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【語源で覚える】sometime|s が1つ付くだけで「いつか」が「時々」に変わる

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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英語を書いていて、ふと手が止まる瞬間があります。

「来週のどこかで会いましょう」は、sometime next week だったか、sometimes next week だったか。あるいは some time と2語で書くのが正解だったか。

この3つ、見た目はほとんど同じなのに、中身はまったく別物です。そして面白いのは、その違いが語源をたどると一本の線でつながること。s の正体さえわかれば、もう迷いません。

さらにこの単語、分解すると意外な顔を見せます。time という誰もが知っている語が、実は海の潮(tide)と同じ語源だったり、some が元々「1つ」の意味だったり。中学で習う一番やさしい単語ほど、掘ると深い・・・この記事は、その実例です。

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sometime を分解してイメージで覚える

sometime はパーツで見ると、驚くほど素直です。

some(ある・いくつかの)+ time(時)=「ある時に」

古英語の時代、sumtime という形で「ある時か、別のある時か」という意味で使われていました。今の「いつか」という意味は14世紀後期から。意味の中心は、時間軸のどこかにポツンと打たれた、場所の特定できない点です。

ここが大事なところ。sometime が指しているのは「点」であって、「幅」ではありません。この一点だけ押さえておくと、次のセクションの使い分けが驚くほど簡単になります。

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sometime の基本の意味と使い方

sometime には、副詞と形容詞の2つの顔があります。

副詞「いつか、ある時に」

  • Let’s meet sometime.(いつか会いましょう)
  • I saw him sometime last year.(去年のいつか、彼に会った)
  • Call me sometime next week.(来週のどこかで電話して)

未来にも過去にも使えます。at some point(ある時点で)に置き換えられたら、sometime が正解です。

形容詞「かつての、元〜の」

  • a sometime professor(元教授)
  • the sometime mayor of the city(その市の元市長)

こちらは15世紀後期からの用法で、ややかたい・文章語的な響きがあります。「以前ある時期にそうだった」という副詞の意味が、そのまま形容詞になったものです。履歴書や人物紹介の英文で出会うことがあります。

なお、形容詞の sometime を「時々の、たまの」の意味で使う人もいますが、この用法はすべての辞書・編集者に受け入れられているわけではありません。誤解を避けたいときは、occasional など別の語を選ぶのが安全です。

使い分け|sometime・sometimes・some time

ここが、この記事の本題です。3つを一枚の表に並べます。

形品詞意味答えている問い言い換えテスト
sometime副詞いつか、ある時にいつ?at some point に置き換えられる
sometimes副詞時々、時にはどのくらいの頻度で?occasionally に置き換えられる
some time名詞句しばらくの間、ある程度の時間どのくらいの長さ?a long time に置き換えられる

実例で並べると、違いがはっきりします。

  • sometime:I will finish it sometime next week.(来週のどこかで終わらせます)
  • sometimes:I sometimes work on weekends.(時々、週末も働きます)
  • some time:It will take some time to finish.(終わるには時間がかかります)

迷ったときの判定法は一つだけ。「a long time(長い時間)」を入れて意味が通るなら、2語の some time。通らないなら1語の sometime です。

  • It will take ( a long time ) to finish. → 通る → some time
  • Let’s meet ( a long time ) next week. → 通らない → sometime

そして最後の s。これは複数形の s ではありません。次のセクションで、その正体を見ていきます。

-s でつながる単語ネットワーク|「副詞を作る s」

sometimes は1520年代、sometime の末尾に -s が付いて生まれた比較的新しい語です。この s は「副詞の属格(adverbial genitive)」と呼ばれる、古英語の名残。名詞に -es を付けて副詞として使う、という昔のやり方の化石です。

同じ s を持つ仲間は、実はかなり身近にいます。

単語意味元の形
alwaysいつもall way + s
nowadays近ごろはnow a days(今の日々に)
unawares不意にunaware + s
besidesその上、〜のほかにbeside + s
towards〜の方へtoward + s
backwards後ろ向きにbackward + s
sideways横向きにsideway + s
once / twice / thrice1度/2度/3度-ce は元々 -es の綴り

always が「all way(すべての道)+ s」だと知ると、sometimes が「some time + s」なのも自然に見えてきます。always と sometimes は、同じ作り方で生まれた兄弟なんです。

「いつも」と「時々」。意味は正反対なのに、構造はそっくり。こうして並べると、s が「頻度を表す副詞にする」働きをしているのが見えてきます。

time でつながる単語ネットワーク|潮の満ち引きと同じ語源

ここからは、知っておくと一生忘れない話です。

time は古英語 tima にさかのぼり、ゲルマン祖語 *tima- を経て、印欧祖語の語根 *da-「分ける」 に行き着きます。つまり time の意味の中心は、「区切られた、ひと区切り」。流れ続けるものを人間が切り分けたもの、それが「時間」です。

そして同じ *da- から、もう一つ有名な語が生まれています。

単語意味つながり
time時、時間*da(分ける)=区切られたひと区切り
tide潮の満ち引き古英語 tīd は「時・時期・定刻」。「定刻」→「潮の時刻」へ
tidings便り、知らせtide(その時に起きたこと)から
timelyちょうどよい時のtime + -ly
timeless時を超えたtime + -less
betimes早めに、折にふれてbe + time +(あの副詞の -s)
Zeit(ドイツ語)時tide と同じ *di-ti- 由来

英語のことわざに Time and tide wait for no man.(歳月人を待たず)があります。time と tide を並べた言い回しですが、語源を知ると見え方が変わります。この tide は本来「時」の意味で、同じ語を2回重ねて言い切っている・・・そう読むと、この一文の重みが少し違って感じられませんか。

ちなみに、ギリシャ語 dēmos(民衆)も同じ *da- に由来する可能性が指摘されています。「社会を分けたもの」が原義ではないか、という見立てです。もしそうなら democracy(民主主義)も遠い親戚ということになりますが、この接続は辞書も「おそらく」と留保をつけているので、ここでは豆知識として置いておきます。

some でつながる単語ネットワーク|元の意味は「1つ」

もう一方の some も、たどると意外な場所に出ます。

古英語 sum、ゲルマン祖語 *sumaz を経て、印欧祖語の語根 *sem-「1つ、1つとして、共に」。つまり some の出発点は「1つ」でした。そこから「ある1つの」→「ある不特定の」→「いくつかの」と意味が広がっていったわけです。

まずは、綴りで素直につながる some 一族から。

単語意味
something何か
someone / somebody誰か
somewhereどこかで
somehowどうにかして
someday(未来の)いつか
somewhatいくぶん、やや

これらの多くは中英語の時代からありましたが、17〜19世紀までは2語で書かれることも多かったとされています。sometime と some time が今も両方生き残っているのは、その名残です。くっつくかどうかで意味が分かれた、というわけですね。

-some の正体は3種類ある

ここは、知らないと必ず混乱するポイントです。英単語の末尾に付く -some には、まったく別系統のものが3つあります。

種類例正体
-some ① 形容詞を作るawesome / handsome / troublesome / wholesome / winsome古英語 -sum。some と同じ語で「〜しがちな、〜に満ちた」
-some ② 数詞に付くtwosome / threesome / foursome古英語 sum の代名詞用法(「6人のうちの1組」の形から)
-some ③ 「体」を表すchromosome / ribosome / lysosomeギリシャ語 sōma「体」。①②とは完全に別語源

awesome(すごい)の -some が some と同じ語だ、というのは言われてみれば納得です。awe(畏敬)に満ちている、ということですから。handsome も元は hand + some で「手ごろな、扱いやすい」あたりが出発点でした。

一方、chromosome(染色体)の -some はギリシャ語で「体」。綴りが同じでも中身は完全に無関係です。ここを混同しないだけで、理科系の英単語を見る目がぐっと正確になります。

なお *sem-(1つ)の一族には same・similar・simple・single・simultaneous といった大家族がいます。この広がりは simplicity の記事で詳しく扱っているので、そちらをどうぞ。

派生語|sometime まわり

語形品詞意味発音
sometime副詞いつか、ある時にサムタイム /ˈsʌmtaɪm/
sometime形容詞かつての、元〜のサムタイム /ˈsʌmtaɪm/
sometimes副詞時々、時にはサムタイムズ /ˈsʌmtaɪmz/
some time名詞句しばらくの間サムタイム
someday副詞(未来の)いつかサムデイ /ˈsʌmdeɪ/
somewhat副詞いくぶん、ややサムワット /ˈsʌmwʌt/

TOEIC・英検での出題傾向

sometimes は日常表現として非常に頻度が高く、英検でもリスニング・読解の両方で当たり前のように出てきます。一方 sometime(s なし)は、ビジネス英語で sometime next week / sometime this month / sometime in April といった形で、日程を曖昧に伝えるときによく使われます。TOEIC のメール・案内文のパートで目にする形です。

試験対策として実利があるのは、やはり sometime / sometimes / some time の書き分け。空所補充や語形識別の問題で、意味の違いを問われる可能性があります。「いつ?」「どのくらいの頻度で?」「どのくらいの長さ?」の3択で判断する習慣をつけておくと、本番で手が止まりません。

英作文(ライティング)でも差が出るところです。「しばらく時間がかかります」を sometime と1語で書いてしまうミスは、実際によく見かけます。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Let’s have lunch together sometime.
  2. I will call you sometime next week.
  3. She was a sometime teacher at this school.
  4. Sometime soon, you will look back on today and smile.
  5. We first met sometime in the spring of last year.
  6. You will understand it sometime, even if it takes some time.
  7. Let’s talk about it sometime, not right now.
  8. He is a sometime musician who now runs a small café.
  9. Drop by sometime; the door is always open.
  10. Sometime, somewhere, your work will reach someone.

語源メモ|some と time、そして s の正体

sometime は古英語後期の sumtime「ある時か別の時か」にさかのぼります。some と time の単純な複合語で、語源と意味にズレはありません。中英語には sumtide(14世紀初頭)という、tide を使った形も存在しました。

「不特定の未来のいつか」の意味は14世紀後期から。形容詞「かつての、元〜の」は15世紀後期からで、「過去のある時期にそうだった」という副詞の意味が形容詞化したものです。

sometimes は1520年代。sometime に副詞の属格 -s が付いて生まれました。always・nowadays・unawares と同じ仕組みです。

パーツを個別にさかのぼると、次のようになります。

  • some・・・古英語 sum < ゲルマン祖語 *sumaz < 印欧祖語 *sem-「1つ、1つとして、共に」。same・similar・simple・single と同根
  • time・・・古英語 tima < ゲルマン祖語 *tima- < 印欧祖語 *di-mon-(語根 *da-「分ける」の派生形)。tide・ドイツ語 Zeit と同根

なお、some- で始まる複合語(somewhat・sometime・somewhere など)の多くは中英語期から存在しましたが、17〜19世紀まで2語で書かれることも珍しくありませんでした。現代英語で sometime と some time が別の意味を担って共存しているのは、この「くっつく途中」の状態が固定化した結果です。

*da-(分ける)がギリシャ語 dēmos(民衆)の源でもある、という説については、辞書も「〜かもしれない」という留保つきで記しています。断定はできないため、参考情報として扱ってください。

まとめ

sometime は、some(ある)+ time(時)で「時間軸のどこかの一点」。

  • sometime・・・いつか(点)。「いつ?」に答える
  • sometimes・・・時々(頻度)。副詞の -s が付いた形。always・nowadays と同じ仲間
  • some time・・・しばらくの間(長さ)。「a long time」に置き換えられるかで判定
  • 形容詞の sometime・・・かつての、元〜の
  • time の意味の中心・・・*da「分ける」=区切られたひと区切り。tide(潮)と同語源
  • some の意味の中心・・・*sem「1つ」。same・simple・single と同じ家族
  • -some は3種類・・・awesome の -some/twosome の -some/chromosome の -some(別語源)

s が1つあるかないか。たったそれだけの差に、古英語の文法の名残が残っています。小さな違いにこそ、言葉の歴史が畳み込まれている・・・sometime は、そのことを教えてくれる一語です。

sometime の語源ワードマップ。中心は sometime(=ある時に・時間軸の一点)で、some(ある)+time(分ける)に分解。sometime/sometimes/some timeの使い分け、time系一族(tide/tidings/timely/timeless/betimes)、s・-some系一族(always/nowadays/unawares/awesome)の4クラスターに整理した図。
  • 語源・中心:some(1つ・ある)+ time(区切られたひと区切り)=「ある時に」
  • 使い分け:sometime(いつか)/sometimes(時々)/some time(しばらく)
  • time(分ける)一族:tide/tidings/timely/timeless/betimes/Zeit
  • some(1つ)一族と -s 一族:something/someday/awesome/always/nowadays/unawares

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【タイパ最強】英単語の語源・パーツ分解全リスト|語源×記憶フックで芋づる式に覚える
英単語を最小限の労力でマスターする「語源+パーツ分解」の全リスト。学術的に正確な語源データと、タイパ(時短)を追求した記憶フックを完全分離して掲載。芋づる式に派生語を暗記し、実務やニュースで使える英語力を最速で身につけましょう。

翻訳練習の解答

  1. いつか一緒にランチでもどうですか。
  2. 来週のどこかで、あなたに電話します。
  3. 彼女は、かつてこの学校の先生でした。
  4. そのうちきっと、あなたは今日を振り返って笑うでしょう。
  5. 私たちが初めて会ったのは、去年の春のいつかでした。
  6. 時間はかかっても、あなたはいつかそれを理解します。
  7. それについては、今じゃなく、いつか話しましょう。
  8. 彼は元ミュージシャンで、今は小さなカフェをやっています。
  9. いつでも立ち寄ってください。ドアはいつも開いています。
  10. いつか、どこかで、あなたの仕事は誰かのもとに届きます。

収録語彙リスト

この単語は NAWL(学術)・TSL(TOEIC)・BSL(ビジネス)のすべて に集録されています。学術・試験・実務のどの場面でも使われる、最優先で覚えたい一語です。

NAWL(New Academic Word List)集録語

この単語は New Academic Word List(NAWL) に集録されています。NAWLは大規模な学術コーパスから抽出された960語のリストで、これらを覚えるだけで学術英語の約92%をカバーできます。論文や英字ニュースを読むとき、必ず出会う一語です。出典:New General Service List Project

TSL(TOEIC Service List)集録語

この単語は TOEIC Service List(TSL) に収録されています。TSLはTOEICの出題語彙を分析して作られた1,200語のリストで、これらを押さえればテストに出る語彙の約99%をカバーできます。スコアアップに直結する一語です。
出典:New General Service List Project

BSL(Business Service List)集録語

この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project