サッカーの「アウェイ戦」、居心地の悪い「アウェイ感」。アウェイという言葉は、すっかり日本語になじみましたよね。
今回の単語 averse(〜を嫌って)は、頭に a がいます。この a を「アウェイ」と重ねてみてください。ホームから離れた場所へ・・・その「離れて」のイメージが、この単語の入り口になります。
そして真ん中には、universe や anniversary でおなじみの vers(回す・向ける)。「離れる方へ、向ける」。つまり averse は、嫌なものから顔をぷいっとそむける、「そっぽを向く」動きそのものです。
※ この記事は adverse(逆の・不利な)と対になっています。つづりは1文字違いですが、adverse は「向かってくる」、averse は「自分からそむける」。向きが真逆なので、あわせて読むと迷わなくなります。
averse を分解してイメージで覚える|「アウェイに向ける」=そっぽを向く
averse をパーツで見ると、こうなります。
a(離れて)+ vers(回す・向ける)
覚え方のヒントは、頭の a をアウェイ(away=離れて)と重ねること。そこに vers(向ける)が続くので、「アウェイの方へ向ける」→「顔をそむける」→「嫌って、気が進まない」とつながります。
嫌なもの、苦手なものを前にしたとき、人は思わず顔をそむけます。日本語の「そっぽを向く」「目を背ける」とまったく同じ動きが、そのまま一語になったのが averse です。英語にも turn away(顔をそむける)という言い方があるので、「averse ≒ turn away」と並べておくとイメージが崩れません。
※ 正確には、頭の a はラテン語 ab(離れて)が v の前で縮んだ形です。away の a とは、つづりの由来が別ルートです。ただ、ab の意味は英語で away from と説明されるので、「a=アウェイ(離れて)」と意味を重ねて覚えるのは理にかなっています。
averse の基本の意味と使い方
averse は「〜を嫌って」「〜に気が進まない」を表す形容詞です。多くの場合、be averse to ~ の形で使います。to のあとには名詞か -ing が来ます。
- I’m averse to long meetings.(長い会議は苦手だ)
- risk-averse(リスクを避けたがる、リスク回避的な)
- I’m not averse to it.(それ、まんざらでもない)
使い方で覚えておきたいのが、最後の not averse to です。直訳すると「嫌ってはいない」ですが、実際には「まんざらでもない」「むしろ歓迎」という前向きな気持ちで使われることが多い言い方です。そっぽを向いていない=むしろこちらを向いている、とイメージすると自然に入ってきます。
投資やビジネスの話では、risk-averse(リスク・アバース)という形でもよく出てきます。リスクが見えたら、そっちには顔を向けない・・・そんな慎重な姿勢のことです。
adverse との使い分け|d があれば向かってくる、なければ離れていく
averse と adverse は、ネイティブでも混同しやすいペアです。でも、分解すれば向きの違いがはっきり見えます。
| 単語 | 分解 | 向き | 意味 |
|---|---|---|---|
| adverse | ad(〜へ)+vers | こちらに向かってくる | 逆の、不利な |
| averse | a(離れて)+vers | 自分からそむける | 嫌って、気が進まない |
adverse は、向かい風のように「外から向かってくる」もの。adverse effects(副作用、悪影響)のように、主に物事や状況に使います。
averse は、「自分から顔をそむける」気持ち。主語は人(や組織)で、その人の好き嫌いを表します。
d が1文字あると向かってくる、d がないと離れていく。この一点だけ覚えておけば、もう迷いません。
“vers(回す・向ける)” でつながる単語ネットワーク
averse の vers は、ラテン語 vertere(回す・向ける)から来ています。vers/vert が入った単語は、たいてい「回る・向きを変える」の仲間です。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| universe | 宇宙 | uni(1つ)+vers=すべてが1つに回りまとまる |
| anniversary | 記念日 | anni(年)+vers=1年めぐって戻ってくる日 |
| adverse | 逆の、不利な | ad(〜へ)+vers=こちらに向かってくる |
| advertise | 広告する | ad(〜へ)+vert=注意をそちらへ向けさせる |
| reverse | 逆にする | re(後ろへ)+vers=向きを後ろに回す |
| convert | 変換する | con(すっかり)+vert=すっかり向きを変える |
| version | 版、バージョン | 向きを変えて作った別の形 |
advertise と並べると、違いがよくわかります。こちらを振り向かせるのが advertise、顔をそむけるのが averse。同じ vers でも、頭につく部品で向きが正反対になります。
“a(ab=離れて)” でつながる単語ネットワーク
頭の a(もとの形は ab)をたどると、「離れて」「外れて」の仲間が見えてきます。
| 単語 | 意味 | 語源 |
|---|---|---|
| avert | (目を)そらす、避ける | a(離れて)+vert=向きをよそへ変える |
| abnormal | 異常な | ab(離れて)+normal(標準)=標準から外れた |
| absent | 欠席の、不在の | ab(離れて)+esse(いる)=その場から離れている |
| abstract | 抽象的な | abs(離れて)+trahere(引く)=具体から引き離した |
特に avert は averse の兄弟のような単語です。avert one’s eyes で「目をそらす」。averse の「そむける」感覚が、そのまま体の動きとして確かめられます。
派生語 Word Family
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| averse | 形容詞 | 嫌って、気が進まない | アヴァース /əˈvɜːrs/ |
| aversion | 名詞 | 嫌悪、嫌いなもの | アヴァージョン /əˈvɜːrʒən/ |
| aversive | 形容詞 | 嫌悪感を起こさせる | アヴァーシヴ /əˈvɜːrsɪv/ |
| avert | 動詞 | (目を)そらす、避ける | アヴァート /əˈvɜːrt/ |
| risk-averse | 形容詞 | リスクを避けたがる | ― |
aversion は心理学でもよく使われる語で、loss aversion(損失回避)は行動経済学の有名な用語です。「得をする喜びより、損をするつらさの方を強く感じる」人の傾向を指します。
TOEIC・英検での傾向
averse は、日常会話ではそれほど頻繁に使われない、やや硬めの語です。英検では準1級〜1級レベルの語彙として押さえておきたい一語です。TOEIC では頻出とは言えませんが、ビジネス記事や金融関連の文章で risk-averse の形に出会うことがあります。adverse との取り違えを問われることもあるので、「d のあり・なし」で整理しておくと安心です。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- I’m averse to crowded trains in the morning.
- She is not averse to trying new things.
- Many investors are risk-averse.
- You don’t have to be averse to making mistakes.
- He used to be averse to speaking in public.
- Being averse to change is only human.
- If you are averse to something, start with one small step.
- I’m not averse to a little challenge.
- My father is averse to long phone calls.
- You can be averse to risk and still move forward.
語源メモ|ab と vertere が出会う言葉
averse は、ラテン語 aversus に由来します。これは動詞 avertere(そむける、そらす)の過去分詞で、分けると ab(離れて)+ vertere(回す・向ける)。「離れる方へ向けた」→「顔をそむけた」→「嫌って」と意味が移り、英語に入りました。
ab は、v の前に来ると b が落ちて a になります。avert(そらす)も同じパターンです。ほかの場面では abnormal・absent のように ab の形のまま、t の前では abstract のように abs の形になることもあります。
冒頭で使った「a=アウェイ」は、覚えるためのヒントです。away はもともと古英語の on weg(道に出て)が縮まった言葉で、ラテン語の ab とは別ルート。ただ、ab の意味はまさに away from なので、意味の上ではぴったり重なります。ちなみに、ab と本当に同じ祖先をもつ身近な英語は off です。
まとめ
averse は、a(ab=離れて)+ vers(回す・向ける)で「離れる方へ顔を向ける」=そっぽを向く、嫌って。
- a(ab)・・・離れて。アウェイのイメージで覚えると入りやすい。avert/abnormal/absent の仲間へ
- vers(vertere)・・・回す・向ける。universe/anniversary/adverse/advertise の仲間へ
- adverse との違いは d の1文字。d があれば向かってくる、なければ離れていく
苦手なものに、そっぽを向く。それは誰にでもある自然な反応です。でも、not averse to の気持ちで少しだけ振り向いてみると、新しい景色が見えてくるかもしれません。

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- anniversary の語源(記念日) → https://isseisuzuki.org/アニバーサリー/
- adverse の語源(逆の・不利な)
- universe の語源(宇宙) → (近日中に公開)
翻訳練習の解答
- 朝の満員電車が苦手だ。
- 彼女は、新しいことに挑戦するのが嫌いじゃない。
- 多くの投資家は、リスクを避けたがる。
- 失敗を怖がらなくていい。
- 彼は昔、人前で話すのが苦手だった。
- 変化を嫌がるのは、人として自然なことだ。
- 苦手なことがあるなら、小さな一歩から始めてみよう。
- ちょっとした挑戦なら、むしろ歓迎だ。
- 父は長電話が苦手だ。
- リスクを避けたい気持ちがあっても、前には進める。
BSL(Business Service List)収録語
この単語は Business Service List(BSL) に収録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project

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