ビジネスメールで見かける「アテンドします」、会議の出席者リストに並ぶ attendee。どちらも attend という動詞から来ています。
この attend、分解すると at + tend。そして後半の tend は、カタカナでおなじみのテンション(tension)とまったく同じ家族です。
「出席する」と「緊張」が同じ語源・・・ここがこの単語の面白いところで、意味の中心をつかむ入り口にもなります。
attend を分解してイメージで覚える
attend をパーツで見ると、こうなります。
at(ad=〜へ、〜に向かって)+ tend(tendere=伸ばす・張る)
つまり「そちらへ向かって伸ばす」。何を伸ばすかというと、自分の心です。
ゴムを引っぱってぴんと張るように、意識を相手や会議のほうへぐっと伸ばす。それが attend の意味の中心です。心を向けて伸ばすから「注意を払う」、その場に身を置いて心を向けるから「出席する」。ひとつのイメージから、両方の意味が自然につながります。
ここで役に立つのがテンションです。tension は「ぴんと張った状態」。日本語では「テンションが高い」=気分が高揚している、という使い方が定着していますが、英語の tension は「張力」「緊張」のほうを指します。この「ぴんと張る」が tend の素顔です。
- tension・・・ぴんと張った状態
- attend・・・心を相手のほうへぴんと伸ばす
同じ「張る・伸ばす」が、片方は物理的な緊張に、片方は意識の集中になった。そう見ると、attend という綴りがずいぶん身近になります。
attend の基本の意味と使い方
attend は他動詞で「〜に出席する」。ここが日本人学習者のつまずきポイントです。
- I attended the meeting.(会議に出席した)
- ✕ I attended to the meeting.
「〜に」につられて to を入れたくなりますが、attend は前置詞なしで目的語を取ります。一方で attend to という形もあり、こちらは意味が変わります。
- attend + 目的語・・・〜に出席する、参加する
- attend to + 目的語・・・〜に対応する、世話をする、処理する
| 形 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| attend a meeting | 会議に出席する | She attends the weekly meeting. |
| attend school | 学校に通う | He attended school in Osaka. |
| attend to a customer | 客に応対する | Please attend to the customer at table 5. |
| attend to the details | 細部に気を配る | I’ll attend to the details later. |
どちらも「心を伸ばす」という根は同じです。会場のほうへ伸ばせば「出席」、目の前の用件のほうへ伸ばせば「対応・世話」。方向が違うだけ、と覚えておくと混乱しません。
tend(伸ばす)でつながる単語ネットワーク
attend の tend を知っておくと、見た目のバラバラな単語が一本の線でつながります。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| extend | 延長する、広げる | ex(外へ)+tend=外へ伸ばす |
| intend | 意図する、〜するつもりだ | in(〜へ)+tend=心を目標へ伸ばす |
| pretend | ふりをする | pre(前に)+tend=前に差し出して見せる |
| distend | 膨張させる | dis(別々に)+tend=四方へ伸びる |
| contend | 争う、主張する | con(共に・対して)+tend=張り合う |
| tendency | 傾向 | ある方向へ伸びていく性質 |
| tension | 緊張、張力 | ぴんと張った状態 |
| tense | 張りつめた | 同上の形容詞形 |
| tent | テント | 布をぴんと張って作る小屋 |
| tendon | 腱 | 骨と筋肉をつなぐ、張られたひも |
| tendril | (植物の)巻きひげ | 伸びていく細い茎 |
テントが「張るもの」だというのは、言われてみれば当たり前なのに、なかなか気づきません。腱(tendon)も同じで、体の中でぴんと張っているひもです。
さらに遠い親戚として、thin(薄い・細い)や tone(音・調子)もこの語根に連なります。弦をぴんと張ると音が出る・・・tone はそこから来ています。monotone(単調な)の tone も同じです。
「tend / tens / tent が入っていたら、たぶん伸ばす・張る話」。そう見えるようになると、初見の単語でも当たりがつけられます。
もうひとつの ten|「持つ」の一族とのつながり
ここは知っておくと得をするところです。
attend の tend(tendere=伸ばす)と、obtain・maintain・contain などの tain(tenere=持つ・保つ)は、別のラテン語動詞です。ただし、さらにさかのぼると同じ語根(伸ばす)にたどりつきます。つまり、親戚だけれど直系ではない、いとこのような関係です。
| 系統 | ラテン語 | 代表的な単語 |
|---|---|---|
| 伸ばす | tendere | attend / extend / intend / pretend / tension / tent |
| 持つ・保つ | tenere | obtain / maintain / contain / retain / sustain / tenant |
「伸ばして届かせる」のが attend、「握って保つ」のが obtain。語源が近いぶん紛らわしいので、この2本立てで整理しておくと、試験でも迷いにくくなります。
派生語|attend 一族
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| attend | 動詞 | 出席する、対応する | アテンド /əˈtend/ |
| attendance | 名詞 | 出席、出席者数 | アテンダンス /əˈtendəns/ |
| attendee | 名詞 | 出席者、参加者 | アテンディー /əˌtenˈdiː/ |
| attendant | 名詞/形容詞 | 係員、接客係/付随する | アテンダント /əˈtendənt/ |
| attention | 名詞 | 注意、注目 | アテンション /əˈtenʃən/ |
| attentive | 形容詞 | 注意深い、気配りのある | アテンティブ /əˈtentɪv/ |
attendee と attendant は混同しやすい組み合わせです。
- attendee・・・出席する側の人(会議の参加者)
- attendant・・・世話をする側の人(flight attendant=客室乗務員)
ちなみに attendee は1951年に定着した比較的新しい語です。それ以前は attender や attendant が使われていましたが、どちらも「人に仕える」ニュアンスを帯びていたため、純粋に「出席者」を指す語として attendee が広まりました。会議の参加者を attendant と呼ぶと「係員」に聞こえかねない・・・そこを埋めた単語、というわけです。 etymonline
TOEIC・英検での出題傾向
attend は TOEIC の頻出語です。Part 4のアナウンスや Part 7の案内文で、attend the seminar、attendance is required、all attendees といった形で繰り返し登場します。
よく問われるポイントは2つ。
- attend は他動詞(attend to との区別)
- attendance / attendee / attendant の品詞と意味の区別(Part 5の語彙問題)
英検では2級〜準1級で見かけます。難しい単語ではないぶん、使い分けで差がつく一語です。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- She attends the morning meeting every Monday.
- More than two hundred people attended the ceremony.
- Thank you for attending today.
- Please attend to the customer waiting at the counter.
- Your attendance made the day special for them.
- Every attendee received a small gift.
- The flight attendant smiled and offered him water.
- Attend to the small things, and the big ones will follow.
- When you attend with your whole heart, people notice.
- He attended night school while working full-time.
語源メモ|「心を伸ばす」から「出席する」まで
attend は、1300年ごろの英語に「〜の影響下にある」という(今は使われない)意味で現れ、14世紀初めには「心や力をある方向に向ける」の意味を持ちました。古フランス語 atendre「待つ、期待する、注意を払う」と、ラテン語 attendere「心を向ける」から来ています。attendere は ad「〜へ」+ tendere「伸ばす」で、文字通りには「〜のほうへ伸ばす」。 etymonline
そこから意味が枝分かれしていきます。「世話をする、仕える」が14世紀半ば、「注意を払う」が15世紀初め、「同行して仕える」「出席している」が15世紀半ば、「結果として付随する」が1610年代。日本語で最もなじみ深い「出席する」は、実は後発の意味だったわけです。 etymonline
フランス語では今も attendre が「待つ」の意味で使われています。英語が「心を向ける」→「その場にいる」へ進んだのに対し、フランス語は「待つ」のほうに留まった。同じ語が、海峡をはさんで別の方向へ伸びたことになります。英語学習者がフランス語を学ぶときにつまずく、有名な「空似の言葉」です。
なお、このPIE語根 *ten-(伸ばす)からは、ラテン語で tendere「伸ばす」と tenere「持つ・保つ」という2つの動詞が生まれました。obtain・maintain・contain の tain はこの tenere 側です。attend と obtain は、遠い親戚ではあるものの直系ではない・・・この区別を押さえておくと、語源の説明で足をすくわれません。 etymonline
まとめ
attend は、at(ad=〜へ)+ tend(tendere=伸ばす)で「心をそちらへ伸ばす」。そこから「注意を払う」「出席する」「対応する」が生まれました。
- tend(伸ばす)・・・extend/intend/pretend/tension/tent/tendon の一族へ
- tension(テンション)・・・「ぴんと張る」が attend の意味の中心をつかむ入り口
- attend 一族・・・attendance(出席)/attendee(出席者)/attendant(係員)/attention(注意)
- tenere(持つ)系・・・obtain/maintain/contain は親戚だが別動詞
会議に出るというのは、ただ体を運ぶことではなく、心をそちらへ伸ばすこと。語源はそう言っています。

関連記事(内部リンク)
- obtain の語源(手に入れる)|tenere「持つ」系 → https://isseisuzuki.org/obtain/
- contentious の語源(争いを呼ぶ)|contend を含む記事 → https://isseisuzuki.org/contentious/
- 【タイパ最強】英単語の語源・パーツ分解全リスト|語源×記憶術で芋づる式に覚える → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/
翻訳練習の解答例
- 彼女は毎週月曜、朝のミーティングに出ている。
- 200人を超える人が、その式に出席した。
- 今日は来てくれてありがとう。
- カウンターでお待ちのお客様に、対応をお願いします。
- あなたが来てくれたことで、その日は彼らにとって特別な一日になった。
- 参加者全員に、ささやかな記念品が配られた。
- 客室乗務員はほほえんで、彼に水をすすめた。
- 小さなことに心を配っていれば、大きなことは後からついてくる。
- 心ごと向き合って参加すると、それは相手に伝わる。
- 彼はフルタイムで働きながら、夜間学校に通った。

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