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【語源で覚える】averse|頭の “a” は、あのアウェイ?

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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サッカーの「アウェイ戦」、居心地の悪い「アウェイ感」。アウェイという言葉は、すっかり日本語になじみましたよね。

今回の単語 averse(〜を嫌って)は、頭に a がいます。この a を「アウェイ」と重ねてみてください。ホームから離れた場所へ・・・その「離れて」のイメージが、この単語の入り口になります。

そして真ん中には、universe や anniversary でおなじみの vers(回す・向ける)。「離れる方へ、向ける」。つまり averse は、嫌なものから顔をぷいっとそむける、「そっぽを向く」動きそのものです。

※ この記事は adverse(逆の・不利な)と対になっています。つづりは1文字違いですが、adverse は「向かってくる」、averse は「自分からそむける」。向きが真逆なので、あわせて読むと迷わなくなります。

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averse を分解してイメージで覚える|「アウェイに向ける」=そっぽを向く

averse をパーツで見ると、こうなります。

a(離れて)+ vers(回す・向ける)

覚え方のヒントは、頭の a をアウェイ(away=離れて)と重ねること。そこに vers(向ける)が続くので、「アウェイの方へ向ける」→「顔をそむける」→「嫌って、気が進まない」とつながります。

嫌なもの、苦手なものを前にしたとき、人は思わず顔をそむけます。日本語の「そっぽを向く」「目を背ける」とまったく同じ動きが、そのまま一語になったのが averse です。英語にも turn away(顔をそむける)という言い方があるので、「averse ≒ turn away」と並べておくとイメージが崩れません。

※ 正確には、頭の a はラテン語 ab(離れて)が v の前で縮んだ形です。away の a とは、つづりの由来が別ルートです。ただ、ab の意味は英語で away from と説明されるので、「a=アウェイ(離れて)」と意味を重ねて覚えるのは理にかなっています。

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averse の基本の意味と使い方

averse は「〜を嫌って」「〜に気が進まない」を表す形容詞です。多くの場合、be averse to ~ の形で使います。to のあとには名詞か -ing が来ます。

  • I’m averse to long meetings.(長い会議は苦手だ)
  • risk-averse(リスクを避けたがる、リスク回避的な)
  • I’m not averse to it.(それ、まんざらでもない)

使い方で覚えておきたいのが、最後の not averse to です。直訳すると「嫌ってはいない」ですが、実際には「まんざらでもない」「むしろ歓迎」という前向きな気持ちで使われることが多い言い方です。そっぽを向いていない=むしろこちらを向いている、とイメージすると自然に入ってきます。

投資やビジネスの話では、risk-averse(リスク・アバース)という形でもよく出てきます。リスクが見えたら、そっちには顔を向けない・・・そんな慎重な姿勢のことです。

adverse との使い分け|d があれば向かってくる、なければ離れていく

averse と adverse は、ネイティブでも混同しやすいペアです。でも、分解すれば向きの違いがはっきり見えます。

単語分解向き意味
adversead(〜へ)+versこちらに向かってくる逆の、不利な
aversea(離れて)+vers自分からそむける嫌って、気が進まない

adverse は、向かい風のように「外から向かってくる」もの。adverse effects(副作用、悪影響)のように、主に物事や状況に使います。

averse は、「自分から顔をそむける」気持ち。主語は人(や組織)で、その人の好き嫌いを表します。

d が1文字あると向かってくる、d がないと離れていく。この一点だけ覚えておけば、もう迷いません。

“vers(回す・向ける)” でつながる単語ネットワーク

averse の vers は、ラテン語 vertere(回す・向ける)から来ています。vers/vert が入った単語は、たいてい「回る・向きを変える」の仲間です。

単語意味イメージ
universe宇宙uni(1つ)+vers=すべてが1つに回りまとまる
anniversary記念日anni(年)+vers=1年めぐって戻ってくる日
adverse逆の、不利なad(〜へ)+vers=こちらに向かってくる
advertise広告するad(〜へ)+vert=注意をそちらへ向けさせる
reverse逆にするre(後ろへ)+vers=向きを後ろに回す
convert変換するcon(すっかり)+vert=すっかり向きを変える
version版、バージョン向きを変えて作った別の形

advertise と並べると、違いがよくわかります。こちらを振り向かせるのが advertise、顔をそむけるのが averse。同じ vers でも、頭につく部品で向きが正反対になります。

“a(ab=離れて)” でつながる単語ネットワーク

頭の a(もとの形は ab)をたどると、「離れて」「外れて」の仲間が見えてきます。

単語意味語源
avert(目を)そらす、避けるa(離れて)+vert=向きをよそへ変える
abnormal異常なab(離れて)+normal(標準)=標準から外れた
absent欠席の、不在のab(離れて)+esse(いる)=その場から離れている
abstract抽象的なabs(離れて)+trahere(引く)=具体から引き離した

特に avert は averse の兄弟のような単語です。avert one’s eyes で「目をそらす」。averse の「そむける」感覚が、そのまま体の動きとして確かめられます。

派生語 Word Family

単語品詞意味発音
averse形容詞嫌って、気が進まないアヴァース /əˈvɜːrs/
aversion名詞嫌悪、嫌いなものアヴァージョン /əˈvɜːrʒən/
aversive形容詞嫌悪感を起こさせるアヴァーシヴ /əˈvɜːrsɪv/
avert動詞(目を)そらす、避けるアヴァート /əˈvɜːrt/
risk-averse形容詞リスクを避けたがる―

aversion は心理学でもよく使われる語で、loss aversion(損失回避)は行動経済学の有名な用語です。「得をする喜びより、損をするつらさの方を強く感じる」人の傾向を指します。

TOEIC・英検での傾向

averse は、日常会話ではそれほど頻繁に使われない、やや硬めの語です。英検では準1級〜1級レベルの語彙として押さえておきたい一語です。TOEIC では頻出とは言えませんが、ビジネス記事や金融関連の文章で risk-averse の形に出会うことがあります。adverse との取り違えを問われることもあるので、「d のあり・なし」で整理しておくと安心です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. I’m averse to crowded trains in the morning.
  2. She is not averse to trying new things.
  3. Many investors are risk-averse.
  4. You don’t have to be averse to making mistakes.
  5. He used to be averse to speaking in public.
  6. Being averse to change is only human.
  7. If you are averse to something, start with one small step.
  8. I’m not averse to a little challenge.
  9. My father is averse to long phone calls.
  10. You can be averse to risk and still move forward.

語源メモ|ab と vertere が出会う言葉

averse は、ラテン語 aversus に由来します。これは動詞 avertere(そむける、そらす)の過去分詞で、分けると ab(離れて)+ vertere(回す・向ける)。「離れる方へ向けた」→「顔をそむけた」→「嫌って」と意味が移り、英語に入りました。

ab は、v の前に来ると b が落ちて a になります。avert(そらす)も同じパターンです。ほかの場面では abnormal・absent のように ab の形のまま、t の前では abstract のように abs の形になることもあります。

冒頭で使った「a=アウェイ」は、覚えるためのヒントです。away はもともと古英語の on weg(道に出て)が縮まった言葉で、ラテン語の ab とは別ルート。ただ、ab の意味はまさに away from なので、意味の上ではぴったり重なります。ちなみに、ab と本当に同じ祖先をもつ身近な英語は off です。

まとめ

averse は、a(ab=離れて)+ vers(回す・向ける)で「離れる方へ顔を向ける」=そっぽを向く、嫌って。

  • a(ab)・・・離れて。アウェイのイメージで覚えると入りやすい。avert/abnormal/absent の仲間へ
  • vers(vertere)・・・回す・向ける。universe/anniversary/adverse/advertise の仲間へ
  • adverse との違いは d の1文字。d があれば向かってくる、なければ離れていく

苦手なものに、そっぽを向く。それは誰にでもある自然な反応です。でも、not averse to の気持ちで少しだけ振り向いてみると、新しい景色が見えてくるかもしれません。

averse の語源ワードマップ。中心は averse(=そっぽを向く、〜を嫌って)で、a(ab=離れて)+vers(向ける)に分解。vers(向ける)系(universe / anniversary / adverse / advertise / reverse / convert / version)、a・ab(離れて)系(avert / abnormal / absent / abstract)、覚え方のヒント(a→アウェイ、adverse との d の違い)に整理した図。

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翻訳練習の解答

  1. 朝の満員電車が苦手だ。
  2. 彼女は、新しいことに挑戦するのが嫌いじゃない。
  3. 多くの投資家は、リスクを避けたがる。
  4. 失敗を怖がらなくていい。
  5. 彼は昔、人前で話すのが苦手だった。
  6. 変化を嫌がるのは、人として自然なことだ。
  7. 苦手なことがあるなら、小さな一歩から始めてみよう。
  8. ちょっとした挑戦なら、むしろ歓迎だ。
  9. 父は長電話が苦手だ。
  10. リスクを避けたい気持ちがあっても、前には進める。

BSL(Business Service List)収録語

この単語は Business Service List(BSL) に収録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project