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【語源で覚える】reversible|リバーシブルと「VS」は同じ仲間

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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コートやジャケットで馴染みのある「リバーシブル」。 実はこの言葉、ビジネス英語やTOEICで難関とされる “adverse(不利な、逆境の)” と、根っこで繋がっていることをご存知でしょうか?

「裏返せる」という日常的なイメージから、一歩進んだ語彙力を手に入れるリスキリング術を解説します。

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リバーシブルの語源|「向きを変える」本質イメージ

リバーシブル(reversible)は、以下のパーツから成り立っています。

  • re-(後ろへ・再び)
  • -vers(向きを変える・回る)
  • -ible(〜できる)

つまり、「向きを後ろ(反対)に変えることができる」のが本質的な意味です。

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「-vers / -vert」は回転のイメージ

この -vers という語根は、ラテン語の vertere(回る)に由来します。 「クルッと回って向きが変わる」イメージを持つと、他の難解な単語も一気に覚えやすくなります。

【語源の繋がり】リバーシブルから adverse(逆境)へ|中共以上の単語へのつながり

コートやジャケットでおなじみの「リバーシブル」。裏返しても着られる、あの便利な服ですね。

実はこの reversible、スポーツや対戦でよく見る「A VS B」の VS と、同じ部品でできています。服の裏表と対戦カード。まったく関係なさそうな二つが、真ん中の vers(向きを変える) でつながっているんです。

ここがわかると、reversible は「服の用語」から一歩進んで、「元に戻せる」「やり直せる」という、英語で本当によく使われる意味まで見えてきます。

※ 同じ vers の仲間には、別記事で紹介している adverse(不利な)や anniversary(記念日)もいます。この記事では「くるっと向きを変える」動きそのものと、VS とのつながりを中心にお話しします。

reversible を分解してイメージで覚える|VS との意外なつながり

reversible をパーツに分けると、こうなります。

re(後ろへ・元へ)+ vers(向きを変える)+ ible(〜できる)

「向きを後ろへ変えることができる」。つまり、裏返せる、元の向きに戻せる、という意味です。

では、VS はどうでしょう。VS は versus の略で、もとは「〜のほうへ向けられた」「〜に対して」という意味のラテン語です。

二つを並べると、動きの違いがよくわかります。

  • reversible・・・くるっと後ろへ向きを変える(裏返す・元に戻す)
  • versus(VS)・・・くるっと相手のほうへ向き直る(向かい合う・対戦する)

どちらも「向きを変える」vers の動き。リング上で二人の選手が向き合う場面を思い浮かべると、VS の中に vers がいるのが腑に落ちます。

reversible の基本の意味と使い方

reversible は「逆にできる」「元に戻せる」「裏返して使える」を表す形容詞です。

  • a reversible jacket(リバーシブルのジャケット)
  • a reversible decision(あとから取り消せる決定)
  • The change is reversible.(その変化は元に戻せる)

日本語の「リバーシブル」は服のイメージがほとんどですが、英語ではむしろ「元に戻せる・やり直しがきく」の意味で広く使われます。医療の話で「回復できる症状」、化学で「逆向きにも進む反応(reversible reaction)」、ビジネスで「取り消せる判断」など、場面を選ばない便利な一語です。

使い分け|reverse・reversible・irreversible・versus

形の似た4語を、並べて整理しておきましょう。

単語品詞意味イメージ
reverse動詞・名詞・形容詞逆にする、逆、反対の向きを後ろへ変える動きそのもの
reversible形容詞裏返せる、元に戻せる後ろへ向きを変えることが「できる」
irreversible形容詞元に戻せない、取り返しがつかないir(〜でない)+reversible
versus(vs.)前置詞〜対〜、〜に対して相手のほうへ向き直る

reversible と irreversible は、ちょうど表と裏の関係です。「その変化は戻せるのか、戻せないのか」を語るときに、セットでよく登場します。

“vers(向きを変える)” でつながる単語ネットワーク

vers/vert(回る・向きを変える)を知っておくと、別ジャンルに見える単語がまとめてつながります。

単語意味イメージ
versus〜対〜相手のほうへ向き直る
reverse逆にするre(後ろへ)+vers
revert元に戻るre(後ろへ)+vert=元の向きに戻る
irreversible元に戻せない後ろへ向きを変えられない
adverse不利な、逆のad(〜へ)+vers=こちらへ向かってくる
adversary敵、対戦相手こちらへ向き合ってくる人
convert変換するcon(すっかり)+vert=すっかり向きを変える
diverse多様なdi(別々に)+vers=いろんな方向を向く
universe宇宙uni(1つ)+vers=1つにまとまって回る
version版、バージョン向きを変えて作った別の形
vice versa逆もまた同じ立場を入れ替えても同じ

「vers/vert が入っていたら、たぶん”向きを変える”話」・・・そう見えるようになると、初めて見る単語でも意味の見当がつくようになります。

派生語 Word Family

単語品詞意味発音
reverse動詞・名詞・形容詞逆にする、逆、反対のリバース /rɪˈvɜːrs/
reversible形容詞裏返せる、元に戻せるリバーシブル /rɪˈvɜːrsəbl/
reversibility名詞元に戻せること、可逆性リバーシビリティ /rɪˌvɜːrsəˈbɪləti/
irreversible形容詞元に戻せないイリバーシブル /ˌɪrɪˈvɜːrsəbl/
reversal名詞逆転、取り消しリバーサル /rɪˈvɜːrsl/

TOEIC・英検での傾向

正直に言うと、reversible そのものは TOEIC の頻出語ではありません。出てくるとすれば、商品説明の reversible jacket や reversible mat のような形です。

ただ、仲間の reverse は in reverse order(逆の順番で)や reverse a decision(決定を覆す)の形でよく見かけます。また irreversible は、英検準1級以上の長文やエッセイで、irreversible damage(取り返しのつかない被害)のように環境・社会問題の文脈で登場します。reversible を入り口に、この二語までセットで押さえておくと安心です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. This jacket is reversible, so you can wear it two ways.
  2. Is this decision reversible?
  3. The rug is reversible, with a different color on each side.
  4. Good news: the damage is reversible.
  5. Most mistakes are reversible.
  6. You can start with a reversible choice.
  7. A reversible plan gives you room to try.
  8. She turned her reversible coat inside out and smiled.
  9. Don’t be afraid; most of your choices are reversible.
  10. Life is more reversible than you think.

語源メモ|reverse から reversible へ、そして versus

reversible は、1640年代に英語の中で reverse(逆にする)+ -ible(〜できる) として生まれた語です。服の「リバーシブル」という名詞の使い方は、ずっと後の19世紀になってから登場しました。

もとになった reverse は、古フランス語 reverser を経て、ラテン語 revertere(後ろへ向く・戻る) にさかのぼります。revertere は re(後ろへ)+ vertere(回る・向きを変える)。この vertere が、vers/vert の正体です。

一方の versus は、vertere の過去分詞で「〜に向けられた」「〜に対して」という意味。15世紀半ばに、英語では法律用語として入りました。今でも英米の裁判では、事件名を「原告 v. 被告」の形で書きます。スポーツの「VS」は、この法律用語が日常に広がったものです。

つまり reversible と versus は、どちらも同じ vertere から枝分かれした兄弟。服の裏表と対戦カードが、ラテン語の一語でつながっているわけです。

まとめ

reversible は、re(後ろへ)+ vers(向きを変える)+ ible(できる)で「裏返せる・元に戻せる」。

  • reversible・・・くるっと後ろへ向きを変えられる。服だけでなく「やり直せる」の意味で広く使う
  • versus(VS)・・・くるっと相手のほうへ向き直る。同じ vers の仲間
  • irreversible・・・元に戻せない。reversible とセットで覚える

裏返せる服があるように、多くの選択も、あとから向きを変えられます。reversible は、そんなことを思い出させてくれる一語です。

reversible の語源ワードマップ。中心は reversible(=裏返せる・元に戻せる)で、re(後ろへ)+vers(向きを変える)+ible(〜できる)に分解。re+vers系(reverse / revert / reversal / irreversible)、vers系(versus / adverse / adversary / convert / diverse / universe / version / vice versa)、覚え方のヒント(VS=versus、後ろへ向くか相手へ向き直るか)の4クラスタに整理した図。

関連記事

翻訳練習の解答

  1. このジャケットはリバーシブルだから、2通りの着方ができる。
  2. この決定は、あとから取り消せるの?
  3. そのラグはリバーシブルで、表と裏で色が違う。
  4. いい知らせだよ。その傷みは元に戻せる。
  5. たいていの失敗は、取り返しがつく。
  6. まずは、やり直しのきく選択から始めればいい。
  7. やり直しのきく計画なら、気軽に試してみられる。
  8. 彼女はリバーシブルのコートを裏返して、にっこり笑った。
  9. 怖がらなくていい。あなたの選択の多くは、やり直せるから。
  10. 人生は、あなたが思うよりずっとやり直しがきく。

収録リスト

BSL(Business Service List)収録語

この単語は Business Service List(BSL) に収録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project