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【語源で覚える】simplicity|”シンプル”の sim は、same や single と同じ語源

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「シンプルに考えよう」「シンプルイズベスト」。日本語でもすっかり定着した”シンプル”。この simplicity、見た目のとおり simple(単純な)の名詞形で、「単純さ」「簡潔さ」を表します。

ここまでは、想像どおりかもしれません。でも、この単語を分解してみると、おもしろいつながりが見えてきます。頭の sim は、実は same、similar、single と同じ語源・・・。「シンプル」という馴染みの言葉の奥に、知らなかった仲間がいたんです。

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simplicity を分解してイメージで覚える|sim は “1つ・同じ”

simplicity をパーツで見ると、こうなります。

sim(1つ・同じ)+ plic(折る)+ ity(〜であること)

sim は、ラテン語で「1つ、ともに」を意味する語根。plic は「折る」。合わせて「一つ折りの状態」・・・つまり、重なりも混じりけもない、ひとつにまとまった状態。それが simplicity、単純さの正体です。

simple(単純な)自体が、もともと「1つ折り」という意味だったとわかると、「混じりけがない=単純」という感覚が、すっと腑に落ちます。

ここでもう一つ覚えておくと面白いのが、sim(1つ・同じ)という部分。実は、same(同じ)、similar(似ている)、single(たった1つの)といった単語も、同じ語源から生まれた仲間なんです。詳しくは、この後の「関連語ネットワーク」で紹介します。

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simplicity の基本の意味と使い方

simplicity は「単純さ」「簡潔さ」「簡素さ」を表す名詞です。ものごとが、複雑さを削ぎ落として、分かりやすい形になっている状態を指します。

  • the simplicity of the design(デザインのシンプルさ)
  • for the sake of simplicity(分かりやすくするために)
  • the beauty of simplicity(シンプルさの美しさ)

ビジネスの場面でも、simplicity は好印象の言葉として使われます。手続きや仕組みを simplify(単純化)して simplicity を高める・・・という流れは、業務改善や商品説明で定番のフレーズです。

“sim(1つ・同じ)” でつながる単語ネットワーク

simplicity の意味の中心 sim(1つ・同じ)を知っておくと、まったく別ジャンルに見える単語が、一気につながります。

単語意味イメージ
same同じひとつにまとまっている状態
similar似ているほぼ同じ方向を向いている
simultaneous同時の同じ時に、1つにそろう
simulateまねる、模擬する本物と”同じ”に見せかける
singleたった1つの、独身の1つだけ、混じりけがない
assemble組み立てる、集めるバラバラなものを1つに合わせる
resemble似ている相手と同じ姿に見える
someいくつかのもとは「ひとまとまりの」

「sim/sem が入っていたら、たぶん”1つ・同じ”の話」・・・そう見えるようになると、simultaneous interpretation(同時通訳)や similar products(類似品)といったビジネス表現も、ぐっと身近になります。

※ semi-(semifinal=準決勝、など「半分」の意味)は見た目が似ていますが、別の語源(ラテン語 semi=半分)です。simple の sim(1つ・同じ)とは別ルートなので、混同しないよう整理しておくと安心です。

派生語|simplicity まわり

単語品詞意味発音
simplicity名詞単純さ、簡潔さシンプリシティ /sɪmˈplɪsəti/
simple形容詞単純な、簡単なシンプル /ˈsɪmpl/
simply副詞単に、簡単にシンプリー /ˈsɪmpli/
simplify動詞単純化するシンプリファイ /ˈsɪmplɪfaɪ/
simplification名詞単純化シンプリフィケーション /ˌsɪmplɪfɪˈkeɪʃn/
simplistic形容詞単純化しすぎた(やや否定的)シンプリスティック /sɪmˈplɪstɪk/

simplistic だけは少し注意が必要です。良い意味の simple とは違い、「複雑なことを乱暴に単純化しすぎている」という、やや批判的なニュアンスを持ちます。

TOEIC・英検での出題傾向

simplicity は、TOEICのビジネス文書で頻出です。業務プロセスの改善(process simplicity)、製品説明の分かりやすさ(simplicity of use)、契約・提案書での「簡潔さ」を評価する文脈でよく使われます。simplify(動詞)・simplification(名詞)とあわせてセットで覚えておくと、長文読解でも選択肢の言い換えに気づきやすくなります。英検でも準2級〜2級レベルの頻出語です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Simplicity is the key to good design.
  2. I love the simplicity of this recipe.
  3. There is a quiet beauty in simplicity.
  4. For simplicity, let’s stick to just one method.
  5. Your plan stands out for its simplicity.
  6. The simplicity of her explanation helped everyone understand.
  7. Sometimes, simplicity brings more peace than complexity ever could.
  8. We chose simplicity over a dozen complicated options.
  9. Embrace simplicity, and your days will feel lighter.
  10. You’ll find that true simplicity takes the most thought to create.

語源メモ|sim と plic が出会う言葉

simplicity は、ラテン語 simplicitas(属格 simplicitatis)に由来します。これは形容詞 simplex(属格 simplicis)の名詞形。simplex はさらに、sim(1つ・ともに/PIE *sem-)と、plic(折る/ラテン語 plicāre、PIE *plek-「編む・織る」)が合わさった言葉で、文字どおりの意味は「一つ折りの」。重なりのない、まっすぐな一枚の布・・・そのイメージが、simplicity(単純さ)の正体です。

対になるのが complex(com「ともに」+plex)=「織り合わされた」。simple と complex は、布を織るところから生まれた対義語のペアなんです。

ここで覚えておくと得なのが、sim(1つ・ともに)という部分。これは same・similar・simultaneous・simulate・single・assemble・resemble・some など、たくさんの単語に共通する「1つ・同じ」の核です。simplicity を入り口に、この一族へ広げていけます。

なお、plic(折る)については、application・explicit・implicit・replicate といった記事ですでに詳しく扱っているので、興味があればそちらもあわせてご覧ください。

また、見た目が似ている semi-(「半分」の意味/semifinal など)は、simple の sim とは別のラテン語・別のPIE語根(*semi-「半分」)に由来します。紛らわしいポイントなので、ここで区別しておくと安心です。

まとめ

simplicity は、sim(1つ・同じ)+ plic(折る)+ ity で「一つ折りの状態」=単純さ・簡潔さ。

  • sim(1つ・同じ)・・・same/similar/single などの一族へ
  • plic(折る)・・・application/explicit/replicate などの一族へ(対義語 complex も同じ plex)
  • simplicity は、この「1つ・同じ」一族への入り口でもある

混じりけのない、ひとつにまとまった状態。それが simplicity です。

simplicity の語源ワードマップ。中心は simplicity(=一つ折りの状態=単純さ)で、sim(1つ・同じ)+plic(折る)+ity に分解。sim(1つ・同じ)一族(same / similar / simultaneous / simulate / single)、plicとの対比・注意(対義語 complex、別語源の semi-)、覚え方のヒント(sim=same・singleと同じ"1つ")の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:sim(1つ・同じ)+ plic(折る)+ ity =「一つ折りの状態」
  • sim(1つ・同じ)一族:same/similar/simultaneous/simulate/single/assemble/resemble/some
  • plic(折る)との対比:complex(織り合わされた)
  • 注意:semi-(半分)は別語源

関連記事(内部リンク)

翻訳練習の解答

  1. シンプルさこそ、いいデザインの鍵だ。
  2. このレシピのシンプルさが、私は好きだ。
  3. シンプルさには、静かな美しさがある。
  4. 分かりやすくするために、方法は1つに絞ろう。
  5. あなたの計画は、そのシンプルさが際立っている。
  6. 彼女の説明はシンプルだったから、みんな理解できた。
  7. シンプルさは、複雑さよりずっと穏やかな気持ちをくれることがある。
  8. 私たちは、複雑な選択肢の数々より、シンプルさを選んだ。
  9. シンプルさを受け入れれば、毎日がきっと軽くなる。
  10. 本当のシンプルさを作るには、実は一番頭を使う・・・あなたもきっと、そのことに気づくはずだ。

BSL(Business Service List)集録語

この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project