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【語源で覚える】interfere|インターフェロンの名前は、この単語からできた

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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肝炎やがんの治療の話で、「インターフェロン」という薬の名前を聞いたことがある方は多いと思います。難しそうな医学用語に見えますが、実はこれ、interfere(妨げる・干渉する)からできた名前です。

1957年、ウイルスの増殖を邪魔するタンパク質が見つかりました。名づけた研究者たちは、その働きをそのまま名前にしました。interfere に -on を付けて、interferon。つまり 「ウイルスを邪魔するもの」。それがインターフェロンです。

名前の由来がわかると、薬の働きまで一緒に覚えられます。そしてこの interfere、分解すると意味の中心がはっきり見えてきます。

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interfere を分解してイメージで覚える

interfere をパーツで見ると、こうなります。

inter(間に)+ fere(ferire=打つ・たたく)

inter は「インターネット」「インターハイ」「インターチェンジ」でおなじみの「間に」。問題は後半の fere です。これはラテン語 ferire「打つ・たたく」。

もとの古フランス語 enterferer は、「互いに打ち合う」という物騒な意味でした。二人の間に割って入って、ぶつかる・・・そのイメージが、「邪魔する」「口を出す」へと変わっていきます。

「間に(inter)割って入って、打つ(fere)」=邪魔する

この一枚の絵があれば、interfere の意味は忘れません。ちなみに名詞形の interference は、スポーツの「インターフェア(守備妨害)」、無線やテレビの「混信」、物理の「波の干渉」と、幅広く使われています。全部「割って入って邪魔する」で説明がつきます。

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interfere の基本の意味と使い方

interfere は「邪魔する」「妨げる」「干渉する・口を出す」を表す自動詞です。自動詞なので、単独では使えず、必ず前置詞とセットになります。

  • Loud music interferes with my work.(大きな音楽が仕事の邪魔になる)
  • Please don’t interfere in our family matters.(私たちの家庭の問題に口を出さないでください)
  • Nothing will interfere with our plan.(何も私たちの計画を妨げないだろう)

共通しているのは、「本来そこにいないはずのものが、割って入ってくる」 という感覚です。だから interfere には、少し迷惑そうな、歓迎していないニュアンスが付きまといます。

interfere with と interfere in の使い分け

ここは TOEIC でも英検でも狙われるポイントなので、整理しておきます。

形つなぐ相手意味例
interfere with物事・行為・能力〜の妨げになる、支障をきたすinterfere with sleep / traffic / concentration
interfere in領域・人の問題〜に口を出す、首を突っ込むinterfere in politics / in her private life

ざっくり言うと、with は「じゃまをする」、in は「口を出す」。迷ったら「物事を妨げるなら with、人の領分に踏み込むなら in」と覚えておけば、まず外しません。

なお、似た語の intervene(介入する)は中立〜肯定的にも使えますが、interfere はほぼ否定的です。「ありがたい介入」なら intervene、「余計なお世話」なら interfere です。

ferire(打つ)でつながる単語ネットワーク

interfere の意味の中心 ferire(打つ)は、forare(穴をあける)と同じ親戚筋です。もとをたどると「穴」を表す印欧祖語にいきつきます。

「打つ」と「穴をあける」が同じ家族なのは、日本語の「打ちつける」「突き通す」を思えば自然ですね。

単語意味語源イメージ
interfere妨げる、干渉するinter(間に)+ferire(打つ)
interference妨害、干渉、混信interfere の名詞形
interferonインターフェロンinterfere+-on=ウイルスを邪魔するもの
perforate穴をあけるper(突き抜けて)+forare(穴をあける)
perforationミシン目、穿孔切手やノートの切り取り線がこれ
foramen(解剖)孔、穴forare と同じ「穴」
Foraminifera有孔虫殻に穴が開いた微生物。沖縄の「星の砂」の正体
bore穴をあける、くり抜く古英語 borian。同じ「穴」の家系

切手のミシン目(perforation)と、インターフェロンと、星の砂が同じ家族・・・なかなかの広がりです。

※ 「退屈させる」の bore は1768年ごろに現れた別の語で、この一族とは関係ありません。混ぜないでください。

似ているけど別語源|fer(運ぶ)の一族

ここが interfere 最大の落とし穴です。transfer・refer・infer などの fer を見慣れていると、interfere もその仲間だと思ってしまいます。でも違います。

単語意味語源
transfer移す、転送するtrans(越えて)+ferre(運ぶ)
refer言及する、参照するre(戻して)+ferre(運ぶ)
infer推測する、推論するin(中へ)+ferre(運ぶ)
prefer好むprae(前に)+ferre(運ぶ)
confer授与する、協議するcon(共に)+ferre(運ぶ)
offer申し出るob(〜へ)+ferre(運ぶ)
suffer苦しむ、耐えるsub(下で)+ferre(運ぶ)=下で背負う
fertile肥沃な、多産のferre(実をつける・産む)

こちらは ラテン語 ferre「運ぶ・担う」。つまり、

  • interfere の fere = ferire(打つ)
  • transfer などの fer = ferre(運ぶ)

綴りはそっくりでも、まったく別の家系です。見分け方は簡単で、interfere / interference / interferon の3語だけが「打つ」側、残りの fer は「運ぶ」側と覚えてしまえば実用上は困りません。

派生語|interfere まわり

単語品詞意味発音
interfere動詞妨げる、干渉する、口を出す/ˌɪntərˈfɪr/ インターフィア
interference名詞妨害、干渉、混信/ˌɪntərˈfɪrəns/ インターフィアレンス
interfering形容詞おせっかいな、差し出がましい/ˌɪntərˈfɪrɪŋ/ インターフィアリング
interferon名詞インターフェロン/ˌɪntərˈfɪrɑːn/ インターフィラン

発音で一つ注意を。日本語の「インターフェロン」はドイツ語読みに近い形で定着していて、英語では「インターフィラン」に近い音になります。医療英語を扱う方は、ここだけ切り替えが要ります。

TOEIC・英検での出題傾向

TOEIC では interfere with が圧倒的に多く登場します。工事の騒音が業務の妨げになる、天候が配送に支障をきたす、といった文脈です。Part 5 の語彙問題で、prevent・disturb・interrupt との選び分けを問われることもあります。

英検では準1級あたりの語彙として見かけます。interference(干渉・妨害)も合わせて押さえておくと安心です。

interfere in は、国際ニュースの定番表現(他国の内政に干渉する)でもあるので、長文読解で出会う可能性が高い形です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Try not to interfere when someone is learning.
  2. Don’t let one bad day interfere with your plans.
  3. Loud noise can interfere with your concentration.
  4. Her parents never interfere in her choices.
  5. Nothing should interfere with your rest today.
  6. Interferon interferes with viruses inside our cells.
  7. The storm did not interfere with the festival.
  8. You can say no when someone interferes too much.
  9. Small worries often interfere with big decisions.
  10. Let nothing interfere with the person you want to become.

語源メモ|「打ち合う」から「邪魔する」へ

interfere が英語に現れるのは15世紀半ば、当時は enterferen という綴りでした。最初の意味は「混ぜ合わせる、間に入れる」。出どころは古フランス語 enterferer「打撃を交わす、互いに打ち合う」で、entre(間に)+ ferir(打つ)という構成です。

この ferir は、ラテン語 ferire「打つ、たたく」。ferire は同じくラテン語の forare「穴をあける、貫く」と近い関係にあり、さらにさかのぼると印欧祖語の「穴」を表す語根に行き着きます。「打つ」と「穴」が一つにつながるのは、英語の punch が「殴る」と「穴をあける」の両方を持つのと同じ感覚です。パンチで穴をあける、あのパンチです。

「不当に口を出す、干渉する」という比喩的な意味が定着したのは1630年代。名詞 interference は1783年に「おせっかい」の意味で作られ、1802年にイギリスの科学者トマス・ヤングが**光の波の「干渉」**という物理学用語として使い始めました。電話・ラジオの「混信」が1887年、アメリカンフットボールの「インターフェア」が1894年、チェスでの用法が1913年。一つの語が、医学・物理・スポーツ・通信へと散らばっていった様子がよく見えます。

そして1957年、ウイルスの増殖を妨げるタンパク質が発見され、interfere に素粒子などに使う接尾辞 -on を付けて interferon と命名されました。「邪魔するもの」が、そのまま薬の名前になったわけです。

最後に、本文でも触れた注意点をもう一度。transfer・refer・infer・prefer・confer・offer・suffer の fer は、ラテン語 ferre「運ぶ」であって、interfere の ferire「打つ」とは別語源です。 綴りが似ているだけに、ここを混同した解説は少なくありません。覚えるときは「interfere だけは打つ側」と線を引いておいてください。

まとめ

interfere は、inter(間に)+ ferire(打つ)で「間に割って入って打つ」・・・そこから「妨げる・干渉する・口を出す」。

  • inter・・・間に。インターネット、インターチェンジでおなじみ
  • ferire(打つ)・・・forare(穴をあける)と同族。perforate/perforation/foramen/bore へ
  • interferon・・・interfere + -on。ウイルスを邪魔するものだから、この名前
  • 使い分け・・・物事を妨げるなら with、人の領分に踏み込むなら in
  • 落とし穴・・・transfer などの fer(運ぶ・ferre)とは別語源

誰かの、何かの「間に割って入る」。それが interfere の意味の中心です。

interfere の語源ワードマップ。中心は interfere(=間に割って入って打つ)で、inter(間に)+ferire(打つ)に分解。ferire(打つ)一族(interference / interferon / perforate / perforation / foramen / bore)、別語源の fer(運ぶ)一族(transfer / refer / infer / prefer / confer / offer / suffer)、覚え方のヒント(インターフェロン=ウイルスを邪魔するもの、with/inの使い分け)の4クラスタに整理した図。

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翻訳練習の解答

  1. 誰かが学んでいるときは、口を出さないようにしよう。
  2. 一日うまくいかなかったくらいで、予定を崩さなくていい。
  3. 大きな音は、集中の妨げになることがある。
  4. 彼女の両親は、彼女の選択に口を出さない。
  5. 今日は、休むことを何にも邪魔させないで。
  6. インターフェロンは、細胞の中でウイルスの働きを妨げる。
  7. 嵐は、お祭りの妨げにはならなかった。
  8. 誰かが踏み込みすぎてきたら、断っていい。
  9. 小さな心配事が、大きな決断の邪魔をすることはよくある。
  10. なりたい自分になることを、何にも邪魔させないで。

集録語彙リスト

この単語は NAWL(学術)・TSL(TOEIC)・BSL(ビジネス)のすべて に集録されています。学術・試験・実務のどの場面でも使われる、最優先で覚えたい一語です。

NAWL(New Academic Word List)集録語

この単語は New Academic Word List(NAWL) に集録されています。NAWLは大規模な学術コーパスから抽出された960語のリストで、これらを覚えるだけで学術英語の約92%をカバーできます。論文や英字ニュースを読むとき、必ず出会う一語です。出典:New General Service List Project

TSL(TOEIC Service List)集録語

この単語は TOEIC Service List(TSL) に収録されています。TSLはTOEICの出題語彙を分析して作られた1,200語のリストで、これらを押さえればテストに出る語彙の約99%をカバーできます。スコアアップに直結する一語です。
出典:New General Service List Project

BSL(Business Service List)集録語

この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project