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【語源で覚える】audit|監査の “aud” は、オーディオと同じ「聞く」

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「監査」と聞くと、書類の山とスーツの人たちが浮かびますよね。数字を目で追う仕事・・・そんなイメージだと思います。

ところが audit の真ん中にいるのは、aud(聞く) です。

そう、オーディオ、オーディエンス、オーディションの aud。耳の仲間です。数字の話なのに、なぜ「聞く」なのか。ここが分かると、audit はもう忘れません。

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audit を分解してイメージで覚える|”aud” は「聞く」

audit をパーツで見ると、こうなります。

aud(聞く/ラテン語 audire)+ it(〜されたこと)

つまり audit は、もともと 「聞き取られたこと」「一度の聞き取り」。

思い浮かべてほしいのは、こんな場面です。

帳簿を預かった係の人が、数字を一つずつ声に出して読み上げる。領主や上役は、それを黙って耳で追いながら、おかしなところがないかを確かめている。

印刷も計算機もない時代、帳簿の確認は読み上げを「聞く」作業でした。だから会計の確認が audit(聞き取り)と呼ばれ、そのまま現代の「監査」になった・・・という流れです。

覚え方と語源が、きれいに一致している単語です。オーディオを思い出せば、そのまま audit の中身にたどり着けます。

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audit の基本の意味と使い方

audit は名詞でも動詞でも使えます。中心にあるのは「中身を確かめる」という感覚です。

  • an internal audit(内部監査)
  • a tax audit(税務調査)
  • The firm audits our accounts every year.(その会計事務所が毎年うちの帳簿を監査する)

もう一つ、学校で使う意味があります。

  • audit a class(単位を取らずに授業を聴講する)

試験もレポートも出さず、ただ座って聞く。こちらは aud(聞く)がそのまま残った使い方で、アメリカの大学ではごく普通の制度です。学び直しの文脈でも出てくる言い方なので、覚えておくと得をします。

さらに、自分自身に向けても使えます。

  • audit your own schedule(自分の予定を点検してみる)

「点検する」「棚卸しする」くらいの軽い気持ちで使える語でもあります。

使い分け|check・inspect・audit

「調べる・確かめる」を表す語は複数ありますが、場面がはっきり違います。

語感じ使う場面
check軽いちょっと確認する
inspect現物を見る設備・製品を目で点検する
audit公式・記録帳簿や記録を、第三者が体系的に確かめる

audit は記録に対して、公式に行う確認です。「ちょっと見ておきますね」の意味では使いません。ビジネス文書で audit が出てきたら、それなりに正式な手続きだと考えてよいです。

“aud(聞く)” でつながる単語ネットワーク

aud の正体が「聞く」だと分かると、別ジャンルに見えていた単語が一気につながります。

単語意味イメージ
audio音声の聞くための装置・信号
audience聴衆、観客聞いている人たち
audible聞き取れる聞くことができる
inaudible聞き取れないin(否定)+audible
auditionオーディション聞いて選ぶ場
auditorium講堂、客席聞くための場所
auditory聴覚の耳に関する
audiovisual視聴覚の聞く+見る

そしてもう一つ、意外なところに aud が隠れています。

単語意味イメージ
obey従うob(〜へ)+aud=相手の方へ耳を傾ける
obedient従順な聞き入れる姿勢がある
obedience服従、素直さ聞き入れること

「従う」は、もともと「ちゃんと聞く」だった・・・そう言われると、腑に落ちませんか。言うことを聞く、という日本語とも重なります。

派生語 Word Family

単語品詞意味発音
audit名詞・動詞監査、監査する/聴講するオーディット /ˈɔːdɪt/
auditor名詞監査人、聴講生オーディター /ˈɔːdɪtər/
auditing名詞監査業務オーディティング
auditory形容詞聴覚のオーディトリー
auditorium名詞講堂、客席オーディトーリアム
audible形容詞聞き取れるオーディブル
audience名詞聴衆、観客オーディエンス

TOEIC・英検での出題傾向

audit は、TOEIC と相性のいい語です。会計・総務・社内連絡の文脈でよく出ます。

  • internal audit(内部監査)
  • audit report(監査報告書)
  • an independent auditor(独立監査人)

Part 7 の社内メールや告知文で「監査が入るので、○日までに記録を揃えてください」という形で登場します。読み取りのポイントは、誰が監査するのか/いつまでに何を出すのかの2つだけです。

品詞の違いにも注意しておくと安心です。audit(監査・監査する)と auditor(監査する人)は、空所の前後を見れば見分けられます。「人」が入る位置なら auditor です。

英検では準1級あたりから見かける語で、2級までの必須語ではありません。ただしビジネス英語では避けて通れないので、学び直しの人は押さえておく価値があります。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. The company passed its annual audit without any trouble.
  2. An audit is really just a careful listening to the numbers.
  3. You can audit a class without taking the final exam.
  4. The auditor smiled and said the records were clean.
  5. Before you change anything, audit your own week.
  6. Our team prepared for the audit together, step by step.
  7. An honest audit protects the people inside the company.
  8. She decided to audit a history course just for fun.
  9. What you audit today becomes easier to manage tomorrow.
  10. The audit showed that your small efforts had added up.

語源メモ|audire から audit へ

audit は、ラテン語の動詞 audire(聞く) から出ています。その過去分詞形 auditus が「聞かれたこと/一度の聞き取り」という名詞になり、中世のラテン語で「会計の聞き取り」を指すようになりました。英語には、アングロ・フランス語を経て入っています。

背景には、当時の会計のやり方があります。帳簿を提出する側が内容を声に出して読み上げ、受け取る側がそれを聞いて確かめる。文書を黙読して突き合わせる現代のやり方とは違い、確認作業そのものが「聞く」行為でした。audit という語には、その時代の手順がそのまま残っています。

同じ audire からは、audio・audience・audible・audition・auditorium が生まれています。さらに ob-(〜の方へ)+ audire の形から obey(従う)・obedient(従順な)が出ました。「相手の方へ耳を傾ける」から「従う」へ・・・意味の移り方としては、無理のない道筋です。

なお、audit a class(聴講する)という使い方は、語源の「聞く」がほとんどそのまま残った例です。監査よりも、むしろこちらのほうが audire に近いと言えます。

まとめ

audit は、aud(聞く)+ it で「聞き取って確かめること」=監査。

  • aud(audire)・・・聞く。audio/audience/audible/audition/auditorium の一族へ
  • 隠れた aud・・・obey/obedient も、もとは「耳を傾ける」
  • audit a class・・・語源がそのまま残った「聴講する」

数字を目で追う前に、まず耳で確かめる。audit という語は、その順番を今も覚えています。

audit の語源ワードマップ。中心は audit(=聞き取って確かめる)で、aud(audire=聞く)+it に分解。覚え方のヒント(オーディオと同じ aud)、aud(聞く)一族(audio / audience / audible / audition / auditorium)、隠れた aud 一族(obey / obedient / obedience / inaudible / auditory)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:aud(audire=聞く)+ it =「聞き取って確かめる」
  • 覚え方のヒント:オーディオ・オーディエンスと同じ aud
  • aud(聞く)一族:audio/audience/audible/audition/auditorium/auditory
  • 隠れた aud 一族:obey/obedient/obedience/inaudible/audiovisual

TSL(TOEIC Service List)・BSL(Business Service List)収録語

この単語は TSL(TOEIC) と BSL(ビジネス) の両方に集録されています。ビジネスでもTOEICでも頻出する、汎用性の高い一語です。

出典:New General Service List Project

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翻訳練習の解答

  1. その会社は、年次の監査を問題なく通過した。
  2. 監査とは、つまり数字にていねいに耳をすますことだ。
  3. 期末試験を受けなくても、授業を聴講することはできる。
  4. 監査人はにっこりして、記録はきれいだと言った。
  5. 何かを変える前に、自分の一週間を点検してみよう。
  6. 私たちのチームは、一歩ずつ一緒に監査の準備をした。
  7. 誠実な監査は、社内の人たちを守ってくれる。
  8. 彼女は楽しみのためだけに、歴史の授業を聴講することにした。
  9. 今日点検しておいたことは、明日もっと扱いやすくなる。
  10. 監査によって、あなたの小さな積み重ねが実を結んでいたとわかった。