important は、中学で習う一番やさしい形容詞のひとつですよね。「重要な」。テストでも会話でも、まず間違えない単語です。
でも、この綴りをゆっくり眺めたことはあるでしょうか。
important。
頭に、import(インポート)がまるごと入っています。データをインポートする、インポート家具・・・日本語でもすっかりおなじみのあの語です。
「取り込む」と「重要な」。意味がつながらない気がしますよね。でも、ここがつながった瞬間に、important だけでなく support も report も transport も、ついでに sport まで、全部が一本の線で結ばれます。
important を分解してイメージで覚える|中に運び込まれる「重み」
important をパーツで見ると、こうなります。
im(in=中へ)+ port(運ぶ)+ ant(〜している)
port の部分は、ラテン語の portare「運ぶ」。そのまま「中へ運び込んでいる」です。
では、なぜそれが「重要な」になるのか。
イメージは、荷物ではなく重みです。誰かが話を持ち込んでくる。その話が、こちらの中にずしりと重さを運び込んでくる。軽く流せない、無視できない。それが important の意味の中心です。
英語の定義にも、この感覚がそのまま残っています。important は古くから「重み(weight)や結果(consequence)を伴う」という言い方で説明されてきました。「中に運び込まれた重さ」が、そのまま「重要さ」になっている。きれいに一致しています。
つまり important は、語源と覚え方がぴったり重なるタイプの単語です。無理なこじつけをしなくていい、ありがたい一語でもあります。
important の基本の意味と使い方
important は「重要な、大切な」を表す形容詞です。
- an important meeting(重要な会議)
- It is important to rest.(休むことが大切だ)
- It is important for you to know this.(あなたがこれを知っておくことが大切だ)
- more important(より重要な)/ most important(最も重要な)
important は3音節以上の形容詞なので、比較級・最上級は more / most を使います。importanter とは言いません。ここは地味ですが、英作文で落としやすいところです。
もうひとつ、文頭で使う More importantly,(さらに重要なことに)という副詞の形も、プレゼンや論述でよく出てきます。More important, と形容詞のまま使う人もいて、どちらも実際に使われています。
「輸入する」より先にあった意味|import が運んでいたのは荷物ではなく「意味」
ここからが、ちょっと驚きのある話です。
英語の import という動詞、最初に記録された意味は「輸入する」ではありません。15世紀前半、import は**「意味する、示す、(意味を)伝える」**という意味で使われていました。
「外国から品物を持ち込む」の意味が記録されるのは、1540年代。100年以上あとなんです。
さらに「重要である」という動詞用法が出てくるのが1580年代。同じころ、名詞の import にも「重要性、意味」という意味が生まれます(「輸入品」という名詞の意味は1680年代で、これが最後発)。
この「重要性・意味」の import は、今も生きています。
- a matter of great import(きわめて重要な事柄)
- the full import of his words(彼の言葉の本当の意味するところ)
少し硬い表現ですが、ニュースや論説では today も出てきます。「インポート=輸入」しか知らないと、ここで止まってしまう。
順番を整理すると、こうです。
- import=意味を運び込む(15世紀前半)
- そこから important=重みを運び込んでいる=重要な(15世紀半ば)
- ずっとあとに import=輸入する(1540年代)
私たちがカタカナで知っている「インポート」は、実は一番新しい層なんですね。important の中の import は、荷物ではなく意味を運んでいる import だった・・・そう考えると、両者がつながります。
ついでにもう一つ。important には1713年から「もったいぶった、偉そうな」という意味も生まれています。self-important(うぬぼれた)という語に、その気配が残っています。「自分を重く見せようとする人」。少し皮肉の効いた派生です。
port(運ぶ)でつながる単語ネットワーク
portare(運ぶ)を知っておくと、見た目がバラバラな単語が一気に整列します。
| 単語 | 意味 | 分解とイメージ |
|---|---|---|
| import | 輸入する/意味する | im(中へ)+port=中に運び込む |
| export | 輸出する | ex(外へ)+port=外へ運び出す |
| transport | 輸送する/うっとりさせる | trans(越えて)+port=向こうへ運ぶ |
| report | 報告する | re(戻して)+port=持ち帰って伝える |
| support | 支える、支援する | sub(下から)+port=下から持ち上げて運ぶ |
| portable | 持ち運べる | port+able=運べる |
| porter | (荷物を運ぶ)ポーター | portare+-or=運ぶ人 |
| portfolio | 書類入れ、作品集 | 紙(foglio)を運ぶもの |
| portmanteau | 旅行かばん/かばん語 | porte(運べ)+manteau(マント) |
| deport | 国外退去させる | de(離して)+port=運び去る |
| sport | スポーツ、気晴らし | dis(離して)+port=(心を)運び去る |
表の最後、見間違いではありません。sport は port 一族です。
もとの形は disport。「(深刻なことから)心を運び去る」という意味で、14世紀末には「楽しむ、気晴らしをする」。頭の dis- が落ちて sport になりました。「体を動かす競技」という意味に絞られていくのは、ずっとあとの1520年代ごろです。
support も、知ってしまうと見え方が変わります。sub(下から)+ portare(運ぶ)。誰かを支えるというのは、下から持ち上げて運んでいる状態なんですね。サポーターという言葉が少しあたたかく見えてきます。
transport にも、物を運ぶだけでなく「感情で我を忘れさせる、うっとりさせる」という意味があります。心を向こう側へ運んでしまう、ということです。
同じ綴りなのに親が違う|portare と porta・portus
ここは中級者向けの、ちょっと細かい話です。でも知っておくと、語源の表を自分で読めるようになります。
英語の port- で始まる単語には、実は3人の親がいます。
| ラテン語 | 意味 | この一族の単語 |
|---|---|---|
| portare | 運ぶ | import/export/report/support/transport/portable/sport |
| porta | 門、戸口 | portal/porch/portcullis(落とし格子) |
| portus | 港 | port(港)/opportunity |
おもしろいのが porter です。英語の porter には、まったく別の出自を持つ2語があります。
- porter(荷物を運ぶ人)・・・portare(運ぶ)から。ホテルのポーター、登山のポーター。
- porter(門番、守衛)・・・porta(門)から。門を守る人。
綴りも発音も同じなのに、親が違う。偶然そっくりになった他人です。ついでに黒ビールの porter(1734年)は、荷運び人の porter にちなむと言われますが、OEDは当時の直接的な証拠はないと注意しています。おいしい話ほど、裏が取れないことがあります。
そして opportunity。これも port が見えますが、こちらは portus(港)側です。もとは「ob portum veniens=港に向かって(風が)吹いてくる」という言い方から。帆船が港へ入れる、追い風が吹いている状態。それが「好機、チャンス」になりました。
important の port(運ぶ)と、opportunity の port(港)。遠い親戚ではありますが、直系ではありません。ここを混ぜずに切り分けられると、語源の精度がぐっと上がります。
派生語|important まわり
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| important | 形容詞 | 重要な、大切な | インポータント /ɪmˈpɔːrtnt/ |
| importantly | 副詞 | 重要なことに | インポータントリー /ɪmˈpɔːrtntli/ |
| importance | 名詞 | 重要性 | インポータンス /ɪmˈpɔːrtns/ |
| unimportant | 形容詞 | 重要でない | アンインポータント /ˌʌnɪmˈpɔːrtnt/ |
| self-important | 形容詞 | うぬぼれた、偉そうな | セルフインポータント |
| import | 動詞・名詞 | 輸入する/輸入品/重要性 | インポート /ɪmˈpɔːrt/(動)/ˈɪmpɔːrt/(名) |
| importer | 名詞 | 輸入業者 | インポーター |
| importation | 名詞 | 輸入 | インポーテイション |
import は、動詞と名詞でアクセントの位置が変わります。動詞は後ろ(imPORT)、名詞は前(IMport)。export も同じパターンです。リスニングで地味に効いてきます。
TOEIC・英検での出題傾向
important は英検3級レベルから出てくる超基本語なので、「覚える」対象というより「使いこなす」対象です。
TOEICで差がつくのは、むしろ周辺です。import / export / importer は貿易や物流の文脈でPart 7の定番。importance は「the importance of 〜」の形で頻出します。
文法では、It is important that S (should) do の形。that節の中が原形になる(仮定法現在)パターンは、Part 5で狙われます。
- It is important that he be on time.(彼が時間通りに来ることが重要だ)
アメリカ英語では should を省いて原形のまま、イギリス英語では should be を使う傾向があります。どちらも正しい形です。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- Your health is more important than any deadline.
- This meeting is important, so please join us.
- What you said today was important to me.
- It is important to rest when you are tired.
- She shared an important lesson with her students.
- You are more important to this team than you think.
- The report included several important numbers.
- Nothing is more important than the people you care about.
- More importantly, you did not give up.
- Small kindnesses are often the most important ones.
語源メモ|importare が運んだもの
important は15世紀半ばの英語に現れます。もとは中世ラテン語 importantem(主格 importans)「重要な、重大な」で、これは動詞 importare「意味を持つ」の現在分詞が形容詞になったものです。
その importare をさらにさかのぼると、ラテン語の importare「中へ運び込む、運ぶ、外国から持ち込む」。in-(中へ)+ portare(運ぶ)という構成です。
名詞の importance は1500年ごろ、中世ラテン語 importantia から。英語の import(動詞)は15世紀前半に「意味する・示す」の意味で入り、「輸入する」は1540年代、「重要である」は1580年代。名詞の import は1580年代に「重要性・意味」、1680年代に「輸入品」。この年代の順番が、important の意味を理解する鍵になります。
portare は、ラテン語の porta(門、戸口)、portus(港)と親戚関係にあります。ただし別々の語なので、派生した英単語も系統が分かれます。さらにその先、印欧祖語の *per-「導く、通り越す」までさかのぼる説が有力ですが、etymonline もここは「すべて、あるいは一部がこの語根から来ている可能性がある」という慎重な書き方をしています。断言はしないでおきます。
sport については、14世紀末の disport(des-「離して」+ porter「運ぶ」)の頭が落ちた形。「心を深刻なことから運び去る」という語源的な意味でした。portmanteau(旅行かばん)は1580年代、フランス語 porte(運べ)+ manteau(マント)から。「かばん語」の意味はルイス・キャロルの造語として知られています。
まとめ
important は、im(中へ)+ port(運ぶ)+ ant で「中に重みを運び込んでいる」=重要な。
- im(in)・・・中へ
- port(portare)・・・運ぶ。import/export/report/support/transport/sport へ
- 英語の import は「意味する」が先、「輸入する」は100年後
- port- には親が3人・・・portare(運ぶ)/porta(門)/portus(港)
誰かの言葉が心にずしりと残ったとき、それは文字どおり、あなたの中に何かが運び込まれたということ。important とは、そういう重さのことです。

- 語源・中心:im(中へ)+ port(運ぶ)+ ant =「中に重みを運び込んでいる」
- 覚え方のヒント:important の中に import。運ばれているのは荷物ではなく「意味・重み」
- portare(運ぶ)一族:import/export/report/support/transport/portable/porter/sport
- 別の親(混同注意):porta(門)→ portal/porch / portus(港)→ port/opportunity
関連記事(内部リンク)
- support の語源(下から運んで支える)→ (近日中に公開)
- transport の語源(越えて運ぶ)→ (近日中に公開)
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- 【タイパ最強】英単語の語源・パーツ分解全リスト|語源×記憶術で芋づる式に覚える
👇 → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/

翻訳練習の解答
- あなたの健康は、どんな締め切りよりも大切だ。
- この打ち合わせは大事なので、ぜひ参加してほしい。
- 今日あなたが言ってくれたことは、私にとって大きな意味があった。
- 疲れているときは、休むことが大切だ。
- 彼女は生徒たちに、大切な教訓をひとつ伝えた。
- あなたは自分で思っている以上に、このチームにとって大切な存在だ。
- その報告書には、重要な数字がいくつも入っていた。
- 大切に思う人たち以上に重要なものは、何もない。
- もっと大事なのは、あなたが諦めなかったということだ。
- ささやかな親切こそ、いちばん大切なことだったりする。
NGSL 収録語用
この単語は New General Service List(NGSL) に収録されています。NGSL は、大規模な英語コーパスから選ばれた約2,800語の基礎語彙リストで、これらを覚えるだけで一般的な英文の約92%をカバーできます。日常でも英文読解でも、何度も出会う基本の一語です。


