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【語源で覚える】attend|「出席する」と「テンション」は同じ語源

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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ビジネスメールで見かける「アテンドします」、会議の出席者リストに並ぶ attendee。どちらも attend という動詞から来ています。

この attend、分解すると at + tend。そして後半の tend は、カタカナでおなじみのテンション(tension)とまったく同じ家族です。

「出席する」と「緊張」が同じ語源・・・ここがこの単語の面白いところで、意味の中心をつかむ入り口にもなります。

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attend を分解してイメージで覚える

attend をパーツで見ると、こうなります。

at(ad=〜へ、〜に向かって)+ tend(tendere=伸ばす・張る)

つまり「そちらへ向かって伸ばす」。何を伸ばすかというと、自分の心です。

ゴムを引っぱってぴんと張るように、意識を相手や会議のほうへぐっと伸ばす。それが attend の意味の中心です。心を向けて伸ばすから「注意を払う」、その場に身を置いて心を向けるから「出席する」。ひとつのイメージから、両方の意味が自然につながります。

ここで役に立つのがテンションです。tension は「ぴんと張った状態」。日本語では「テンションが高い」=気分が高揚している、という使い方が定着していますが、英語の tension は「張力」「緊張」のほうを指します。この「ぴんと張る」が tend の素顔です。

  • tension・・・ぴんと張った状態
  • attend・・・心を相手のほうへぴんと伸ばす

同じ「張る・伸ばす」が、片方は物理的な緊張に、片方は意識の集中になった。そう見ると、attend という綴りがずいぶん身近になります。

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attend の基本の意味と使い方

attend は他動詞で「〜に出席する」。ここが日本人学習者のつまずきポイントです。

  • I attended the meeting.(会議に出席した)
  • ✕ I attended to the meeting.

「〜に」につられて to を入れたくなりますが、attend は前置詞なしで目的語を取ります。一方で attend to という形もあり、こちらは意味が変わります。

  • attend + 目的語・・・〜に出席する、参加する
  • attend to + 目的語・・・〜に対応する、世話をする、処理する
形意味例文
attend a meeting会議に出席するShe attends the weekly meeting.
attend school学校に通うHe attended school in Osaka.
attend to a customer客に応対するPlease attend to the customer at table 5.
attend to the details細部に気を配るI’ll attend to the details later.

どちらも「心を伸ばす」という根は同じです。会場のほうへ伸ばせば「出席」、目の前の用件のほうへ伸ばせば「対応・世話」。方向が違うだけ、と覚えておくと混乱しません。

tend(伸ばす)でつながる単語ネットワーク

attend の tend を知っておくと、見た目のバラバラな単語が一本の線でつながります。

単語意味イメージ
extend延長する、広げるex(外へ)+tend=外へ伸ばす
intend意図する、〜するつもりだin(〜へ)+tend=心を目標へ伸ばす
pretendふりをするpre(前に)+tend=前に差し出して見せる
distend膨張させるdis(別々に)+tend=四方へ伸びる
contend争う、主張するcon(共に・対して)+tend=張り合う
tendency傾向ある方向へ伸びていく性質
tension緊張、張力ぴんと張った状態
tense張りつめた同上の形容詞形
tentテント布をぴんと張って作る小屋
tendon腱骨と筋肉をつなぐ、張られたひも
tendril(植物の)巻きひげ伸びていく細い茎

テントが「張るもの」だというのは、言われてみれば当たり前なのに、なかなか気づきません。腱(tendon)も同じで、体の中でぴんと張っているひもです。

さらに遠い親戚として、thin(薄い・細い)や tone(音・調子)もこの語根に連なります。弦をぴんと張ると音が出る・・・tone はそこから来ています。monotone(単調な)の tone も同じです。

「tend / tens / tent が入っていたら、たぶん伸ばす・張る話」。そう見えるようになると、初見の単語でも当たりがつけられます。

もうひとつの ten|「持つ」の一族とのつながり

ここは知っておくと得をするところです。

attend の tend(tendere=伸ばす)と、obtain・maintain・contain などの tain(tenere=持つ・保つ)は、別のラテン語動詞です。ただし、さらにさかのぼると同じ語根(伸ばす)にたどりつきます。つまり、親戚だけれど直系ではない、いとこのような関係です。

系統ラテン語代表的な単語
伸ばすtendereattend / extend / intend / pretend / tension / tent
持つ・保つtenereobtain / maintain / contain / retain / sustain / tenant

「伸ばして届かせる」のが attend、「握って保つ」のが obtain。語源が近いぶん紛らわしいので、この2本立てで整理しておくと、試験でも迷いにくくなります。

派生語|attend 一族

単語品詞意味発音
attend動詞出席する、対応するアテンド /əˈtend/
attendance名詞出席、出席者数アテンダンス /əˈtendəns/
attendee名詞出席者、参加者アテンディー /əˌtenˈdiː/
attendant名詞/形容詞係員、接客係/付随するアテンダント /əˈtendənt/
attention名詞注意、注目アテンション /əˈtenʃən/
attentive形容詞注意深い、気配りのあるアテンティブ /əˈtentɪv/

attendee と attendant は混同しやすい組み合わせです。

  • attendee・・・出席する側の人(会議の参加者)
  • attendant・・・世話をする側の人(flight attendant=客室乗務員)

ちなみに attendee は1951年に定着した比較的新しい語です。それ以前は attender や attendant が使われていましたが、どちらも「人に仕える」ニュアンスを帯びていたため、純粋に「出席者」を指す語として attendee が広まりました。会議の参加者を attendant と呼ぶと「係員」に聞こえかねない・・・そこを埋めた単語、というわけです。 etymonline

TOEIC・英検での出題傾向

attend は TOEIC の頻出語です。Part 4のアナウンスや Part 7の案内文で、attend the seminar、attendance is required、all attendees といった形で繰り返し登場します。

よく問われるポイントは2つ。

  1. attend は他動詞(attend to との区別)
  2. attendance / attendee / attendant の品詞と意味の区別(Part 5の語彙問題)

英検では2級〜準1級で見かけます。難しい単語ではないぶん、使い分けで差がつく一語です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. She attends the morning meeting every Monday.
  2. More than two hundred people attended the ceremony.
  3. Thank you for attending today.
  4. Please attend to the customer waiting at the counter.
  5. Your attendance made the day special for them.
  6. Every attendee received a small gift.
  7. The flight attendant smiled and offered him water.
  8. Attend to the small things, and the big ones will follow.
  9. When you attend with your whole heart, people notice.
  10. He attended night school while working full-time.

語源メモ|「心を伸ばす」から「出席する」まで

attend は、1300年ごろの英語に「〜の影響下にある」という(今は使われない)意味で現れ、14世紀初めには「心や力をある方向に向ける」の意味を持ちました。古フランス語 atendre「待つ、期待する、注意を払う」と、ラテン語 attendere「心を向ける」から来ています。attendere は ad「〜へ」+ tendere「伸ばす」で、文字通りには「〜のほうへ伸ばす」。 etymonline

そこから意味が枝分かれしていきます。「世話をする、仕える」が14世紀半ば、「注意を払う」が15世紀初め、「同行して仕える」「出席している」が15世紀半ば、「結果として付随する」が1610年代。日本語で最もなじみ深い「出席する」は、実は後発の意味だったわけです。 etymonline

フランス語では今も attendre が「待つ」の意味で使われています。英語が「心を向ける」→「その場にいる」へ進んだのに対し、フランス語は「待つ」のほうに留まった。同じ語が、海峡をはさんで別の方向へ伸びたことになります。英語学習者がフランス語を学ぶときにつまずく、有名な「空似の言葉」です。

なお、このPIE語根 *ten-(伸ばす)からは、ラテン語で tendere「伸ばす」と tenere「持つ・保つ」という2つの動詞が生まれました。obtain・maintain・contain の tain はこの tenere 側です。attend と obtain は、遠い親戚ではあるものの直系ではない・・・この区別を押さえておくと、語源の説明で足をすくわれません。 etymonline

まとめ

attend は、at(ad=〜へ)+ tend(tendere=伸ばす)で「心をそちらへ伸ばす」。そこから「注意を払う」「出席する」「対応する」が生まれました。

  • tend(伸ばす)・・・extend/intend/pretend/tension/tent/tendon の一族へ
  • tension(テンション)・・・「ぴんと張る」が attend の意味の中心をつかむ入り口
  • attend 一族・・・attendance(出席)/attendee(出席者)/attendant(係員)/attention(注意)
  • tenere(持つ)系・・・obtain/maintain/contain は親戚だが別動詞

会議に出るというのは、ただ体を運ぶことではなく、心をそちらへ伸ばすこと。語源はそう言っています。

attend の語源ワードマップ。中心は attend(=心をそちらへ伸ばす)で、at(ad=〜へ)+tend(tendere=伸ばす・張る)に分解。tend(伸ばす)一族(extend / intend / pretend / distend / tendency / tension / tent / tendon)、attend一族(attendance / attendee / attendant / attention / attentive)、覚え方のヒント(テンションと同じ語源、tenere〈持つ〉系との違い)の4クラスターに整理した図。

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翻訳練習の解答例

  1. 彼女は毎週月曜、朝のミーティングに出ている。
  2. 200人を超える人が、その式に出席した。
  3. 今日は来てくれてありがとう。
  4. カウンターでお待ちのお客様に、対応をお願いします。
  5. あなたが来てくれたことで、その日は彼らにとって特別な一日になった。
  6. 参加者全員に、ささやかな記念品が配られた。
  7. 客室乗務員はほほえんで、彼に水をすすめた。
  8. 小さなことに心を配っていれば、大きなことは後からついてくる。
  9. 心ごと向き合って参加すると、それは相手に伝わる。
  10. 彼はフルタイムで働きながら、夜間学校に通った。