「candidate(候補者)」って、スペルが長くて覚えにくい・・・そう感じたことはありませんか。でも、ちょっと顔を近づけて見てください。頭に cand がいます。これ、実は candle(キャンドル・ろうそく) の cand と同じなんです。
candle の cand は「白く光る」。このたった一点をつかむだけで、candidate という長い単語が、丸暗記に頼らなくてもすっと入ってきます。
なぜ「白く光る」が「候補者」になるのか。古代ローマまでさかのぼると、その理由が一枚の絵で見えてきます。
candidate を分解してイメージで覚える|中心は “cand(白く光る)”
candidate をパーツで見ると、こうなります。
cand(白く光る)+ id + ate
(主役は頭の cand。id・ate は語のかたちを整える部分です)
覚え方はこうです。古代ローマで公職に立候補する人は、真っ白なトーガ(toga candida) を身にまとって街を歩き、人々に自分をアピールしました。
白は「誠実」「清く正しい」ことの象徴。やましいところがない・・・そんな意思表示だったんですね。
だから「白い服を着た人」が、そのまま「候補者」を指すようになりました。
cand(白く光る)→ 白い服 → 清廉潔白 → 立候補者。
candle(ろうそく)を思い浮かべると、この「白く光る」がぐっと近くなります。暗い場所でまっすぐ白く灯る炎・・・candidate は、その光を「人の誠実さ」に置きかえた言葉なんです。
candidate の基本の意味と使い方
candidate は「候補者」「志願者」、そして「〜になりそうな人・もの」を表す名詞です。選挙や採用の場面でよく登場します。
- a candidate for the position(その職の候補者)
- five candidates for the scholarship(奨学金の志願者が5人)
- a strong candidate(有力な候補)
- a candidate for promotion(昇進しそうな人)
単なる「応募者」ではなく、「選ばれる可能性のある人」というニュアンスがあります。
candidate と applicant の違い
似た場面で使う applicant と並べると、輪郭がはっきりします。
- applicant・・・応募した人(apply=申し込む、から)。書類を出した段階の人。
- candidate・・・その中から「選ばれる可能性がある」と見なされた人。面接に進む人。
求人の流れでいえば、applicant(応募者)の中から candidate(候補者)が絞られていく・・・そんなイメージです。
“cand(白く光る)” でつながる単語ネットワーク
candidate の中心 cand(白く光る/ラテン語 candēre)を知っておくと、別ジャンルに見える単語が「光」でつながります。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| candle | ろうそく | candēla=白く光る炎そのもの |
| candid | 率直な、隠しごとのない | 隠しなく、白く明るい心 |
| candor | 率直さ、誠実さ | candid の名詞形。心の白さ |
| incandescent | 白熱した、輝いている | in(中で)+candescere(光り始める) |
| candela | カンデラ(光度の単位) | 光の強さを表す単位。cand の直系 |
「cand が入っていたら、たぶん”白く光る・明るい”話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。candidate は、この光の一族の入り口です。
派生語|candidate まわり
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| candidate | 名詞 | 候補者、志願者 | キャンディデイト /ˈkændɪdeɪt/ |
| candidacy | 名詞 | 立候補(の状態・資格) | キャンディダシー /ˈkændɪdəsi/ |
| candidature | 名詞 | 立候補(主にイギリス) | /ˈkændɪdətʃər/ |
TOEIC・英検での出題傾向
candidate は、TOEIC でよく出る実用語です。求人広告の a candidate for the position(〜職の候補者)、面接の She’s one of the final candidates.(最終候補の一人)、
採用・試験の candidates for admission(入学志願者)といった形で登場します。英検でも準2級〜2級レベルで見かける、押さえておきたい一語です。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- You are a strong candidate for this job.
- She is one of the final candidates.
- There are three candidates for the scholarship.
- Every candidate has a story worth hearing.
- The company welcomed each candidate with a warm smile.
- You may be the candidate they have been waiting for.
- A good candidate listens as much as they speak.
- He became a candidate for team captain.
- Believe in yourself — you are a candidate, not an outsider.
- Each candidate walked in a little nervous, and left a little braver.
語源メモ|白い服から生まれた言葉
candidate は、ラテン語 candidatus(白い服をまとった人) に由来します。元をたどると candidus(白く輝く・純粋な)、さらに candēre(白く光る・燃えるように明るい) へさかのぼります。古代ローマの立候補者が toga candida(純白のトーガ)を着たことが、その出発点でした。
ここで得をするのが、頭の cand です。これは candle(candēla)・candid・candor・incandescent など、たくさんの単語に共通する「白く光る」の中心。candidate を入り口に、この光の一族へどんどん広げていけます。
もうひとつの cand|明るさの単位「カンデラ」
上の表に candela(カンデラ)を入れましたが、これは比喩でも語呂合わせでもありません。カンデラは、ラテン語の candela、つまり「ろうそく」という単語そのものです。
英語の candle も、たどり着く先は同じ candela。古英語の時代に教会ラテン語から入ってきた、ずいぶん古い借り物です。一方のカンデラは、20世紀になってから学術用語としてラテン語の形のまま借り直されました。
同じ一語が、千年以上の時間差をはさんで二回、英語に入ってきた・・・そう考えると、candle と candela の関係がくっきりします。
なぜ「ろうそく」が単位の名前になったのか
明るさの基準に、かつては本物のろうそくが使われていました。英語でいう candlepower(燭光)です。ただ、ろうそくは材質や燃え方でばらつきが出るため、国ごとに別々の基準が乱立していました。
これを整理したのが1948年の国際度量衡総会で、白金が固まる温度の黒体放射をもとにした新しい基準が採択され、あわせて candela(記号 cd)という名前が国際名称として決まりました。1954年には国際単位系の基本単位の仲間入りをしています。
中身の定義はろうそくから離れたのに、名前だけは「ろうそく」が残った。おもしろいのは、ふつうの蝋燭1本の明るさがだいたい1カンデラという目安が、いまでも通用することです。名前が実態からそれほど遠くなかった、ということですね。
candidate とのつながり
ここで candidate に戻ります。
- candle(ろうそく)・・・古英語経由で入った、生活に根づいたほうの candela
- candela(カンデラ)・・・20世紀に学術語として入り直した、ラテン語のままの candela
- candidate(候補者)・・・candidus(白く輝く)から、白いトーガを着た人へ
三つとも、出発点は candēre「白く光る」の一点です。スマホの画面の明るさを調べていて「カンデラ」という単位に出会ったとき、そこに candidate と同じ光が灯っていると気づける・・・語源を知るというのは、たぶんそういうことなんだと思います。
出典: Etymonline: candela / Etymonline: candle / BIPM: Historical perspective — candela / Wikipedia: Candela
まとめ
candidate は、cand(白く光る)+id+ate で「白い服をまとった人」=清く正しさを示す候補者。
- cand(candēre)・・・白く光る。candle/candid/candor/incandescent/candela の一族へ
- 白の象徴・・・誠実・清廉のイメージが、そのまま「候補者」という意味の入り口
- candidate は、その光の一族のまん中に立つ言葉
暗がりでまっすぐ白く灯る一本の炎。candidate は、その光を人の誠実さに重ねた単語です。

- 語源・中心:cand(白く光る/candēre)+id+ate =「白い服をまとった人=候補者」
- 覚え方のヒント:cand → candle(白く光る炎)→ 白い服 → 清廉潔白 → 立候補者
- cand(白く光る)一族:candle/candid/candor/incandescent/candela
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翻訳練習の解答例
- あなたは、この仕事の有力な候補者です。
- 彼女は、最終候補の一人だ。
- その奨学金の志願者は3人いる。
- どの候補者にも、耳を傾けたくなる物語がある。
- その会社は、一人ひとりの候補者を温かい笑顔で迎えた。
- あなたこそ、彼らが待っていた候補者かもしれない。
- よい候補者は、話すのと同じくらい、しっかり耳を傾ける。
- 彼は、チームのキャプテン候補になった。
- 自分を信じて。あなたは部外者じゃない、れっきとした候補者なんだ。
- どの候補者も、少し緊張して入ってきて、少し勇敢になって出ていった。


