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【語源で覚える】important|インポートが入っているのに「重要」になる理由

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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important は、中学で習う一番やさしい形容詞のひとつですよね。「重要な」。テストでも会話でも、まず間違えない単語です。

でも、この綴りをゆっくり眺めたことはあるでしょうか。

important。

頭に、import(インポート)がまるごと入っています。データをインポートする、インポート家具・・・日本語でもすっかりおなじみのあの語です。

「取り込む」と「重要な」。意味がつながらない気がしますよね。でも、ここがつながった瞬間に、important だけでなく support も report も transport も、ついでに sport まで、全部が一本の線で結ばれます。

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important を分解してイメージで覚える|中に運び込まれる「重み」

important をパーツで見ると、こうなります。

im(in=中へ)+ port(運ぶ)+ ant(〜している)

port の部分は、ラテン語の portare「運ぶ」。そのまま「中へ運び込んでいる」です。

では、なぜそれが「重要な」になるのか。

イメージは、荷物ではなく重みです。誰かが話を持ち込んでくる。その話が、こちらの中にずしりと重さを運び込んでくる。軽く流せない、無視できない。それが important の意味の中心です。

英語の定義にも、この感覚がそのまま残っています。important は古くから「重み(weight)や結果(consequence)を伴う」という言い方で説明されてきました。「中に運び込まれた重さ」が、そのまま「重要さ」になっている。きれいに一致しています。

つまり important は、語源と覚え方がぴったり重なるタイプの単語です。無理なこじつけをしなくていい、ありがたい一語でもあります。

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important の基本の意味と使い方

important は「重要な、大切な」を表す形容詞です。

  • an important meeting(重要な会議)
  • It is important to rest.(休むことが大切だ)
  • It is important for you to know this.(あなたがこれを知っておくことが大切だ)
  • more important(より重要な)/ most important(最も重要な)

important は3音節以上の形容詞なので、比較級・最上級は more / most を使います。importanter とは言いません。ここは地味ですが、英作文で落としやすいところです。

もうひとつ、文頭で使う More importantly,(さらに重要なことに)という副詞の形も、プレゼンや論述でよく出てきます。More important, と形容詞のまま使う人もいて、どちらも実際に使われています。

「輸入する」より先にあった意味|import が運んでいたのは荷物ではなく「意味」

ここからが、ちょっと驚きのある話です。

英語の import という動詞、最初に記録された意味は「輸入する」ではありません。15世紀前半、import は**「意味する、示す、(意味を)伝える」**という意味で使われていました。

「外国から品物を持ち込む」の意味が記録されるのは、1540年代。100年以上あとなんです。

さらに「重要である」という動詞用法が出てくるのが1580年代。同じころ、名詞の import にも「重要性、意味」という意味が生まれます(「輸入品」という名詞の意味は1680年代で、これが最後発)。

この「重要性・意味」の import は、今も生きています。

  • a matter of great import(きわめて重要な事柄)
  • the full import of his words(彼の言葉の本当の意味するところ)

少し硬い表現ですが、ニュースや論説では today も出てきます。「インポート=輸入」しか知らないと、ここで止まってしまう。

順番を整理すると、こうです。

  1. import=意味を運び込む(15世紀前半)
  2. そこから important=重みを運び込んでいる=重要な(15世紀半ば)
  3. ずっとあとに import=輸入する(1540年代)

私たちがカタカナで知っている「インポート」は、実は一番新しい層なんですね。important の中の import は、荷物ではなく意味を運んでいる import だった・・・そう考えると、両者がつながります。

ついでにもう一つ。important には1713年から「もったいぶった、偉そうな」という意味も生まれています。self-important(うぬぼれた)という語に、その気配が残っています。「自分を重く見せようとする人」。少し皮肉の効いた派生です。

port(運ぶ)でつながる単語ネットワーク

portare(運ぶ)を知っておくと、見た目がバラバラな単語が一気に整列します。

単語意味分解とイメージ
import輸入する/意味するim(中へ)+port=中に運び込む
export輸出するex(外へ)+port=外へ運び出す
transport輸送する/うっとりさせるtrans(越えて)+port=向こうへ運ぶ
report報告するre(戻して)+port=持ち帰って伝える
support支える、支援するsub(下から)+port=下から持ち上げて運ぶ
portable持ち運べるport+able=運べる
porter(荷物を運ぶ)ポーターportare+-or=運ぶ人
portfolio書類入れ、作品集紙(foglio)を運ぶもの
portmanteau旅行かばん/かばん語porte(運べ)+manteau(マント)
deport国外退去させるde(離して)+port=運び去る
sportスポーツ、気晴らしdis(離して)+port=(心を)運び去る

表の最後、見間違いではありません。sport は port 一族です。

もとの形は disport。「(深刻なことから)心を運び去る」という意味で、14世紀末には「楽しむ、気晴らしをする」。頭の dis- が落ちて sport になりました。「体を動かす競技」という意味に絞られていくのは、ずっとあとの1520年代ごろです。

support も、知ってしまうと見え方が変わります。sub(下から)+ portare(運ぶ)。誰かを支えるというのは、下から持ち上げて運んでいる状態なんですね。サポーターという言葉が少しあたたかく見えてきます。

transport にも、物を運ぶだけでなく「感情で我を忘れさせる、うっとりさせる」という意味があります。心を向こう側へ運んでしまう、ということです。

同じ綴りなのに親が違う|portare と porta・portus

ここは中級者向けの、ちょっと細かい話です。でも知っておくと、語源の表を自分で読めるようになります。

英語の port- で始まる単語には、実は3人の親がいます。

ラテン語意味この一族の単語
portare運ぶimport/export/report/support/transport/portable/sport
porta門、戸口portal/porch/portcullis(落とし格子)
portus港port(港)/opportunity

おもしろいのが porter です。英語の porter には、まったく別の出自を持つ2語があります。

  • porter(荷物を運ぶ人)・・・portare(運ぶ)から。ホテルのポーター、登山のポーター。
  • porter(門番、守衛)・・・porta(門)から。門を守る人。

綴りも発音も同じなのに、親が違う。偶然そっくりになった他人です。ついでに黒ビールの porter(1734年)は、荷運び人の porter にちなむと言われますが、OEDは当時の直接的な証拠はないと注意しています。おいしい話ほど、裏が取れないことがあります。

そして opportunity。これも port が見えますが、こちらは portus(港)側です。もとは「ob portum veniens=港に向かって(風が)吹いてくる」という言い方から。帆船が港へ入れる、追い風が吹いている状態。それが「好機、チャンス」になりました。

important の port(運ぶ)と、opportunity の port(港)。遠い親戚ではありますが、直系ではありません。ここを混ぜずに切り分けられると、語源の精度がぐっと上がります。

派生語|important まわり

単語品詞意味発音
important形容詞重要な、大切なインポータント /ɪmˈpɔːrtnt/
importantly副詞重要なことにインポータントリー /ɪmˈpɔːrtntli/
importance名詞重要性インポータンス /ɪmˈpɔːrtns/
unimportant形容詞重要でないアンインポータント /ˌʌnɪmˈpɔːrtnt/
self-important形容詞うぬぼれた、偉そうなセルフインポータント
import動詞・名詞輸入する/輸入品/重要性インポート /ɪmˈpɔːrt/(動)/ˈɪmpɔːrt/(名)
importer名詞輸入業者インポーター
importation名詞輸入インポーテイション

import は、動詞と名詞でアクセントの位置が変わります。動詞は後ろ(imPORT)、名詞は前(IMport)。export も同じパターンです。リスニングで地味に効いてきます。

TOEIC・英検での出題傾向

important は英検3級レベルから出てくる超基本語なので、「覚える」対象というより「使いこなす」対象です。

TOEICで差がつくのは、むしろ周辺です。import / export / importer は貿易や物流の文脈でPart 7の定番。importance は「the importance of 〜」の形で頻出します。

文法では、It is important that S (should) do の形。that節の中が原形になる(仮定法現在)パターンは、Part 5で狙われます。

  • It is important that he be on time.(彼が時間通りに来ることが重要だ)

アメリカ英語では should を省いて原形のまま、イギリス英語では should be を使う傾向があります。どちらも正しい形です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Your health is more important than any deadline.
  2. This meeting is important, so please join us.
  3. What you said today was important to me.
  4. It is important to rest when you are tired.
  5. She shared an important lesson with her students.
  6. You are more important to this team than you think.
  7. The report included several important numbers.
  8. Nothing is more important than the people you care about.
  9. More importantly, you did not give up.
  10. Small kindnesses are often the most important ones.

語源メモ|importare が運んだもの

important は15世紀半ばの英語に現れます。もとは中世ラテン語 importantem(主格 importans)「重要な、重大な」で、これは動詞 importare「意味を持つ」の現在分詞が形容詞になったものです。

その importare をさらにさかのぼると、ラテン語の importare「中へ運び込む、運ぶ、外国から持ち込む」。in-(中へ)+ portare(運ぶ)という構成です。

名詞の importance は1500年ごろ、中世ラテン語 importantia から。英語の import(動詞)は15世紀前半に「意味する・示す」の意味で入り、「輸入する」は1540年代、「重要である」は1580年代。名詞の import は1580年代に「重要性・意味」、1680年代に「輸入品」。この年代の順番が、important の意味を理解する鍵になります。

portare は、ラテン語の porta(門、戸口)、portus(港)と親戚関係にあります。ただし別々の語なので、派生した英単語も系統が分かれます。さらにその先、印欧祖語の *per-「導く、通り越す」までさかのぼる説が有力ですが、etymonline もここは「すべて、あるいは一部がこの語根から来ている可能性がある」という慎重な書き方をしています。断言はしないでおきます。

sport については、14世紀末の disport(des-「離して」+ porter「運ぶ」)の頭が落ちた形。「心を深刻なことから運び去る」という語源的な意味でした。portmanteau(旅行かばん)は1580年代、フランス語 porte(運べ)+ manteau(マント)から。「かばん語」の意味はルイス・キャロルの造語として知られています。

まとめ

important は、im(中へ)+ port(運ぶ)+ ant で「中に重みを運び込んでいる」=重要な。

  • im(in)・・・中へ
  • port(portare)・・・運ぶ。import/export/report/support/transport/sport へ
  • 英語の import は「意味する」が先、「輸入する」は100年後
  • port- には親が3人・・・portare(運ぶ)/porta(門)/portus(港)

誰かの言葉が心にずしりと残ったとき、それは文字どおり、あなたの中に何かが運び込まれたということ。important とは、そういう重さのことです。

important の語源ワードマップ。中心は important(=中に重みを運び込む)で、im(中へ)+port(運ぶ)+ant に分解。ラテン語 portare(運ぶ)系の単語(import/export/report/support/transport/portable/porter)、混同しやすい別系統(porta=門→portal・porch、portus=港→port・opportunity)、覚え方のヒント(important の中に import、運ばれるのは意味と重み)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:im(中へ)+ port(運ぶ)+ ant =「中に重みを運び込んでいる」
  • 覚え方のヒント:important の中に import。運ばれているのは荷物ではなく「意味・重み」
  • portare(運ぶ)一族:import/export/report/support/transport/portable/porter/sport
  • 別の親(混同注意):porta(門)→ portal/porch / portus(港)→ port/opportunity

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  • support の語源(下から運んで支える)→ (近日中に公開)
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翻訳練習の解答

  1. あなたの健康は、どんな締め切りよりも大切だ。
  2. この打ち合わせは大事なので、ぜひ参加してほしい。
  3. 今日あなたが言ってくれたことは、私にとって大きな意味があった。
  4. 疲れているときは、休むことが大切だ。
  5. 彼女は生徒たちに、大切な教訓をひとつ伝えた。
  6. あなたは自分で思っている以上に、このチームにとって大切な存在だ。
  7. その報告書には、重要な数字がいくつも入っていた。
  8. 大切に思う人たち以上に重要なものは、何もない。
  9. もっと大事なのは、あなたが諦めなかったということだ。
  10. ささやかな親切こそ、いちばん大切なことだったりする。

NGSL 収録語用

この単語は New General Service List(NGSL) に収録されています。NGSL は、大規模な英語コーパスから選ばれた約2,800語の基礎語彙リストで、これらを覚えるだけで一般的な英文の約92%をカバーできます。日常でも英文読解でも、何度も出会う基本の一語です。

出典:New General Service List Project