輸入するim(中へ)+port=中へ運ぶ
export輸出するex(外へ)+port=外へ運ぶ
support支えるsup(下から)+port=下から運び支える
report報告するre(元へ)+port=持ち帰って伝える
portable持ち運べるport(運ぶ)+able=運べる
porterポーター、運ぶ人port(運ぶ)+er=運ぶ人

「port が入っていたら、たぶん”運ぶ”話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。

“port(港・入り口)” の顔も知っておく

一方で、私たちがなじんだ「port=港」の顔(ラテン語 portus)も、同じ *per- の家族です。こちらは「入り口・通路」から来ています。

単語意味語源
airport空港air(空)+port(入り口)=空の玄関口
seaport港、港町sea(海)+port
passport旅券、パスポートpass(通る)+port(港・関門)=関門を通る許可証
portal入り口、玄関、ポータル大きな門・入り口

deportation の port(運ぶ)と、passport の port(港・入り口)。顔は違っても、大もとは「通り抜ける・運ぶ」で一つ・・・そう捉えると、port の全体像が立体的になります。

派生語|deportation まわり

単語品詞意味発音
deport動詞国外追放するディポート /dɪˈpɔːrt/
deportation名詞国外追放、送還ディーポーテイション /ˌdiːpɔːrˈteɪʃən/
deportable形容詞追放の対象となるディポータブル /dɪˈpɔːrtəbl/
deportee名詞送還される人ディーポーティー /ˌdiːpɔːrˈtiː/
deportment名詞(やや古風)立ち居振る舞いディポートメント /dɪˈpɔːrtmənt/

deportment(立ち居振る舞い)だけ意味が離れて見えますが、これも「自分を外へどう運ぶ=どう身を処すか」から来た、同じ port の仲間です。

TOEIC・英検での出題傾向

deportation は、正直に言うと日常会話ではあまり使いません。英検では準1級〜1級レベルで、移民・社会問題・人権といったテーマの長文や語彙問題で見かける単語です。

TOEICでの出題頻度は高くありませんが、Part 7の入国管理・ビザ関連の通知文などで出会う可能性があります。頻出とは言えませんが、port 一族ごと覚えれば取りこぼしのない一語です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. When you support someone, you quietly carry part of their weight.
  2. No one should face deportation alone, and that day, no one did.
  3. Some things are portable: kindness travels wherever you go.
  4. Good friends help transport your dreams when your arms grow tired.
  5. She gave him her full support, and he finally believed in himself.
  6. The porter carried the heavy bags, and his warm smile carried the rest.
  7. Your gentle deportment put every nervous newcomer at ease.
  8. Whatever you’re going through, I will help you transport this load.
  9. When she got home, her report was simple: you are loved and never alone.
  10. Support one another, and no burden ever has to be carried alone.

語源メモ|de と portare が出会う言葉

deportation は、1590年代にフランス語 déportation を経て、ラテン語 deportatio から英語に入りました。もとは動詞 deportare(運び去る・追放する) で、分ければ de(外へ)+ portare(運ぶ)

ここで覚えておくと得なのが、真ん中の port です。これは transport・import・export・support・report・portable など、たくさんの単語に共通する「運ぶ」の核。deportation を入り口に、この一族へ広げていけます。

なお、私たちがなじんだ「port=港」は、正確にはラテン語 portus(もとは「入り口・通路」)で、portare(運ぶ)とは別の単語です。ただし大もとの印欧祖語 *per-(通り抜ける・渡る)は共通で、遠い親戚どうし。歴史的にも deport は「港(portus)」と結びつけて理解されてきました。だから「港=運ぶ場所」という覚え方は、事実として少しズレるものの、記憶の手がかりとしてはよく効きます。

まとめ

deportation は、de(外へ)+ port(運ぶ)+ ation で「外へ運び出すこと」=国外追放・送還。

  • de・・・外へ
  • port(portare)・・・運ぶ。transport/import/export/support などの一族へ
  • port(portus)の顔・・・港・入り口。airport/passport/portal など
  • deportation は、その「運ぶ port」への入り口

「port=港」でおなじみの一語も、意味の中心は「運ぶ」。ここを押さえれば、port の入った単語がまとめて手に入ります。

deportation の語源ワードマップ。中心は deportation(=外へ運び出すこと)で、de(外へ)+port(運ぶ)+ation に分解。port(運ぶ)一族(transport / import / export / support / report / portable / porter)、port(港・入り口)一族(airport / seaport / passport / portal)、覚え方のヒント(port=港でおなじみ・でも意味の中心は運ぶ)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:de(外へ)+ port(運ぶ)+ ation =「外へ運び出すこと」
  • port(運ぶ)系:transport/import/export/support/report/portable/porter
  • port(港・入り口)系:airport/seaport/passport/portal
  • 覚え方のヒント:port=港でおなじみ → でも意味の中心は「運ぶ」

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翻訳練習の解答例

  1. 誰かを支えるとき、あなたは、その人の重荷を、そっと半分だけ引き受けている。
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  3. 持ち運べるものもある。優しさは、あなたが行くところなら、どこへでもついてくる。
  4. よい友は、あなたの腕が疲れたとき、その夢を、いっしょに運んでくれる。
  5. 彼女が惜しみなく支えてくれて、彼はやっと、自分を信じられるようになった。
  6. ポーターは重い荷物を運んでくれた。そして、その温かい笑顔が、残りの重さを運んでくれた。
  7. あなたの穏やかなふるまいが、緊張していた新入りを、みんなほっとさせた。
  8. あなたが何を抱えていても、私が、その荷を運ぶのを手伝う。
  9. 彼女が帰ってきて伝えたのは、たったひとこと。「あなたは愛されている、ずっと独りじゃない」。
  10. たがいを支え合おう。そうすれば、どんな重荷も、一人で背負わずにすむ。