adulterate(アダルタレイト)は、食品偽装のニュースなどで見かける、少しかたい単語です。意味は「混ぜ物をして質を落とす、不純にする」。牛乳に水を混ぜる、香辛料にかさ増し材を足す・・・そんな場面で使われます。
おもしろいのは、この単語が adultery(不倫) と同じ語根から来ているところ。さらに、そっくりな adult(大人) は、実は無関係の別ルートなんです。今日は adulterate を、alter(変える・他の)という核から、関連語ごと整理していきましょう。上級者向けの、語彙の地図を広げる回です。
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ED raids 9 places in MP over export of adulterated milk products in India
Business Standard, 2 min read Last Updated : Jan 29 2025 | 12:35 PM IST
The Enforcement Directorate (ED) on Wednesday conducted searches at nine locations in Madhya Pradesh linked to a private firm engaged in producing and distributing adulterated milk products domestically and internationally using forged lab certificates.
adulterate を分解してイメージで覚える|「別のものを混ぜて純粋さを壊す」
adulterate をパーツで見ると、こうなります。
ad + alter + ate
- ad-・・・「〜へ、〜の方向へ」
- alter・・・「他のもの、別のもの」。カタカナの「オルタナティブ(alternative=代替の・選択肢)」の alter です。
- -ate・・・動詞をつくる語尾
つなげると、「別のものを(外から)混ぜ込む → 本来の純粋さを壊す」というイメージ。ここから「混ぜ物をして質を落とす」という意味になります。「本物に、余計な“他のもの”が入り込んで台無しになる」・・・この一枚の絵を持っておけば大丈夫です。
adulterate の基本の意味と使い方
adulterate は「(安物や不純物を混ぜて)質を落とす・不純にする」という動詞です。食品・薬品・燃料など、「本来まざりけがないはずのもの」に対して使われます。
- adulterated food(混ぜ物をした食品)
- adulterated milk(水などを混ぜた牛乳)
ニュース英語では、食品偽装やリコールの報道でよく登場します。「本物のふりをして、こっそり別のものが混ざっている」という文脈を思い浮かべると、意味がつかみやすくなります。
adultery との関係|共通イメージは「純粋さの破壊」
adultery(不倫)も、同じラテン語 adulterare から生まれた言葉です。意外な組み合わせですが、根っこにあるイメージでつながっています。
- adulterate・・・モノの純度を壊す(例:牛乳に水を混ぜる)
- adultery・・・人間関係の純潔を壊す(例:夫婦関係に他者が入り込む)
対象が「モノ」か「人間関係」かの違いだけで、根底には「純粋なものに“他のもの”が混ざって台無しになる」という同じ発想があります。この2語をペアで押さえると、両方いっぺんに記憶に残ります。
adult との違い|似ているけれど別の家族
一見そっくりな adult(大人)は、まったく別のルートです。混同しやすいので、ここははっきり分けておきましょう。
adult の語源は、ラテン語 adultus(成長しきった人)。これは ad-(〜へ)+ alere(養う・育てる)から来ています。つまり adult の核は「育てる」であって、adulterate の核である alter(他の)とは別物です。
接頭辞 ad- は共通していますが、肝心の根っこが違う・・・だから adult は、adulterate や adultery の仲間ではありません。「ad- が同じだから同じ家族」と早合点しないのがコツです。
派生語をまとめて覚える|Word Family
adulterate の直接の家族です。まとめて覚えましょう。
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| adulterate | 動詞 | 混ぜ物をして質を落とす | アダルタレイト /əˈdʌltəreɪt/ |
| adulteration | 名詞 | 不純物混入、質の低下 | アダルタレイション |
| adulterant | 名詞 | 混ぜ物、不純物そのもの | アダルタラント |
| adulterated | 形容詞 | 混ぜ物をした、不純な | アダルタレイティッド |
| unadulterated | 形容詞 | 混じりけのない、純粋な | アンアダルタレイティッド |
とくに unadulterated(混じりけのない) は、比喩でも使えて便利です。unadulterated joy なら「まじりけのない、純粋な喜び」。覚えておくと表現の幅が広がります。
関連語ネットワーク|alter一族を芋づる式に
adulterate の核 alter(他の・変える)を意識すると、関連語がネットワークとして一気に見えてきます。

| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| alter | 変える | 小さな変更(服を直すなど) |
| alternate | 交互の/代わりの | 二つが交互に入れ替わる |
| alternative | 代替の/選択肢 | 「他の」選択肢 |
| alteration | 変更、修正 | 小規模な手直し |
| alter ego | もう一人の自分 | 自分の「別の面」 |
| adultery | 不倫 | 関係に「他者」を混ぜる |
| adulterate | 混ぜて質を落とす | モノに「他」を加えて不純にする |
「他のものを加える・変える」という共通の核を意識すると、バラバラの単語が一つの地図になって記憶に残ります。
TOEIC・英検での位置づけ
正直にいうと、adulterate が TOEIC に出ることはほぼありません。600〜800点帯ではまず登場せず、900点以上の上級単語集に稀に載る程度です。食品偽装やリコール通知の英文で顔を出す可能性はありますが、頻度は低めです。
英検でも準1級以上でたまに見かける程度。ただ、alter 一族のネットワークごと理解しておくと、ニュース英語やアカデミックな文章で「知らない単語でも意味を推測できる」力につながります。試験のためというより、語彙の地図を広げる一語として価値があります。
英文で確認|翻訳練習10問
ここからは練習です。英文を見たら一度止めて、ノートに和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。手を動かすと定着が段違いです。
- Don’t let other people’s opinions adulterate your dream.
- Her kindness was pure and completely unadulterated.
- Fear can quietly adulterate even the bravest heart.
- You don’t have to adulterate who you are to be liked.
- The child laughed with unadulterated joy.
- Little by little, comparison adulterates our happiness.
- Never adulterate your honesty just to avoid a hard conversation.
- What we truly need is one unadulterated moment of peace.
- Don’t let past regrets adulterate the person you are becoming.
- Love, when it is real, is unadulterated by conditions.
語源メモ|adulterare から広がる一族
adulterate は、ラテン語 adulterare(ad〈〜へ〉+ alterare〈変える〉/alter「他の」)に由来します。「他のものを混ぜて別物にしてしまう → 純度を壊す」という流れです。
同じ adulterare から adultery(不倫) も生まれました。モノの純度か、関係の純潔か、という対象の違いだけで、芯のイメージは共通です。
一方で adult(大人) は、この一族とは無縁です。こちらは adultus(ad-+ alere〈養う・育てる〉)で、「育ちきった人」。接頭辞 ad- が同じなので似て見えますが、根っこは「育てる」で別系統・・・ここだけ切り分けておけば、混乱しません。
まとめ
adulterate は、alter(他の)を核に持つ動詞で、意味は「混ぜ物をして質を落とす」。
- adulterate・・・モノの純度を壊す
- adultery・・・人間関係の純潔を壊す(同じ語根)
- adult・・・別語源で「育ちきった人」(仲間ではない)
alter 一族のネットワークごと覚えると、関連語が芋づる式につながって、語彙の地図が広がります。
[ワードマップ画像をここに挿入]
- 語源・中心:ad〈〜へ〉+ alter〈他の〉+ ate =「別のものを混ぜて純粋さを壊す」
- 「質を落とす」系:adulterate/adulteration/adulterant
- 「純度」系:adulterated/unadulterated
- alter一族:alter/alternative/alternate/adultery
翻訳練習10問回答例
- 他人の意見に、あなたの夢を濁らせてはいけない。
- 彼女のやさしさは、純粋で、まったく混じりけがなかった。
- 恐れは、どんなに勇敢な心さえ、静かに濁らせてしまう。
- 好かれるために、ありのままの自分を変えて薄める必要はない。
- その子は、まじりけのない喜びで笑った。
- 少しずつ、比較は私たちの幸せを濁らせていく。
- つらい話を避けたいだけの理由で、自分の誠実さを曲げてはいけない。
- 私たちに本当に必要なのは、混じりけのない、ひとときの安らぎだ。
- 過去の後悔に、なりつつあるあなた自身を濁らせてはいけない。
- 愛は、本物であれば、条件によって薄められたりしない。

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