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【語源で覚える】appreciate|頭の “app” は、あの up?

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「アプリシエイト」と聞くと、まず浮かぶのは “I appreciate it.”(ありがとう)あたりでしょうか。じっと見ると、頭に app がいます。ここを、なんとなく up(上へ) と重ねてみてください。

じつは appreciate には「(資産や通貨の)価値が上がる」という意味も本当にあります。

だから “app → up、価値がUPする” というイメージは、この単語の感覚とぴったり重なります。

価値がUP → 高く見る(評価する)→ 価値を認めてありがたく思う(感謝する)。

全部、”価値がUP” から地続きです。

でも、この記事の本当の主役は真ん中の preci(価値)。ここを押さえると、まったく別の顔に見える price・precious・praise までが、一本の線でつながります。

※ この記事は、対義語の depreciate(価値が下がる・減価償却)と対にして読むと効きます。app が “UP” なら、de は “DOWN”。同じ preci(価値)を、上げるか下げるかの違いです。

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appreciate を分解してイメージで覚える|真ん中の “preci” が主役

appreciate をパーツで見ると、こうなります。

ap(ad=〜へ)+ preci(pretium=価値)+ ate(〜にする)

覚え方のコツを一つ。頭の appup に重ねて、「価値がUPする」。appreciate には本当に「値上がりする」意味があるので、このイメージはそのまま使えます。価値がUP → 高く見る → ありがたく思う、と一直線です。

でも芯は真ん中の preci(価値)。「価値に向かって(ap)、価値をつける(preci)」・・・それが appreciate の骨格です。誰かの親切、絵の美しさ、静かな朝。その”価値”に気づいて、認める。だから「評価する」にも「感謝する」にもなります。

※ 正確には、頭の app はラテン語 ad(〜へ)が p の前で形を変えたもの(ad+p→app)で、up とは語源が別です。芯は preci(pretium=価値)。並びが似ているので「価値がUP」を思い出すフックとして使っています。

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appreciate の基本の意味と使い方

appreciate は、根っこは一つ(価値を認める)なのに、三つの顔を持つ動詞です。

  • 価値を認める・よさがわかる:I appreciate good coffee.(いいコーヒーの価値がわかる)
  • 感謝する:I really appreciate your help.(本当に助かりました)
  • (資産・通貨が)値上がりする:Your investment should appreciate over time.(投資は時間とともに値上がりするはず)

ビジネスの定番は、ていねいな依頼の I would appreciate it if you could reply by Friday.(金曜までにご返信いただけると助かります)。

どの意味も、たどれば「価値を認める(preci)」の一点です。人の行為の価値がわかるから「ありがとう」になり、モノの価値が上がるから「値上がり」になる。バラバラに見えて、実は同じ動きです。

“preci(価値)” でつながる単語ネットワーク

appreciate の芯 preci/pret(pretium=価値・価格)を知っておくと、見た目がまるで違う単語が一気につながります。

単語意味イメージ
price価格pretium そのもの=ねだん
precious貴重な価値が高い(pretiosus)
praiseほめる価値を認めて口に出す
prize賞、賞品価値あるもの=ほうび
appraise査定する、見積もるap(〜へ)+praise=価値をつける
appreciate価値を認める、感謝するap+preci=価値に向かう
depreciate価値を下げる、減価償却de(下へ)+preci=価値がDOWN

いちばん驚くのは、price(値段)と praise(ほめる)が親戚だということ。

どちらも “価値(preci)” が根っこで、もとは同じ語が枝分かれしたものです。値段をつけるのも、ほめるのも、「価値を認める」という一つの行為だった・・・そう考えると、両方がすっとつながります。

ap/ac/at・・・(ad=〜へ)でつながる単語ネットワーク

もう一つ、なぜ ad ではなく app なのか。ad(〜へ)は、次に来る音にくっついて形を変えるクセがあります。これを知っておくと、appreciate の頭が納得できます。

単語分解意味
appreciatead+preci価値へ向かう
appointad+point指し示す→任命する
approvead+proveよいと認める
applyad+ply折り重ねる→適用する
acceptad+cept受け取る
attachad+tachくっつける

「次の音に合わせて変身する ad」がわかると、app・acc・att・・・が全部「〜へ(ad)」の変身形だと見抜けます。appreciate は、その一例です。

派生語|appreciate まわり

単語品詞意味発音
appreciate動詞価値を認める、感謝する、値上がりするアプリーシエイト /əˈpriːʃieɪt/
appreciation名詞感謝、評価、(価値の)上昇アプリーシエイション /əˌpriːʃiˈeɪʃn/
appreciative形容詞感謝している、高く評価しているアプリーシアティブ /əˈpriːʃətɪv/
appreciable形容詞目に見えてわかるほどのアプリーシャブル /əˈpriːʃəbl/
depreciate動詞価値を下げる、減価償却するディプリーシエイト /dɪˈpriːʃieɪt/
depreciation名詞価値の減少、減価償却ディプリーシエイション /dɪˌpriːʃiˈeɪʃn/

TOEIC・英検での出題傾向

appreciate は、メールでも会話でも超頻出の実用語です。TOEIC では I would appreciate it if…(ていねいな依頼)、We appreciate your business./your patience.(感謝の定型)がよく出ます。会計まわりでは depreciation(減価償却)も登場します。英検は準2級〜2級で、「感謝する・価値を認める」の意味を押さえておけば十分に対応できます。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. I really appreciate your help.
  2. You will appreciate this day more as the years pass.
  3. We often appreciate things only after we lose them.
  4. She appreciates every small kindness she receives.
  5. Take a moment to appreciate how far you have come.
  6. He slowly learned to appreciate quiet mornings.
  7. Learn to appreciate the people who help you quietly.
  8. Someday you will appreciate the ones who stayed by your side.
  9. A house may appreciate in value, but a home holds something more.
  10. What you appreciate, appreciates.

語源メモ|「価値をつける」から始まった言葉

appreciate は、後期ラテン語 appretiare に由来します。分けると ad(〜へ)pretium(価値・価格)

「価値をつける・価値を見積もる」が原義で、フランス語を経て英語に入りました。「値上がりする」の意味は1787年ごろ、「よさが十分にわかる」の意味は1833年ごろに加わった、比較的あとの広がりです。

覚えておくと得なのが、真ん中の preci/pret(pretium)。これは price・precious・praise・prize・appraise・depreciate に共通する「価値」の核です。とくに praise・price・prize は、もとは同じ語が枝分かれしたもの。

appraise の綴りも、途中で praise の影響を受けて今の形になりました。見た目はバラバラでも、全員”価値”の家族です。

なお、冒頭の「app=up」はあくまで記憶用のフックで、語源としては ad(〜へ)+pretium(価値)が正解です。up とは別ルート。とはいえ appreciate に「値上がりする」意味が実在するぶん、”価値がUP” のイメージはよく効きます。

まとめ

appreciate は、ap(ad=〜へ)+ preci(pretium=価値)+ ate で「価値を認める」。そこから「評価する」「感謝する」「値上がりする」へ広がります。

  • app → up・・・「価値がUPする」の入り口フック
  • preci(pretium)・・・価値。price/precious/praise/prize/appraise/depreciate の芯
  • 対義は depreciate・・・de(下へ)=価値がDOWN

価値に気づいて、認める。appreciate は、そういう”まなざし”の言葉です。

appreciate の語源ワードマップ。中心は appreciate(=価値を認める)で、ap(ad=〜へ)+preci(pretium=価値)+ate に分解。覚え方フック(app→up=価値がUP)、preci(価値)一族(price / precious / praise / prize / appraise / depreciate)、ad(〜へ)一族(appoint / approve / apply / accept / attach)の各クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:ap(ad=〜へ)+ preci(pretium=価値)+ ate =「価値を認める」
  • 覚え方フック:app → up(価値がUP)
  • preci(価値)一族:price/precious/praise/prize/appraise/depreciate
  • ad(〜へ)一族:appoint/approve/apply/accept/attach

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翻訳練習の解答

  1. 私は、あなたの助けに本当に感謝している。
  2. この日のことを、年を重ねるほど、あなたはもっと大切に思うようになる。
  3. 私たちは、失って初めて物事のありがたみに気づくことが多い。
  4. 彼女は、受け取った小さな親切のひとつひとつに感謝している。
  5. 少し立ち止まって、自分がどれだけ歩んできたかを味わってみよう。
  6. 彼は少しずつ、静かな朝のよさがわかるようになった。
  7. あなたを陰で支えてくれる人たちを、大切に思えるようになろう。
  8. いつか、あなたのそばに居続けてくれた人たちのありがたさに気づく日が来る。
  9. 家は値上がりすることもある。でも”帰る場所”には、それ以上のものが宿っている。
  10. あなたが価値を認めたものは、その価値を増していく。(前の appreciate は「価値を認める・感謝する」、後ろは「価値が上がる」。同じ語の二つの意味を重ねた一文です)
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