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【語源で覚える】equal|赤道と春分に隠れた「イコール」

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「AイコールB」の「イコール」。計算でも会話でも使いますが、もとは英語の equal です。ただし英語の発音は「イークウォル」に近く、カタカナの「イコール」とはけっこう離れています。ここだけ先に直しておくと、聞き取りで迷いません。

そして、この単語の意味の中心は「同じ」ではありません。もう一段下に、「平ら・水平」 というイメージが眠っています。

このイメージを手に入れると、赤道(equator)、春分(equinox)、均衡(equilibrium)、公平(equity)・・・ばらばらに見える単語が、一本の線でつながります。

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equal を分解してイメージで覚える|意味の中心は「水平」

equal をパーツで見ると、こうなります。

equ(aequus=平らな・水平な)+ al(〜の性質の)

ラテン語 aequus は、辞書を引くと意味の幅がかなり広い語です。「平らな、水平な、なめらかな」から始まって、「同じ高さの」「公平な、えこひいきしない」「釣り合いのとれた」、さらには「穏やかな、落ち着いた」まで。

ばらばらに見えますが、根っこは1つ。でこぼこをならして、水平にする・・・これです。

  • 地面をならす → 平ら
  • 分け前をならす → 公平
  • 心をならす → 落ち着き
  • 数をならす → 等しい

英語に入ったのは14世紀の終わりごろで、最初から「量や程度が同じ」という意味でした。おもしろいのは、その少しあと、15世紀初めには 「表面がなめらかな、平らな」 という意味でも使われていたこと。ラテン語の「平ら」が、英語にもちゃんと持ち込まれていたわけです。

覚え方はシンプルに。「イコールは、ならして水平にすること」。この一行を持っておけば、以下の単語が全部その応用として読めます。

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equal の基本の意味と使い方

equal は形容詞・動詞・名詞の3つで使えます。

形容詞(等しい、対等な)

  • equal rights(平等な権利)
  • an equal partner(対等なパートナー)
  • equal opportunity employer(雇用機会均等の会社/求人票の定番表現)

動詞(〜に等しい)

  • Two plus two equals four.

ここで1つ、よく間違えるポイントを。動詞の equal は to を付けません。「equals to four」ではなく「equals four」です。前置詞を入れたくなるのは、形容詞の be equal to(〜に等しい、〜に耐えうる)と混ざるからです。

名詞(同等の人・もの)

  • He has no equal in this field.(この分野で彼に並ぶ者はいない)

あわせて覚えたいのが be equal to の第二の意味。「〜に対処できる力がある」です。

  • You are equal to this task.(あなたなら、この仕事をやり切れる)

「あなたとこの仕事は水平に釣り合っている」・・・そう考えると、この言い回しも腑に落ちます。

同じ equ に見えて、仲間ではない単語

ここが、この語でいちばん間違えやすいところです。equ で始まっていても、equal の親戚とは限りません。

単語意味本当の出どころ
equip / equipment装備する/装備古ノルド語 skipa「船を仕立てる」← skip(船)。1520年代に古フランス語経由で英語へ
equestrian / equine馬術の/馬のラテン語 equus「馬」。hippopotamus(カバ)や人名 Philip と同じ家系
par / peer / pair標準値/同等の人/組ラテン語 par「等しい」。意味は近いが、aequus とは別語源(par 自体は語源不詳)

とくに equipment は要注意です。「equi=等しい」と読みたくなりますが、中身は「船」。装備という意味は、もともと船を仕立てて出港させる準備のことでした。

ついでに equal と混ざりやすいのが equivalent(同等の)。これは前半こそ aequus の仲間ですが、後半の -valent は「価値がある・強い」という別のパーツです。くわしくは equivalence の記事で扱っています。

aequus(平ら・水平)でつながる単語ネットワーク

「ならして水平にする」のイメージを持ったまま、一族を見ていきます。

単語意味何を水平にしているか
equator赤道昼と夜を等しくする線。地球を水平に分ける
equinox春分・秋分aequus+nox(夜)=昼と夜が釣り合う日
equilibrium均衡、平衡aequus+libra(天秤)=天秤が水平
equity公平、公正/株式扱いが水平。えこひいきがない
equitable公正な同上の形容詞
adequate十分なad(〜に対して)+ aequus =必要な量と水平
equate等しいとみなす2つを並べて水平にする
equation方程式左右を水平に釣り合わせた式
equanimity平常心aequus+animus(心)=心が水平
equivocalどちらとも取れるaequus+vocare(呼ぶ)=2つの意味が同じ重さ
unequivocalあいまいでない、明確なその否定
iniquity不正、罪悪in(否定)+ aequus =水平でない
egalitarian平等主義のフランス語 égal 経由の同じ一族
equilateral等辺のaequus+latus(辺)
equidistant等距離のaequus+distant

「equ が見えたら、まず〈水平にする〉を当ててみる」。この読み方ができると、初見の単語でも半分は推測できます。

ちなみに equator から生まれた国名があります。スペイン語で赤道を意味する Ecuador(エクアドル)。国土を赤道が通っているので、そのまま国名になりました。地図を見るたびに equal を思い出せます。

派生語|equal まわり

単語品詞意味発音
equal形容詞・動詞・名詞等しい、〜に等しい、同等の人イークウォル /ˈiːkwəl/
equally副詞等しく、同様にイークウォリ /ˈiːkwəli/
equality名詞平等、均等イクウォリティ /ɪˈkwɑːləti/
equalize動詞等しくする、同点にするイークウォライズ /ˈiːkwəlaɪz/
equalizer名詞同点ゴール、イコライザーイークウォライザー /ˈiːkwəlaɪzər/
unequal形容詞等しくない、不釣り合いなアンイークウォル /ʌnˈiːkwəl/
inequality名詞不平等、不等式イニクウォリティ /ˌɪnɪˈkwɑːləti/

音楽機材の「イコライザー」も、音域のでこぼこをならして水平にする装置。ここでも意味の中心は生きています。

TOEIC・英検での出題傾向

equal は基本語なので、単語そのものを問う問題はあまり出ません。狙われるのは周辺のかたまりです。

TOEIC で頻出なのは、求人広告や社内規定に出てくる equal opportunity employer(雇用機会均等の会社)、equal access(平等な利用機会)、on an equal footing(対等な立場で)。Part 7 の長文で、企業の方針を説明する箇所によく顔を出します。

英検では準2級〜2級あたりで equal・equally・equality が読解に登場します。ライティングで「平等」を論じるときにも、equality と equal opportunity は使い勝手がいい組み合わせです。

文法面では、動詞 equal に to を付けない点と、be equal to(〜に対処できる) の意味を押さえておくと、誤答の選択肢に引っかかりません。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Two plus two equals four.
  2. Everyone in this room has an equal chance.
  3. You and I are equal partners.
  4. She cut the bread into six equal pieces.
  5. Your effort here is equal to anyone else’s.
  6. All else being equal, pick the work you enjoy.
  7. The notice says they are an equal opportunity employer.
  8. The two teams finished with an equal number of points.
  9. You are equal to this challenge, even on a tired day.
  10. Give your rest equal weight with your work.

語源メモ|aequus から先は、誰にもわからない

equal は、ラテン語 aequalis「むらのない、同一の、等しい」から来ています。そのもとが aequus「平らな、水平な、なめらかな/公平な/穏やかな」。

ここで正直に書いておきます。aequus そのものの語源は、わかっていません。 語源辞典の etymonline も「origin unknown(起源不明)」としています。多くの単語はインド・ヨーロッパ祖語の語根までさかのぼれるのですが、この語は aequus で道が途切れます。だから equal は、「なぜこの形なのか」ではなく、「ここからどれだけ広がったか」で味わう単語です。

英語に入ったのは14世紀末。動詞用法は1580年代、名詞用法は1570年代と、少し遅れて加わりました。equal rights という表現は1752年から、男女について使われるのは1854年のアメリカ英語から。equal opportunity が採用の文脈で記録されるのは1925年です。

記号「=」が生まれた日

ここが、この語のいちばんの見どころかもしれません。

「イコール」の記号 = は、1557年、ウェールズの数学者ロバート・レコード(Robert Recorde)が著書『The Whetstone of Witte』で初めて使いました。理由がまたいい。「is equal to と毎回書くのが面倒だったから」、そして「同じ長さの平行線2本ほど、等しいものはない」から。

つまりこの記号は、aequus の「水平」のイメージを、そのまま形にしたものなんです。横に寝た2本の線。470年近く経った今も、私たちは毎日これを使っています。

ちなみに equation(方程式)が数学用語として「= で表される等式」を指すようになるのは1560年代。記号の誕生とほぼ同時でした。それ以前の equation は、14世紀末の占星術用語で「等しくする操作」という意味だったと記録されています。

equator と equinox

equator は中世ラテン語の aequator (diei et noctis)「昼と夜を等しくするもの」が語源。英語での初出は14世紀末ですが、最初に指していたのは地球ではなく天球の赤道でした。地上の赤道を指すようになるのは1610年代です。

equinox は aequus + nox(夜)。

古英語ではこれを efnniht(even-night=「等しい夜」)と訳していました。英語本来の語でも、同じ発想をしていたわけです。

equilibrium は aequus + libra(天秤)。

c.1600年の英語では、まず「心の平静」の意味で使われました。この libra は重さの単位「ポンド」でもあり、星座のてんびん座 Libra でもあります。

iniquity が i になる理由

iniquity(不正、罪悪)は in(〜でない)+ aequus。

合体すると iniquus となり、ae が i に変わります。これはラテン語で、複合語の中のアクセントのない音節に起きる規則的な変化で、acquisition(ad+quaerere)も同じ道をたどっています。意味のほうは、1300年ごろに「敵意」、14世紀末に「悪、邪悪」へ。水平でないこと=悪、という感覚です。

equity が「株式」になるまで

最後に、現代のビジネスで出てくる equity(株式、自己資本) の話を。

出発点は「公平」です。それが法律の世界で「成文法の不備を良心で補う考え方」を指すようになり、1590年代にはそれを扱う裁判所そのもの(衡平法裁判所)を意味しました。1620年代には「衡平法が認める権利」、そして1904年に equities「株式」として記録されます。

株式は、会社の価値を人数分にならして切り分けたもの。ここでも aequus は生きています。

まとめ

equal は、equ(aequus=平らな・水平な)+ al で「ならして水平にしたもの」=等しい。

  • 意味の中心・・・でこぼこをならす。地面も、分け前も、心も
  • equ 一族・・・equator/equinox/equilibrium/equity/adequate/equation/iniquity
  • 仲間ではない語・・・equipment(船)/equestrian(馬)/par・peer・pair(別語源)
  • 覚えどころ・・・記号「=」は、平行線2本。equal のイメージそのもの

aequus から先はわかっていません。でも、そこから広がった単語は、これだけあります。

equal の語源ワードマップ。中心は equal(=ならして水平にする)で、equ(aequus=平らな・水平な)+al に分解。語源・中心(aequus 自体は語源不明)、自然・釣り合い系(equator / equinox / equilibrium / equidistant / equilateral)、公平・計算系(equity / adequate / equate / equation / equanimity / iniquity)、覚え方のヒント(記号「=」は同じ長さの平行線2本、1557年ロバート・レコード考案。equipment・equestrian は別語源)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:equ(aequus=平ら・水平)+ al =「ならして水平にする」
  • 覚え方のヒント:記号「=」=同じ長さの平行線2本
  • aequus 一族:equator/equinox/equilibrium/equity/adequate/equate/equation/iniquity
  • 仲間ではない語:equipment(船)/equestrian(馬)/par・peer・pair

NGSL(New General Service List)収録語

この単語は New General Service List(NGSL) に収録されています。NGSL は、大規模な英語コーパスから選ばれた約2,800語の基礎語彙リストで、これらを覚えるだけで一般的な英文の約92%をカバーできます。日常でも英文読解でも、何度も出会う基本の一語です。
出典:New General Service List Project

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翻訳練習の解答

  1. 2たす2は4になる。
  2. この部屋にいる人は、みんな等しくチャンスがある。
  3. あなたと私は対等なパートナーだ。
  4. 彼女はパンを6等分に切った。
  5. ここでのあなたの努力は、誰にも引けを取らない。
  6. ほかの条件が同じなら、自分が楽しめる仕事を選ぼう。
  7. その告知には、雇用機会均等の会社だと書いてある。
  8. 2つのチームは、同じ得点で試合を終えた。
  9. 疲れている日でも、あなたならこの試練を乗り越えられる。
  10. 休むことにも、働くことと同じだけの重みを持たせよう。