PR

【語源で覚える】sponsor|respond を切る場所、合っていますか

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

▶︎ 詳しいプロフィールはこちら

respond(返答する)という単語を、頭の中でパーツに切ってみてください。

多くの人が、ここで res + pond と切ります。pond は「池」。見慣れた綴りが見えるので、つい手が止まるんですね。

でも、正しい切れ目はここではありません。re + spond です。s は後ろにくっつきます。

そして、この spond こそが、カタカナでおなじみの sponsor(スポンサー) の正体です。respond と sponsor が、同じ家族だったわけです。

意味の中心は、ラテン語の spondere(厳かに約束する・保証する)。ここを押さえると、respond・responsible・correspond・spouse まで、一本の線でつながります。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

sponsor を分解してイメージで覚える|spond は「約束」

まず、2つの単語を並べて切ってみます。

  • re(返して)+ spond(約束する) = respond(返事をする)
  • spons(約束した)+ or(人) = sponsor(約束を引き受ける人)

respond は「投げられた言葉に、約束を返す」。sponsor は「約束を引き受ける、その人」。どちらも真ん中にいるのは spond です。

ここで、日本語の「スポンサー」のイメージを一度わきに置いてみてください。日本語では、ほぼ「お金を出してくれる企業」という意味で使いますよね。でも英語の sponsor の意味の中心は、お金ではなく

「責任を引き受けると約束すること」。

お金を出すのは、その約束の中身のひとつにすぎません。だから英語の sponsor には、ビザの身元保証人や、クラブ入会の推薦人といった、お金が絡まない使い方もあります。

覚え方の手がかり:sponsor =「保証人」。お金を出す人ではなく、責任ごと引き受けると約束した人。

スポンサーリンク

sponsor の基本の意味と使い方

名詞としては「後援者・出資者・保証人・広告主」、動詞としては「後援する・出資する・(法案などを)提出する」を表します。

  • The company sponsors a local soccer team.(その会社は地元のサッカーチームを支援している)
  • a sponsored event(協賛イベント)
  • visa sponsorship(ビザの身元保証)
  • the title sponsor of the tournament(大会の冠スポンサー)

動詞の sponsor は、他動詞としてそのまま目的語を取ります。sponsor to ~ とはしません。ここは地味ですが、書くときに迷いやすいところです。

使い分け|sponsor・supporter・backer・patron

どれも「支える人」ですが、支え方の色が違います。

単語支え方の色
sponsor契約や約束にもとづいて、責任ごと引き受ける
supporter気持ちの面も含めて応援する。サポーター
backer資金面で後ろ盾になる。出資者寄り
patron継続的に庇護する。芸術のパトロン的な響き

英語で「応援しています」と伝えたいときに sponsor を使うと、「お金を出す契約をした」という意味に取られます。気持ちの応援は supporter や I’m rooting for you. のほうが自然です。

spond・spons でつながる単語ネットワーク

spondere(約束する)を知っておくと、まったく別ジャンルに見える単語が一気につながります。

単語意味分解のイメージ
respond返答するre(返して)+spond=約束を返す
response返答、反応respond の名詞形
responsible責任がある「答える義務を負っている」状態
responsibility責任responsible の名詞形
correspond一致する、文通するcor(互いに)+respond=約束を返し合う
despondent意気消沈したde(手放して)+spond=望みを手放すと約束する
spouse配偶者「約束を交わした人」
espouse(主義を)支持する、めとる「約束して引き受ける」

とくに responsible は、この家族の意味がきれいに残っている一語です。responsible は「立派な人」ではなく、「問われたら答える義務を負っている」 状態のこと。日本語の「責任感がある」より、もう少し冷たくて、もう少し具体的です。

そして despondent(意気消沈した)。de は「離れて・手放して」。望みを手放すと約束してしまった状態・・・と考えると、あの重たい語感が腑に落ちます。

結婚の枝|spouse と espouse

spondere からは、もうひとつ意外な枝が伸びています。

ラテン語の過去分詞が sponsus(婚約した男性)/sponsa(婚約した女性)。これが古フランス語を経て、英語の spouse(配偶者) になりました。スポンサーと配偶者が、同じ語から出た兄弟だったわけです。

考えてみれば、どちらも「約束を引き受けた人」。結婚式でやっていることは、まさに誓いの引き受けですよね。

そこから派生した espouse は、もともと「めとる」という意味でした。それが1620年代に「(主義・主張を)採用して支持する」という使い方に広がります。現代の英文では、こちらの意味で出てくるほうが多いです。

  • She espouses a simple way of living.(彼女は簡素な暮らし方を支持している)

似ているけれど、別の家系

ここは混ざりやすいので、はっきり分けておきます。

pond(池)・ponder(熟考する)は無関係です。

ponder はラテン語 ponderare「重さを量る」から来ていて、その元は pondus(重さ)、さらに pendere(吊るす・量る)。pension(年金)・pendant(ペンダント)・suspend(吊るす)・spider(クモ)と同じ家系で、spondere とはまったく別ルートです。

respond を res+pond と切りたくなる気持ちはよくわかるのですが、意味の上でも「池」や「重さ」は入り込む余地がありません。切れ目は re+spond。ここだけ覚えておけば大丈夫です。

spontaneous(自発的な) も、綴りは似ていますが別扱いです。こちらはラテン語の sponte(自分の意志で)から来ていて、その元になった語そのものの語源が分かっていません。spondere とつなげて覚えると、かえって混乱のもとになります。

派生語 Word Family

単語品詞意味発音
sponsor名詞・動詞後援者、保証人/後援するスポンサー /ˈspɒnsər/
sponsorship名詞後援、協賛、身元保証スポンサーシップ /ˈspɒnsərʃɪp/
sponsored形容詞協賛の、提供のスポンサード
co-sponsor名詞・動詞共同提案者/共同で後援するコウスポンサー
sponsorial形容詞後援者の―

TOEIC・英検での出題傾向

sponsor と sponsorship は、TOEIC の Part 7(広告・案内文・社内メール)で定番の語です。次の形で覚えておくと、そのまま得点になります。

  • be sponsored by ~(~の協賛で)
  • sponsorship agreement(協賛契約)
  • corporate sponsorship(企業協賛)
  • seek a sponsor for ~(~のスポンサーを探す)

あわせて、同じ家族の responsible for ~(~に責任がある)と in response to ~(~に応えて)も頻出です。どちらも前置詞が決まっているので、セットで入れてしまうのが早いです。

英検では準2級あたりから見かけます。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Our company will sponsor the local music festival.
  2. She found a sponsor for her research trip.
  3. A sponsor is someone who promises to stand behind you.
  4. The team thanked its sponsor after the final match.
  5. You can be a sponsor of someone’s growth, not just their costs.
  6. The show was sponsored by a small family bakery.
  7. He became the sponsor of a bill to help young workers.
  8. Every sponsor started by believing in someone.
  9. If you need a sponsor, tell people what you are building.
  10. Being a sponsor means keeping a promise over time.

語源メモ

sponsor は、後期ラテン語の sponsor(洗礼の保証人)から英語に入りました。古典ラテン語では「保証人・担保となる人」。元をたどると、動詞 spondere(厳かに約束する・保証を与える) の過去分詞 sponsus です。

さらに奥を見ると、この語は印欧祖語の「献酒する」にさかのぼります。ギリシャ語の spendein(神に酒を注ぐ)、spondē(献酒)が同じ系統です。約束とは、もともと 神前で酒を注ぐ儀式そのもの だった、ということですね。詩の韻律用語 spondee(長長格)も、この献酒の詠唱で使われた拍から来ています。

英語に入ってからの歩みも、知っておくと面白い一語です。

  • 1650年代・・・最初の意味は「洗礼の代父母」。赤ちゃんに代わって信仰を誓う人
  • 1670年代・・・「他人の行いについて責任を引き受ける人」という一般的な意味へ
  • 1753年・・・sponsorship(スポンサーである状態)が登場
  • 1882年・・・動詞 sponsor「支持する」が使われ始める
  • 1931年・・・ラジオ番組の費用を出す人、つまり広告主の意味が記録される
  • 1961年・・・法案を提出・後押しするという議会用語に

日本語の「スポンサー」でいちばんなじみのある広告主の意味は、実はこの一族でいちばん新しい層なんです。1931年といえば、ラジオ放送が広告を取り込み始めたころ。それまでの約300年は、ずっと「保証を引き受ける人」でした。

なお、respond が現在の綴りと発音に落ち着いたのは1600年ごろ。それ以前は respounden のような形でした。pond に見えてしまう綴りは、この時期に固まったものです。

まとめ

sponsor は、spons(約束した)+ or(人)で「責任ごと引き受けると約束した人」。

  • spondere・・・厳かに約束する・保証する。意味の中心はここ
  • respond の切れ目・・・res+pond ではなく re+spond。pond(池)とは無関係
  • spond 一族・・・respond/response/responsible/correspond/despondent
  • 結婚の枝・・・spouse/espouse
  • 広告主の意味は1931年からで、一族の中でいちばん新しい

お金を出すから sponsor なのではなく、引き受けると約束したから sponsor。そう捉え直すと、この一語がぐっと立体的になります。

sponsor の語源ワードマップ。中心は sponsor(=約束を引き受ける人)で、spons(spondere=厳かに約束する)+or(人)に分解。語源・中心、spond(約束)系(respond / response / responsible / correspond / despondent)、spouse(誓い)系(spouse / espouse / espousal / sponsorship)、覚え方のヒント(respond は res+pond ではなく re+spond、pond・ponder は別家系)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:spons(spondere=厳かに約束する)+ or(人)=「約束を引き受ける人」
  • 覚え方のヒント:respond は re+spond。pond(池)ではない
  • spond(約束)一族:respond/response/responsible/correspond/despondent
  • 結婚の枝:spouse/espouse/espousal

NAWL・BSL 収録語

この単語は NAWL(学術) と BSL(ビジネス) の両方に集録されています。学術英語でもビジネスでも頻出する、汎用性の高い一語です。

出典:New General Service List Project

※ リストに収録されているのは名詞形の sponsorship です。この記事では、元になる sponsor を見出し語にしています。

関連記事

翻訳練習の解答

  1. 当社は、地元の音楽フェスに協賛する予定だ。
  2. 彼女は、研究旅行を支援してくれるスポンサーを見つけた。
  3. スポンサーとは、あなたの後ろに立つと約束してくれる人のことだ。
  4. そのチームは、決勝戦のあとスポンサーに感謝を伝えた。
  5. 誰かの費用だけでなく、その人の成長を支えるスポンサーにもなれる。
  6. その番組は、小さな家族経営のパン屋が提供していた。
  7. 彼は、若い働き手を支える法案の提出者になった。
  8. どのスポンサーも、誰かを信じるところから始まっている。
  9. 支えてくれる人が必要なら、自分がいま何を築こうとしているのかを周りに伝えよう。
  10. スポンサーであるとは、約束を長く守り続けるということだ。